ネモ(ポケモン)

登録日:2022/11/30 (水) 20:50:20
更新日:2024/02/09 Fri 13:52:49
所要時間:約 5 分で読めます






初めてのポケモン勝負!


楽しんでほしいな!

出典:『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』公式サイト、22年11月30日閲覧、https://is.gd/Px3IDx
2022 Pokémon. ©1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.



『ネモ』とは、ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』及び、アニメ『ポケットモンスター』の登場人物である。

CV:喜多村英梨 (アニポケ)、内田彩 (ポケモンマスターズEX)、松井恵理子(放課後のブレス)

概要

主人公が通うことになるアカデミーの女子生徒。主人公と同じく総合コース1-A所属。
1年生でありながら同校の生徒会長を務める優等生。*1
実家は主人公の家の近くにあるため、以前から主人公が引っ越してきた事は知っていた様子。
家族は両親と姉がいるが、全員作中には登場せず容貌や名前は不明。
父親はパルデアに住む人なら誰もが知るスマホロトムの会社の役員で、実はかなりのお嬢様
その実家は家自体も結構な豪邸だが、裏庭にはバトルコートやビーチがあるし、お手伝いさんも沢山いる。


主人公にとっては頼れる先輩で、本作のライバルキャラクターでもある。

シナリオの1つ「チャンピオンロード」における重要人物で、ジム巡りの先々で主人公に戦いを挑んでくる。
ジムのクリア回数に応じてイベントが挿入されるため、本作では数少ない「バトルのタイミングを任意で選べないボス」となっている。


容姿

身長は主人公より高い。それどころか、ゲーム画面を見る限りペパーより若干高い。*2
褐色肌とそばかすが特徴。頭髪は、黒髪のポニーテールで前髪の一部及びそこから垂らした一房を緑に染めている。後どこがとは言わないが割とデカイ
服装は主人公同様学生服(アカデミーの夏服)で、右腕にサポーターらしき物を付けている。
ちなみに公式絵では『スカーレット』バージョンのカラーリングだが『バイオレット』バージョンでは同バージョンに準拠したものとなる。


人物

序盤で主人公に色々教えてくれる様は正に「頼れる先輩トレーナー」である彼女だが……それも間違ってはいない。
だが彼女の本質はまた別にあった……それは、





相当なバトル好き




という事である。
『ポケモン』世界ではアニメ主人公を始めとして別にそういった人物は珍しくもないが、彼女は一味違った。

  • 序盤からバトルすることを()る」と表現する
  • まだ新人の主人公に無意識とはいえ全力の手持ちでバトルを仕掛けようとする。(この時はクラベル校長に止められた)
  • 主人公がスター団とトラブった際には「ポケモン勝負するなら、わ た し と! ……でしょ!?」独占欲丸出しでスター団ではなく主人公を叱る。
  • 主人公と戦えないコンディションにあることを悔しがり、代わりに「そこらへんのトレーナーを片っ端から相手にしてくる」と宣言して実際に街に繰り出す
  • ジムリーダーと戦った直後の主人公に、彼/彼女のポケモンが傷付いてる状態なのを見落として勝負を挑む。
(もちろん周囲に教えられて、勝負をお預けにしたり回復してあげたりする。)

……と、最早歴代ライバル随一の戦闘狂とまで言えるほどバトルが大好きという事がひしひしと伝わってくるだろう。
パルデア地方にバトルフロンティアがなくてよかった

とはいえこれでも生徒会長だし授業にも真面目に出席している等、決してバトルが好きなだけの脳筋ではない。成績も極めて優秀である。
仲間の険悪なムードを察して執り成したり、必要ならば大好きなポケモンバトル大会に参加せず裏方に徹するなど、基本的には良識のある面倒見の良いお姉さんである。


主人公の事は相当気に入っており、ジムで見かけたら速攻でバトルを仕掛けようとするほど。
そんな主人公がどんどん強くなっていくことに喜んでいる。

肝も割と据わっており、どんなに怖い事態でも「ワクワクした」と興奮し、物語終盤に危険地帯に行く際にも、
他メンバーが割と真面目な理由で赴くのに対し、彼女は「強いポケモンと戦えるから」という彼女らしい理由でついてきており、
そのあまりの肝の据わり具合から同行したメンバーに「特性マイペースか?」と小言を食らった。

