ユレイドル

登録日:2009/12/09(水) 00:37:44
更新日:2023/12/28 Thu 16:33:42
所要時間:約 6 分で読めます





海の底でエサを探して歩き回る。

木の枝のような首を自在に伸ばして8枚の触手で獲物を捕まえる。



出典:ポケットモンスター、118話『サトシ出陣!VSダイゴ!!』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


■データ


全国図鑑 No.346
分類 いわつぼポケモン
英語名 Cradily
高さ 1.5m
重さ 60.4kg
タマゴグループ:水中3
性別比率 ♂87.5♀12.5

タイプ くさ/いわ
特性 きゅうばん(「ほえる」「ふきとばし」等の強制交代技で交代させられない)
隠れ特性 よびみず(みずタイプの技を全て引き寄せて無効化し、特攻を1段階上げる)

HP 86
攻撃 81
防御 97
特攻 81
特防 107
素早さ 43
合計 495


努力値 特防+2

リリーラがレベル40で進化


■概要


既に絶滅した古代のポケモン。古代生物ウミユリに似た姿をしている。
浅瀬や海底に棲む。頭部の花弁状の触手と頸をそれぞれ3倍の長さまで伸ばして獲物を絡めとり、消化液を分泌してムシャムシャ食べる。ムシャムシャ・・・
進化前と違って歩くことも可能で、時に砂浜へ上陸しては砂の中に潜っている獲物を掘り起こして捕食することもあるらしい。
体は非常に重く、速い潮流でも流されない。

勘違いされやすいが、口のような黒い部分が本当の顔であり、頭に見えるところはただの模様である。

ちなみに、現実のウミユリは植物ではなく棘皮動物の仲間であり、ヒトデやウニに近い。
その為かタマゴグループは同じ棘皮動物のスターミーと同じく水中3のみ(スターミーは性別不明だが)。ただし他の棘皮動物のポケモンは全て水中1である。
また、現実のウミユリはユレイドルと違って絶滅しておらず現代でも海底に生息している。
余談だが、同様に「絶滅したがモデルとなった生物は生き残っているポケモン」としては、他にカブトプス(カブトガニ)やオムスター(オウムガイ)などがいる。
(ただし、オムスターのもう1つのモデルであるアンモナイトは現代では絶滅している)

対の存在はアーマルド


■ゲームでのユレイドル


RSEが初登場で、「根っこの化石」から復元して入手ができる。

トレーナーではチャンピオンダイゴが使用する。

使用技は
「あやしいひかり」
「げんしのちから」
「ヘドロばくだん」
ギガドレイン

ステータス変化と能力値の底上げと体力回復のドレインと面倒臭い技が揃っている。
そして、持ち前の耐久力で、コイツを倒すのにかなり苦労しただろう。
人によっては、メタグロスよりも厄介な存在だったりする。
間違えてラグラージと戦わせてドレインに沈められたり、見た目で判断してバシャーモで焼き尽くす予定が等倍で耐えられて返り討ちにされたり、はたまたジュカインがヘドロばくだんで逝ったりと、トラウマを植え付けられた人もいるはず。

剣盾では発売当初は未登場。エキスパンション・パスについても、ガラル独自の化石の仕様により過去作の化石ポケモンたちは再登場が危ぶまれていた。
ところが、第二弾「冠の雪原」にて、過去作の化石ポケモンたちが野生化して登場。リリーラ・ユレイドルも無事にガラル進出を果たした。
カンムリ雪原の巨人の寝床エリアで釣りをすると、進化前のリリーラを釣り上げることができる。何気に水辺で釣れる水タイプでないポケモンというのは非常に珍しい。
また、カンムリ雪原各地のマックスレイドバトルでリリーラ・ユレイドルをゲット可能。盾のほうが確率が高いが、剣盾両方で出現する。


