ドラゴンクエストに関する都市伝説

登録日:2024/11/27 Wed 19:00:51
更新日:2025/04/15 Tue 20:40:52
所要時間:約 29 分で読めます





この項目では都市伝説の中でも、『ドラゴンクエスト』シリーズに関わるものを紹介する。

なお、ドラゴンクエストシリーズ全体に言えるが、堀井雄二氏はすべての情報を明かすよりプレイヤーの想像に任せるというスタンスをとっているため、この項目に書かれた情報も後に変わる可能性があることは留意してほしい。


関連項目

ドラゴンクエストⅠ

  • ローラ姫・町娘を連れて宿屋に泊まると「3人でお楽しみでしたね」と言われる
FC版の頃から勇者とローラ姫が一泊することで「ゆうべは おたのしみでしたね。」と言われることで思春期真っ盛りのプレイヤーたちにあらぬ想像を抱かせたこのセリフ。
リメイク版となるSFC版1・2に於いて、アレフガルドの城下町で着いてくる町娘と助けたローラ姫がいると表題のセリフを言われるという都市伝説。
町娘を連れた状態でも宿屋に泊まることが出来、且つ「ゆうべは おたのしみでしたね。」と言われることから、このような都市伝説が発生したものだと思われる。
しかし、実際はローラ姫のみ・町娘のみ・ローラ姫+町娘のどの組み合わせでも「ゆうべは おたのしみでしたね。」だけになり、期待しているような展開にはならない。

ドラゴンクエストⅡ

  • ドラクエ2にはスタッフが仕込んだ最強の復活の呪文が存在する
「ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじ……」と続く復活の呪文を使用すると、レベル48のローレシアの王子もょもとでスタートできる、と言う裏技。
これ自体は都市伝説でもなんでもなく、実際に使用してみたプレイヤーも多いだろう。

では何が都市伝説なのかと言えば、これが「スタッフの仕込みによって用意された」と言う噂。
ドラクエ2のスタッフの名前が多く登場する出来すぎたパスワードである事もあり、意図的な物だと信じていた、あるいは今も信じているプレイヤーも少なくない。

実際のところただの偶然であり、堀井雄二も中村光一も、このパスワードが仕込みである事を否定している。
実の所、ドラクエ2の復活の呪文は最大52文字にギュッとデータを詰め込んでいるため、こうした意味のある文章が登場する事は不自然ではないのだ。
似たようなもので、ドラクエ1や2の「意味のある文章」の復活の呪文が「予言」として出回ることもあるが、これらもも偶然の産物。
現在ではこうした「意味のある文章の復活の呪文」を作成するツールが存在しており、さまざまな文章が作れることが実証されている。
ただし、実際にこのような復活の呪文を入力すると、勇者の名前が不自然であったり、手持ちアイテムが異常な組み合わせであったりなど不自然なデータだったりする。
文章の具体例などは復活の呪文(DQ)も参照。

なお、こうした「仕込みと思われたが実は偶然のパスワード」はドラクエ1・2に限った話ではない。
中には、「極めて卑猥なパスワードを仕込んだ」と濡れ衣を着せられたゲームもある……これについてはゲームに関する都市伝説を参照。

ドラゴンクエストⅢ

  • ロトの兜の正体はドラクエ3の不幸の兜
ドラクエ3には後の世界でロトの装備と伝えられる装備品が登場するのだが、兜だけそれらしい装備が登場しないことから囁かれた都市伝説。
順当に攻略していった場合、クリア時点での勇者の装備=後のロト装備は、剣=王者の剣、鎧=光の鎧、盾=勇者の盾とそれぞれに謂れのある伝説級の装備が揃うのに、兜だけが鉄仮面という勇者専用でもなんでもない単なる汎用市販品である上、ロトの兜と似ても似つかない代物になってしまうのである。
そのため、FC版では兜の中で唯一売却不可かつデザインがロトの兜に似てなくもない(少なくとも鉄仮面よりは遥かに近い)不幸の兜が後のロトの兜なのでは?と言われるようになった。
一応呪いの装備なのだが、不幸の兜のマイナス効果は「運の良さが0になって補助魔法に弱くなる」だけであり、ラスボス戦(正確にはその前座含めて)で補助魔法を使ってくる敵がいないことから、最終戦に不幸の兜装備が実際有効なこともこの都市伝説に拍車をかけた。
しかし、これに関してはリメイク版で勇者の父オルテガが特別にあつらえた勇者専用の兜、オルテガの兜というよりロトの兜に相応しいアイテムが登場したことから下火になっている。HD-2D版の追加イベントを含めて考えても現在の公式設定としては、「オルテガの兜=ロトの兜」でほぼ確定と見て良いようである。
ただし、デザインはロトの兜にあんまり似ていないのだが…。
HD-2D版ではオルテガの兜の改良イベントが追加され、改良後のデザインは紛れもなく「ロトの兜」のものとなっている。

