快傑ズバット

登録日:2009/12/01(火) 00:12:22
更新日:2020/02/02 Sun 13:20:07
所要時間:約 5 分で読めます





快傑ズバットとは1977年(昭和52年)2月2日から9月28日にかけてテレビ東京で全32話が放送された特撮ヒーロー番組。
よく誤解されるが、傑という造語が正しい表記で、東映ビデオ発売のVHSラベルでも表記されている傑は間違い。


概要

脚本は『人造人間キカイダー』や『アクマイザー3』の長坂秀桂がメインライターを務め、全32話中30話を執筆した。

あまりに濃い上に偉大なるマンネリを貫いた作風や主演の宮内洋の怪演等でマイナーなものの知る人ぞ知る人気があったが、
近年はスーパーヒーロー作戦2作での優遇やネットの普及でその怪作ぶりが広く知れ渡ったことで、少なくとも特撮ファンの間ではだいぶメジャーになってきている。

当時東京12チャンネルが製作に関わったアニメ・特撮作品の中でも高視聴率をマークしたのがこの『ズバット』であり、3月9日に放送した第6話では15.5%に達した。
企画当初は1年間の放送予定だったが、関連玩具の売れ行き不振などを理由にスポンサーだったタカトクトイスが降板したため、32話で打ち切りになった。
最終回が唐突すぎるのも打ち切りの原因と思われる。

実際、番組の人気は、製作側が設定していた年齢層より上の年代が中心で、それがキャラクター商品の不振の一因ともなった。
(特撮オタクが多々買い始めたのは平成以降の話である)
また、関連商品が売れなかったもう一つの要因として、変身ヒーローとしてのズバットよりも変身前の早川の方に人気が出てしまったからという指摘も多い。

当時の東京12チャンネルは系列局がなく(中京、近畿では独立UHF放送局がその代わりをしていた)、
リアルタイムで観られなかった地域も存在した(北海道地区など)。

第1話から最終回まで全国ネット放送されていない、東映特撮ヒーロー史上唯一の作品である。


あらすじ

科学者の飛鳥五郎は妹の勤める幼稚園に地域掌握のため現れた暴力団・地獄組と対峙し、命を狙われる。
そこに妙な風来坊が現れた。
その男は飛鳥の子供の頃からの親友で日本一の私立探偵・早川健。

地獄組を追い払った早川は幼稚園バスに爆弾が仕掛けられていることを発見し、
園児達を無事に避難させるが、飛鳥はバスを安全な所まで運ぶ際に爆発で重傷を負ってしまう。
敵の魔手は飛鳥の入院先の病院にまで伸び、再び爆発が起きる。
混乱の中飛鳥は銃撃で蜂の巣にされ、早川の腕の中で息を引き取った。

早川は飛鳥の遺した設計図を頼りに、
開発途中の宇宙探検用強化服「ズバットスーツ」と空飛ぶスーパーカー「ズバッカー」を自力で完成させ、地獄組組長・地獄竜を倒す。
だが地獄竜は、飛鳥を殺した犯人ではないと言う。
親友を殺した真犯人を突き止めるため、早川の復讐の旅が始まった。


基本的な話の流れ

1.早川の行く先で、悪の組織ダッカーの各地域のボスと手先である用心棒が乱暴狼藉を働き、地元住民を苦しめている。
2.用心棒は何らかの特技の分野で一番であると自負する。
3.早川は「○○の達人、××。だがその腕前は日本じゃ二番目だ。」と言って挑発。
4.「ならば日本一は誰だ!?」との問いに気障な舌打ち・深く被った帽子の鍔を押し上げる仕種と共に“オレさ”と指差す。
5.それに怒った用心棒は技を披露するが、早川はそれ以上の技を見せつける。
6.それを見た用心棒は早川に敬意、もしくは畏怖を表して一旦退散する。
7.ピンチを救ってもらった地元住民は早川を厚くもてなすが、平和は長く続かず、ダッカーは住民を誘拐するなどして報復に掛かる
8.人質を取られた早川は反撃するにも出来ず、拘束されて戦闘員らに痛めつけられるが、ふと気が付くと、拘束されていたはずの早川が姿を消している
9.窓ガラスなどを蹴破り、颯爽とズバットが登場。名乗り口上を披露する

