トキオカ リュウイチ

登録日:2022/04/02 Sat 15:01:43
更新日:2025/05/21 Wed 16:55:36
所要時間:約 7 分で読めます






トキオカ隊長!


まだ代理だよ。

よく頑張ってくれた。畳みかけるぞ!


トキオカ リュウイチとは、TSUBURAYA IMAGINATIONオリジナル映画『ウルトラマントリガー エピソードZ』の登場人物。

演:中村優一


※以下、『エピソードZ』本編のネタバレ注意!


概要

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』から2年後のGUTS-SELECTにて、
情報局へ異動になったタツミ セイヤに代わって新たに隊長の座についたTPUの一員で、タツミの後輩。
ただし本人曰く、あくまでもタツミの代理である模様。

本職は考古学者であり、その知識量はヒジリ アキトから「超古代学のエキスパート」と称される程であり、彼からも大いに尊敬されている。
何より、アキトが開発したGUTSスパークレンスの基になったエンシェントスパークレンスを発掘したのは他でもないこのトキオカ自身である。
そんな技量の持ち主故に、GUTS-SELECTに配属される以前からシズマ ミツクニの右腕として働いており、その信頼も厚い。

戦闘では大型レールキャノン「スパークガレオン」を使用。
その見た目はGUTS-SELECTの共通装備であるGUTSスパークレンスを巨大化させたようなもので、威力も折り紙付き。


人物像

一人称「僕」
気取らない気さくな性格で、GUTS-SELECTの一員ともすぐに打ち解けた。

科学者としての探求心も強く、エタニティ・コアから帰還したマナカ ケンゴについて「何故光は人になることを望んだのか」と疑問を呈している。

どうやら職業柄、ケンゴには大きな関心があるようだが……?


劇中での活躍

仲間達と共に怪獣達への対応に日々精を出していたが、超古代文明人の末裔を名乗る集団・ライラーの一員ライラーイブラから、
「このままではケンゴがエタニティ・コアと完全に融合し、二度と戻ってこれなくなる」という事実を知ると、彼を救い出すべく行動を開始。

ライラーが行っていた儀式やアキトの解析していた石板の記述のみならず、
エンシェントスパークレンスや人工衛星・ソルの太陽光をエネルギーにする仕組みを活かして救出作戦を指導し、見事ケンゴをコアから切り離して復活させる事に成功した。

しかし、エタニティ・コアから強引に引き離された影響でケンゴが持っていたGUTSハイパーキーの光が地上に散乱してしまい、今度はそれを集める事になる。
しかも、その回収任務の前にライラーイブラがTPUから脱走してしまった上、別宇宙から来襲してきた寄生生物セレブロも事件に絡み、状況は混沌を極めていく。
そんな中でも隊長としてGUTS-SELECTをまとめ上げ、セレブロを追ってきたナツカワ ハルキとも共同戦線を展開するが、
変身前にハルキがセレブロに密かに寄生されており、彼がウルトラマンゼットに変身して怪獣を倒した直後にセレブロに意識を乗っ取られてしまったことで、
ゼット当人の意識は無事だった影響か、ウルトラメダルの力は使用できなかったものの、ゼットはオリジナルの姿でレッドダメージ*1と化し、
セレブロの意のままにゼットに襲い掛かられたウルトラマントリガーを助けようとした際、その光弾を喰らって爆炎の中に消えてしまった。


余談




追記・修正は、勇気ある行動の末に散った人にお願いします。































































お前がセレブロか!一体何をするつもりだ!

ゲームさ!それに少し、『彼ら』の手伝いをね……?

手伝い?


協力感謝しよう。セレブロ。






トキオカ リュウイチ/ザビル

登録日:2022/04/02 Sat 15:01:43
更新日:2025/05/21 Wed 16:55:36
所要時間:約 10 分で読めます




概要(ネタバレあり)

トキオカ リュウイチとはTPUに潜り込む為の偽名で、本名は「ザビル」
その正体は3000万年前から生きてきた古代人の科学者にして、かつてはユザレが率いていた地球星警護団の一員であった。


経歴

かつてはユザレや仲間達と共に襲い来る闇の巨人に対抗し、『神器』ことエンシェントスパークレンスを作っていた。

しかし、そんな彼の奮闘も虚しく、スパークレンスの完成を待たずして闇の巨人を抑えるべく力を使い果たしたユザレが消滅してしまう。
それだけでもザビルにとっては大きなショックだったが、そんな彼の心に追い打ちをかけたのがトリガーの存在だった。
闇の巨人から光の巨人に転化するや否や、自分たち人間が手も足も出なかった闇の巨人に立ち向かうと(彼視点では)いとも簡単に封印してのけたその姿に、
希望を持つどころかそれまでの自分や同胞たちの奮闘や犠牲に虚しさを覚え、その心は完全に壊れてしまった*2