  • 3のFC版でタイトル画面が無いのは容量がギリギリに近く、泣く泣くタイトル画面を削ったため
割と事実として語られている都市伝説だが実際は「確かに容量がギリギリであった」ことに代わりはないが「入れたい要素を入れていたら既に容量がギリギリのところまで来てしまい、そもそも作ってすらいなかったタイトル画面を削ることになった」というのが正確。
「『ファミコン版ドラクエ3は、容量が足りなくてタイトルロゴ画面を削った』という情報が流布していますが、それは違います。
気が付いたら入れるスペースが残って無かったんです!だからそもそもロゴは作ってないんです!
他の仕様を入れる為に、①『すでに作ってたタイトルデータやプログラムを削った』のではなく、
仕様をドンドン入れていったらタイトル入れる容量がなくなっちゃったんで②『未着手のタイトルの作業を削った』のよ
だからデータもプログラムも作ってないねん」
(チーフ・プログラマーの内藤寛のXより:2024/11/18のポスト)
しかし、それが逆に「黒地に白字」というシンプルなタイトル画面の効果を引き立たせることとなった。
元々、上記の黒地にひらがなの白字で「どらごんくえすと3」というタイトルを表示させる予定であった。

  • 遊び人だけが「さとりのしょ」無しで賢者に転職できる理由は、「書物からだけでは真の賢さは得られない」「賢くなりたいなら勉強だけでなく遊ぶことも大切」という製作陣からのメッセージである

3の都市伝説の中で、「4」で機転とお笑いで勇者たちを助ける芸人パノンの存在も相まって美談や深イイ話として語られがちなもの。
派生して、「上記の都市伝説はデマで、バグを美談に仕立て上げただけ」というものもあるが、これはどちらもデマで、そこまで深い意味を持った仕様ではないがバグではなく想定された仕様である。

当初、堀井氏は「遊び人」という職業を文字通りの「お遊び」要素として実装する予定で、我慢して育てても本当に何の役にも立たない地雷職という設定だった。
しかし、完全な役立たずをゲームに実装することに対してスタッフからの反発が強く*1、仕方なくご褒美として設定したのが賢者への転職だった。

  • 遊び人はレベル96でとんでもない遊びを覚える
実際、開発スタッフがこう言っているインタビューがあるのだが、解析してもそのようなデータは一切存在しない。
開発中に没になった設定を実装したものと誤解していたか、もしくはレベル90以降で遊び人の賢さが急上昇する現象*2を指していると思われる。
遊び人の覚える「遊び」は実は僧侶や魔法使いの習得呪文フラグを流用しており、レベル96でオンになるフラグ自体は内部的に存在しているため、「フラグだけは用意していたが、実際の効果は実装されず没になった」と見るのが妥当なところか。

ドラゴンクエストⅣ

  • ドラクエ4のエンディングに出てくる仲間たちやシンシアは主人公の見た幻
根拠として挙げられるのが「仲間がルーラできない村に来るのは徒歩では無理だから」、「シンシアだけ蘇るのはおかしい」、「その方が無常感があり美しいから」…といったもの。
実のところ、これに対して製作陣が明確な答えを出しておらず、エンディングの解釈は個人にゆだねられている。

「堀井雄二が雑誌のインタビューで認めている」というのが根拠とされていた…が、堀井雄二がそのような発言をしたソースが見つかっていない。
当時のファミ通の紙面で浜村通信のコラムで「もしかしてあれは幻だったのかもしれない(要約)」というものが見つかっており、これが「堀井雄二の発言」と誤認されたという説がある程度。