反面、身体能力は割と低い。ボールを投げるのは苦手だと自称しているし、
モブの目撃証言によれば「アカデミーの正面にある長い階段を登るときには途中で休んでいる」という。実際、長距離を移動した際にはインドア派なボタンより先にへばっていた。
某マサラ人とは気が合いそうだが、彼とは身体能力に雲泥の差があるようだ

バトル好きだが勝敗にはあまりこだわらないようで、自分を打ち負かした主人公を称賛しその成長を喜んでいる。

とまあ、主人公視点だとなかなかぶっとんだキャラクター性だが、
これはあまりにも強くなりすぎた結果、全力でバトルしようものなら周りが逃げてしまうという事情もある。
本人は「負けても得るものがあるから楽しいよね?」というスタンスだが、
同じ年頃の子供にはなかなか理解されなかったようで、それでもなおバトルするために手加減することを覚えてしまっていた。
そんなわけで、主人公が来るまでは欲求不満状態に陥っていたことがシナリオクリア後のイベントで明かされている。

なお、このシナリオクリア後のイベントを終わらせると、ネモの寮の部屋にお邪魔することができるようになる。
部屋の中はきちんと片付いており、机の上には複数のモンスターボールが置かれ、壁にはトレーニングメニューが貼られている
ちなみに、キッチンには大量のポケモンフードの材料が置かれているが、
キッチン内で「大さじの感覚って人それぞれ」とか言い出すため、明言されてはいないもののメシマズ属性疑惑が……。
その他、何かを高らかに告げるときには「んジャカ パーン!」と言うのが口癖のようだ。


手持ちポケモン




わたしもちょっと強気なメンバーでいこうかな!



御三家は主人公が選択したポケモンに不利なポケモンを選んでくる。
ちなみに主人公との初戦では「いつものメンバーを使うところでした」と言っているため、
主人公に合わせて育てている以下の手持ちとは別のポケモンを持っている可能性はある。

〇1戦目

  • クワッス or ニャオハ or ホゲータ ♂:Lv.5


〇2戦目

  • クワッス or ニャオハ or ホゲータ ♂:Lv.8
  • パモ ♂:Lv.9(テラスタイプ:でんき)


〇3戦目

  • イワンコ ♀:Lv.21
  • パモ ♂:Lv.21
  • ウェルカモ(テラスタイプ:みず)or ニャローテ(テラスタイプ:くさ)or アチゲータ(テラスタイプ:ほのお)♂:Lv.22


〇4戦目



〇5戦目

  • ルガルガン(まひるのすがた) ♀:Lv.42
  • ヌメイル ♀:Lv.42
  • パーモット ♂:Lv.42
  • ウェーニバル(テラスタイプ:みず)or マスカーニャ(テラスタイプ:くさ)or ラウドボーン(テラスタイプ:ほのお)♂:Lv.43




アニメ


目と目があったら! それはバトルの始まり! 早速戦ろう!!

出典:ポケットモンスター、10話『ネモとコルサと』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


ポケットモンスター(アニメ第8シリーズ)』の10話に初登場。
偶然であったリコロイがトレーナーと知るやいなや、「目と目があったらバトル!」と言いながら勝負を仕掛けて来た!
アニポケ世界では、そんなルールはサトシがカントーを旅していた頃から存在せず、当然リコロイは慌てて拒否した。
そもそもSVのパルデア地方では話しかけてバトル、がルールのため、いくらアニオリとはいえSVプレイヤーの視点では困惑しかねないものである。まさかパシオ帰りなのか…

アニメでもチャンピオンランクの一人であり、パルデア地方出身のリコがネモを知っていた頃からパルデアでは有名人のようだ。
また以前のジム巡りでコルサに挑んでいた関係で、リコたちがコルサを探していると聞くと彼のアトリエに案内し、彼がスランプである事を知ると元気づけるためにリコやロイと共に、町中のキマワリ集めを手伝った。


■Webアニメ『放課後のブレス』


『SV』本編の前日譚を描くwebアニメにも第1話から登場。
アカデミーの生徒にテラスタルを教えたり、オハラの演奏会に教師陣と参列する様子が描かれたりする程度と当初の出番は控えめ。

本格的にスポットが当たるのは第2話から。今作でも既にチャンピオンランクで、打倒ネモに燃えるアカデミーの生徒・アリキスに連勝中。
冒頭でもタイカイデンを使って彼のマスカーニャを一蹴し、その様子がホーマによって大々的に報道された。
ニュースを見た他の生徒が「ネモって子すごいね」や「だって天才だもん」と口にしていることから、すでに本編開始前の状況に至っているものと思われる。*5

