ブロッカー軍団IV マシーンブラスター

登録日:2021/11/02 Tue 02:07:48
更新日:2024/04/09 Tue 22:30:39
所要時間:約 25 分で読めます






燃える正義の エレパス込めて

今だアタック! 円月回転

砕いてみせるぜ 悪の牙


ブロッカー軍団 マシーンブラスター



【概要】

『ブロッカー軍団IV マシーンブラスター』とは、日本アニメーションと葦プロダクションが共同制作したロボットアニメ
1976年7月5日から1977年3月28日までフジテレビ系列で全38話が放送された。
当時、世間の流行だった超能力ブームの要素を取り入れている。
また、主人公のロボットが合体もせずチームを組み戦うチームものの赴きが強い。
作風はタツノコアニメを連想させる部分もあり、モブに厳しいハードな描写が目立っている。

次回予告は天平以外にもマシーンブラスター隊のメンバーが務める。
中盤以降はモグール帝国の女帝ヘルクイーン5世とその妹ヘルサンドラも予告に加わっており、群像劇の赴きを強めている。

数々のオリジナルアニメで知られる葦プロにとって記念すべき処女作。
一作目からゴールデンタイムで放送できたのは、やはり「母と子のフジテレビ」世界名作劇場でお馴染み日本アニメーションの看板のおかげだろうか。

ちなみに主要スタッフの何人かが変名で参加*1している。



【あらすじ】

2億年もの間、地球の海底に潜んでいたモグール帝国がついに地上侵略を開始。
その圧倒的な科学力を前に、世界各国は成す術がなかった。

宇宙考古学者の北条博士からこの脅威を知らされた由利博士は、密かにマシーンブラスター隊を結成。
4体のロボット・ブロッカーを開発したが、操縦するのに優れたエレパス能力を持っていたのはロボクレスのパイロット・石田厳介だけだった。
しかし、ブロッカー軍団は4人揃わないと真の力を発揮しない。
このままモグールの好きにさせていいのかと歯噛みする厳介とユカだったが、彼らの怒りに応えるかのごとく他のメンバーが選抜される。
ビリー剣城、飛鳥天平、早見仁太の三名は半ば拉致される形でブロッカー軍団に任命される。
しかし、群れるのを嫌う天平だけは「俺は自分の好きなようにする。お前の命令は受けん!」と厳介に反発する。

かくして恐るべきモグールと戦うために選ばれた4人の若者たち。
いま、彼らに向かって運命の大嵐が大きなうねりを上げて吹き荒れようとしていた……。



【登場人物】

ブロッカー軍団/マシーンブラスター隊

地球征服に乗り出したモグール帝国の脅威を察知した北条博士の遺言を基に、防衛基地であるアストロ基地を設立。
アストロ基地のブリッジはアストロ母艦として発進可能で、緊急時に出撃。
トラクタービームで各マシーンブラスターを格納庫に収納。逃げ遅れた人々を収納することもある。
ミサイルと機銃を装備しているが、カイブッダー相手には苦戦することが多い。
さらに、周囲にプラズマバリアを展開しある程度は防御可能。
設備も充実しており、第36話ではサウナも設置されているのが確認されている。他にも「床屋に美容院、体育館、喫茶店、パブ、ダンスホール、パチンコ、麻雀、映画館それ以外にも……」と仁太が自慢げに言ってはいるが、詳細は不明。

メンバーは脳内に「ハンク器官」というものを持っており、エレパス能力はそこから発生する。
左腕には「B」のアルファベットが施されたブレスレット「テレシーバー」を装備。普段は通信機として使われるが、戦闘時には手裏剣として投擲することも可能。
号令は右拳を胸に当てながら言う「ウィーサー!」*2