  • 4でPS版以降追加された6章はFC版の頃から構想があった
ラスボスであるピサロが仲間入りすることで良くも悪くも話題になった6章だが、これはFC版の頃から構想されていたというもの。
根拠としてはFC版の取扱説明書に「馬車システムで最大10人のパーティーが実現」とあるのに普通にプレイしていると、最終的に「導かれしものたち8+NPCのドラン1」の9人パーティになることや堀井雄二と中村光一のインタビューでは「ピ○ロ(※原文ママ)は仲間入りする予定だったんだけど容量不足で没になった」という趣旨の話が掲載されていることから。
これらに関しては間違いなく事実である。

しかし、実のところ「10人パーティ」はNPCのうち離脱時期に融通が利くパノンやルーシアが他のNPCと同時にパーティにいられるということで実機で普通に可能である。
また、堀井たちの「仲間入りを没にした」発言は事実であるとしても、この発言の前後は「容量を稼ぐために泣く泣く削った会話やNPCがある」という内容である。
このため、「PS版で言う第6章のことではなく、ピサロがNPCで一時的に仲間入りする部分があったのことを話しているだけ」とも言われている。*3
ただし、FC版のシナリオではどの時期でも同行する理由がないため、仮に実装されていたとしてもどういった経緯で仲間入りする予定だったのかは謎。

いずれにせよ、元がどういうシナリオだったのか、「ピ⚪︎ロの仲間入り」とはなんだったのかは未だ明らかになっていない。

ドラゴンクエストⅤ

  • ドラクエ5のエスタークは、規定ターン内に倒せば仲間になる
ネットがなく検証の方法が限られていた時代に広まった都市伝説の代表であり典型例。
このような説が広まったのは、初のモンスター仲間システムを採用した作品であることと、エスターク撃破時に「この私がたった○ターンでやられてしまうとは…」と深読みできないでもないセリフを言ったことが理由と思われる。
実際にはどんなに早く倒しても特別なセリフなどはなく、仲間にもならない。単純にやりこみ要素の一環だろう。

あまりに広まりすぎて、発売から数年後(すでに6が発売している頃)「月刊Vジャンプ」のドラクエのコーナーで「エスタークは仲間になりません」と公式に否定された逸話もある(ネットも未発達だった当時にも、公式に質問の手紙が山ほど来ていたことが同コーナーで触れられている)。

オリジナルでは特に何も起きないのだが、「規定ターン撃破のご褒美」はリメイク版ドラクエ3のしんりゅうで、「裏ボス仲間化」はドラクエ6のダークドレアムとリメイク版ドラクエ5のタークでそれぞれ叶うことになった*4

この都市伝説の面白いところは、ネットで広まる可能性が極めて低い*5にもかかわらず、「仲間にするためのターン数」が日本各地でほぼ同じということである。
追記者は日本全国で聞いたわけではないので断言はできないが、学生時代に東北と東京と中部の出身者8人にこの噂を尋ねた所、全員から「10ターン」という答えが返ってきた。
この「10ターンでエスタークが仲間になる」というのは、後にドラゴンクエストモンスターズジョーカー2*6で実現している*7
エスタークの強さに対して10ターンはかなり早い方であり、またキリのいい数字なので広まっているのかもしれない。
なお、やり込めばバグ技なしでも2ターンでの撃破も可能で、やいばのよろいの反射バグなどを使えば最短1ターンで撃破出来たりする。
でもやっぱり仲間にはなってくれない。


本編終了後、
①実父の仇にして故郷を見殺しにした張本人でもあるマスタードラゴンに単身戦いを挑むも返り討ちに遭う。
②神に魔界に追いやられ封印されてもなお復讐心は消えず、いずれマスタードラゴンを倒すべく進化の秘法を自らに施す。
③しかしやはり副作用で記憶が混濁してしまい、目的が世界征服にすり替わってしまった。
…というもの。

アルカパの主人の語る伝承での勇者の末路が実際のEDと食い違う事*8、リメイク版ではミルドラースが元人間と言う出自が追加されたことから憶測が生まれた。
また、ミルドラースがシナリオ上の影が薄くなって通称ミルなんとかになってしまったのも途中で「前主人公がラスボスはまずくないか」となり、関連テキストやイベントを削った結果だという声もある。

しかし実のところ、前作主人公の伝承の差異以外根拠が何もなく、あとは憶測に近い話である。
前述のミルドラースの設定も『進化の秘法で神になろうとしていたが、心の邪悪さから逆に魔族にされた人間』という説明があり、主人公の人物像とはだいぶ異なっている。
こうだったら面白いというやや悪趣味なネタの部類の話だろう。

