キラフロル

登録日:2022/12/14 Wed 11:00:11
更新日:2025/04/28 Mon 00:56:52
所要時間:約 5 分で読めます





\フロシチウ!!/



危険を察知すると結晶の花びらを開いて
円錐形の体からビームを発射する。


毒エネルギーが結晶化した花びらは
テラスタルの宝石に似ていると最近判明した。

\キラシチウ!!/




出典:ポケットモンスター、79話『オーバー・ザ・トップ』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon




キラフロルは『ポケットモンスター』シリーズで登場するポケモンの一種である。

■データ

分類:こうせきポケモン
英語名: Glimmora
高さ:1.5m
重さ:45.0㎏
タマゴグループ:こうぶつ
性別比率:♂50♀50

タイプ:いわ /どく

特性:どくげしょう(物理技でダメージを受けると相手の足元にどくびしが散らばる。)
隠れ特性:ふしょく (はがねタイプやどくタイプもどく状態にすることができる。)

種族値
HP:83
攻撃:55
防御:90
特攻:130
特防:81
素早さ:86

合計:525

特攻+2

タイプ相性
  • 抜群(4倍) じめん
  • 抜群(2倍) みず/はがね/エスパー
  • いまひとつ(1/2) ノーマル/むし/ほのお/ひこう/フェアリー
  • いまひとつ(1/4) どく

キラーメがLv.35でキラフロルに進化


■概要

ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」にて初登場したキラーメの最終進化形。

透明な円錐形のカバーの奥に黄色い目という簡素な顔と、その周りに青・紫・水色の花弁のような外皮を持つ。
普段は蕾のように閉じているが、移動時や危険を察知した際には花弁を開いて花のような形状になる。
更に円錐形の体からビームを発射して応戦することが出来る。

この花弁は毒エネルギーが結晶化したものであり、更にはテラスタルの宝石に近い物質であることが最近の研究で判明した。

この結晶は進化前のキラーメにも見られ、進化後のキラフロルと見比べると花の種子を思わせる形状をしている。
普段は岩壁から栄養分を吸収しており、有事の際には猛毒の粉をばら撒いて身を守るという。

意外だが、こんな性別不明っぽい見た目でもちゃんと性別がある。
キタカミ図鑑の一枚絵からすると、親子あるいは進化前と進化後の群れを作って暮らしている様子。


■ゲームでのキラフロル

テラスタルと密接した関係があるという設定からか、その元となった結晶体が存在するエリアゼロの下層部には大量に生息している。

しかしエリアゼロの外ではめったに見かけるポケモンではなく、エリアゼロでキラフロルに襲われた際にネモ「トップのポケモン! 大穴にいるんだ!」「めずらしいポケモンいっぱいいるのかなー」と発言している。そしてルガルガンのドリルライナーでワンパンで沈める。

ネモの言う通り、エリアゼロの外では非常に珍しいポケモン……のはずだったのだが、キタカミの里にも生息している。

おとしものは「テラバースト」の技マシンを作るのに必須であり、さらに努力値はとくこう+2(1)なので、特攻の努力値稼ぎついでに集められる。

東3番エリアの物見塔北の洞くつ内の壁にLv25前後のキラーメがくっついていることがあり、比較的序盤からでも捕獲は可能。
ただし前述の通り「めったに見かけない」枠のため、そうぐうパワーが欲しいところ。

敵としては前述のように第1観測ユニットの前で主人公たちに襲い掛かってきた個体の他に、トップチャンピオンのオモダカのエースとして登場する。
…が、その特性は後述する『どくげしょう』であり、先発やクッションとしての運用に向く特性のため、
「ラストの切り札じゃなくて先発で出した方が良かったんじゃないのか」「初手ステロを撒くククイ博士を見習え」といったツッコミ多数。
仲間が倒れた数に応じて火力が上がる最後の一体に向く特性『そうだいしょう』のドドゲザンが途中で出てくる…なにこのポンコツ才女…
そのせいか、『藍の円盤』では切り札はドドゲザン(テラスタルひこう)に、キラフロルは先発に変更した。

ちなみに内部データには花びらを閉じた状態の戦闘モーションもあるのだが、この状態のキラフロルを戦闘させる手段がないため没データと化している。


■対戦でのキラフロル

まずステータス面において目につくのが特攻種族値、130ととても高い。これはゲンガーと同等の特殊攻撃力でアタッカーとして高水準な値。
いわタイプの中で、この数値はメガディアンシーに次ぐ二位。メガシンカなどの特殊な形態を除くと一番高い特攻の持ち主。