■対戦でのユレイドル


主に防御・特防に優れるが、意外と素早さ以外はバランスよく目立った欠点のないバランス。
そしてそのタイプは相性補完に優れたくさ・いわ複合で、くさでありながらほのお・ひこうに強く、いわでありながらみず・じめんに強い。
が、上手く打ち消し合いすぎた結果耐性はノーマル・でんきしかない。まさに数値で受ける事に特化したポケモンである。

攻撃技としては物理一致技で「ストーンエッジ」「いわなだれ」「がんせきふうじ」「タネばくだん」「タネマシンガン」、
特殊一致技では「ギガドレイン」「くさむすび」「エナジーボール」「げんしのちから」と選択肢は豊富。
火力重視、後続サポート重視、耐久重視など用途によって選択したい。
サブウェポンとしては物理では「じしん」「じならし」、特殊では「ヘドロばくだん」「ヘドロウェーブ」等。
めざめるパワー」はドラゴン対策の氷か、鋼対策のが有用。

能力値の底上げの「たくわえる」、そして「バリアー」「ドわすれ」を両立できる数少ないポケモン。
物理アタッカーとの有利対面で積めば両受けも可能。

が、

技スペースの関係で実際は厳しい…

しかし、それを差し引いても耐久型として有用な技を多く覚える。
特性無効化の「いえき」、体力回復の「ねをはる」「じこさいせい」、他にも「ステルスロック」「くすぐる」「あやしいひかり」etc…
有利対面で拘束技「まとわりつく」を使えば、回復しつつ補助技でじわじわと削る戦い方が可能。
意外性を狙った「ミラーコート」もある。
というか、上記全ての技を覚える事が一番意外。そしてタマゴ技はサニーゴだけで殆ど賄える。サニーゴさんマジパねぇ。

特性のおかげで「ほえる」「ふきとばし」が効かないため上記な豊富な積み技を活かしやすい。
また、「ステルスロック」や「まきびし」によりダメージを稼ぐ戦法にも強い。
攻撃面では草と岩タイプはいい具合に相性を補っているので敢えて早さに全振り+「ロックカット」の高速アタッカーという変態型もいる。
ただし火力自体は平均的で弱点突けないと火力不足な事と、双方共鋼に半減され、「どくどく」も効かない事に注意。

その高い耐久は特に砂パで力を発揮する。
砂嵐で特防が1.5倍になったユレイドルは種族値換算で170程度。まさに要塞である。

だが、意外と弱点が多く、半減が少ないので油断するとかなり痛い目を見る。
もちろん「ちょうはつ」にも弱い。

隠れ特性はBWで大幅強化された「よびみず」。
水等倍だったユレイドルには朗報であり、うまくいけば心もとない火力も上げられるという一石二鳥な特性である。
「すいすい」を持つ相方ともども砂パの対最終防衛線になれたりもする。
しかし地味な難点がある。それは『ギガドレインとの併用』である。
ユレイドルは今作で同じく強化されたギガドレを覚える為にはほぼ前作必須であり、その為には呼び水を諦めなくてはならない。
一応PDWで友達になった呼び水リリーラがギガドレを覚える場合があるのだが、そうなると遺伝技の自己再生やミラーコートを覚えられない……
おかげで呼び水ユレイドルはメインウェポンとしては些か微妙なエナジーボールで戦わなければいけないので殆どなのである。
遺伝でメガドレイン習得してる暇あったら(ry
…と思いきや、この度BW2ギガドレインが教え技化
さらにORASではレベル技として自力習得が可能になった。

PDWが終了した現在はGTSで人から貰わなければ入手できないので注意。

そして、ユレイドルにはもう一つ輝ける場所がある。それはタイプ統一パである。

時は第6世代・ポケモンXYファイアローの登場により、草タイプ達は窮地に陥った。
耐性に優れない草タイプの高速アタッカー達は、特性「はやてのつばさ」による先制の「ブレイブバード」によって沈められ、
飛行技が等倍の草タイプ達は、素でも高い素早さからの「フレアドライブ」でことごとく灰にされた。
キノガッサのように、タスキからの補助技で対抗する者もいたが、やはり道具に頼り切るのは不安定。
だが、草タイプ統一界にはまだ希望が残っていた。
それこそが、飛行と炎の両方を等倍で受けられるユレイドルであった。