  • ドラクエ5のミルドラースはドラクエ6のブースカが進化した姿
またしてもミルドラースの正体に纏わる都市伝説。
ブースカはドラクエ6の雑魚モンスターで、終盤のダンジョン「ムーアの城」に登場する魔王ムドーの色違い。
中盤の山場であった魔王ムドーの色違いという外見に違わず、強力な呪文や特技、ベホマスライムを呼ぶといった搦手を使いこなす強敵だが、それ以外には特にこれと言った設定はない。
しかしこのブースカ及び色違いの元となる魔王ムドー、手足の短いずんぐりとした体型、角や耳の位置や伸びている方向等、角の本数や翼の有無などと言った違いはあるものの、シンプルになっただけで大本のデザインがミルドラース第二形態にやたらと似ているのである。
ドラクエ6はドラクエ5より時系列的には前にあたる作品のため、これを元にして、ドラクエ6で主君デスタムーアを失ったブースカの生き残りの一匹が魔界で力を蓄え、ドラクエ6→4→5と長い年月を経て進化した結果魔界の王ミルドラースと化したのではないか…という都市伝説。

こちらも「見た目が似ている」という以外の根拠がない与太話の部類であり、上述した通りリメイク5で「ミルドラースは進化の秘法を使った元人間」という設定が公開されたため、あえなく否定されることになった……

……のだがドラクエ6発売から大分後になって発売された「鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ」という書籍にて「ブースカは元々ミルドラース第1形態の没デザインだった」「ブースカの方が先に決まっており、色変えでムドーが作られた」という裏話が公開された。
そのためデザインが似ているというのは当然の話で、最終的に没になってしまったもののメタ的には「ブースカからミルドラースになる」という一点においては一致していたという稀有な回答が得られた都市伝説である。

  • 5以降に登場するエスタークは、記憶を失ったデスピサロ
4のエスタークの体色(青色)が以降のシリーズにほとんど採用されず、5以降のエスタークが概ね4のデスピサロの体色で登場することから、「本物のエスタークは4時点で完全に滅んでおり、以降のシリーズにゲスト出演しているのはデスピサロでは?」と推察されることがある。
実際ゲスト出演版エスタークは大抵記憶を失った設定で出てくるのもこの説を補強する。

反論としては、リメイク版4の6章と明確に矛盾する(これが正史なのかどうかは不明だが)ことや、リメイク前の時点でもデスピサロは「人間体に戻って力尽きる」という描写だったこと、反対にエスタークは倒されても死体は消えずに残っていること*9があげられる。
「未覚醒エスタークが青色で、完全に覚醒したエスタークが茶色」という考察がされることも多く、モンスターズスーパーライトではSランクの「エスターク」が青色、SSランクの「地獄の帝王エスターク」が茶色という風にされている。モンパレやライバルズでは逆で、青色が肩書含めてモンスター名となっている。
モンスターズ3でも勇者たちに倒されたエスタークは魂が定着していない状態と言われており、青色が不完全体というのが公式設定になりつつある。

とはいえ、この説に関しては完全に肯定も否定もされていない状態ではあり、今後に期待である。

  • 5のリメイク版では「魔界の塔」というダンジョンが追加されるはずだったが没になった
PS2版発売以降広まった都市伝説。
PS2版では裏ボスのエスタークを倒すと、理不尽の域に達した難しさのすごろく場が追加され、さらに隠し要素で仲間モンスター2体が追加される。
これらが4リメイクと比べるとクリア後の追加要素としては簡素な印象を受けやすく、「本来は魔界の塔というダンジョンが追加される予定だったが、納期と容量の都合で没となり、その穴埋めですごろく場を追加した」という内容の噂が広まり、本家wikipediaにも掲載されてしまったことがある。

根拠としては、魔界で会話をすると「不気味な気配を地面から感じる」といったセリフを子供達が言う、魔界の「暗黒のすごろく場」の外観は贔屓目に見ても砦なのにBGMが塔ダンジョンで使用される「死の塔」であることやビアンカ*10が「不気味な塔ね」とコメントすると言ったところ。
特にビアンカのセリフは「没になったせいで出来た齟齬の証拠」とよく話題にされていた。
また、発売前に公開された開発画面には現在のすごろく場の代わりに塔アイコンがあったものが掲載されていたことも根拠に挙げられる。

