どく/もうどく(ポケモン)

登録日:2011/12/11 Sun 02:04:21
更新日:2025/09/08 Mon 13:12:02
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ポケットモンスターシリーズの状態異常のひとつ。

変化技や攻撃技の追加効果等によってこの状態になる。
第三世代から第五世代まではどく・もうどく状態のとき、全身が紫がかった色になる。
どく状態になるとターン終了時に最大HPの1/8を失う。もうどく状態のときは失う割合が最大HPの1/16から始まり、居座るターン毎に2/16、3/16と高くなっていく。

相手の耐久力に関係なく一定のHPを削っていくため高い耐久性能を持ったポケモン相手に、
また耐久力に優れたポケモンが攻撃の代わりのダメージ源として活用するなど使用するポケモンは多い。

初代ではどくとやどりぎに対して常に同じパラメータで計算されるというプログラムミスがあり、
「どくどく」と「やどりぎのタネ」を同時に使われるとやどりぎの吸収量もターンごとにガンガン増えていた。

特徴としてどくタイプはがねタイプポケモンはどく・もうどく状態にはならない。
例外としてエンニュート系・キラフロル系は特性「ふしょく」の効果で上記の2タイプのポケモンも毒状態にさせることが可能。
また、一時的にタイプを書き換えられた場合も、どく・もうどく状態になる。
どくタイプ、はがねタイプはどくを予防する効果しかないため、一度どく・もうどく状態になるとそのまま放置しても回復はしない。


▼どく・もうどく状態に関連のある主な技
相手をもうどく状態にする汎用性抜群の変化技。
命中率も90%と高い上にほぼすべてのポケモンが使用可能と至れり尽くせり。
しかし第八世代ではわざマシンから消滅したため使い手が激減。以降の作品では毒タイプ全般または体内に毒を持つ設定のポケモン、「どくどく」が無いとダメージリソースが乏しすぎるポケモン以外は使えないようになった。
XY以降はタイプ一致「どくどく」が必中になった。
空を飛んでも穴を掘っても命中する、特性「ノーガード」と同じ仕様に。

  • どくのこなどくガス
相手をどく状態にする。
「どくのこな」は命中率や効果が「どくどく」の下位互換であるため、シナリオはともかく対戦で使われることはほぼない。
第六世代からは「どくのこな」はくさタイプと特性「ぼうじん」に無効化されるようになった。
「どくガス」も以前は下位互換だったが、第五世代では命中率が80%と大幅に上昇。
なおかつダブルバトルでは相手全体に当たる仕様になったため、そちらでは採用の余地が出てきた。
第六世代ではさらに命中率が90%に上昇し、同じく命中率が上がった「どくどく」と同じ数値となった。

相手の回りに毒の「まきびし」を撒き、交代して出てきたポケモンをどく・もうどく状態にする。
1回撒くとどくに、2回撒くともうどくになる。

ただしひこうタイプや特性「ふゆう」のポケモンには基本的に効果がない。
はがねタイプのポケモンにも当然無効。
またどくタイプのポケモンには通用しないどころか「どくびし」自体を回収されてしまう。

  • どくばりヘドロこうげきヘドロばくだんどくづきダストシュート
30%の確率でどく状態にする。
後半3つは威力が高めなので主に攻撃のついでに発動を狙っていくことになり、対戦で使われるのもその3つに限られる。
「ヘドロこうげき」は初代最強のどくタイプの攻撃技だが、当時はマタドガスベトベトンしか使えなかった。
第二世代から追加された「ヘドロばくだん」は、まともな毒技を持たなかったポケモン達にとって唯一のメインウェポンに……と思いきや、第二世代当時は毒タイプなのにこれすら覚えないポケモンもいた。

  • ポイズンテールクロスポイズンヘドロウェーブ
それぞれ10%の確率でどく状態にする。
また「ポイズンテール」と「クロスポイズン」はどく状態にしやすい他に急所にも入りやすい追加効果がある。

なお、「ポイズンテール」は第三世代当時だとハブネークの専用技だった。威力が低いので採用余地は無いが。
ちなみに第九世代ではわざマシン技にもなっている。

  • どくどくのキバ
50%の確率で相手をもうどく状態にするが、威力は僅か50で攻撃範囲も狭いため、サブウェポンとしても使いづらい。
しかし、特性「がんじょうあご」のメガサメハダーにとっては対フェアリータイプ、特に組に有効。
特性の補正込みでも「どくづき」よりも威力は5劣るが、追加効果の面ではこちらの方が優れている。

キバ技の一種で「ほのおのキバ」などの三色キバより1世代早く世に出たためか威力が低い反面、こちらは命中100である。
また第五世代までは追加効果の発生率が30%だったので地味に強化されていたりする。

  • ベノムショック
威力65、命中100のどくタイプの技だが、どく状態にする技ではなく相手がどく状態だと威力が2倍になるという変わった技。
すなわち、相手がどく状態ならノーリスクで実質威力130を出せる、かなり強力な技になる。
「どくびし」や「どくどく」とのコンボで真価を発揮する技である。

