怪人(金田一少年の事件簿)

登録日:2015/01/29(木) 02:49:37
更新日:2025/04/11 Fri 15:08:40
所要時間:約 19 分で読めます





漫画金田一少年の事件簿』に登場する怪人とは、事件の真犯人の代名詞である。劇中で正体不明の真犯人に対する便宜上の呼称として用いられる。


【概要】

長編となる事件にはほぼ毎回、いわゆる「怪人名」が登場し、登場人物の中で誰がその怪人なのかを当てるのが読者の醍醐味となっている。
基本は犯人自身がそう名乗るケースと、登場人物から呼称される形で定着するものの2パターンがある。
怪人の由来はほとんどが事件が起こる地に伝わる伝承や噂によるところが大きいが、中には怪人の風貌をした謎の登場人物が紛れていることもある。

たまに短編でも「怪人」が登場することがある。

《犯人たちの事件簿》

長編における彼らを主人公に据えたスピンオフ作品、『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』がマガジンポケットにて連載。
内容はトリック等はしっかり原作に沿ってはいるが、本編で悲劇的な背景を背負って事件を起こしていった彼らの舞台裏とも言うべき部分をギャグ風味に描いている為、いささかキャラ崩壊気味と言えるかもしれない。
(そして言うまでもないが、その作品を読んだことがない人達にとっては、この作品そのものがとんでもないネタバレなので、もしこの作品に興味がある人は是非とも元の作品を読むか、あるいはアニメやドラマを見るかしてから読むといいだろう。)

犯行時の彼等の苦悩とギャグは終わらないー。







※当然ですが、ネタバレ注意。


【怪人一覧】

■第一期

■Fileシリーズ

歌月(かげつ)/ファントム ― オペラ座館殺人事件

演劇「オペラ座の怪人」に登場する仮面の男。
「歌月」とは覆面をした謎の宿泊客で、事件が起きると同時に姿を消した。
かつて自殺した演劇部員・月島冬子の亡霊が「ファントム」となり、自身を死に追いやった人間に復讐に来たと考えられた。
正体は{有森裕二/神矢修一郎(アニメ版)


・七人目のミイラ/五人目のミイラ(ドラマ版) ― 異人館村殺人事件
青森県の山中にある六角村には6つの館と教会が並び、各館には体の一部が切り取られたミイラが一体ずつ安置されていた。
ミイラは館の主たちが7人の少女を殺した“罪の証”。だが一人だけ生きのびた者がいた。
ちなみに某ミステリ作家をブチ切れさせた本事件だが、そのトリックは別の人物の手によるもので、殺人事件のトリックでもない。


・雪夜叉 ― 雪夜叉伝説殺人事件
その昔、身売りされた女が赤ん坊と共に逃げ出し、北海道の背氷村に戻ってきた。
女は助けを求めたが、人買いの仕返しを恐れた村人や家族は彼女を家に入れることはなかった。
やがて赤ん坊は死に、女は呪いの言葉を残して吹雪の中へ消えたという。
以来、酷い吹雪の日になると、夜叉に姿を変えた女が村人を斧で殺しに来るという伝説が生まれた。
正体は綾辻真理奈


・放課後の魔術師 ― 学園七不思議殺人事件
戦時中、猟奇的な人体実験を行い、異常者として処刑された神保博士のなれの果てといわれる。
不動高校に伝わる「七不思議」の全てを知った人間を殺しに来ると噂された。


・招かれざる客 ― 秘宝島殺人事件
九州地方のとある島・悲報島には、推定20億を超える財宝が眠っているという。
島のオーナーである美作は、その財宝を見つけてもらうべく6人の人間を招待した。
しかし、実際に島に集まった人間は7人。
招待状を受け取っていない7人目の「招かれざる客」が、次々とトレジャーハンターを殺害していく。
正体は美作碧(本名:佐伯舩一郎)


ジェイソン ― 悲恋湖伝説殺人事件
10年前、埼玉県S村で13人の人間を惨殺し、その顔を斧で潰したといわれている猟奇殺人犯・ジェイソン。
そのジェイソンが長野の刑務所を脱獄し、悲恋湖を臨むリゾート地に潜伏した。
ホッケーマスクを被り、手にしたで宿泊客を次々と殺していく。


・赤髭のサンタクロース/冥界の道化師(ドラマ版) ― 異人館ホテル殺人事件
かつて函館の異人館ホテルに宿泊していたという奇妙な客。
部屋を赤一色に塗り替え、自身の服や髪、髭までも赤一色に染め上げていた。
10年間部屋を貸し切って暮らしていたが、一年前に失踪し、死亡したといわれている。
正体は不破鳴美/兵藤鳴美(本名:北見蓮子/文月蓮子)