飛鳥天平(声:安原義人)
この物語の主人公。
年齢18歳、物心ついた時から両親なし。恋人もなし。趣味もなし、強いて言うならケンカ。
手の付けられない暴れん坊だったため川崎の少年院に収監されていたが、拉致されるような形でマシーンブラスター隊にスカウトさせられる。
エレパス能力は四人の中でも群を抜いているが、性格は向こう見ずで喧嘩っ早い一匹狼。本編でのトラブルはだいたい天平の性格のせい。
その一方で子どもや動物に優しく、決して涙を見せない義侠心の持ち主。
強引に入らされたのを頭に来て基地から去ろうとするが、ユカに「臆病者! モグールと戦うのが怖くて逃げるのね!?」と言われ、ここで引き下がるのは男がすたると4号機ボスパルダーのパイロットとなる。
しかし、訓練をサボって川崎の少年院に勝手に戻ってきたのをモグールに知られてしまう。
自身の勝手な行動で親代わりの鬼舎監(略してオニカン)を死なせてしまったことをきっかけに自らの意志でモグールの戦いに挑み、暴れて暴れて暴れまくる。

実はモグール人の混血児で、科学者ノストラー最後の子孫でもある。
右腕に施されたBCG注射四つの丸のアザ(モグール人の鱗が露わになった証でもある)がその証で、長時間太陽光を浴びると疲労で倒れてしまうモグール人の特徴も受け継いでいる。
そのため、一度はモグールを憎悪するユカにサンレス銃を向けられた際には、生死の境をさまよったこともあった。

第24話では弟分の一人・サブ(声:小宮山清)のいる漁村で知り合った金庫破りの健(声:神谷明)の妹・ミユキを救うために地上げ屋・天丼組と戦う。しかも一話丸ごとロボもモグール帝国も出ないという展開はあまりにも有名。*3
EDではやや須田正巳チックな劇画調タッチだったが、後に修正されている。


早見仁太(声:つかせのりこ)
チーム最年少の10歳。川崎の少年院出身で天平を『兄ぃ』と呼び慕う。
彼も天平と共に拉致されるような形でマシーンブラスター隊にスカウトされ、3号機サンダイオーのパイロットになった。
浴衣と赤ふんどしと関西弁が特徴のムードメーカーで、極道ごっことウソ泣きが得意。
おもちゃの日本刀を得物にしており、子どもだてらに剣術にかけては天下一品だがその反面銃に関してはイマイチ。
戦闘でも天平に負けじと張り切りすぎてドジを踏むことも。

第9話では死んだと思われていた実の母*4が登場。北は北海道から南は九州まで仁太を探していた。
花園少年院の警備員から南マンションという場所に住んでいたことを聞くが、仁太が訪れる前日に母はそこを去っていた……。

主人公の弟分という要素は後番の『超合体魔術ロボ ギンガイザー』の南三太に通じるものがある。


石田厳介(声:玄田哲章)
マシーンブラスター隊のリーダーで北条博士の助手も務めていた。1号機ロボクレスのパイロット。
メンバーの中では唯一正規に選ばれたパイロットのため、モグール帝国から世界を守る使命は誰よりも強い。
その反面、頑固で融通が利かないのが欠点で、群れたり命令されるのを嫌う天平とはソリが合わずよく衝突する。

第12話では、国際防衛基地特別科学局の研究員である石田駿介を父に持つことを判明。
父は生前、マシーンブラスターを強化する科学式「メソッドXO-1」という理論を生み出していたが、没後は北条博士の妹にして厳介の母である石田夫人が悪用を防ぐためそれを守り通していた。
厳介と再会した際には病魔に蝕まれており、息子に「地球の平和を守るマシーンブラスターのリーダーとして父の遺志を継いでほしい」と遺言を託した後、その活躍を病室の窓際から眺めるがカイブッダー・テラーノドンの猛攻で燃え盛る国際病院と運命を共にする。後に遺されたのは母との想い出の写真だけであった……。
ユカに淡い恋心を抱いているが、第12話にて石田夫人と面会した時に彼女が生き別れの従妹と判明。以後、その心は兄心に近い形になる。