しかし、今作のすごろく場は作り込み自体は丁寧であり、特に件の「謎のすごろく場」は難易度の理不尽さは置いておいて一つのダンジョンレベルで作り込んでおり、「穴埋め」で出来るようなものではなく納期の都合というのはやや疑問が残る。
「開発当初は塔型すごろく場だったのを変更したが、その際にビアンカのセリフを変更し忘れていた」と推測することもでき、子どもたちの会話の「不気味な気配」はエスタークのこと考えれば矛盾はない。

開発者側からコメントがないため絶対に否定される要素もないが肯定される要素もないといった噂である。

  • フローラと結婚をすると山奥の村の墓が増える
SFC版でしか再現できないなどと言われている都市伝説で「主人公と再会したビアンカが実は主人公の子供をグランバニアでのイベントより先んじて身ごもっており、(フローラと結婚してしまうと)流産してしまい墓が1つ増えるというもの。
また、別パターンとして「山奥の村の墓はビアンカと結婚しなかったショックで亡くなったダンカン(ビアンカの父)の墓である」とも言われている。

実際のところ、フローラと結婚してからどのタイミングで行っても墓は増えないし、ビアンカもダンカンも健在である。*11
実際に見た!という意見もあるが恐らくコラージュである。

  • エンディング後に主人公は早死にする
リメイク版含めてゲーム中にはそんな描写は全く無いにも拘わらず、これを信じている者が妙に多い。
不幸主人公はエンディング後も不幸な方が似合うとでも言いたいのだろうか?

結論から言ってしまうと全くのデマでしかないのだが、何故このデマが語られるようになったかについては原因がほぼ特定されている。
それは、久美沙織氏の執筆した小説版DQ5である。
この小説版のラストシーンでは主人公ことリュカが「ちょっぴりお疲れな様子」という描写があり、これを読んだ読者の誰かが「疲れ気味→体調が悪い→病気でいずれ死ぬ」と思い込み、さらにゲーム本編でもそうなのだと勘違いし、それが口コミやネットで無責任に拡散されて……といった経緯で広まったのだと思われる。

では何故リュカが「お疲れ」だったのかというと、このラストシーンの前夜に妻ビアンカによって(性的な意味で)搾り取られていたからである。なおそのビアンカはお疲れなリュカの隣でやたらツヤツヤしてたそうな。ゆうべはおたのしみでしたね
もちろん全年齢対象の作品でハッキリ描写されたわけではないのだが、その「ハッキリとした描写がない」せいでこうした大人向けジョークを理解できないピュアな小中学生の読者*12が上記の勘違いをしてこの都市伝説が生まれた、というわけである。

ドラゴンクエストⅥ

ドラクエで有名な都市伝説の一つ。
別パターンとして「エスタークの正体はテリー」というものもある。
何故これらの都市伝説が発生したのかというと、ドラクエ6の物語そのものが夢の世界と現実の世界に分かれており、同一人物であったとしても世界によっては設定が違う同じ人物が登場してもおかしくないという土壌がある。
更に、テリーは有名作「ドラゴンクエストモンスターズ」でまるで魔王のように魔物を率いることや自ら力を求めて人でありながら魔王の配下、しかもダークドレアムの色違いであるデュランの配下であったことからこの説が生まれたのだろう。
「エスターク」説の場合は、彼が使用したとされる「進化の秘法」は作中のキングレオの様に人を強大な魔物に変貌させる効果があり、更にエスターク自身が記憶喪失であり、常に眠っており夢の世界と結び付けられやすいというように説明がなされている。

しかし、それを示唆ような台詞をテリーやダークドレアムが言った事はなく、そもそも製作者の堀井雄二本人がその説を否定している。
ちなみにこの都市伝説の派生に近いものとして「ダークドレアムとエスタークには関係性がある」という都市伝説もあるが、こっちも示唆する設定や台詞も無いので今の所関係性はないといっていいだろう。

ちなみに似た様な都市伝説として「デスタムーアはチャモロ」、「4のエビルプリーストはチャモロ」等というものもあるが、こちらもこじつけに近い。チャモロの影の薄さから来たネタと思われる。

実はこれらの天空シリーズの○○=○○説は00年代にあるネタサイト(現在は閉鎖)でまとめて載っていたものだが、一部のファンが公式設定だと勘違いして広めてしまったようである。