・地獄の子守唄 ― 首吊り学園殺人事件
名門予備校・四ノ倉学園に伝わる怪談の一つ。
50年前に戦犯収容所であった頃、戦犯が集団首吊りをした時から、首吊り自殺が多発する地となってしまった。
現在でも首吊りは続いており、現場には常に子守唄が流れているという。
正体は浅野遙子/小野弓子(ドラマ版)


・首狩り武者/呪い武者(アニメ版) ― 飛騨からくり屋敷殺人事件
その昔、柊兼春と呼ばれる武将が関ヶ原の戦いに敗れた落ち武者として、奥飛騨のくちなし村に流れ着いた。
しかし保身を図る部下の手により殺され、恨みの言葉を残して息絶えた。
その後、村の住人となった部下が次々と首なし死体で見つかり、人々は祟りを恐れて生首神社を立てて祀った。
兼春を殺した張本人である巽家の子孫に、「首狩り武者」の名で脅迫状が届く。


・見えざる敵/見えない敵(アニメ版) ― 金田一少年の殺人
ノンフィクション作家・橘五柳殺害の現場には、彼の部屋へ向かった一の足跡しか残されていなかった。
犯人は足跡を残すことなく橘を殺害し、また足跡を残すことなく立ち去ったのである。
姿なき「敵」は全ての罪を一に着せ、彼の向かう先々で次々と標的を手にかけていく。
正体は都築哲雄


・陰の脅迫者 ― タロット山荘殺人事件
実は、上記の人物は脅迫され、黒幕である「陰の脅迫者」に以降の殺人を強制されていた。
怪人名はタロットカード「隠者」に見立てて一に名づけられた。
正体は小城拓也


・Mr.レッドラム ― 蝋人形城殺人事件
中世ドイツの城をモチーフとした「バルト城」の主人。
探偵や推理作家、犯罪心理学者などを集め、「ミステリーナイト」を計画した。
不気味なアナウンスで参加者にクイズを出題し、同時に連続殺人を繰り広げる。
「REDRUM」=「MURDER」の名の通り…*1
正体は多岐川かほる


もう一人の 怪盗紳士 ― 怪盗紳士の殺人
美術品と、そのモチーフとなったものを盗む神出鬼没な怪盗
「家族でなければわからない」精巧なメイクで、鮮やかに「仕事」をこなす。
しかし、今回の事件で殺人を犯したのは、「怪盗紳士」の名をかたる「もう一人の怪盗紳士」だった。
正体は和泉さくら


・亡霊兵士/生き残り兵士(ドラマ版) ― 墓場島殺人事件
絶海の無人島・墓場島で、戦時中激しい戦闘を繰り広げたと言われている旧日本軍の兵士。
部隊は玉砕し全滅したとされていたが、唯一生き残った兵士が今も島に潜み、「戦争」を続けている。



・地獄の傀儡師 ― 魔術列車殺人事件
フードを被り仮面をした道化師風の男。
「血のように赤いバラをどうぞ」が決め台詞で、マジックの達人でもある。
「幻想魔術団」に紛れ込んでいたが、その裏では警視庁にねじれたマリオネットを送り付け、魔術列車を舞台にした殺人マジックショーへ招待していた。


・不死蝶 ― 黒死蝶殺人事件
その昔、とある夫婦の女房に目を付けた庄屋の息子が、夫を殺して彼女を横取りした。
やがて彼女は3人の娘をもうけたが、娘たちが適齢期になる頃に共に自殺
4頭の黒死蝶となって村を飛び回り、村人は疫病にかかって次々と死んでいった。
そんな死を呼ぶ黒死蝶が集まる斑目邸に、地獄から甦りし死の翅をもつ「不死蝶」が現れる。
正体は小野寺将之(旧名:須賀徹)


・葬送銀貨 ― 仏蘭西銀貨殺人事件
死と結婚が密接なものと考えられているフランスでは、死者に婚礼の衣服を着せて埋葬する風習があるという。
その衣服の胸元に置かれる特徴的な銀貨が葬送銀貨であり、いわば死者のための死に装束ということになる。
怪人はターゲットの死に装束をあつらえた上で、高森ますみを脅迫して、自分の代わりに次々と殺人を犯させた。
正体は鳥丸奈緒子


凶鳥ノ命(マガドリノミコト) ― 魔神遺跡殺人事件

出雲の磨陣村の宗像家で祀られている神。
「3つの戒め」を守らなければ、三種の神器を以て災いをなすと言われている。
その名の通り、禍々しい鳥のような姿をしている。
正体は村西弥生