がっしりとした体格と角刈り、そして中の人のせいであろうが間違っても『超電磁マシーン ボルテスV』の剛大次郎ではない。
かといって、『宇宙大帝ゴッドシグマ』のキラケンでもなければ『宇宙戦士バルディオス』の北斗雷太でもない。
そんな彼だが、何気にマシーンブラスター隊の中では唯一次回予告のナレーションを担当していない


ビリー剣城(声:津嘉山正種)
冷静沈着な金髪碧眼のレーサー。
半ば誘拐に近い形でスカウトされたにも関わらず、モグールの脅威を理解し人類のために自ら2号機ブルシーザーのパイロットになる。
エレパス能力だけでなく身体能力や観察眼にも秀でており、熱くなりがちな天平のストッパーになることが多い。
13年前、バレリー沖の海難事故で父親と生き別れた過去を持っているが、結局父と再会することはなかった。

第29話では天平と共にモナコのヨーロッパ縦断レースに出場(ゼッケンナンバーは4)。「おやじさん」こと盲目のメカニック・マシンのジョーが整備した特注のスーパーカーを乗りこなす唯一の存在として描かれている。
モグールの乱入こそあれども、ビリーはトップを独走しジョーの悲願を達成させた。


由利元来博士(声:加藤精三)
モグール侵略を予見した北条博士のメモを基にブロッカー軍団を設立。
防衛基地であるアストロ基地の指令長官を務める。
その態度から冷徹に見られるが、強制的に天平らをモグールとの戦いに身を投じさせた事に苦悩する面もある。
第28話の大決戦でマシーンブラスターの資料を取りにいく最中で重傷を負い、車椅子を余儀なくされる。
名前の由来は当時人気の超能力者「ユリ・ゲラー」から。


北条ユカ(声:麻上洋子)
この物語のヒロインで、天平が初陣に向かわせたのも彼女の言葉がきっかけ。
一応、アストロ基地ではオペレーターを務めているが、勝ち気でエレパス能力がなくてもマシーンブラスターに乗ろうとする勇敢さを持っている。
宇宙考古学者の北条博士を父に持ち、両親をモグール人に殺されてからその無念を晴らすため父の親友である由利博士の助手となる。
第3話では天平ほどではないがモグール兵相手に立ち回る場面を見せる。
さらに、サンレス銃を武器に戦うが、天平の秘密を聞いてしまい銃を彼に向けてしまった。
しかし、彼の不器用な優しさと両親の顔を知らないその悲しみを知り、己の過ちを悔いて自身の憎しみを捨てる。


ピコット(声:小宮和枝)
ユカの弟分の困っしゃくれたミニロボットで、ブロッカー軍団のマスコット兼天平のお目付け役的存在。
頭部のアンテナでエレパスを探知し両足のジェットで空を飛び、両目からはかく乱光線を放つ。
半径5メーターの電磁カウンターが弱点で、それに反応すると動けなくなってしまう。
自動車やアストロマイティカーの運転もできるが、荒っぽいのが玉に瑕。
その子柄なロボット故か、仁太とはよきケンカ友達を務めている。
第4話では捕らえられた天平を救うため、ザンギャックを翻弄し大奮闘した。
第14話ではその人間っぽさが仇になり、ロボット呼ばわりされるのに嫌気がさして反抗に走り、アストロマイティカーを改造して一人で立ち向かったことも。
「〜だコット」が口癖。


大野安兵衛(声: 森山周一郎)
通称「カミソリの安」
国際防衛本部の大尉。見た目はただの禿頭のおじさんだが、実は秘密工作のプロフェッショナル。本人は大尉呼ばわりするよりは「『安』でいい」と称している。
ベテラン中のベテランたる彼の噂は少年院でも知れ渡っており、「風のごとく現れて風の如く去る。頭のキレはカミソリ並、007かカミソリ安か」と仁太もその噂にするほど。
その飄々としながらもはねっ返りの天平をハットで投げつけて手玉に取ったり、ユカの天平へ向けた密かな恋心を見抜くのは熟練たる所以か。
登場回は第16話と第36話と少なかったが、存在感は抜群。
ちなみに第36話ではカツラを被っていたため、再会した当初は天平も安さんと気付かなかった模様。
そんな彼はジイさん呼ばわりされるものの、これでも45歳である。


