霊神(遊戯王OCG)

登録日:2014/05/07 (Wed) 21:50:00
更新日:2025/03/28 Fri 21:47:34
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霊神とは遊戯王オフィシャルカードゲームに登場したカテゴリーの1つ。

共通効果として
このカードは通常召喚できない
自分の墓地の〇〇属性のモンスターが5体存在する場合のみ特殊召喚できる。
と言う召喚ルール効果、
このカードが特殊召喚した時~~
と言う特殊召喚した時の誘発効果
このカードがフィールド上から離れた場合、次の自分のバトルフェイズをスキップする。
と言うデメリットを持つ。

そして共通のステータスとして
レベル8、攻撃力2800守備力2200
を持つカード群である。


【概要】

第8期RETURN OF THE DUELISTで登場したカードとして《地霊神グランソイル》が登場。
地属性メインのマドルチェを筆頭に、ヒロイック先史遺産のテーマの登場に合わせたカードの登場と言う事で、「プッシュしたいテーマの属性に合わせた霊神」が出るのではと言われる事になる*1

その予想は正しかったのか次弾「ABYSS RISING」で登場した、水精鱗と抜群のシナジーを見せる《氷霊神ムーラングレイス》。

更に後に炎星と共に「COSMO BLAZER」で登場した《炎霊神パイロレクス》。
征竜くじこと「LORD OF THE TACHYON GALAXY」で幻獣機やハーピィと登場した《風霊神ウィンドローズ》が登場した。

次にカードとしての固有効果として。
召喚条件が非常に重いカードな分リターンは大きなカードが揃い踏み。
何せ効果のモチーフとなるカードが
と、禁止・元禁止レベルの効果を得る事が出来るのだ。
征竜とは違ってお手軽とは行かない分リターンも大きなカードと言える。
ただしデメリットも大きなカードでもある、場を離れたらバトルフェイズをスキップするのは痛い。
ただしX素材にする手も存在するので踏み倒す手段がない訳ではない。


さてさて、では霊神たちの評価について。

基本的に《海皇の竜騎隊》で呼べる《氷霊神ムーラングレイス》以外はサーチが利かない最上級かつ召喚条件が重い。
何も考えずに投入すると腐る確率が高く、投入すべきかはよく検討する必要がある。

効果に関しては《氷霊神ムーラングレイス》《地霊神グランソイル》(エラッタ前)の評価は高かったが、それ以外は癖が強い。
特殊召喚条件も多くても少なくても駄目なので、墓地の調整が得意なデッキでないと採用は難しい。

各属性のサポートをこなす最上級、かつ固有効果が部分的にダブっているため征竜と比較されることもある。
召喚条件は似て非なるもので、固有効果の発動タイミングも「霊神=特殊召喚に成功した時に固有効果発動」「征竜=特殊召喚するか、手札コストを払って固有効果を発動するかの2択」なので、運用方法は全く異なる。
カオス天魔神のように競合し合う関係にはなく*2、単純比較は難しい。
「扱いやすさ」「汎用性」が征竜の圧勝なのは間違いないが


光属性の霊神と共に「霊神」をサポートする「エレメントセイバー」が登場。
今後は全体的により使いやすくなる…かも。


【個別解説】

  • 地霊神グランソイル
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の地属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

地属性の霊神、固有効果は死者蘇生
霊神で唯一1ターンの効果発動回数制限がない。
シンプルかつ使いやすい固有効果から登場した当時から派生デッキがいくつか生まれた。
【サイキック】【獣リクルーター】等、墓地調整が楽な地属性メインのデッキに
この《地霊神グランソイル》を投入発生したデッキも誕生する程。
海外では【サイキックソイル】というデッキが実績を残した。
2枚目の《巌征竜-レドックス》として征竜とも共存が楽と言う面も。
ちなみに《氷結界の虎王ドゥローレン》等セルフバウンスカードを使い無限蘇生からソリティアするコンボも。
……地属性でどうやって《氷結界の虎王ドゥローレン》かって? 君は《簡易融合》や《神海竜ギシルノドン》と言う手を知らないのか。