{・道化人形/影法師(ドラマ版)(速水玲香誘拐殺人事件)
速水玲香と安岡保之を攫った誘拐犯。
道化師の格好をしており、ボイスチェンジャーで喋る。
言動から愉快犯のようにも見えるが潔癖症らしく、安岡に毎日髭を剃ることを強要した。
ドラマ版では全身を黒いフードと手袋で隠した姿となっている。
正体は安岡真奈美


■Caseシリーズ

ケルベロス ― 魔犬の森の殺人
昔、山梨のとある研究所で生み出されたといわれる、ライオン程もある巨大な
今では研究所は廃墟となったが、その怪物犬は今でもそこに棲みついていると噂される。
研究所へと入り込んだ人間を、地獄の番犬さながらに惨殺するという。
正体は千家貴司/千堂恭子(ドラマ版)


・スコーピオン ― 銀幕の殺人鬼
不動芸術高校の映画研究部がかつて作ったホラー映画「サソリ座の惨劇」に登場する人物。
映画の中の殺人鬼「スコーピオン」が、スクリーンを抜け出し次々と殺人を犯していく。
映研部の予告映画に突如現れ、死の予告を残した。
正体は遊佐チエミ


・白髪鬼 ― 天草財宝伝説殺人事件
天草に眠るデウスの宝を守っていると噂される怪人。
真っ白な白髪を持ち、胸には十字架をつけ、宝を見つけようとする者の命を狙う。
その正体はいつきたちの仲間で、落盤事故で死亡した竜崎三郎の亡霊ともいわれる。
正体は和田守男


指揮者(コンダクター) ― 露西亜人形殺人事件
露西亜館に安置された5体の人形を指揮する「指揮者」。
「楽団は朝礼で前から順に首を狩られた」の言葉通り、次々と楽団メンバーの首を切り落としていく。


・MONSTER ― 怪奇サーカスの殺人
サーカス団「ゴブリンサーカス」にかつて所属していた団員の舞台名。
異常なほどの巨躯と怪力を誇っていたが、ある日ショーの練習中の事故で行方不明となる。
それから一年後、自らを事故に見せかけ殺そうとしたサーカス団の人間に復讐するべく再来する。
正体は小椋顕人、小椋乃絵留
なお犯人ではないが、実は本物のモンスターも生存していた。ちなみに正体(と言うか本名)は石川隆


巌窟王 ― 金田一少年の決死行
10年以上もの間、香港の某所にある光の差さない暗い洞窟の中に閉じ込められ続けた人間。
地獄の傀儡師により救出され、自分を酷い目に遭わせた人間に復讐することを誓い、現代の岩窟王となる。
地獄の傀儡師の指示で一に疑いがかかるような状況で次々と標的を手にかけていく。
正体は周龍道(本名:狩谷純)


■短編

聖なる復讐者(セイント・リベンジャー) ― 聖なる夜の殺人
クリスマスの夜に現れる復讐者。
何故カタカナ読みするのかは謎
正体は秋吉梢


花子さん ― 亡霊学校殺人事件
8年前、廃校となった校舎に伝わる怪談。
トイレの一番奥の個室を開けると、花子さんに赤いちゃんちゃんこを着せられて殺されるといわれる。
正体は鳴沢研太


・ホームズの孫 ― 瞬間消失の謎
文化祭の準備に勤しむ美雪の元に、一と思われる人物の事を侮蔑し、挑戦する様な内容の手紙を送る。
その後一瞬の停電の隙にホームズ全集を瞬間消失させる。
正体は京谷雅彦


・テロリスト?*2 ― 高度1万メートルの殺人
『錬金術殺人事件』の後、羽田行きの飛行機「JAM377便」に乗る一達。
しかし、この飛行機に「テロ予告」らしきものが届いたということ知る。
そして機長の志田が殺されてしまうのであった。


・魔弾の射手 ― 殺意の四重奏
悪魔の弾丸を射る狩人。
ドイツの作曲家・ウェーバーにより作られた傑作オペラに登場する。
7発の弾丸のうち6発は命中するが、最後の1発は自らを殺める死の弾丸となる。
正体は石山征爾


・幽霊剣士 ― 幽霊剣士殺人事件
大学のフェンシングの強化合宿でその昔、練習中に何者かに刺殺された学生がいた。
それ以来、殺された学生が幽霊となって現れ、恨みを晴らすために人を殺すと噂される。
正体は宇佐美乙也


・ゴースト ― 幽霊ホテル殺人事件
5年前の火災で多数の死者を出し、幽霊の巣窟となっていると噂される、ロサンゼルスにある曰くつきのホテル。
日本人少年が命を落とした部屋で発見された死体は次の瞬間には忽然と姿を消していた。
消えた死体はただの幽霊だったのだろうか…。
正体はボブ・デイヴィス


