ドドゲザン

登録日:2022/12/03 Sat 10:54:33
更新日:2024/12/10 Tue 22:45:35
所要時間:約 4 分で読めます





ドドゲザンに進化できるのは大軍勢の頂点に立った
一匹のキリキザンだけなのだ。

大軍勢を率いて戦うが
難しい作戦は苦手なので力で押して押しまくるだけ。


ドドゲザンとは、『ポケットモンスター』シリーズで登場するポケモンの一種である。

■データ

全国図鑑№:983
分類:だいとうポケモン
英語名:Kingambit
高さ:2.0m
重さ:120.0㎏
タマゴグループ:ひとがた
性別比率:♂50 ♀50

タイプ:あく /はがね

特性:まけんき(能力を下げられると攻撃が2段階上がる)
   そうだいしょう(登場したとき今まで倒された味方の数が多いほど少しずつ攻撃と特攻が上がる)
隠れ特性: プレッシャー(プレッシャーをあたえて相手の使う技のPPを多く減らす)

種族値
HP:100
攻撃:135
防御:120
特攻:60
特防:85
素早さ:50

合計:550

努力値:攻撃+3

進化:コマタナ→キリキザン(Lv52)→ドドゲザン(かしらのしるし持ちキリキザンを3匹倒してレベルアップ)



■概要

スカーレット・バイオレット』でキリキザンが新たに獲得した進化形。

頭部の刃は巨大な日本刀のような形になり、口元には左右に伸びる長いひげのような黒い刃を持つ。
更に後頭部から生える毛髪のような意匠は体長を超える長さで、普段はそれを椅子のようにして座っている。ちなみに移動の際も座ったままそのままホバー移動する
進化前のキリキザンはダークヒーロー然とした姿だったが、こちらは鎧を身に纏い床几に腰を下ろした戦国武将を思わせる姿となっている。
肘を膝に置き、やや前かがみになって相手を睨みつけるようなポーズがふてぶてしくもカッコいい。
なおヒゲのような刃があるように男性的な見た目であるが、進化条件の通り進化するのはオスに限らずメスのドドゲザンもいる。

元々キリキザンにはコマタナの群れを率いており、他の群れやボスの座を巡っての戦いに明け暮れているという生態が書かれていた。
そんな厳しい世界の中で数々の争いを制し、大軍勢の頂点に立った個体のみがドドゲザンになることが出来るのだという。

大軍勢を率いて戦うのだが、作戦は数に任せた力押しだけと軍略はさっぱりな模様。
しかしいざってときは土下座して相手を油断させたところを切りつけるくらいの狡猾さは持っているらしい。

名前の由来は首領を表す「ドン」に「土下座」と「斬」を合わせたものだと思われる。
分類の「だいとう」は刀の分類にある大刀。軍団の頭(かしら)という事で大頭(おおあたま)とのダブルミーニングも考えられる。
英名も当然だが変化しており、海外のプレイヤーから「何故『ビショップ』で終わりなんだ」と言う声が届いたのかは不明だが、Kingambitになっている。
チェスの駒の「ポーン」*1から始まり、「ビショップ」*2を通り遂に「キング」*3となった。ところでチェスには「クイーン」*4の駒もあるがメスの個体がそう呼ばれるのかまでは秘密


■ゲームでのドドゲザン

その設定どおりドドゲザンになるためには軍勢との戦いを制する必要があり、
具体的には道具「かしらのしるし」を持ったキリキザンを3回倒すことで進化させることが出来るという一際特殊な進化条件となっている。
「かしらのしるし」を持っているのは野生のキリキザンの中でも周りにコマタナを連れている個体であり、それを3匹倒せば条件を満たすことが出来る。
結構勘違いされがちだが「かしらのしるし」を入手したり、進化させたいキリキザンに持たせる必要はない

なら「かしらのしるし」は単なるコレクションアイテムなのかと言うと実はこれも違う
実は「かしらのしるし」を持ったキリキザンというのはこちらから「かしらのしるし」を押し付けられたキリキザンも含まれる
しかもそのキリキザンを倒せば「かしらのしるし」は返ってくる。
なので「トリック」や「すりかえ」でひたすら押し付ければ群れを追っかける必要がなくなる
無理矢理大将認定されたキリキザンからすればたまったものではないが。言葉通り妖怪首置いてけである
まあ、いずれにせよ二つ以上は必要ないため手元に置いておくのは一つで十分である。ちなみに売値750円。

なお、キリキザンがとどめさえ刺せばいいので、予め他の手持ちでHPを削っていても条件は満たせる。
キリキザン単独でやりたい場合は四倍弱点かくとうタイプのわざを覚えさせておくとよいだろう。
また、よく似た条件と違いキリキザンが瀕死になったりレベルアップしたり、なんなら通信交換したりHOMEに送ったり剣盾に送ったりしても撃破数はリセットされないため、一度条件を満たしてしまえばいつでも進化可能。