アンドリュー・ノートン(声:富山敬)
第35話ゲスト。
マシーンブラスター開発時、ボスパルダーのテストパイロットだった男。
オーストラリア空軍の名パイロットで、抜群の操縦テクニックを持っていたためボスパルダーのパイロットは彼をおいて他ならないと言われていた。
しかし、エレパス能力が基準値の50%以下だったため4人揃っても意味をなさないと絶望し消息を絶った。
第35話でモグール軍に身を売りカイブッダー・ヘルボックスのパイロットとなり、マシーンブラスターの各ブロッカー陣形を崩し続ける様を見せる。
モグールに実家もろとも両親を焼き殺され自暴自棄になったノートンは由利博士を逆恨みし、その怒りをサンレス銃に込め天平を戦闘不能に追いやった。
真実を知ったノートンはモグールに切り捨てられるが、ピコットに救われ改心。
ボスパルダーに操縦するが、結局エレパス能力の限界を超えられず墜落。密かに乗り込んでいた天平に操縦を交代しヘルボックスを撃破後、ノートン牧場へ帰るのだった。


モグール帝国

かつては火星と木星の小惑星の中にある第五惑星の住人だった。
しかし二億年前、隕石群の衝突で母星を失い生き延びたごく少数の宇宙人が地球に逃げ延び、エミリア大陸(後の日本)に移り住んだ。
しかし、太陽の光が苦手だったため、科学者ノストラーが開発したサンレスマスクという仮面を装着。
その海底の奥深く眠り、虎視眈々と地上制覇を狙っていた。
モグール本部の場所は不明だったが、第25話にて海のグランドキャニオンと言われるマレリン海溝に潜んでいると判明した。
同じモグール人である預言者ノストラーが残したノストラーメモを恐れている。

第28話では北極にて別の前線基地が登場。
ヘルクイーンの妹・ヘルサンドラを指導者に更なる運命の戦いを引き起こす。

合言葉は「ヘール・ヤッターレ!!」
両手を胸に交差した後深くしゃがみ込んで左足を上げ卜の字を作る様が妙にシュール。

ヘルクイーン5世(声:弥永和子)
モグールの支配者である女王で、流れる金髪と四ツ目のサンレスマスクが特徴。
その素顔は謎に包まれており、3000年に一度訪れる先祖の霊との交信の儀式「禊の日」にしかマスクを外さない。

孔雀の羽根を模した杖と懐に仕込んだ小型銃が武器。
性格は高慢にして非情で、目的の為なら子どもを八つ裂きにすることも厭わない。
その反面、一族に対する思いは強く、ヘルグライド初陣後に英気を養うよう休養を勧める面を見せている。
また、地上を汚染させずに手にすることを求めており、カイブッダーの原子力発電所の破壊を止めたり、水爆攻撃後にザンギャックに中和剤開発を命ずることも。

第25話にてモグールの先祖の声を受け強化。第26話でブロッカー軍団と一大決戦に挑むが、デンジャーポイントを解放したマシーンブラスターの前に敗北。
ゴロスキーにザンギャックを連れて逃げるように促した後、一筋の涙と共にモグール本部と運命を共にする。
海にはモグール本部の残骸と共に、ヘルクイーンの仮面が浮かんでいた……。


ゴロスキー(声:鎗田順吉)
戦斗指揮官を務める巨漢。
北条研究所を襲撃しユカの両親を殺したのも彼の仕業。
赤いマントと赤い角が典型的な脳筋タイプで、いささかドジを踏みやすい。
バカ呼ばわりされると激しく怒るため、ザンギャックとはそりが合わない。
ヘルクイーンに対する忠誠心は強く、死後はザンギャックとこれまでの諍いを水に流し共に心中して彼女の元へ行こうと誓うほどだった。
第28話からサンドラの部下に制止されてからは、彼女に従い共に再び地球征服に乗り出す。