■ノベルス

・ファントム ― オペラ座館・新たなる殺人
「オペラ座の怪人」に登場する悲劇の悪・ファントムが再び登場。
正体は能条光三郎


幽霊船長(ゴースト・キャプテン) ― 幽霊客船殺人事件
船内にはたった今まで人がいた形跡があるのに、誰も乗っていない幽霊客船。
その状況と同じく、豪華客船の乗組員を次々と消していく、幽霊船の船長。
正体は香取洋子


・トロイの木馬 ― 電脳山荘殺人事件
コンピュータウイルスの俗称で、無害を装い標的の懐へ侵入しシステムを破壊する。
吹雪で閉ざされた山荘を舞台に殺人ゲームを企画し、シナリオ通りに殺人を行う。
正体はアガサ(本名:琢磨ゆり)


・午前零時の悪霊 ― 鬼火島殺人事件
房総沖にある小島・不知火島にある、かつてサナトリウムだった建物の一室。
午前零時に鍵穴からその中の見ると、窓の外に鬼火が飛び交う中、人間が首を吊っていた。
しかし、改めて開けてみると死体も鬼火も存在せず、全ては勘違いだったということで片づけられた。
だがその翌日、鍵穴から中を覗いた人物が、死体で発見された……。

・魚人 ― 上海魚人伝説殺人事件
上海のとある中国雑技団に「魚人」に扮する凄腕の団員がいた。
しかし、その「魚人」ぶりは周囲の人間に拒絶され、ついには自分の居場所である雑技団を追われてしまう。
自分を陥れた人間に復讐を誓った「魚人」は、雑技団に呪いをかけ自らの頭を撃ち抜き、海へと沈んだ。
死体も凶器も見つからず、人々は彼女が本当に「魚人」となって、復讐に来ることを恐れた。
正体は楊麗俐(本名:小林千恵)


・キング・シーサー ― 殺戮のディープブルー
インターネット上のオンラインゲームで君臨する神の如き存在。
自らを支持する人間を手足となるテロリストに仕立て上げ、沖縄のリゾートホテルを舞台にした大規模なテロを引き起こす。


■ノベルス短編

・共犯者X ― 共犯者X
机の落書きを利用し、交換殺人を持ちかける。だがそれは自らの手を汚さず標的を消すための卑劣な罠であった。
正体は男性教師/浜岡健一(アニメ版)


・殺人鬼“デモン” ― 迷い込んできた悪魔
雪山に逃げ込んだ指名手配中の殺人犯の俗称。奴は一達がいる山荘に紛れ込み、美雪の命を狙っていた…。
正体は恩田(本名:出門章一)


■金田一くんの冒険

・島姥 ― からす島の怪事件)
からす島に伝わる伝説の登場人物。
からす島を荒らしにきた人間をつかまえて殺し、喰べてしまうという。

・どくろ先生 ― どくろ桜の呪い
不動小学校に植えられた桜は花が咲くと、どくろの顔に見えることから『どくろ桜』と呼ばれている。
その木の下には、どくろ先生に食べられた生徒の骨が、埋まっているという。

■第二期

■長編

吸血鬼(ヴァンパイア) ― 吸血鬼伝説殺人事件
秋田県のとある村に伝わる伝説の怪人。
夜な夜な村を徘徊しては人を襲い、その血を吸い取るといわれている。
正体は湊青子


・ファントムの花嫁 ― オペラ座館・第三の殺人
演劇「オペラ座の怪人」ファントムを演じきった天才俳優。
舞台から降りても顔の火傷を仮面で隠し、クリスティーヌを追い求める「ファントム」であり続けた。
彼はやがて本物の怪人「ファントム」になり、殺人を重ねていく。
正体は湖月レオナ


・スパロウ ― 獄門塾殺人事件
童謡「マザーグース」の一篇に登場する殺し屋スズメ。
その羽を弓に番え、クックロビンを殺したように、極問塾の合宿所で次々と殺人を犯していく。
地獄の傀儡師に操られながら……。
正体は氏家貴之、濱秋子


・雪霊 ― 雪霊伝説殺人事件
かつて雪山で遭難し、命を落とした登山家の亡霊。
同じく雪山に迷い込んだ人間を、氷漬けにして殺すと噂される。
正体は黒沼繁樹
なお怪人とは別に本物の雪霊タカハシこと高橋もチラッと登場。こちらは怪人とは真逆に死してなお登山者の危機を救う勇敢な漢であった


・死刑執行人 ― 剣持警部の殺人
女子高生を拉致、拷問し、殺した挙句死体を遺棄した少年たち。
しかし彼らは「未成年だった」という理由で、大した刑罰も受けずに釈放された。
法で裁けない彼らを断罪するべく「死刑執行人」は当事者を次々と処刑していく。