ちなみに進化前のキラーメの時点でもSVに出てくる純粋ないわタイプの中ではキラフロルに次ぐ特攻の持ち主だったりする*1

その他のステータスは攻撃を除いてバランスよく配分された種族値となっている。
ステータスの合計値もそこそこ高く、あまり使うことの無い攻撃力が低いため配分の効率も良好。

次にタイプ面を見ると、ウツロイドに続くいわ・どくタイプの複合となっている。
特にじめんタイプが四倍になってしまうが、弱点はいわタイプ単体より一つ減り、耐性も二つ増えている。
とはいえ、いわ+どくは攻撃面においても防御面においても微妙で優秀なタイプとは言い難い。

攻撃技に関しては、特殊攻撃技をメインに据えることになる。
まずメインとなるタイプ一致技に関しては「パワージェム」「メテオビーム(DLCで習得)」「ヘドロばくだん」「ヘドロウェーブ」と十分に揃っている。

サブウェポンとしては、いわ・どくタイプの両方が通らないはがねタイプに抜群となるじめん技の「だいちのちから」やキラフロルの4倍弱点となるじめんタイプに抜群となるくさ技「エナジーボール」を習得する。
その他「マジカルシャイン」や「ラスターカノン」なども備えている。タイプの範囲は狭いが最低限のタイプの補完は取れており十分に戦うことができる。
更に物理技だがダメージと共に自主退場できる「だいばくはつ」も覚えることが出来る。

とはいえ威力100を超える高火力な特殊技が発売当初はなく、素早さも並程度で高い特攻を強化する積み技もないため、エースアタッカーとして運用するにはやや物足りないといったところ。
しかし、追加コンテンツの藍の円盤で威力120のいわ特殊攻撃技「メテオビーム」をキラフロルが習得できるようになったため、アタッカーとしての適性が若干向上した。
「メテオビーム」は自身の特攻を1段階上げてから放つ攻撃技で技威力が物足りない+火力を上げる積み技を持たないキラフロルにとってかなり相性の良い技である、
しかし、発動までに1ターンの溜めが必要という欠点も抱えており、溜めターンをスキップする消耗品の「パワフルハーブ」前提となってしまうため欠点も大きい。

アタッカー向きのステータスを持つが、ステータスを活かせる攻撃技や火力を上げる汎用性の高い技を持たないため、アタッカーとしては考えると色々と惜しい点を持つポケモンである。


しかし、キラフロルが本領を発揮するのはサポートであり、それを支えるのが専用特性「どくげしょう」である。
なおサポート型が主流であるため、裏をかいたアタッカー型も良い意味で意表を突けるようになり、キラフロルの厄介さを一層際立たせている。
実際にアタッカー型として使用した構築が上位に食い込んでおり結果も出している。

まず専用特性の「どくげしょう」は物理攻撃を受けると相手フィールドに「どくびし」を設置するという効果になっている。
この状態で相手が交換して繰り出すポケモンは毒状態になってしまう。特にどくびしが2回設置されたときは相手を猛毒状態にしてしまう。

毒状態になると毎ターン最大HPの1/8ダメージを受け、さらに猛毒であればターンごとに1/16ずつ増えていく毒ダメージを相手は受けることになる。
耐久型のポケモンに対してスリップダメージを与えることで突破を楽にすることができる。

SV環境においてはヘイラッシャディンルーラウドボーンなど厄介な耐久ポケモンが増えたため毒の刺さりが良く、
一部のポケモンが素で「どくびし」を採用することもある中、キラフロルは物理攻撃を受けるだけでターンを無駄にせず「どくびし」をばら撒けるのである。

ただし、ひこうタイプ・どくタイプ・はがねタイプ・特性「ふゆう」を持つポケモンなどは毒状態にならない。特にどくタイプは場の「どくびし」を消滅させてしまう。
カイリューサーフゴーキョジオーンドオーなど、通らない相手も多いので注意したい。

ただし、逆説的に言えば相手の選出に圧力をかけることができ、特にキラフロルの初手適性の高さは相手の初手選出を歪めることになる。
物理技で攻撃するとどくびしが撒かれるため特殊ポケモンを先発にしよう、どくびしを無効にできるポケモンを多く出そうなど相手は考える事になるだろう。

サポート適性をより高める小技も揃っており、相手の交代したポケモンにダメージを与える「ステルスロック」に「まきびし」に、技としての「どくびし」も習得可能。

さらに専用技として相手の使用した「ステルスロック」などの設置技を解除しつつ相手に小ダメージを与えオマケに毒状態まで与える「キラースピン」を習得する。
おまけに全体攻撃でもあるため、ダブルバトルでのサポートに向いている。
ただし物理技なので特殊アタッカーのキラフロルではあまり火力が出ない。あくまでダメージはおまけのサポート技として使うことになる。