アリキスとの再戦(6vs6のフルバトル)では、上記のタイカイデンを含め手持ち3体を失うものの、ゲーム本編のOP映像でも使用していたパルデアケンタロス(コンバット種)を繰り出すとそのままキョジオーンカラミンゴを倒し、彼の手持ちをあと1体まで追い詰める。
その後ピンチに駆けつけたマスカーニャを見て「強かった子」「君の相棒」と称するなど、彼女の記憶にも強く刻まれていることが窺える。
絆を取り戻した2人のテラスタルに応えるようにネモもケンタロスをかくとうタイプにテラスタルし、一進一退のバトルを繰り広げた。


ポケモンマスターズEX


何が 起きるか わからない!

だから 勝負は おもしろいの!

『SV』発売から8ヶ月半、パルデアからは一番乗りでパシオに上陸。『剣盾』や『アルセウス』のキャラが参戦するまで1年以上かかった事をふまえるとかなり異例の、それも主人公キャラを差し置いてのスピード参戦である。

バディはパーモットで、新ロール「スピード」を引っ提げて登場。
Bわざカウントを早めたり、シンクロ技「でんこうそうげき・迅」で次回味方全体わざゲージ消費0にしたりとバトルの回転率を上げるものがメイン。
「でんこうそうげき・迅」は素早さが上がってないと使えないが、「EXスピーダー」という一手で素早さを最大にするアイテムを持ってるため問題なし。
ついに道具もインフレです。カナラズアタール再来も近い……

上述の通りの人物だが、そんなネモにとって本作の舞台であるパシオはまさにパラダイス

具体的には
  • 自分と渡り合える強力なトレーナーがゴロゴロいる。
  • イッシュ地方のバトルガールと意気投合し、観衆にポケモンバトルの楽しさを伝えることに成功。
  • 彼女のために開催された大会で決勝まで勝ち進み、マジコスマサラトリオ相手に全力で戦い気持ちよく負ける*6
  • 飽くなき対戦欲に対し、ライヤーが主催者権限で各地方のチャンピオンを招集し当然ネモはその事に歓喜。

と、本編での鬱屈ぶりが嘘のような感じである。
また、本編で宝物を見つけた後の時間軸であるようで登場イベントでその事に言及したり、ポケモン情報局の公式Twitterではライバルの分までマジコスをおねだりする漫画が掲載された。*7

きみと雨上がりを


世界は きれいだった。

きみと 出会う前よりも、ずっと。

『ポケモンSV』1周年記念に公開されたオリジナルweb小説。*8
ネモが主人公に出会ってからの感情の起伏など、ゲーム内ではあまりフォーカスされなかった彼女の内面が掘り下げられる。
著者は代表作に響け! ユーフォニアムを持つ武田綾乃氏。
またこの小説を原案としたYOASOBIによるタイアップ曲、Biri-BiriのMVにも出演している。*9

余談

  • 名前の由来は花の「ネモフィラ」と思われる。「ネモ」という単語を含む他の植物として「アネモネ」があるが、
    スペイン・フランス語版のネモの名前がネモフィラ属の一種である瑠璃唐草を思わせる名前なのでネモフィラ説が濃厚。
    言うまでもないが、『ポケモン』キャラの命名則からしても某モビルスーツ関係ないセブンスターズのバクラザン家当主とも関係ないし、ヴェルヌの名作SF小説に登場する船長でもない。
    • ネモフィラの花言葉は「可憐」「あなたを許す」「どこでも成功」「清々しい心」など。
      文武両道かつ良識人な面に関しては確かに「どこでも成功」「清々しい心」と言える。前者はサブイベントでの発言を聞いた後だと少し皮肉ともとれるが。

  • 一方、ラテン語でネモは「誰でもない」という意味もある。
    • これに関してオーリム/フトゥー博士の名前がラテン語由来なので、発売前は両者に何らかの接点があるのではという考察が一部で存在した。結果的に接点は無かったものの、クリア後シナリオでのネモのサブイベントを考慮すると(偶然とは思われるが)やや意味深に思える。
    • 後にwebアニメ「放課後のブレス」に、ネモに何度も勝負を挑む生徒・アリキスが登場。彼の名はラテン語で「誰か」を意味することから、やはりこちらも名前の由来の一つなのかもしれない。