しかし、蘇生効果に回数制限がないのが災いし、《ファイアウォール・ドラゴン》や《サモン・ソーサレス》《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》と言ったLモンスターとの組み合わせで無限ループコンボがインフェルニティイグナイトで発見されてしまった。

流石に危険視されたのかとうとうエラッタが行われ、蘇生効果に1ターン1度の同名制限がついた。
これのおかげで霊神は1ターンの効果発動回数制限があるという共通性を得た、よかったねというか余計なお世話というかなんというか。
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の地属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。
※2018/1/1より適用


  • 氷霊神ムーラングレイス
特殊召喚・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の水属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合に発動する。
相手の手札をランダムに2枚捨てる。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れる時に適用する。
次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

水属性海竜族と言う海皇水精鱗】で使えと言わんばかりの効果を持つカード。
霊神の中で自身の種族を最も有効活用している。
固有効果は2ランダムハンデス、暗黒界等には滅法弱いがそれ以外にはかなり強力なディスアドバンテージを相手に与える。
元ネタと違いとも2枚ともランダムなので逆利用されにくい点も素晴らしい。
攻撃力も海皇のワンショット性能の高さと噛み合っており非常に優秀と言える。
恐らくかつて一番トーナメントシーンに登場したであろう霊神。
《瀑征竜-タイダル》ともシナジーが高いので、征竜登場以降にもトーナメントシーンで見受けられた。
また、海皇以外でも水属性は【魚類】や【ガエル】、ウンディーネ型の【ジェネクス】等墓地調整が用意に行えるテーマが多く、他の霊神よりも活躍の場は多い。
少し通常の構築から外れるが【リチュア】でも採用できなくもない。


  • 炎霊神パイロレクス
特殊召喚・効果モンスター
星8/炎属性/恐竜族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の炎属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、お互いのプレイヤーはそのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを受ける。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

炎属性の霊神、炎属性らしいバーン破壊効果を持つ。ただし元ネタの《破壊輪》と違い相手のモンスターのみかつ元々の攻撃力の半分だけバーン。
ガイウスよろしく自分を対象に大バーンは無理。
召喚条件を無視できる《究極進化薬》が存在するため、恐竜族デッキならセットで採用できる。
炎属性恐竜なので【ジュラック】と相性よさそうに見えるが、どちらかと言えば同じ種族属性がメインで墓地調整の楽な【エヴォル】の方が噛み合うカード。
後は《炎熱伝導場》で一気に条件が整う【ラヴァル】やにも好相性か。
ただラヴァルは墓地が越えすぎてもダメなので伝導場を使った直後じゃないと腐りやすいという微妙に噛み合わない面がある。

フィニッシャーに乏しい【ヴォルカニック】にもブラスターに並ぶアタッカーとして機能出来る。
総じて効果がオーバーキル気味になりやすいので火力の低いビートバーン系の補助が得意。
逆に墓地調整が得意でも【BK】や【炎星】とはそこまで相性が良くないか。


  • 風霊神ウィンドローズ
特殊召喚・効果モンスター
星8/風属性/鳥獣族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の風属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

見た目が完全に葉牡丹の目に優しくない鳥、風の霊神。
特殊召喚成功時の効果が派手かつかなり有能なカード。

風属性鳥獣は双方のサポートを無理無く積める上、
風は火力の低いカードが多いので霊神の火力は非常に有り難い……のだが
  • このパックには霊神より扱いやすい属性サポート征竜の収録
  • 大人気の征竜と《七星の宝刀》と同じスーパーレアのためハズレア扱いされ疎まれる
  • 霊神の中では一番イラストの人気が低く、葉牡丹、腐ったキャベツとも
  • 風属性は元々セット破壊が非常に得意なデッキが多いので、出したところで今一活躍の場がない
  • と言うか墓地に風が5体以上わざわざ溜め込むデッキが【ガスタ】ぐらいしかない
  • 止めにプッシュしたい【幻獣機】と全く噛み合わない
と、逆風ばかりである、南無。
なので一番人気が無い霊神と良く言われたり、効果は強いのに。
墓地調整が得意な風属性デッキが出れば評価が変わるかもしれない。
幸い征竜は投獄、徐々に風だけに追い風が吹いてきているか・・・?