採用率の高いサポート技としては、相手の能力を下げつつダメージを与える「マッドショット」に
相手の攻撃を無効にしてターンを稼ぎスリップダメージを稼ぎつつ、直接攻撃であれば定数ダメージを相手に与える「ニードルガード」
一部の持ち物と相性が良く、特性の発動回数を増やせてターン稼ぎまでできる「こらえる」などを習得する。

とにかく場を整える技とばら撒いた毒のスリップダメージを活かすための技が揃っている。

素早さが中途半端なため使われることは少ないが、退場しつつ相手の能力を大幅にダウンさせる「おきみやげ」に
5ターンの間受ける物理ダメージを半減する「リフレクター」、5ターンの間受ける特殊ダメージを半減する「ひかりのかべ」などまで習得するサポートの鬼。

基本的には先発で場を整えるか、相手を強制的に交代させる「レッドカード」を持たせてクッションにするのがメイン。
キラフロルが場を散々に荒らして裏からエースが登場、もしくはエースを温存するためにキラフロルをクッションにして場を整えるのが仕事となる。

そしてもちろん、サポート運用と予想した相手の裏を書くアタッカー型としての運用も十分に可能。
「どくげしょう」は物理で殴られれば発動するのでサポートとして最低限の仕事もできるのである。

持ち物に関しては先発であれば、1ターンの行動保証ができる「きあいのタスキ」にじめんの4倍弱点をカバーする「ふうせん」
交換から攻撃を受けるクッションとして扱う場合は場をリセットしつつ、どくびしを踏ませる「レッドカード」
アタッカーであれば半端な火力を補う「パワフルハーブ」に、やはり半端な耐久を補う「とつげきチョッキ」などを持たせることになる。

総じてエースアタッカーとして運用してもそれなりに戦えるが、サポート特化か、強力なサポート能力も活かしたサブアタッカーとしての運用が向いたポケモンであるといえる。


なお夢特性は「ふしょく」
本来、はがねタイプやどくタイプは毒状態にならないのだが、この特性があればタイプを貫通して毒状態にすることができる。
残念ながら専用特性「どくげしょう」が強力で非常に影が薄い。これを活かす場合は耐久型としての運用がメインとなる。

どくタイプのポケモンが持つと毎ターンHPが回復する持ち物である「くろいヘドロ」を持たせつつ、
相手を猛毒状態にする技「どくどく」に特性「ふしょく」を乗せて撃つことになる。

あとは「てっぺき」や「とける」で自身の防御力を固めたり、「ニードルガード」や「みがわり」でターンを稼いでスリップダメージで相手を落とすことになる。
とはいえキラフロル自体は並より少し硬い程度のポケモンでしかないので、耐久型として扱うのはやや厳しいか。

特にキョジオーンサーフゴーといった環境に多い特性で状態異常を無効にするポケモンには「ふしょく」が無効化されることには注意。


■アニメでのキラフロル

前々からOPで登場が示唆されていたが、第79話「オーバー・ザ・トップ」で満を持して登場。
リコのニャローテ、ロイのアチゲータ、ドットのウェルカモの三匹を相手にするため、キラフロルに加えてキラーメ二匹のトリプルバトルとなった。
ひゅんひゅん飛び回るキラーメ達を従えたキラフロルはまるでビットを装備したモビルアーマーさながら。
ちなみにキラーメのおきみやげだが、なんと花のような頭部の下にぶら下がっている身体っぽいところが取れる

■余談

  • モチーフは硫酸塩鉱物の「胆礬(カルカンサイト)」だと推測されている。
    色合いも綺麗な青色*2をした毒性を持った物質であり、更に語源が「銅の青い花」という意味である。
    また水に溶けやすいという性質もあるため、「とける」を覚えるのはそこから来ているのではないかと思われる。

  • 名前の由来は恐らく「キラキラ」とスペイン語で花を意味する「フロル(flor)」。
    フロルという言葉も先述通り、元ネタの胆礬が「銅の青い花」と呼ばれるところからきていると思われる。

  • ポケマス等で花弁を広げた姿でオモダカの横にいるキラフロルの姿を見ることができるが、意外とでかい。ところで1.5mってどこのこと…?

  • ちなみにオモダカさんの髪にはたまにキラーメが絡まっているらしい…


追記・修正はキラフロルと一緒にテラスタルの謎を研究しながらお願いします。

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最終更新:2025年04月28日 00:56

*1 厳密にはがんせきプレートを持たせたアルセウスに次ぐ三番手。

*2 ちなみにこの青色が「金・銀」に登場するタンバシティの由来である胆礬色(たんばいろ)。