  • トーチカ
ドヒドイデ専用技。
自身を守る効果に加え、接触技を受けると相手をどく状態にする。
ドヒドイデが受けループで優秀な要因の一つである。

  • キラースピン
キラフロル専用技。
自身の場のまきびしやステルスロック等を解除しつつ、自身のバインド技も解除、そして相手を(ダブルバトルなら相手2体とも)100%の確率でどく状態にする。
いわばどく状態仕様のこうそくスピン。
ただし威力が低すぎるうえに特殊アタッカーのキラフロルとかみ合わない物理技なので、攻撃はおまけで追加効果がメイン。

  • じゃどくのくさり
威力100を誇り、50%の確率で相手をもうどく状態にする特殊攻撃技。モモワロウ専用。
「ちょうはつで妨害されないどくどく」といえるレベルの性能だが、使用者はサブウェポンが絶無というレベルなので毒の一貫性を作ってから使いたいところ。

  • ダブルニードル
スピアー専用技。2回攻撃であり、1発ごとに20%の確率でどく状態にする。
第一世代において希少すぎるむしタイプの技にして、どくタイプでないのにどくの追加効果があるという珍しい技。
第二世代では本来どくを無効化するはがねタイプをこの技でどく状態にできるという小ネタがあった。
ただし威力が低いので対戦では殆ど使われず、現在では削除されてしまっている。

どく状態にするキョダイマックスわざ。後者2つは他の状態異常になる可能性もある。

  • フェイタルクロー
オオニューラ専用技。50%でどく、まひ、ねむりのいずれかの状態異常を付与する。
ギャンブル性が非常に強い他、他2つの異常が強烈すぎるためにどく状態狙いで使われるのは稀。


▼どうぐを活用したもうどく
持ったポケモンは、ターンの終わりにもうどく状態になる。
単品ではデメリットにしかならないが、コンボに組み込むことで威力を発揮する。
発動までややタイムラグがあり、ターン終了前に別の状態異常にされると発動しない。

どくどくだまを活用したコンボ。
どくどくだまをなげつけるやトリックで相手をもうどく状態にする。
またサイコシフトの場合、こちらがどくどくだまを持ち続ける限りこのコンボが使える。


▼どくに関係のある特性
  • どくのトゲ
接触するタイプの攻撃を受けたときに、相手を30%の確率でどく状態にする。

  • どくしゅ
相手に接触技でダメージを与えると30%の確率でどく状態にする。
「どくのトゲ」に比べると自主性が高く、「どくづき」等と合わせてどく状態にしやすいのだが、
あてになるものでもないしたいてい別の選択肢となる特性が強いのであまり使われない。

  • こんじょう
状態異常で攻撃1.5倍に。
じわじわ弱らせるはずが逆に相手の突破力を上げてしまう…なんてことも。
ただし、ダメージ量の関係から基本的には「かえんだま」の方が優先される。どくどくだまで発動させるのは火傷にならないブースターくらい。

  • どくぼうそう
どく・もうどく状態で攻撃1.5倍。どく・もうどく状態でしか発動しないため、こんじょうの下位互換。
この特性を持つのは隠れ特性ザングースのみ。

  • めんえき パステルベール
どく・もうどくにならない。 パステルベールは味方のどく・もうどくをも防ぐ。
特に耐久性能の高いカビゴンが持つので居座りやすい。
なお、何らかの理由でどく・もうどくになった場合でも、「めんえき」「パステルベール」の特性はどく・もうどくを回復することができる。
一時的に特性を無効化した場合でも、再度「めんえき」の特性を取り戻した時点で回復する。

  • ポイズンヒール
どく・もうどくになったときにダメージを受けず、毎ターン最大HPの1/8を回復するようになる。
しかも状態異常は重複しないため、一度どく状態になっておけば回復と実質的な状態異常無効が付くことになる。
状態異常を完全なメリットに変化させるため非常に強力。
キノガッサグライオンなど単体でも強いポケモンでその嫌らしさは抜群に。「どくどくだま」との組み合わせもお約束。
なお、どく状態にしたままフィールドを歩くと普通にダメージを受けるし、HGSSの連れ歩き下では苦しむ描写も見せる。どうやら戦闘時でないと特性の効果が発揮されないようだ

  • ひとでなし
相手がどく・もうどく状態の時、攻撃が必ず急所に当たる。
ドヒドイデの専用特性。専用技の「トーチカ」とも相性が良い。
ただしドヒドイデは耐久型の種族値のため、隠れ特性の「さいせいりょく」の方が採用率が高い。

  • ふしょく
はがねタイプやどくタイプもどく・もうどく状態にすることができる。
タイプ特性でどく・もうどく状態を防ぐ面々をどく・もうどく状態に出来るようになるだけであり、毒技の相性が変化する効果はない。
エンニュート専用特性だったが、第九世代で新登場のキラフロル系統にも配られた。

  • どくげしょう
物理技でダメージを受けると相手の場にどくびしを撒く。
キラフロル系統の専用特性。

  • どくのくさり
相手にダメージを与えると30%の確率でもうどく状態にする。
ともっここと、イイネイヌマシマシラキチキギスの専用特性。
「どくしゅ」と比べると非接触技でも発動できるのが利点。