・錬金術師 ― 錬金術殺人事件
かつて恋琴島に渡った孤独な研究者・絵碕蔵人のなれの果てといわれる。
研究所内を自由自在に行き来し、巨大なで人を殺して回る。
正体は神丘風馬


・ゲームマスター ― ゲームの館殺人事件
三角の覆面を被った謎の人物。
廃病院に拉致した参加者に、クリアできなければ死ぬという「恐怖の脱出ゲーム」を執り行う。
正体は麦林美佳(本名:菊川早苗)


■短編

・飛込プールの悪霊 ― 飛込プールの悪霊
昔、スイミングスクールで練習中の事故によって再起不能になった女の子がいた。
その女の子は、水を抜いたプールに飛込台のてっぺんから飛び込んで自殺したという。
以来、スイミングスクールで様々な怪現象が起こるようになる。
正体は潮美波留


■20周年

・ヒトクイ ― 人喰い研究所殺人事件
戦時中、青森のある研究所で研究員が次々と自殺するという現象が起こった。
人々はこの連続自殺を「ヒトクイ」と呼んで恐れた。
「ヒトクイ」は全員の命を食い尽くすまで終わらない。
なお、「ヒトクイ」は厳密には怪人の名前ではないため、解決編でも一は「ヒトクイを行った人物」と言っている。
正体は中神深志


・毒龍 ― 香港九龍財宝殺人事件
かつて香港で一大勢力を築いたマフィアが、政府と取引して手に入れたものがあった。
マフィアのボスは殺されたが、その「龍」は全てを焼き尽くすまでとまることはない。
誰も毒龍からは逃げられない。
正体は楊蘭


・ローゼンクロイツ ― 薔薇十字館殺人事件
地獄の傀儡師に挑戦状を叩き付けた謎の人物。
薔薇十字館の招待客に「薔薇」と「死体」を披露していく。
意味はドイツ語で「薔薇十字」。
正体は月読ジゼル(旧名:美咲ジゼル)詳細はリンク先へ


■R

・雪鬼 ― 雪鬼伝説殺人事件
東北のとある村で行われていた伝統行事で「なまはげ」の一種。
しかし50年ほど前の大晦日、この雪鬼の手によって村人がほとんど殺されてしまったという。
唯一助かった12歳の少女以外の人間は跡形もなく姿を消した。
人々はこう噂した。「村人は雪鬼に喰われてしまった」と。


・亡霊教頭 ― 亡霊校舎の殺人
伊豆沖のとある島の中学校で30年間教頭を勤め上げた人物。
彼はミイラとなって発見されたが直後に姿を消した。
以後30年間、彼はその島に眠る金塊を守り続けていると噂される。
正体は遠間もえぎ


・蟻地獄 ― 蟻地獄壕殺人事件
流砂が集まる場所で、獲物を待ち構える怪物。
一度ハマったものは二度と抜け出せず、蟻地獄のエサとなるのみである。
正体は舞谷かえで


・血吸い桜 ― 吸血桜殺人事件
「治水桜」と呼ばれる美しい桜が見られるとある名所で、その昔起こった猟奇殺人事件における伝説。
犯人の医師は自分の患者をバラバラにして桜の木の下に埋め、その血を吸わせて「血吸い桜」を作ろうとした。
医師は犯行の発覚と共に逃亡するが、桜はその後血を吸ったかのような真っ赤な花を咲かせたという。
正体は葉崎栞(本名:青桐夏美)


・祟り人形 ― 人形島殺人事件
伊豆沖の孤島・火吐潟島に、かつて首代胴玄という名の村長がいた。
彼は島が立て続けに災害に見舞われた際、自らを首、胴、下半身に分け、それぞれ海、山、畑に埋めさせた。
それ以降災害は収まり、島には平穏が訪れたが、島民は年に一度、島の人形供養祭に参加しなければならないとされた。
もしこの掟を破れば、首代胴玄が祟りをもたらし、祟られた者は彼と同じように首、胴、下半身のいずれかが欠損して死亡したといわれる。
正体は星坂花梨


・黒い悪霊 ― 黒霊ホテル殺人事件
箱根の黒陵ホテルで時折目撃されるという、全身真っ黒の幽霊。
悪霊が姿を現すと、何かしら良くないことが起こると噂されている。


・白蛇 ― 白蛇蔵殺人事件
江戸時代より続く老舗酒造メーカー、白神屋白蛇酒造が拠を構える白蛇村。
その昔、白蛇のお告げに従って掘り当てた清水を使い、酒造りを発展させてきた白神屋だが、
酒造りに邪心あれば白蛇が天罰を為すと畏れられた。
白神屋社長の前妻及び前々妻は、白蛇の祟りになぞらえたかのような、奇怪な死を遂げたと伝えられているが……。
正体は鷺森弦(本名:白神黄介)