それが面倒なら★5・★6のテラレイドバトルに出現することがあるため、そちらで捕獲するのも手。

作中で使用してくるトレーナーはトップチャンピオンのオモダカと再戦時のピーニャの2名で、特性が異なっておりオモダカの個体は専用特性の「そうだいしょう」ピーニャの個体は初戦で使用したコマタナと同じく「まけんき」となっている。他にもキタカミ鬼面衆であり裏キタカミ鬼面衆でもあったムラマサが使用する。レベルは80であり、特性は「そうだいしょう」で、かくとうタイプの技を半減させる「ヨプのみ」を持たせている。
『藍の円盤』ではオモダカが切り札に変えて使用。テラスタルをひこうにすることで、ドドゲザンとしての弱点を克服する、なかなかに厄介な使い方をしてくる。


■対戦でのドドゲザン

合計種族値550と準伝説に迫る非常に高い数値を手に入れた。
それでいて配分に無駄がなく、キリキザンと比較すると素早さを下げた代わりに特攻以外を大きく強化。
特に貧弱だったHPに関しては大幅に補強され、重物理アタッカーとしては完成度の高い種族値になった。
物理耐久はディアルガと同じ数値。

専用技の「ドゲザン」は土下座して相手を油断させておいて切りかかる技。な、なんたる卑劣非道か!もはや言葉も出ぬほどのスゴイ・シツレイだ!
威力85とあくタイプ技にしてはそこそこ高く、なおかつ必中と安定感の高い技である。
キリキザン時代からの主力技であるあくタイプ先制技の「ふいうち」と競合しやすいが、あく技は一貫性が高いので両採用も十分考えられる。
しかし何を思って2世代連続で土下座技なんて追加したのであろうか

他は攻撃・補助共にキリキザンが覚える技とほぼ同じだが、一応苦手なかくとうタイプへの有効打になる「しねんのずつき」が新たに使えるようになった。

専用特性の「そうだいしょう」はその戦闘中に瀕死になっている味方の数が多いほど攻撃・特攻が上昇するというもの。
戦闘前から瀕死になっている者は対象外だが、他の手持ちをバトルで続々瀕死にさせて強化されたドドゲザンで無双するというプレイはできる。
上昇幅は瀕死になったポケモン一匹に付き10%であり、ランクバトルのシングルルールなど3vs3のバトルなら最大で1.2倍、6匹フルバトルなら最大で1.5倍になる。
正直なところ対人戦において最後の1体になるのは総大将出陣という勇ましい状況どころか完全に追い詰められている状態であるため扱いは難しい。
「そうだいしょう」を活かすならば6匹選出のフルバトルが最適解だろう。
……が、1体目を「だいばくはつ」などで切り捨てたり、敢えて相手に倒させたりして2体目のドドゲザンで「ノーマルジュエル」と組み合わせた「かたきうち」を使う戦法が編み出されているあたり、ポケモンバトルというのはなんとも奥深いものである。流石に最後の1体まで待つなんて悠長なことはしていられないようだ。
なお「そうだいしょう」に変わるのは特性「せいしんりょく」のキリキザンのみであり、「まけんき」や隠れ特性の「プレッシャー」の場合はそのまま継続。
またこのため、(「そうだいしょう」個体を最初に出す場合を除いて)基本的に出した瞬間に特性はバレる。

タイプのお蔭で環境に多いミミッキュドラパルトサーフゴーに強力なドラゴンタイプのポケモン相手にも有利に立ち回りやすく、「ふいうち」で素早さの低さを補いつつ、高い攻撃に専用特性による強化が加わるとかなりの火力を叩き出せるのもポイント。

無効2つと半減9つと優秀な耐性に加えて物理耐久は非常に高く、特防もそこそこあるため4倍弱点の格闘技以外ならHP振りだけで一発は耐えられることが多い。
SVではテラスタルでタイプを変えられるため、フェアリーみずタイプ等で弱点のタイプのポケモンへの対策をするか、シンプルに火力を上げるために一致タイプのテラスタルにするのが無難。
耐久が上がっているため、四倍弱点が消えるだけでも価値はあるだろう。

持ち物は通りの良いあく・はがね技の高火力を押し付ける「こだわりハチマキ」や「ふいうち」を絡めた打ち分けまで考慮するなら「いのちのたま」。
火傷麻痺を一度防げる「ラムのみ」や特殊方面にも高い耐久を獲得できる「とつげきチョッキ」等が候補に上がる。
弱点の一つであるじめんわざ一時的にでも空振りさせられて場持ちを良くさせる「ふうせん」も選択肢に入る。

また、本種の追加によってキリキザンが「しんかのきせき」の対象となった。
しかしそれでもなお種族値の都合で耐久力にそれ程差はなく、火力に関しては大きな差がつく*5
一応キリキザンの方が素早くはあるがそれ以上に耐久力上昇のメリットが大きく、素早さ域的にも役割的にも仮想敵を定めた調整で問題ない為それほど気にする程ではない。
そもそも下がったとは言え50あるので、メジャーな鈍足ポケモンの上は十分に取れる。
最速にする理由でもないのであれば、他のSV追加進化組同様に進化させた方が良いだろう。