これもまたドラクエで有名な都市伝説。
この黄金の竜と言うのはドラクエ6にてムドーの城へ行くときに乗り物になってくれる伝説のドラゴンの事で、SFC版のパッケージにもその姿が描かれている。
しかしこのドラゴンは謎が多く、ミレーユが持っていたオカリナを吹くと現れるのみでどんな伝説かも作中で明らかにされていない。
これ以降ほとんどシナリオにかかわらないというのも謎を強めている。

そこでカルベローナ住民が「大魔女バーバレラの血を引くバーバラ様ならドラゴンにも変身できる」というセリフがあること、バーバラがムドーと闘う時何故かパーティから離脱すること、他のパーティメンバーと同じくバーバラの肉体も存在するはずなのだが何故かそれが作中言及されないことから「黄金の竜はバーバラの分離した肉体、あるいは本人」という説が発生した。
また、リメイク版にてバーバラと黄金の竜が同時に存在する事は無いように修正されていることでますますその疑惑は強くなった。
しかし、カルベローナは現実の土地が丸々消し飛んで跡形もなくバーバラは心だけ飛ばして逃げ延びた=肉体はもうない可能性が高いと言われており矛盾する描写もある。

やはり公式側から明言がない…が、この説に関しては製作者の堀井雄二がインタビューにて「『バーバラ=黄金の竜』の設定でストーリーを作る予定だったが没になった」と語っており、公式設定ではないが何の根拠もないわけではないといったところ。
実際、久美沙織によるノベライズ版では、完全にバーバラ=黄金の竜として描かれている。*13

ちなみに派生として「バーバラはゼニス城=後の天空城に残ったため、天空城の主であるマスタードラゴンと関係している」というものも存在する。実際に6のラストシーンはゼニスの城(天空城)でバーバラたちが見守る中で卵が割れて何かが生まれる…というものであり、これがマスタードラゴンと関係しているというのはよく挙げられる。
後に「バトルロード」シリーズのミレーユの技において黄金の竜を「マスタードラゴン」とする表記がなされている。
しかし、モンスターズシリーズでもマスタードラゴンは登場するが、黄金の竜とは別の白いドラゴンとして描かれている。*14
あくまでナンバリングシリーズでもないバトルロードシリーズでの表記なのでどちらが正解なのかは公式でも不明である。

  • ぶちスライムは、現実世界のスライムが「自分より弱いモンスターがいたらいいのに」と願った夢
歴代シリーズでも唯一の「スライムより弱い雑魚モンスター」であるぶちスライムの正体を、6の世界観と合わせて考察した有名な都市伝説。
ぶちスライムは夢の世界にのみ、スライムは現実世界のみに存在しており、さらにそれぞれの生息域も被っていることから、ぶちスライムは「スライムの見ている夢」とする考察。
「ドラクエといえばやっぱり最初の雑魚敵はスライム」という伝統に反したこの配置を説明でき、またぶちスライムが後のシリーズでは異様に影が薄いこともこの特異な出自を考えれば納得できる部分はある。
とはいえ、公式での解答は一切ないので、あくまで「一考察」に過ぎない。

…しかし、この考察には大きな問題点が存在する。
ぶちスライムの亜種であるぶちスライムベス、ぶちベホマラーは夢世界と現実世界の両方に登場する上に、ぶちベホマラーは攻略本によると「ベホマラーを唱えるようになったぶちスライムの変種」とある。
つまりエンカウントしないだけで、ぶちベホマラーの元となったぶちスライムは現実の世界にも存在する(もしくはかつて存在したが、変種になれなかったぶちスライムは絶滅した)とも取れる。
ダーマ神殿をはじめとして「現実の世界では滅ぼされたが夢の世界には残っている」物はDQ6の世界に多く存在するため、別にスライムに限らず多くの者たちの「ぶちスライムは存在する」という思いが夢の世界で具現化した…のかもしれない。
また現実の世界にしかスライムが存在しないのもあくまでエンカウントしないだけで、NPCとして人間たちと仲良くやっているスライムは夢の世界のスライム格闘場に沢山存在する。