セイレーン ― 聖恋島殺人事件
かつて人間魚雷の訓練所があった島、聖恋島。
戦後まもなくアメリカ軍に占領されるが、同じ頃から島の中で泣き声のような不気味な音が響き渡るようになる。
アメリカ兵達はその音を「海の亡霊・セイレーンの呪いの声」と噂し、
聞き続けると心が侵されて死ぬと言った。
嵐の中で現れ、大胆不敵にも一達の目の前で次々と人を襲い、死に追いやっていく……。
正体は伊豆丸険


・沖田総司 ― 金田一二三誘拐殺人事件
新撰組まつりが開かれる高幡不動。
新撰組の一番隊組長を勤めた剣士の名を騙り、一の従妹・二三を誘拐して警察に3000万円の大金を要求してきた。
受け渡し人には祭りの参加者で新撰組の剣士と同姓同名の人物を指定。そして彼らに複雑な電車の移動を要求して、次々と追手を振り切らせ、最後まで付いてきた一も脅迫して追手をなくしたところで受け渡し人の1人を突如殺害する。
正体は永倉新八


■37歳の事件簿

第4のファントム ― 歌島リゾート殺人事件
3代目ファントム出現から20年後の歌島に現れた4代目のファントム。
これまでのファントムとは違い場当たり的な犯行で、婚活ツアーの参加者達を次々と手にかけていく。


・碧血鬼 ― 函館異人館ホテル 新たなる殺人
箱館戦争で死んだ土方歳三ら旧幕府軍の兵士たちを祀った慰霊碑「碧血碑」。
「函館で箱館戦争を題材にしたイベントをやると祟られる」というジンクスが起きる時、碧の血の鬼・『碧血鬼』が出ると言う。


騒霊(ポルターガイスト) ― 騒霊館殺人事件
バブル期にスコットランドから移築され、開発会社倒産により廃屋と化した山奥の洋館「壮麗館」。
この館には「騒霊館」という俗称があり、館に棲む「騒霊」がポルターガイスト現象を起こすと言われている。


・殺人二十面相 ― 殺人二十面相
江戸川乱歩展に残されていた一枚の名刺カード。
そこには「怪人二十面相」ではなく「殺人二十面相」という文字が記載されていた。
最初は誤字だと思われていたが、内覧会当日に江戸川乱歩展の仕掛けを利用して次々と参加者を殺害していく。


・リアル人狼 ― 人狼ゲーム殺人事件
長野県飯山市の山奥にある閉鎖されたテーマパーク「ドイツの森・シュヴァルツ村」。
そこを舞台に人狼ゲームイベントが開催されるが、イベント中に本物の殺人事件が発生する。
参加者の中に紛れた「リアル人狼」は、ゲームに見立てて「村人」を次々と喰い殺していく。
正体は鬼屋敷剣


・首なしスキーヤー ― 首なしスキーヤー事件
北海道にある緋尻島のアルプスで語られている、首のないスキーヤーが彷徨っているという怪談。
その始まりは行方不明になった女性スキーヤーの首だけが見つかった痛ましい事故が始まりだったとされている。
単なる噂話だった亡霊は、紅尻アルプスに足を踏み入れた許しがたき者の首を奪う悪霊となる。
正体は赤桐透


・へーパイストス
かつて「地獄の傀儡師」と呼ばれたゼウスに見初められた犯罪者『オリュンポス十二神』の一人。
監視者としての立場を貫いていたその人物は音羽ブラックPR社の関係者に成りすまし、金田一が事件に関わるように暗躍していた。
だが、同社にいた協力者が組織を裏切ろうとした為、口封じも兼ねた不可能犯罪をもって金田一に挑戦状を叩き付ける。
正体は内神田洋(本名:不明)


■30th

・八咫烏 ― 八咫烏村殺人事件
和歌山県・熊野にある八咫烏村では、戦国時代にある武将が欲を出した村人達に隠し持つ財宝目当てに殺される事件が発生する。
裏切った村人達は八咫烏によって成敗され、その亡骸は鳥葬にされるが、河原に亡骸の首だけが並ぶという伝説が残っている。
だが、2週間後に湖の底に沈む八咫烏村で、伝説のごとく殺害された被害者達の首だけが現場に残されていた……。
正体は花鳥知不美


・墓獅子 ― 鬼戸・墓獅子伝説殺人事件
青森県の山奥に存在する鬼戸村で崇められている漆黒の獅子。死者の荒ぶる魂を鎮める神獣は怨念に怒り狂う魔物へと変貌し、死の舞をもって罪深き者を墓穴へと誘う。
正体は星宮つむぎ