ザンギャック(声:野本礼三)
戦斗参謀を務める小柄な科学者。
ゴロスキーと異なり青いマントが特徴。
カイブッダーの開発も彼が務めているが、上司のゴロスキーにチビ呼ばわりされるのを気にしている。
第8話ではモグール人の混血児であり憎むべきノストラーの子孫である天平の身体に目をつけ、興奮すると幻覚を引き起こす薬物を注入し仲間割れを引き起こした。


ヘルサンドラ(声:弥永和子)
第28話から登場するモグール帝国の王女。
ヘルクイーン5世の妹で、後半におけるメインキャラ的存在。
ゴロスキーらには幼い頃死亡したと伝えられていたが、それは「モグールは一人の女指導者しか即位できない」という掟のため。
生前にヘルクイーンから決戦の前日、部下に「もし私がこの世を去ろうとも地球征服の望みを捨ててはならぬ。我が妹サンドラを指導者と仰ぎモグール帝国を再興させよ」と密かに命じ、別の秘密基地で英気を養っていた。

ツタンカーメンにも似たサンレスマスクとビキニ姿が特徴で、背中に背負った剣が武器。ベッドで寝そべる時にも剣は外さない主義。なお剣はだいたいゴロスキーとザンギャックへの八つ当たりに使われる
性格は男勝りでじゃじゃ馬。それ故にモグールの威厳を気にせず前線に出ることが多いが、その中で天平と相まみえる内に奇妙な関係が生まれ……。
第34話でザンギャックに命じて再びエイグロスを造り上げ出陣するものの、アストロ基地に捕えられる。
その後、十字架にかけられ尋問にかけられる場面は厳介を除くマシーンブラスター隊も嫌悪感を示すほどだった。
その描写と天平との因縁から、今作真のヒロインといっても過言ではない。


モグール兵
河童の風貌をした戦闘兵ポジ
等身大戦ではケンカ慣れしている天平はおろか、非戦闘員であるユカのひっかき攻撃にも怯んでしまうほど弱い。
また、上司であるゴロスキーの無茶にも振り回されるそんな役どころでもある。
第25話ではハンク器官を移植された特殊部隊が登場。モグール版マシーンブラスターともいえるカイブッダー・ヘルジャイアントに乗り込み玉砕覚悟でマシーンブラスターに戦いを挑んだ。
第26話では特攻隊員が登場。ミサイルに紛れて特攻機に乗り込み命を賭してブロッカー基地に捨て身の特攻を仕掛けた。


チビスキー(声:肝付兼太
ゴロスキーの配下であるモグール兵。
その名の通り他のモグール兵より小さめな体形で、紫のタイツが特徴。
地獄要塞ヘルグライドを完成させ自身がヘルグライド艦長になるために、他の兵を虫けらのように殺すザンギャックの冷徹さに涙していた。
そこでゴロスキーは自らヘルグライド艦長になるためマシーンブラスター迎撃に向かい、自らの代わりに現場の見回りを命じる。
ゴロスキーが苦戦する中、チビスキーはカイブッダーの出撃をザンギャックに命じるが拒否される。
やむを得ずヘルクイーンに直訴しようとするものの、ヘルグライド艦長の座を狙うザンギャックは口封じのため地獄警察にチビスキーを袋叩きにして崖に突き落とさせる。。
辛うじてゴロスキーの失態を責め立てるヘルクイーンの前に息絶え絶えの状態で現れたチビスキーは、ザンギャックの野望とモグール勝利のために出撃したゴロスキーこそヘルグライド艦長に相応しいと伝え、息絶えるのであった。
全モグール兵は小さき身に見合わぬチビスキーのモグール魂を讃え、ゴロスキーをヘルグライド艦長に任命。ザンギャックはメカシステムの指令に当たることになった。


ゴライアス(声:たてかべ和也)
第37話・38話に登場するモグール兵。
その巨体の割に「臆病で、大飯食いの役立たず」(Byゴロスキー)だったが、総攻撃をかける前に処刑を免れ、以後彼女の側近として置かれることになる。
それ故か、ヘルシャークが爆破する前にヘルサンドラを救い出す男気を見せた。



【メカ・装備】



燃える正義の!