岩タイプというタイプもあまり恵まれているとは言い切れないことから、ユレイドルのことを

「草と岩という不遇タイプが合わさって生まれた奇跡」

と、褒め称えるトレーナーさえいる。
草単と岩単はそれぞれ弱点が5つあるのに、その2タイプが組み合わさると弱点が4つになり、
4倍弱点もないと言うのは確かに奇跡であるといえよう。
草と岩は相性補完という点ではかなり優秀なのだ。

この件がユレイドルに良い印象を付けたのか「奇抜なデザインだけど……ひょっとしてユレイドルはかわいいのでは?」という声も見られる。


第8世代では「どくどく」がメジャー技でなくなったことから、これまでよりも耐久型が働きやすくなっている。
なお、ユレイドル自身も「どくどく」を失ったが、代わりに「やどりぎのタネ」という選択肢を得たことにより、どくどく没収の煽りをほぼ受けていないのが有難い。
「バリアー」や「ロックカット」が没収されているのが惜しい所。

しかし、今世代のユレイドルは耐久型とは別方向での可能性を開花させつつある。
それが草タイプでありながらダイジェットを等倍で受け、一致岩技で迎え撃てるという、ユレイドルにしか成し得ない唯一無二のポジション取りである。
特にユレイドルは特殊受けならめっぽう強いため「草タイプなのにトゲキッスサンダー原種のダイジェットでは貫けない」と、抜きエース候補たちの計算を狂わせる対抗策ともなり得るのである。

ちなみに、重火力草タイプとしての機能についても充実。
今作では技レコードで「パワーウィップ」を習得可能になったため、草タイプとしての火力もばっちり確保できている。草対策をダイジェットに任せきりだったトレーナーは泡を食うことになるだろう。
「タネばくだん」「タネマシンガン」「エナジーボール」「ギガドレイン」その他もろもろ旧世代の一致攻撃技も全て続投のため、お好みで。


ちなみに、
「いえき」「ようかいえき」「からみつく」「くすぐる」「しぼりとる」「ねをはる」「どくどく」
と、中々素晴らしい技のラインナップな為、触手パを使う紳士達にはお呼びがかかる存在でもある。


■外伝作品でのユレイドル


New ポケモンスナップ

ユレイドルは古代に絶滅したはずだが、レンティル地方で正真正銘の野生個体が発見された。
(なお、当タイトルではプテラアーケオスなど他の化石ポケモンも多数出演している)
コピア諸島・レンティル海床に生息。海中ステージのLv2以降で登場するようになる。

海藻の群生に交じって太陽を浴びながら眠っていたり、光の届かない海底に暮らしている個体も確認できる。*1
ネオワン号で間近を通過できること、ユレイドル自体の動きがゆったりとしていることもあり、撮影の難易度は低い。すぐに高得点の写真が撮影できるだろう。

今作のユレイドルは目を閉じていたり笑ったり怒ったりと表情が豊かなので、実際の目がどこにあるのかが本家よりも分かりやすい。
また、ふわりんごを投げ与えると、喜んで食べる。本家でも木の実やカレーを美味しそうに食べるので、今更驚くべきことでもないが

海中をのそのそと歩んでいたり、メロディ機能で音楽を聞かせると ダンシングフラワー のように踊りだすなど愛嬌がある姿も見られる。

ポケモン不思議のダンジョン 時・闇・空の探検隊

きせきのうみ及びきせきのうみ さいしんぶに出現する。同ダンジョンにおいては数少ない水タイプ以外のポケモンだが、大して強いわけではない。

味方としては中々優秀で、あやしいひかりによる搦手や、タネマシンガンやエナジーボールによる遠距離攻撃が強力。かしこさは技関連のものが多いFグループで、これらの技を気兼ねなく使える。
特性のきゅうばんも、ワープスイッチなどで味方とはぐれる心配がないため通常ダンジョンにおいては有用。
通常ダンジョンにおいては、だが。