■パパの事件簿

暗イ暗人(クライアント)
何人もの探偵に匿名希望で依頼をした、声・性別・年齢・依頼の内容すらも一切不明の名無しの権兵衛。
多額の報酬で金田一を含めた探偵たちを集めた匿名の依頼人は暗い殺意を隠しながら、暗く光のない廃旅館を彷徨う怪人としての本性を現す。


■TVアニメ版(アニメオリジナルエピソード)

・死の天使 ― 聖バレンタインの殺人
バレンタインの夜、復讐のために現れ死をもたらす天使。
元ネタは「白い天使」である。
正体は二宮瑞穂


・嘆きの鬼 ― 嘆きの鬼伝説殺人事件
はるか昔、とある城に美しい女がいた。
彼女は子宝に恵まれず、ついには魔物に子を祈願するが、その行為が行き過ぎて魔物の怒りに触れてしまう。
狂気に走った彼女は井戸に身を投げ、数年後に発見されたときは鬼のミイラとなっていた。
その年、周囲では原因不明の疫病が流行り、大勢の人間が死んだという。
正体は辻口美奈子、江波勝彦


ヤマタノオロチ ― 出雲神話殺人事件
大昔の神話に登場する、8本首を持つ大蛇の化け物。
精霊たちにより封印され、彼らの末裔が現代にいたるまでその封印を守り続けている。
しかし、一方で人間の心の闇に巣食い、人を狂気に走らせることもあった。
正体は坤田知代


■CDブック版

・御堂周一郎の亡霊*4 ― 悪魔組曲殺人事件
偉大な作曲家・御堂周一郎の亡霊とされる怪人。
石膏のようなマスクを着け、黒いフードを纏う。
アーチェリーの達人。
正体は紅亜里沙


・死神 ― 死神病院殺人事件
かつて医療ミスにより大量の死者を出した病院があった。
その病院には死神が棲みついており、鈴を鳴らすと誰かが死ぬと言われている。
正体は聖正景太郎/聖正映子(アニメ版)


■ゲーム作品

・復讐の歌姫、審判の使徒星見島 悲しみの復讐鬼
非業の死を遂げたある女性が自殺ではなく殺されたことを知り、殺人者となる道を選んだ2人の復讐鬼。
絶海の孤島を舞台に復讐を完遂できるかどうかはプレイヤー次第。
正体は桂木なお、阿佐桐卓也

・山童の死者悲報島・新たなる惨劇
財宝を巡って多くの血が流された悲報島に伝わる、宝を狙う者を八つ裂きにするという半獣人「山童」。
新たなオーナーの下でリゾート開発が進められる中、山童の使者を名乗る人物によって島は再び惨劇の舞台となる。
正体は葉月マユラ


・禍いのローレライ地獄遊園殺人事件
歌で人を惑わせると言われる妖精の名を騙った爆弾魔。
禍いのローレライが死の調べを奏でる時、「シェルパーク(SHELL PARK)」は血塗られた「地獄遊園地(HELL PARK)」へと変貌する。
正体は白石幸子(本名:左近雅)
実は「禍いのローレライ」は殺害された5人も含めた複数犯。そのため、厳密には真犯人の怪人名ではない


■パチンコ

吟遊詩人 ― 長崎十字架島事件
正体は美和絢也


■番外編

・死神マジシャン ― 高遠少年の事件簿
「死のマジックショー」を生きがいとするマジシャン。
人間を殺すと共に、その死体を使ったマジックを披露して人々を嘲笑う。


■マーダーミステリー

・怪盗刑事 ― 宝石盗難殺人事件
とあるオークション会場のリハーサル中に事件を起こした怪人物。その目的及び素性は不明である。


・血染めのピーターパン ― 夢見島殺人事件
ピーターパンの物語を彷彿させる島「夢見島」に降り立った殺人鬼。その身を赤く染めながら、物語に準えて次々と事件を起こしていく。


・つらら姫 ― つらら姫殺人事件
東北岩手県にある「つらら村」で昔から語られている伝承。
単なるお伽噺に過ぎなかった伝承は、現実のものとなって人間たちに冷たい殺意を向ける。


・天狼 ― 天狼伝説殺人事件
とある島で人々から恐れられている伝説。
夜に嵐が吹き荒れる時、その狼は生け贄の血を求めて現れる。


■例外

以下は、登場人物が犯人を示す呼称として使ったものではないが、
ストーリーの設定や週刊誌版のアオリ文等で呼称されている怪人名。
厳密には「怪人名なし」として扱われる。
全員の共通点として、「一の友人」という点がある。

  • 邪宗門(邪宗館殺人事件。正体は常葉瑠璃子。)
  • 黒魔術の呪い(黒魔術殺人事件。正体は井沢研太郎。)
  • 白狐(狐火流し殺人事件。正体は神小路陸。)