怒りを込めて!


世界の平和の!


盾となる!



マシーンブラスター!ここにあり!!


ブロッカー

モグールの地上征服を予知し、人類を守るために科学者ノストラーが残した科学方程式と北条博士の遺言をもとに由利博士が開発した四体のロボット。またの名をマシーンブラスター。
天平たちのエレパスで動き、多彩な武装と『ブロッカー陣形』というフォーメーションが最大の武器。
一体でも欠けるとその真価が発揮できない上に、活動できる時間も20分と制限されている。
第12話で「メソッドXO-1」を基に胴体部内のエレパス増幅装置が増強。それに伴いブロッカー陣形が強化された。

操縦する前に各自それぞれナンバリングされたコアメカ・フリーダムに搭乗し「セット・イン!」の掛け声で発進する。
それぞれの愛機の名を叫ぶことでヘルメットの側頭部が発光、頭部に変形し胴体にドッキング。
その後、「エレパス!」の掛け声*5と共に完全に起動する。
第12話ではヘルメット部からバイザーが施されるようになった。

エレパス伝達方式で最低限の操縦方式は四人の脳内に記憶されており、
いずれもバックル部にダイナモクラッシャー(ダイナモミサイルとも)を内蔵しており、両足部のノズルの噴射を利用して反撃にも使用する。


ロボクレス

厳介が操縦するブロッカー1号機。
青いボディに二本の角が特徴。
名前はギリシア神話の英雄「ヘラクレス」から。

  • クレフンドー
両腕部から四つの鎖付き分銅を射出し攻撃する。
第12話以降から分銅の先から電撃を放射するようになった。

  • クレスホーク
腰部に施された二振りの手斧
基本的に投擲することが多く、連結することも可能。
二度投擲する際は「ダブルトマホーク」と呼称される。ゲッターロボGじゃないよ
第12話では直撃後電撃が放射され、爆発と共にダメージを与えるようになった。

  • クレスパーク
頭部の角から破壊光線を発射する。


ブルシーザー

ビリーが操縦するブロッカー2号機。
緑のボディと両肩に施されたバルカン砲が特徴。
名前は古代ローマの王「ジュリアス・シーザー(現ユリウス・カエサル)」から。

  • ブルジックル
両腿部に施された
連結することで双頭刃に、交差することで十字手裏剣になる。
第12話から威力が増加。ヒット後に電撃が放出されるようになった。

  • ブルミサイル
頭部に内蔵された複数のミサイル

  • ブルスパーク
頭部のアンテナから破壊光線を発射する。

  • ショルダースピン
両肩に施された四門の銃口からバルカンを発射する。


サンダイオー

仁太が操縦するブロッカー3号機。
黒いボディに赤い顔と長い鼻が特徴。
名前はマケドニア王朝の王「アレキサンダー(現アレキサンドロス3世)」から。

  • スクリューブレード
両腕部からブレードを出してスクリューパンチを繰り出す。

  • トゲッターパンチ
拳から突き出たスパイクで敵を攻撃する。

  • サンダースピアー
両肩から小刀を射出し、双頭の槍にして投擲攻撃する。
場合によっては連結状態で出すこともある。
第6話ではエレパスを失い戦闘不能になったサンダイオーに代わり、ボスパルダーが使用。カイブッダー・スネーグラを真っ二つにした。
第12話からヒット後に電撃が放出されるようになった。