さてこいつ、レベル1ダンジョンではどうかと言うと、ステータスは壊滅的で、技も低レベルで覚えられるものは大して強くない。
そして、通常ダンジョンでは有用だったきゅうばんがここでは最大のデメリットとしてのしかかる。
技もステータスも弱いため逃げ戦法をとりたいのだが、逃げによく使われるワープスカーフは特性のせいで使えないのである。
もちろんワープスカーフ以外にも、せいなるタネやとびつきのたまも使用不可。
勝ち筋としてはわざマシンやみとおしメガネなどのアイテムが挙げられるが、うんめいのとうではこれらのアイテムは店限定であり、高価格。
そして特性のせいで泥棒手段も限られるため、クリアできる確率が非常に低い。
そもそもこれらのアイテムを入手しても確実にクリアできるわけでもなく、あくまでも 入手=スタートライン でしかない。
そのため、うんめいのとうにおけるユレイドルは進化前と並び最弱の汚名を着せられることになってしまった。


■進化前 リリーラ


約1億年前に絶滅したポケモン。海底の岩にくっつき花びらのような触手で寄ってきた獲物を捕まえる。

全国図鑑 No.345
分類 ウミユリポケモン
英語名 Lileep
高さ 1.0m
重さ 23.8kg

  • 種族値
HP 66
攻撃 41
防御 77
特攻 61
特防 87
素早さ 23

努力値 特防+1


海底の岩に貼り付き海草に擬態、近付いた獲物を触手で捕らえ飲み込む。
生態的にはまんま現実のウミユリである。

種族値は攻撃が40、それ以外の能力が20ずつ進化後よりも低い。
耐久力の高さや豊富な補助技の存在から「しんかのきせき」と相性が良い。
鉢巻アローのブレバや鉢巻ガブリアスの地震等も進化後以上に耐える。
上記のアタッカー型以外の戦術ならユレイドル以上に役立つ可能性がある。
拘束毒毒型、積み技による両受け型、ステロやミラコ毒毒を撃って退場等。

無論、リトルバトルにおいても強力な耐久ポケである。
ストライク等に有利な岩タイプであることや「よびみず」でパールル等の水技を受けられるのも大きい。


■余談


  • くさ/いわタイプ
草と岩の複合タイプというのは長らくユレイドルの唯一無二の複合タイプだった。
時は流れて第九世代にて、くさ/いわタイプを持つオーガポンいしずえのめんフォルムが追加。草岩期待の新人はまさかの準伝説のフォルムチェンジであった。

言うまでもなく、操る戦術やそもそもの力量差からして全く別物であるため、差別化云々などという次元ではなく……とりあえず「ユレイドルの個性が奪われる」と心配する必要はないだろう。

……と冗談めいて述べているが、補足するとHP・防御・特防と耐久の種族値では普通にユレイドルが勝っており、技レパートリー的にも耐久型運用としてはユレイドルのほうが優れている。ただ、オーガポンも十分な補助技に加えて攻撃力も優れており、そればかりは準伝説の面目躍如といったところ。
というかそもそもユレイドルは第九世代には未登場であるという話に比べれば些細な問題である。
後編で登場が決まっていたトリデプスラムパルドに便乗する可能性も考えられたが、それらは野生で登場し(化石ポケモンとは?)化石ポケモンというカテゴリの復刻はかなわなかった。

なお、パルデア地方にはこれまで存在していなかった複合タイプのポケモンが他にもいろいろ登場しており、複合タイプのバラエティも豊かになった。





追記・修正は蓄えるを積んでムシャムシャ食べながらお願いします。

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最終更新:2023年12月28日 16:33

*1 現実のウミユリは浅瀬から深海まで広域に渡って分布していたと推測されているため、このような分布は現実と照らし合わせても不自然ではない