最後は用心棒およびボスと変身したズバットとの戦いになる。
勝利したズバットはボスを組み伏せ、「2月2日、飛鳥五郎という男を殺したのは貴様か!?」と問い詰める。
飛鳥の仇でないことが分かると戦闘能力を奪って失神させた後に「この者○○(今回の悪事の内容)犯人!」と記したカードを悪人の傍らに置いて立ち去る。


主な登場人物

早川健(演:宮内洋)
黒いウェスタンルックに身を包み、白いギターを背負って各地を旅するさすらいの私立探偵。
言動こそ非常にキザであるが、実際は正義感が強く、困っている人を見過ごせない、人情に厚い男。
2月2日に殺された親友・飛鳥五郎の仇を探して日本中を旅している。
彼の前ではどんな敵でも「日本で二番目」になってしまう、何をやっても日本一のかなりのチートスペック。歌唱力についてはその限りではないようだが。
幼い頃に母と生き別れている。
演じた宮内洋は、「偉大な先輩の後釜(仮面ライダーV3)」でもなければ「集団ヒーローの一員(アオレンジャー)」でもない、完全新規作品でピンで主役を張れるということもあって並々ならぬ熱意をもってこの役に打ち込み、今でも彼の代表作と言えばこの早川健を推す声が多い。

快傑ズバット
早川健がズバットスーツを着用した姿。
登場時の決めゼリフは「ズバッと参上、ズバッと解決!人呼んでさすらいのヒーロー!快傑ズバット!」。戦いの動機が私怨である事、正体を知る者はまず誰もいない事から、世間への認知度は殆どゼロであるはずなのに、エラく自意識が過剰なヒーローである。
武器はズバットのトレードマークを模したZ型の赤い柄を持った
必殺技は飛び蹴りのズバットアタック。
活動時間には5分間という制限がある。早川は何でも日本一のくせに結局この欠点だけは解消できなかった。
残り1分を切るとヘルメットの両耳部分にあるタイマーが警告ブザーを鳴らす。
……が、生身でも十分チートであるために(変身せずに用心棒を倒したこともある)「ズバットスーツは敵へのハンデである」というのがファンの間では定説である。
もっとも、先述したように早川は大抵の回でボコられているので「ハンデ説」は冗談めいて語られることのほうが多い。…が、どんなにガッチリ拘束されていても結局はアッサリ縄抜け出来てしまうことから、やはり舐めプをしている可能性も否定は出来ないが…。

飛鳥五郎
早川の親友。
自称「山登りが好きな貧乏学者」。
優れた科学者でズバットスーツやズバッカーも彼が宇宙探検用に設計した。
ダッカー総統の顔を見たために殺された。
第1話にか登場しないが彼の凶弾に倒れる姿は番組のOPや早川の回想シーンにたびたび登場するため印象に残った人も多い。


飛鳥みどり
飛鳥五郎の妹。
幼稚園の保母をしていたが、兄が殺されてからは早川の後を追う。

寺田オサム
早川を慕う少年。早川の助手になろうと、みどりと共に後を追う。

東条進吾
警視庁八課の課長を務める優秀な刑事。
早川とは大学時代からの友人。
ズバットの正体を知る唯一の人物であるが、刑事として暴力行為を黙認する訳にはいかず、友情と職務の板ばさみの状態となっている。

神竜伸介
31話から登場した国際秘密警察の捜査官で、進吾とは中学時代からの親友。
秘密警察の捜査官という職業柄か変装の名人であり、非常に高い記憶力の持ち主。 

ダッカー

日本中の暴力団やギャング団を影から支配する悪の大組織。警察もその実体を掴んでいない。
ダッカーの構成組織のボスはほぼ全員がDのマークを身につけており、銃刀類や車両などの備品はもちろん、
戦闘員が着用する帽子やネクタイ、果ては計器類や弾丸にまでご丁寧にDの文字が刻まれている。
その割に早川は終盤までダッカーの存在に気づいておらず、正体が明かされた時にはかなり驚いている。情報収集力も日本一ではないのか

首領L(演:はやみ竜次)
ダッカーの首領。
普段は屋敷から配下のボス達を呼び出して命令を下している。武器はブーメラン
飛鳥の仇ではないかと疑われたが、実は真の首領である総統Dの手駒に過ぎなかった。