ドラゴンクエストⅦ

とある考察サイトから広まったドラクエの有名な都市伝説の一つで、作中で離脱したキーファが後にオルゴ・デミーラになったという物。
「初期のシナリオでは『生き別れた親友が魔王となって世界を征服し、勇者となった主人公と対峙する』というストーリーだったが
 あまりに鬱すぎるので没になり設定の根幹から変更された」…という推測が語られることもある。
確かにあまりに中途半端な時期に永久離脱し、その後アイラ関連を除けばエンディングまで一切触れられない不自然さはあるが、それは他の人物にも当てはまる。
ドラクエ7全体のどことなく陰鬱な展開の多さを考えると、こういう経緯があっても不思議ではなさそう…というだけ。
公式から明言はなく、あるインタビューでキーファの離脱はもっと後半の予定だったことは明かされている。
ゲーム内でも、キーファが離脱した後でアイラが加入する前の時期に、キーファとアイラしか装備できない武器が販売されている等、
本来はここまでキーファはいたのだろうと推察される要素が散見される。

オルゴ・デミーラの元ネタが聖書の蛇やデミウルゴスであるため、そういった内容の考察も絡むため詳しくは検索してほしい。
ただし実際は聖書の教えや解釈から外れている部分が多く*15反論も多い。
これはあくまでも話のモチーフの一つが聖書程度でそこまで教義に沿ってないから、という意見もある。
だがそもそも件の考察サイトの考察自体が「DQ7の物語を聖書に当てはめた場合、キーファの立ち位置は蛇=サタンになる」を根拠にしている。
そのため聖書の要素を完全に排除すると、考察の前提となっている「キーファを黒幕とする図式」が成り立たなくなってしまい、結局考察が破綻してしまう事になる。

「キーファとオルゴ・デミーラのデザインが似ている」という物もあったが、後に公表されたオルゴ・デミーラの公式イラストはキーファのそれとはあまり似ていない。
どちらも顔が長めくらいの程度。当時のドットでは細かい判別がつかなかったため、そのような意見も出たようだ。

魔空間の神殿でオルゴデミーラが「お前たちの命はどこまでいってもお前たちの物、神のために使うべきではない」という発言等から
「キーファが魔王になったのはユバールの民やライラを守れなかったから」という説もある。
だが、そもそもユバールの民は偽神=オルゴ・デミーラの封印を守っていたところにキーファが現れたという矛盾がある。*16
リメイク版の配信石版やDQ11の冒険の書の世界での登場時はライラやユバールの民が危機に陥っていたのは間違いないのだが。
また、「ラーの鏡」がラスダンで手に入るのに使い道がない事から「オルゴ・デミーラの正体を暴くためだったのでは?」という推測もある。
もっともラーの鏡はそれまでのシリーズ皆勤賞の重要イベントアイテムで、7では逆に手に入ると支障が出るイベントが多い。
そのため「ラーの鏡」があると困るが、ここにあるという事が、いかにもオルゴ・デミーラらしい演出ともいえる。

  • ドラクエ7のマリベルは開発段階では永久離脱する予定だった
ドラクエ7のパーティメンバーの人の流れに関する都市伝説。
マリベルは冒険中盤で病で倒れた父親の看病のために冒険を離脱し、入れ替わるようにしてアイラが加入。
そして終盤で再びパーティに加入できるようになるのだが、実は開発当初はマリベルが再加入する予定はなかったのではないか、と言うもの。

というのもマリベルが加入可能になると主人公以外の4人のメンバーのうち、誰か一人を選んでアミット邸に留守番させることになり、世界の危機が迫る中でただ一人お留守番という不自然な構図に対するフォローはあまりなく*17、長期離脱していたマリベルの成長の差に対するフォローも殆どないため、マリベルを抜きにした主人公・ガボ・メルビン・アイラの中盤以降の4人で固定パーティとなる方がシナリオの進行としても自然な形となる。
そのため「当初はマリベルが永久離脱する前提で製作を進めていたが『キーファだけでなくマリベルまで永久離脱というのはマズいんじゃないか』ということになり、開発途中でマリベルが復帰できるようにした。パーティ選択等で不自然な点があるのはその名残」という都市伝説がまことしやかに語られるようになった。

同じく永久離脱するキーファに関しては公式インタビューで「本当はもう少し後で離脱する予定だったが色々育成をやってから抜けられると困るだろうから当初の予定より早く離脱することになった」と述べており、まさにマリベルこそ「呪文要員として育成してたのに急に離脱されて回復役がいなくなって困る」といった事態を引き起こしがちなキャラであるため、「とってつけたような再加入」といった印象を抱きやすいのも拍車をかける。そもそもキーファの永久離脱自体がアレなイベントだというのは置いといて