  • どくくぐつ
自分の技で相手をどく・もうどくにした場合、ついでに混乱させる。
モモワロウの専用特性。

▼どく・もうどく対策
  • はがねタイプ、どくタイプのポケモンを使う
どく・もうどくが無効化されるので毒のスリップダメージを主体としたポケモンは手も足も出なくなる。
特にどくタイプのポケモンは「どくびし」も回収出来るので後続がどくになることを防ぐ。
ただし特性がふゆう、もしくはひこうタイプも持っている場合は「どくびし」を回収出来ない(ゴーストマタドガスクロバット等が該当)。
上記のふしょくには毒状態にされるので注意。

  • 特性 めんえき、パステルベール、ポイズンヒール、マジックガード のポケモンを使う
どくが効かない、又はメリットに変えてしまうポケモンで対抗しよう。


▼ちなみに
もうどく状態は戦闘終了後に通常のどく状態になる。
もうどく状態の時に引っ込めると第2世代までは通常のどくになり、第3世代以降は経過ターンがリセットされる。


▼フィールド
戦闘後もどく状態のままだと、数歩進むごとにHPが減り続ける。この時画面がピカっと点滅する仕様になっている。
第1世代~第3世代まではHPが0まで減り、ひんしになる。なので手持ちの最後の1匹がどく状態でHP0でひんしになった場合、全滅判定によりその場で目の前が真っ暗になってしまう。
第4世代ではHPが1になると毒が治癒されるように変更され、第5世代以降はいくら歩いてもHPが減らないように変更された。

違和感を覚える人がいるかもしれないが、デメリットは特にないため割り切って受け入れよう。

ちなみに第1世代の『ピカチュウバージョン』ではHPが減る毎にかかるエフェクトで、ひでん技の「フラッシュ」で照らさないと見えないフィールドを一瞬見ることができる。
これを利用してどく状態のポケモンをキズぐすりなどで回復しつつ、イワヤマトンネルを強引に突破したプレイヤーもいるとか。


ポケダンシリーズ

他の不思議のダンジョン作品ではステータスダウンに留まっていた毒が本作では HPの自然回復が停止した上で一定ターン毎にダメージを受ける 仕様に。
通常のどくは10ターン毎に4ダメージ、もうどくは 2ターン毎に6ダメージ 受ける。
階段を降りるなどすれば一律解除されるが、フロアを移動した直後に掛かったりすると悲惨。
特定フロアへの長期居座りを考えている時に毒を浴びてしまうと回復手段を持ち合わせていない限り、居座りを放棄しなければならないため害悪度は高い。
なお、こちらが敵をどく・もうどく状態にしたところで敵側にはHPの自然回復システムはない上、無限湧きまでするため、まるで旨味が無い。
それどころか毒の継続ダメージにて相手を倒した場合は経験値が貰えないので、利用するにしてもうまく削ってから直接倒さないと損をする。

「どくばり」や「どくのこな」など技でどく状態にしてくるポケモンから、近接攻撃してきた敵を一定確率でどく状態にする特性「どくのトゲ」持ちのポケモン、
「ベトベタフード」を食した際のデメリットの一つにどく状態があったり、ワナの中には踏んだ者をどく状態にする「どくばりスイッチ(どくばりのワナ)」もある等、ダンジョン内で毒を受ける手段は多岐に渡る。
そのため、タイプ特性で無効にできるどくタイプ&はがねタイプ、所有者こそ少ないが特性「めんえき」のポケモンは毒による事故を防止できる事から安定性が高い。

後のタイトルでは一定ターンごとに大ダメージを受けるようになり、どくタイプの必中どくどくも再現された。マルノームやゴクリンを見かけたら警戒した方がいい。


ポケモンカードシリーズ

「ポケモンチェック(ターンを対戦相手に渡す際のチェックフェイズ)にダメカンを1つ乗せる(=軽減不可の10ダメージ)」という能力として実装されており、ダメカンの量が増える専用の技や特殊能力(特性)などもある。バトル場からベンチに引っ込むと回復する。
ダメージが加速する能力であり、「にげる」を不得意とするカードを分からせるために用いられることが多い。
黎明期の「ニドキング(ポケモンジャングル)」の頃から、ダメカンの量を増やす特殊などく状態が実装されており、これが「もうどく」に該当する。

さらに原作と異なり「どくタイプやはがねタイプがどく状態にならない」というルールが存在しない。
鋼タイプはどくタイプが分類されるタイプ(草→超→悪)への抵抗力を持っているが、どく状態にはなんら耐性を持たない。そして鋼タイプはたいてい「にげる」が不得意である。
そのため、ハガネール対策としてむしろ毒を積極的に用いた時期もあった。原作とはまったく異なる試合が繰り広げられる。




どくしゃの ひまなじかんに ついきしゅうせいを うったえる。ぜんいで ついきしてくれた あいての ないように けちをつけて さしもどす。

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最終更新:2025年09月08日 13:12