天海山三兄弟
31,32話に登場。総統Dの直属の用心棒である龍天丸、竜海丸、竜山丸の殺し屋三兄弟。
金剛杖マシンガンや仕込み金剛杖が武器。32話でズバットスーツの十倍の強度を持つシルベール製のスーツを着用してズバットに挑戦するが…。

総統(デー)
「人前に現す時はその人間の死ぬ時だ」と言われている、ダッカーの真の首領。
黄金の覆面で素顔を隠している。黄金のマシンガンが武器。
正体は意外な人物だった。
劇中の演者は「そうとうデー」と発音している。第31話、第32話のシナリオでは総統〇と記されていた。



用心棒

毎回登場する。初期はガンマンのランカークや居合い抜きの名人・風流之介(演じたのは死神博士こと天本英世さん)にナイフ投げが得意な殺し屋ジョーなど、用心棒らしいキャラが多かった。
しかし、回を重ねるごとに渡世人スタイルの拷問器具作りが得意な殺人大工カーペンター甚十郎に、治療より人殺しが得意な医者ドクウッディや、料理作りもできる殺人コック(セガールにあらず)伊魔平、何故か老婆に変装した穂先を発射するの使い手ガラバーとと変なヤツが増えてきた。
そして毎回律儀に早川と隠し芸対決してくれる。
最後の最後になるまで飛鳥を殺した真犯人は特定できなかったが、もし倒した用心棒の誰かひとりでも嘘をついていたら永遠に謎のまま終わっていたのでは?という点はファンからもよくネタにされる。

戦闘員
全身黒づくめの服装にサングラスという恰好。各組織によってファッションに細かな違いがある。

オープニング主題歌は水木一郎の歌う「地獄のズバット」、エンディング主題歌は「男はひとり道を行く」
一部伴奏曲が『科学戦隊ダイナマン』に使われている。
ダイナマン、ズバットのどちらもオープニングのイントロで薩摩琵琶が使用されているが、これは音楽担当の京健輔さんの十八番。

「スーパーヒーロー作戦」では鞭を振るって一瞬で大・中・小の三つのサイズの石球を空中に飛ばし、
更に飛ばした石が落下している最中に鞭でそれぞれの石を削ってウルトラマンの形に加工、
あまつさえそれを三段重ねにしてしまったり。不思議界が崩壊する際に宇宙刑事たちはそれぞれの専用マシンを使って脱出していたのに、
ズバットだけ超空間に浮かんでいた鉄パイプに鞭を巻きつけて自力で脱出していたりと色々規格外な行動をしてあるが、
何をやらせても(ただし歌唱力と探偵としての腕前は除く)日本一の男だから仕方ない。

更にはエンディングで全ての世界が統合前に戻った後も、
他のキャラは皆朧気にしか覚えていない中一人だけ完全に記憶を保ったままという異様な優遇をされていた。
本作きってのジョーカー枠というか、もはやデウス・エクス・マキナの域に達している感すらある。
優遇したのは他と比べて知名度の低いマイナーヒーローだかららしいが……絶対スタッフの趣味だろ!
と言うか某攻略本では寺田Pがファンであることを名言しており、企画会議は毎回ズバット鑑賞会になっていたんだとか。


それ以前でも、「ヒーロー戦記」に登場する風見志郎の決め台詞が「日本じゃぁ二番目だ」、敵の用心棒と勝負をする、飛鳥五郎の仇を探す等、
V3に変身してデストロンと戦う以外は完全に早川健と言う、外の人が同じとは言え風見ファンにとっては許せない改変をされていた
けど光太郎なんて南の方東の方も完全に原作のキャラが崩壊してたんだから、外の人ネタのキャラになっていた風見はマシな方かも
ちなみにこの設定のせいか、本作のV3は無茶苦茶強い。というか、隠しでのマサキ&シュウほどではないがレベルがおかしい。

なお、後のガイナックスのメンバーによる同人作品『DAICONフィルム』内の『快傑のうてんき』は、この作品のパロディである。

原作者の石ノ森章太郎もゲスト出演している。


「追記・修正の達人、Wiki篭り。だがその腕前は日本じゃ二番目だ。」
Wiki篭り「ならば日本一は誰だ!?」


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