が、それと同時にザビルは「光の力」に魅入られてしまい、「我ら自身が光(=ウルトラマン)になればいい」として、戦いが終わった後もエンシェントスパークレンスの開発にのめり込んでいくようになる。
なお、この時彼は闇の巨人の復活を予期しており、その撃退方法や過去の出来事を記した石板を製作したのだが、
それこそ『トリガー』TV本編でアキトが解析し、GUTSハイパーキーの開発に使用していたあの石板そのものであった。

そうしてこれまでの3000万年という、気が遠くなる程の長い年月を全て研究に注ぎこんでいたが、
やがてミツクニの存在を知ると、彼やTPUの技術力を利用するために「トキオカ リュウイチ」を名乗って組織の一員となり、
ミツクニやTPU上層部の信頼を勝ち取るべく、表向きはその活動に尽力してきた。
しかしそれは超古代技術の発掘と解析を促し、封印されていたトリガーの力を目覚めさせるための隠れ蓑に過ぎなかった。
即ち、このザビルこそが『トリガー』の物語における全ての黒幕だったのである*3

総じて彼もまた、ウルトラシリーズでは一定数見受けられる「地球は人間の手で守っていかなければならない」という真っ当な考えを持ちながら、力への強い執着心から間違った方向に進んでしまったキャラクターと言える。
また、「トキオカ リュウイチ」を名乗っていた頃は、光が人間へと転生した存在であるケンゴに隊長としてフレンドリーに接していたが、
内心では「光がどれだけ人間のふりをしようとも所詮は光」と半ば嫉妬心も混じった嫌悪感を抱いており、その本質に目を向けようとしない。


目的

ザビルとしての目的は、闇の巨人の完全な討伐とエタニティ・コアの安定、そしてその上でトリガーの光を奪い取る事。
その為、ライラーを影から扇動してケンゴ=トリガーをコアから引きずり出す策を思いついたが、
サルベージした結果トリガーが光の力を失い、ただの人間と変わらない状態で出てきてしまう可能性があった。
そこでセレブロと結託し、「保険」としてゼットを自分達の宇宙へ誘い出す算段も考えていた。

結果として、危惧していた通りトリガーは光の力を失ってコアから分離してしまったものの、
同志やセレブロの協力によって飛び散ったトリガーの光の力、マルチ、パワー、スカイのGUTSハイパーキーを回収した上で自然にケンゴに使わせ*4
そうしておおよそ想定通り作戦を進めたザビルは、セレブロに奪わせたケンゴのGUTSスパークレンスとトリガーのGUTSハイパーキー、
そして自身が開発したエンシェントスパークレンスを使って、遂に悪魔の実験に着手してしまう。



ユザレ……やっとお見せできます。

人が、光となる瞬間を……。





イーヴィルトリガー



ルルイエ・ク・ライラー……!

「「「「「ルルイエ・ク・ライラー……!」」」」」






ウルトラマントリガー?

そんな……!

違う……光じゃない!トリガーとは何か違う!



これが……私の体!

ハッハッハッハッハ……ハッハッハッハ……。


データ

身長:54m
体重:4万4千t


詳細

ザビルが遺跡の神殿にて「ルルイエ・ク・ライラー*5という呪文を詠唱し、共に儀式を行ったライラーの構成員を吸収させたエンシェントスパークレンスで変身した姿。

その姿は基本的にはトリガーマルチタイプと酷似しつつも、カラーリングはあのイーヴィルティガとほぼ同じもの。
本家トリガーのような光を目指して生まれたものだが、その本質はシズマ ユナから「光じゃない」と断言された上、
この状態では変身しているザビル本人はまともに自我を確立出来ず、同胞の遺したものを活かせなかった無念さやその強大な力そのものに飲み込まれて半ば暴走しているかのようなものであり、
その本質はザビルが躍起になって探し求めていた光とは程遠い、あまりにも禍々しい雰囲気を纏った戦士であり、身もふたもないことを言ってしまえば闇そのもの。
実際、戦闘中に両目から闇のようなオーラが溢れる演出や、インナースペースも神々しい空間から徐々に闇に侵食される演出もあり、ますます「紛い物」としての存在感を強調する形になってしまっている。

なお、見た目や物語上の立ち位置こそイーヴィルティガと似ているが、ティガとは別の光の巨人と一体化した人間が暴走し、悪のウルトラマンとなったあちらに対し、
こちらはザビルがトリガーの力を奪い、自らの力とした上でトリガーに酷似した姿に変身した「にせウルトラマン」という違いがある。
また、トリガーのマルチ、パワー、スカイの合計3タイプの力を奪って変身したためか、劇中ではトリガーとトリガーダークを向こうに回して彼らを圧倒するほどの力を発揮している。