  • サンスパーク
頭部の角から発射する破壊光線。


ボスパルダー

天平が操縦するブロッカー4号機。
テンガロンハットにも似た頭部が特徴だが、ナンバリングは最後なのに何気に最初に作られたロボだったりする。
名前は古代ローマの剣闘士「スパルタクス」から。

  • パルダーチャック
両膝部に内蔵された二振りの鉄球
殴ってよし、投げてよし、連結してもよしと用途は自由。
第12話から威力が増加。ヒット後に電撃が放出されるようになった。

  • パルダービーム

  • ガトルスピン
両肩のバルカン砲で速射攻撃する。

  • マルチストーム
胸部からミサイル砲を展開し砲撃する。
六門になったり八門になったり、回によって発射数はランダム。

  • ロングアーム
腕を伸ばし敵を攻撃する。
第7話ではデコピンでモグール兵を倒し、火山に落とされそうになった仁太を救った。

  • ゴールドスパーク
全身を黄金色に発行させ、カイブッダーの拘束を振りほどく。


ブロッカー陣形

マシーンブラスター隊の必殺技ともいえる組体操フォーメーション
マシーンブラスター隊は単体ではモグールのカイブッダーを倒すことはできない。四体揃ってその真価が発揮される。
一応、三人だけでも発動可能だがすぐに陣形が崩れてしまう。
この技を繰り出しカイブッダーを倒すには、四体と四人の団結が必要なのだ。


円月回転

マシーンブラスターが初めて使用したブロッカー陣形。
各マシーンブラスターが互いの両脚を掴んで円月輪状に回転し、カイブッダーを切り刻む。
円状の陣営なら何でもよく、両手を組んでも発動可能。

第1話では厳介の命令に天平が反発。そこへカイブッダー・ガルドスに踏み潰されかけたサンダイオーの足をロボクレスが引っ張るものの追い打ちをかけられてしまう。そこへボスパルダーがロボクレスの足を掴み後方に放り投げるような形で跳び、偶然円月回転への体勢が完成する。
そこへ改めて厳介が指示を出して発動、ガルドスの撃破に成功した。

第12話から威力が強化され、燃え盛る炎を纏いカイブッダーを攻撃する。
第33話では円月回転の構えから水爆を積んだカイブッダー・デスドールを宇宙に投げ飛ばす芸当を見せた。


不動組み

第2話で披露したブロッカー陣形。
各マシーンブラスターがおしくらまんじゅうの応用で互いの背中を組み、そのまま高速回転して敵の攻撃をはじき返す。


一文字崩し

第3話で披露したブロッカー陣形。
ロボクレスを先頭に一列に並んだ後、分身を生成しカイブッダーを翻弄する。
第8話ではこの派生技として「幻影一文字崩し」を使用。
蜃気楼の如くカイブッダーの視界から消えた後、オクトバロンに突撃し大打撃を与えた。
第37話では横一列に手をつないだ後、竜巻を巻き起こしながらカイブッダー・ヘルシャークを粉砕した。


武者固め

第5話で披露したブロッカー陣形。
四体で十字状のやぐらを組んだ後、火の鳥のごとく輝いて突撃する。
早い話、科学忍法火の鳥。
強化後は突撃前に先端部からレーザーを放射している。


デンジャーポイント

第26話の大決戦にて明らかになった機能。
エネルギー計器盤を開いた後、赤いレバーが展開。それを力いっぱい引くことでマシーンブラスターの全身が燃え上がり、出力が一気に上昇する。
しかし、それはパイロットの生命に危険を及ぼす恐ろしい切り札でもあった。
死を覚悟でこの機能を作動させたマシーンブラスター隊は、武者固めの構えで火の鳥となりカイブッダーはおろか、ヘルグライドとモグール本部を一気に焼き尽くした。