…が、今度はモチーフとなった《ハーピィの羽根帚》が禁止解除されてしまった。
もっとも《大嵐》と引き換えなのでデッキに採用できる全体除去総数は変わってないが。
さらにさらに、環境の高速化に伴い、罠カード筆頭にセット系カードの採用率が大幅に低下。
ほぼ必須カードの時期もあった《大嵐》制限の時期とはうって違って、あの《ハーピィの羽根帚》ですらサイドに居座る事も多く、
登場当時では想像だにしない事態に。
なにより征竜の4角の内、よりによって「風属性」の征竜《嵐征竜-テンペスト》が復帰してしまった。
風だけに逆風しか吹かねえ。


でもよく考えたら、テンペストは固有効果含めてドラゴン族サポートとしての毛色が強く、役割は全然違う。
復帰しようが規制されようがこいつの評価に影響はないはずである。
………本当はずっと無風だったんじゃ


  • 光霊神フォスオラージュ
特殊召喚・効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の光属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

光属性の霊神。効果はシンプルにサンダーボルト。
直接攻撃が通しやすく、そのままフィニッシャーにしやすい。
光属性で墓地肥やしと言えば【ライトロード】という墓地肥やしの権化がいる。
ただ、《妖精伝姫-シラユキ》等で調整すれば召喚自体はそこまで難しくはないだろうが、ライトロードで使用する場合は《裁きの龍》のほうが早いかもしれない。
そもそも、フリーチェーンではない《サンダー・ボルト》というものが環境に噛み合ってない感が否めない。


  • 闇霊神オブルミラージュ
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の闇属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

闇属性の霊神。効果は《クリッター》同様のサーチだが、こっちは使用制限なし。
闇属性の墓地肥やし&墓地調整方法は非常に豊富だが、その分霊神であるコイツの性能が控えめになっている。
控えめといっても攻撃力1500以下の万能モンスターサーチ効果自体は間違いなく強く、環境の変化で手札のモンスターを生かす方法もかなり豊富になったので、光・風に比べれば遥かに強くなっている。
光・風は泣いていい。


【余談】

「ボチ〇〇5タイ」と言う呪文は闇や光にも存在する、光と闇は6枚以上でも出せるカードだが。
闇は《ダーク・クリエイター》、墓地の闇の蘇生を行える【闇属性】の切り札の一枚である。
光は《ライトレイ ディアボロス》と《ライトレイ ギア・フリード》の二枚、セットに対して滅法強い。
どれも霊神に劣らないカードである。

上記の光・闇用のカードたちを含め同属性5枚と言う厳しい条件に見合う墓地参照のカードは強力な効果に見合うロマンカードであろう。


ボチヤミサンタイ「墓地調整って難しいからな」
ボチライロ4シュルイ「手札で腐るリスクもあるしね」
ボチテンシゾク4マイ「切り札として召喚条件が重い方が見映えがするってモノだ」
ボチヒカリヤミジョガイ「征竜に負けず、各々、是非属性デッキの切り札としてがんばってくれ」
……座ってろお前らは。


この記事は自分の墓地の○属性モンスターが5体の場合のみ追記・修正できる。

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最終更新:2025年03月28日 21:47

*1 マドルチェと《地霊神グランソイル》の相性は最悪なのだが

*2 むしろ征竜がいれば墓地の枚数調整が容易なので、霊神にとっても征竜は有力なサポートになりうる。逆はともかく