使用技

  • イーヴィルシュート
ゼペリオン光線と同じ構えで放つ、青と黒の光線。


哀しみと無念に苛まれ、道を踏み外した孤独な科学者の末路

イーヴィルトリガーとなって以降は、ゼット レッドダメージと共にトリガーダークを袋叩きにし、
加勢に入ったナースデッセイ号バトルモードとガッツファルコンすらも容易に蹴散らし、ナースデッセイ号に至っては地面に叩きつけて破壊してしまうが、
そこへアキトと共に変身アイテムを奪還したケンゴが変身したトリガーが参戦。

2対2のタッグ戦を繰り広げるが、ゼットの応援やケンゴの呼びかけによって奮起したハルキが気合いでセレブロを追い出した事でゼットが正気に戻り、3対1という状況に追い込まれる。
それでもイーヴィルトリガーの力を存分に振るって互角以上に立ち回った。


私は光……私が全人類を導くウルトラマンだ!

ウルトラマンの力は、誰かを支配する為でもなく、導く為のものでもない!

ほざくな!私は……光!ワタシハ……神!ワたシは……わタしハ……
ウワアアアアアアアアアア!!


その力を制御出来なくなり、体から赤黒い稲妻を撒き散らすイーヴィルトリガー。


ヒかリ……ひカり……光よおおおおお!!


その暴走の最中、ライラーイブラに再び寄生したセレブロが怪獣メダルで変身したデストルドスも現れ、再びウルトラマン達は劣勢に立たされる。

そしてイーヴィルトリガーはトリガーからエネルギーを奪い始めるが、そこへGUTS-SELECTの面々も駆け付けてイーヴィルトリガーを妨害。
仲間達とのと繋がりを胸にトリガーは立ち上がり、更にはユナの呼びかけに応えたエタニティ・コアのエネルギーでグリッタートリガーエタニティへと進化し、
デルタライズクローとなったゼットの「デスシウムスラッシュ」やトリガーダークの「ダークゼペリオン光線」でデストルドスを倒されてしまう。

そんな中でもイーヴィルトリガーは超巨大化して3体のウルトラマンに襲い掛かるも、
最期は「グリッターゼペリオン光線*6」「ダークゼペリオン光線」「ゼスティウム光線」の合体光線を浴びて敗北。
元の姿に戻ったザビルは自分を哀しげに見つめるユナの表情と、走馬灯のように流れる過去の仲間達との記憶から真に重要なものを悟ると、
満足げな笑顔を浮かべながら、遺跡の塔と共に光の粒子となって消滅した。


余談(ネタバレあり)

  • 彼によって明かされた地球星警護団の過去を知った事で、「『トリガー』本編の様々出来事(バリガイラーのセリフなど)に別の側面が見える」という意見も出て来ている。

  • イーヴィルトリガーのスーツはアトラクション用のトリガーのスーツを改造したもの。
    怪獣の着ぐるみやウルトラマンのスーツを新造する余裕がない中で新しい敵を登場させるべく考えられた策らしい。
    また、武居正能監督によると当初は単純にトリガーの色替えにする予定だったが、「目の色が青いデザインが決め手になった」という理由から、本家のイーヴィルティガに寄せる方向に転換したという。


  • 今作から7年後が舞台の『ウルトラマンデッカー』にもTPU内に潜入していた宇宙人が登場し、しかも対闇の巨人用の巨大兵器「DG-001」を強奪するというアクシデントを引き起こしている。
    何の因果か、『デッカー』のメイン監督&シリーズ構成は今作と同じ武居監督&根元歳三コンビだったりする……。


追記・修正は、ただの人間として仲間と手を取り合ってからお願いします。

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最終更新:2025年05月21日 16:55

*1 片目が赤く染まり、肉体の主導権をセレブロに奪われてしまった状態

*2 トリガー達の事情を知らなければ、トリガーの行動は闇の巨人が勝手に仲間割れを起こし、裏切った闇の巨人によって他の3巨人が封印されたという状況である。

*3 なお「全て」とは言ってもその最中に起きたアブソリューティアンキリエル人、更にそれらに導かれるかのようにやってきたウルトラマン達の来訪など想定外の事態も発生はしている。

*4 飛び散った直後のトリガーのGUTSハイパーキーはそのままでは使用出来ないため、一度本来の持ち主であるケンゴに使用(起動)させる必要があった。

*5 超古代語で「希望と光」の意味。

*6 よく見るとかつてのティガ同様に「セルチェンジビーム」のような前動作がある。