  • 何気に最初の手持ちから最終戦に至るまで1匹たりともリストラはしていない。つまり最終戦のガチ勝負に至っても彼女の手持ちは旅パということになる。
    ということは、未だ猶本気ではないのかと戦慄しかけるところだが、試合前後の彼女とのやり取りを見る限り、主人公とのバトルはこのパーティが全力でのチームである模様。
    • 道中で「ジムリーダー戦用に手持ちを調整している」「ポケモン20匹くらい鍛えながら応援してる」という発言を聞けることから、
      お披露目した以外のポケモンもいろいろ育てている模様。それを踏まえて、初期から構成しているパーティが主人公と戦うにふさわしいと選択している可能性は十分にある。
    • また、今回ネモはあくまで主人公と肩を並べるためにスタート地点に戻ったというだけなので、旅を開始した時点から計画的に旅パを構成していたのかもしれない。
      実際、将来600族となるヌメラを手持ちに加えたりもしている。

  • 上記の理由もあり、今作のライバル枠であるネモは、前作『ソード・シールド』で道中共に成長していったホップとはまた違った形のライバルとして描かれている。

  • また、そのバトル廃人っぷりや2周目を始めている点などから、ダンデとはまた違った形でプレイヤーをモチーフにしているのではないかという考察もある。
    実はネモも最終戦後に「めのまえがまっくらになった」を実際に行っている人2代目である。

  • そのバトルジャンキーっぷりに加えて主人公の成長を「実っていく」と表現する様から、
    HUNTER×HUNTERの登場人物であるヒソカ=モロウを想起するプレイヤーが多く、ネットではそれに因んだファンアートやコラ画像が幾つも出回っている。
    しかしながら両者の共通点といえばそれくらいであり、当然性格やスタンス、境遇は全く違う。
    その為この手のネタを嫌う人もいるのもまた事実であるので軽はずみな乱用は避けるべきだろう。

  • バグか仕様かは不明だが、チャンピオンロードの最終戦でネモに敗北しても所持金を取られることがなく、最寄りのポケモンセンターに戻されるだけとなっている。

  • 道中で「そこらへんのトレーナーを相手にしてくる」とランニング感覚でバトルを繰り返していることを明かしている。
    実際、野良トレーナーの中には「恐ろしく強い女の子に出会った」と漏らす者もいる。十中八九ならぬ十でネモのことと思われる。

  • 主人公に関しては基本的に肯定的で、ネモを拒否するような選択肢を出してもなんかプラス思考で早合点しがち。
    しかしそんな彼女も明らかに手を抜いたと分かる際には静かに怒ってくる。ネモにとって楽しいポケモン勝負に本気を出さない事は無礼に当たるのだろう。


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最終更新:2024年02月09日 13:52

*1 アカデミーには年配の学生が何人もいる中でである。彼女自身は主人公よりはやや年上と思われる。

*2 後に発表された「ポケモンスケールワールド」を参考にすれば、約172cm。

*3 最初から四天王クラスかそれ以上の力量があるとジムチャレンジ以前に学園の入学すら辞退する羽目になりうるのがポピーで証明されてしまっている

*4 それ以前にアブリボン以外どうやって捕まえたのかという疑問も残る(ジャラランガ→進化前のジャラコ・ジャランゴの生息地は操られたときに向かったキタカミセンターとは真逆の方向、ミロカロス→鬼が山山頂のてらす池まで行かないといけない。ヒンバスから捕まえて進化させたのなら交換を要するし、生息地がてらす池の洞窟から降りた先の湖で行くだけでもさらに面倒なため非現実的。ヨノワール→交換必要。そしてアブリボンに関しても遺伝技の「ムーンフォース」を覚えているのでピクニックで横遺伝させる必要がある)。

*5 ちなみにこのセリフの発言場所は原作においてネモが「っていうか 天才ってさ!がんばってるのに そんな言葉でまとめられるの 好きじゃないなー!」と発言した場所である。

*6 ただし向こうにも油断できない相手と認識された。ちなみにチームメイトはトウコとビート。

*7 https://x.com/poke_times/status/1689448996819841024?s=46&t=o1yV34Tyo2ivh-xj1EXSRQ

*8 https://novel-kimiame.pokemon.co.jp/

*9 https://youtu.be/shZyg5VFI1Y?si=RAN7TzUAvJOdFKt1