これと言った否定材料はないものの*18、具体的なソースらしいものは見つかっていない。
堀井雄二がインタビューでそう言っていたという意見もあるがこれは「当初の予定ではマリベルというキャラそのものがいなかったが『話す』システムで会話を楽しんでもらうために追加した」というニュアンスであり、「マリベルは途中でいなくなる予定だった」という内容の発言をしたソースは見つかっていない。

ドラゴンクエストⅨ

DQ9の発売当初に一時期広まった都市伝説の一つで、「ギャル妖精サンディは堀井雄二のお気に入りのキャバ嬢がモデルになった」という物。
しかし公式のインタビューによると、サンディのキャラは「最初にギャルという設定があり、そこから鳥山明が描いたデザインを元に現在のサンディが作られた」という変遷を辿ったと語られている。
サンディはドラクエの世界観から浮きかねないキャラということで批判的な目で見るファンも多かったため、揶揄として冗談半分で言っていたものに後付けが加わったものだろう。

またこの都市伝説の根拠として、発売前に広まったDQ9の開発状況のリークとされるコピペ内の「堀井(と思われる人物)がキャバクラに嵌っていた」という記述を挙げる者もいるが、件のコピペは矛盾も多く、ソースとしては眉唾物である。

余談だがサンディ同様にキャバ嬢がモデルと言われたリメイク5のデボラは、サンディの一件があったからかは不明だが「新しい妻候補は絶対に誰も選ばないようなキャラにしよう」ということからあのデザインで誕生したという経緯がある。

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最終更新:2025年04月15日 20:40

*1 後述の転職ありきでも反対の声があったことも触れられている

*2 特別なフラグによるものではなく、単に成長率がオーバーフローしているだけ。また、呪文を覚えない遊び人の賢さが高くなることに特にゲーム的なメリットはない…どころか、呪文職に転職した際のMP上昇に支障を起こすためむしろデメリット。

*3 「しじん」という没モンスターデータがFC版には存在しており、これがNPCピサロではないかとされている。

*4 ただしダークドレアムはイベントバトルのみの参戦で、タークは自称エスタークの息子のため「裏ボス自身が仲間になる」という展開は実現していない

*5 一応パソコン通信はあったが、利用者は決して多くない時代。

*6 初代JOKERでも戦って仲間になるがターン制限がない

*7 ただしエスタークが結構強いのもあり、圧倒的パワーによる力押し以外で仲間にするなら少し工夫が必要。

*8 伝承では天空城に帰ったとされているが、実際には地上に戻っている。

*9 「ただのしかばねのようだ」のメッセージは出るが、「仮死状態」ということかもしれない

*10 フローラとデボラは「汚れている」といった無難なセリフ

*11 フローラと結婚した後ではビアンカの献身によりある程度は回復していることが明らかになっている。

*12 小説版ドラクエシリーズは公立の図書館などにも収蔵されていることが多く、低年齢層でも気軽に読むことができる。

*13 ゲーム版も同じというわけではないので注意。

*14 ただしファミコン版ドラクエ4、スーファミ版ドラクエ5でのマスタードラゴンは茶色く、そちらのバージョンを呼び出したと考えるならマスタードラゴンが金色でもおかしくはない。これは同一存在と明言されている3のラーミアと8のレティスでも同様のことが起きている

*15 そもそもデミウルゴスが出てくるグノーシス派の解釈における聖書の蛇はサタンどころか「不完全な楽園(エデン)に閉じ込められていた人間を解放した本物の神の使い」である、など。

*16 ただし、ドラクエ7はタイムトラベルの話であるため、その程度の矛盾なら展開によっては解消できる可能性はある。しかしそうすると今度はオルゴ・デミーラが自らタイムパラドックスを起こしたり、そもそも有利にやり直したりしないという矛盾が生まれる。

*17 一応「空飛ぶ乗り物である「飛空石」に乗れるのが4人までなので1人余ってしまう」というスネ夫の車みたいな設定はあるのだが、別に常時これに乗っているわけではない上に、その飛空石も場面によってはパーティ4人+NPC1人の5人で乗り込むことも可能だったりと設定の詰めが甘く、どうにも1人だけ置き去りにする理由を無理やり作った感じが否めない

*18 強いて言うのならマリベルの本領発揮ともいえる『話す』システムにおいては『開発途中で再加入できるようにしたためフォローが足りていない』とはとても言えない程大量の会話パターンがある。