アストロマイティカー

基本的にユカとピコットが運転する万能自動車で、二つの前輪と一つの後輪が特徴。
これだけで走れるか不安なデザインだが、後部のジェットエンジンで難なく走行できる。
それだけでもすごいが、機体下部のブースターを使うことで空を飛ぶことも可能。
一応、ミサイルを装備しているが戦闘力は高いとは言えない。
第35話で天平がユカと仁太と共にオーストラリアに移動するが、そこで挑発代わりにノートンが運転し天平に襲い掛かった。


サンレス破壊銃

北条博士の残したデータを基に生み出された小型光線銃。
その光線は普通の人間には効果がないが、モグール人の細胞を消滅させる恐ろしい威力を持つ。

第7話ではその威力を恐れたザンギャックの指揮の下、伸縮自在のカイブッダー・イカンダーに仁太を洗脳させて光線銃(ただしそれはもしものために天平がすり替えた水鉄砲)を強奪。
その責任を感じた仁太はひとりアストロ基地を離れ、死なばもろともとダイナマイトをくくりつけ恐山のアジトに向かった。



カイブッダー

モグール帝国が送り出す怪ロボットで、所謂「今週の怪人」枠。
巨大な動物を模したこのロボは世界防衛機構の戦力を赤子の如く捻り潰し、市民をことごとく蹂躙していく。
これに立ち向かえるのは、エレパス能力を持つマシーンブラスターしかいないのだ。


地獄要塞ヘルグライド

出撃は第11話から。
初代ヘルクイーンが第五惑星から地球に移住した際に乗ってきた宇宙船・ヘルグライドを模して造られた、巨大な竜にも似た地獄空母。
ザンギャックが持てる頭脳を注ぎ込んで取り付けたシュトルムドランク装置により、巨大な竜巻を発生。艦内に搭載されたカイブッダーの戦闘力を10倍に増幅させる能力を持つ。そのパワーはすさまじく、一度はマシーンブラスターの円月回転を封じ自爆するほどであった。


モグール小型円盤

エイにも似た円盤で、モグール兵が操縦。
二本のアンテナから破壊光線を発射する。




【余談】

2017年には『UFO戦士ダイアポロン』、『合身戦隊メカンダーロボ』、『超合体魔術ロボ ギンガイザー』と共に共にコラボプロジェクト『ミラクルロボットフォース』が始動。
それを記念してか4月〜6月にはTOKYO MXで再放送された。
さらに同時期には『銀河烈風バクシンガー』の放送も始まっており奇しくも地上波夕方の時間帯にマイナー通好みな昭和のロボットアニメが放送されているという状況……だったが、実際には『バクシンガー』はプロ野球の放送シーズンと被り野球中継で放送休止の事態になっていた……。
しかし、代わりに前作『銀河旋風ブライガー』の再放送が始まっていた。
しかも『マシーンブラスター』は16:00~16:30、『ブライガー』の再放送は17:00~17:30という近い放送時間帯で放送されていた。昭和ロボットアニメファンにとってはかなり夢のような(?)時間帯だったろう。


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最終更新:2024年04月09日 22:30

*1 キャラデザインの七戸洋之助氏=天野喜孝氏、松田豪氏=大河原邦夫氏など。

*2 由利博士からの指令を受けた時に「了解」の意味合いでこの返事をする。由来は「We(我々)+Yes,sir(了解)」からであろう。この号令は後番組の「ギンガイザー」に流用されている

*3 近年のロボットアニメ作品でもなかなか主役機体も出ず戦闘シーンも無い物もあるが、敵味方のロボも出ず、しかも敵組織もいないのは異例。いわゆる巨人の星のクリぼっち回と同じ「脱線回」であるが、かなり本筋から脱線しており、まるで別アニメのような展開である。ちなみに、特撮の方ではあるが『緊急指令10‐4・10‐10』では全くSF的な怪物とかも出ないで人間ドラマが繰り広げる回も複数あったりしている。

*4 後ろ姿で素顔は見えなかったが、和服が似合う寂しそうな背中の人だったとのこと。

*5 第9話では仁太が、第12話では厳介がこの台詞と共にエレシーバーを掲げフリーダムを呼び出している。