また、

  • 雪影村殺人事件
    • 犯人は島津匠
  • 雷祭殺人事件
    • 犯人は朝木時雨
  • タワマンマダム殺人事件
    • 犯人は{姉小路牧子、九条美音子、園森紗英
  • 京都美人華道家殺人事件
  • 綾瀬連続殺人事件
    • 犯人は小美野悠人(本名:如月悠次)

に関してはアオリ文などでも怪人名の呼称がない。
長編シリーズで公式側が本編中のみならずアオリ文などでも怪人名を定めないのは少年時代はごく少数だったが、37歳時代になってからは増加傾向にある。


■スピンオフ

・剣持勇金田一少年の1泊2日小旅行
別に何か犯罪を行った訳ではない。
と、言うかただ単行本の巻末オマケの楽屋裏的ネタ漫画での「第1回怪人慰労会」に呼ばれ、参加していた。
そして、何故自分が参加していたのか疑問を持っていたが、逆に怪人たちは誰も疑問を持ってくれなかった。


【余談】

■怪人の動機

原作版の長編のみについて犯人たちの動機をまとめてみると復讐がダントツで多く35件(七人目のミイラや不死蝶や巌窟王など、純粋な復讐と呼べるかは微妙なものもいるが)。
中でも恋人のための復讐が13件を占める(ジェイソンは一応恋人にカウント)。
また血縁者では家族を複数まとめて失ったケースが8件(母親以外と直接の面識が無い七人目のミイラ、被害者が直接手を下した訳ではない死刑執行人と血吸い桜、綾瀬も一応カウント)、更に父親絡みのケースが7件となっている。
逆に兄弟姉妹のための復讐は意外と少なく、姉妹単独は長編では吸血鬼(異母姉)・ジェイソン・錬金術師・騒霊(いずれも妹)のみ、男兄弟単独にいたっては金田一シリーズ全体から見てもスコーピオン(兄)しかいない(複数を含めた場合、血吸い桜・綾瀬(いずれも兄と両親)、祟り人形(姉と姪)も該当する)。
ちなみに家族・恋人以外の人物のための復讐は、かつてはノベルスの午前零時の悪霊とアニオリの嘆きの鬼しかいなかったが(どちらも親友のための復讐)、最近はヒトクイ(上司)・亡霊教頭(恩師)など原作でも増加傾向にある。
復讐にプラスして別の動機(口封じ以外)も含まれているパターンは3件(いずれも形は違えど身近な人間を守るため)。

他の動機では、遺産相続がらみが4件(うち首狩り武者、白髪鬼、ゲームマスターは子供に遺産を相続させるためのもので、自己のために遺産を欲したのはコンダクターとなぜ暖炉は燃えていたのか?のみ)、特に同情されにくい過去の犯罪の隠蔽が4件(放課後の魔術師、赤髭のサンタクロース、見えざる敵、葬送銀貨)、自分を暴行した人物への報復が1件(道化人形)、結婚詐欺及び保険金殺人絡みが1件(4代目ファントム)、日頃の恨みが爆発が1件(タワマンマダム)、自分の出自を暴いた者への報復が1件(殺人二十面相)で最も珍しいパターンとなっている。
また、勘違い・誤解・すれ違いなどもある。
他のミステリーや現実世界ではよくある動機である「権力を握るため」「男女関係のもつれ」といった動機での殺人は、長編では今のところない。「会社を手に入れる」という動機では葬送銀貨が当てはまるかもしれない。


一方短編はあまり話を壮大に出来ないからか割と身勝手な動機や小さい動機が多い。
しかし中には長編に匹敵するような悲しい復讐もある。

最も同情されないであろう、いわゆる「快楽殺人鬼」はほとんどおらず、短編小説(殺人鬼“デモン”)とスピンオフ(死神マジシャン)に1件ずつしかない。
(地獄の傀儡師に快楽殺人鬼の傾向はあるが、彼自身が引き起こした事件自体は復讐であり、自分が手を貸す相手も復讐に燃える人物ばかりである)
他には、犯罪組織を裏切ろうとした者への制裁&一への挑戦(ヘーパイストス)という特異な動機も1件ある。





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最終更新:2025年04月11日 15:08

*1 元ネタは映画『シャイニング

*2 怪人名は指定されていないため、仮称

*3 ついでに言うと劇場版のみ被害者のほうがクズを通り越して外道であるため彼の本性の酷さが薄れていたりする…

*4 ※ドラマ版のみ怪人名が設定

*5 ただし厳密に言うなら小説短編の「迷い込んできた悪魔」の出門章一(ニセ恩田)も霧島と同じような犯人ではあった。