ランクマッチでは、あくタイプでもトップクラスの攻撃数値とあく技とはがね技の組み合せの良さでシングル、ダブル共に大活躍。
特性の使用割合としては、シングルバトルでは「そうだいしょう」の採用率が半分以上となっている。
上述の通り3匹選抜戦の場合の火力上昇率は高くないのだが、「まけんき」の最有力仮想敵である「いかく」が対抗策が増えたことで使用率が下がっており、2体目以降に出せば上昇率は低くとも確定で火力が上がる「そうだいしょう」が注目されている模様。
一方、ダブルバトルではウインディが強い事、「バークアウト」「こごえるかぜ」といった範囲デバフ技への抑止力としてキリキザン時代から変わらず「まけんき」での採用が大半である。
パラドックスポケモン解禁後も上記のような強みがあることで採用率の高さは変わっていない。

災厄ポケモンが解禁されたレギュレーションCからは、あくタイプ対策がそのままドドゲザンに突き刺さるため使用率は下落……なんてことはなく、シングルでは使用率30位近辺、ダブルでは20位台をキープ。
HOME解禁後のレギュレーションDではウーラオスガチグマといった相性の悪い強敵の登場により流石に順位を落とし、シングルでは50位台から徐々に上昇、ダブルでは50位程度の使用率となっている。

追加コンテンツでは「はたきおとす」こそ技マシンとして復活したが、バランス配慮なのか習得できずに新たに追加された技マシンも「うっぷんばらし」、「うらみ」と扱いづらいものぐらい。
なおキタカミの里北東にある“とこしえの森“の洞窟に低確率だが野生で出現。
キリキザンたちを率いている。


■余談

  • 専用技の「ドゲザン」は相手ポケモンの前に躊躇なく土下座するのと同時に頭の刃で攻撃するという専用モーションで行う技となっている。
    総大将と呼ぶには何とも情けない姿だが、時として躊躇なく土下座してでも勝利を掴もうとする姿勢こそが大軍勢の頂点に立つための秘訣なのかもしれない。
    • ちなみにほぼ同じ性質の技が剣盾にもあった。ギモー及びその進化形のオーロンゲの「どげざつき」がそれであり、ギモーには専用モーションもある。
  • 格好いい系のキリキザンだが、元々図鑑説明によるとコマタナ達を引き連れての集団戦、消耗戦は当たり前。自分より小さなコマタナをあえて先に戦わせて弱ったところを仕留める……等、卑怯ではあるが野生の生物としてはたいへん正しい生態を持つポケモンだった。
    なんとなく武士っぽく、正々堂々とした果たし合いを連想しがちだがそこはさすがのあくタイプといったところか。
    進化先のドドゲザンがどんな形であれ勝とうとしているような専用技なのはある種正当進化なのかもしれない。
    • また今作の新ポケモンであるナカヌチャンは自作のハンマーの素材にするためキリキザンの群れを襲撃してキリキザンを狩る生態があり、
      結果として「キリキザン達が大軍勢を作るのはナカヌチャンに狩猟されるのを防ぐため」「ドドゲザンがドゲザンを憶えたのはプライドを捨ててナカヌチャンに土下座や命乞いをして生き延びてきたから」というとんでもない説が一部でネタにされた。
      ……が、悲しい哉、タイプ相性的には「いまひとつ」というオチが付くのだった
  • なお、『SV』の舞台のモデルはスペイン・ポルトガルであるが、戦国時代では日本と南蛮貿易を行っていた国でもあり、南蛮人とは、ポルトガル人とスペイン人を指していた。
    もしかしたら、キリキザンの一族も南蛮人の手により連れてこられた個体が野生化し、現地に住み着くようになったとも解釈出来る。
  • 剣盾に転送できないが、剣盾にてマスタータワーにクリアしたキリキザンを転送して進化させることで「タワーマスターリボン」を所持することが出来る。
  • 実はジグザグマ以来となる、種族名に濁音が4つ入るポケモン。
  • 海外では「ドゲザン」を使った時に見える尻が異様にプリケツなことで話題になっているとか。
  • 散々卑怯だの情けないだの言われているドドゲザンの象徴たる「ドゲザン」だが、「どげざつき」と異なり「土下座して油断させる」のではなく「土下座しながら攻撃している」モーションであるため、一部ではドドゲザンに土下座しているつもりはなく、人間から見た攻撃の様子がまるで土下座しているように見えるからそう言われているだけという説もある。実際にあくタイプの定義も彼等の容姿や生態等が人間から見て悪役っぽく見えるからという偏見による理由が多い。


追記・修正は「かしらのしるし」を持ったキリキザンを3体倒してからお願いします。

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最終更新:2024年12月10日 22:45

*1 原則、前方に1マスのみ進める駒。最も位が低く数が多い

*2 斜め方向のみどこでも行ける駒。ポーンからプロモーションする事でビショップになる事も可能

*3 8方向に1マスのみ進める駒。この駒が取られるとチェックメイトとなり試合終了

*4 8方向にどこでも進める。こちらは取られてもチェックにはならない

*5 ドドゲザンには「ドゲザン」があるが、キリキザンは「じごくづき」を没収されている為あく最大火力は「ふいうち」と「つじぎり」である