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トウモロコシ

登録日:2026/04/11 Sat 21:24:55
更新日:2026/08/06 Thu 20:18:48
所要時間:約 4 分で読めます




トウモコロシ!!…もとい、トウモロコシとは、イネ科の植物の一種である。

食料として重要なポジションの植物の一つ。


◆概要◆

中南米原産のイネ科植物。高温で日照の長い環境を好む。
茎は単一で直立する、

熱帯産の植物であるため、二酸化炭素を濃縮する能力を持つC4型光合成植物である。
???「トウモロコシ、お前に意味を与えてやる。 仕事の時間だ」

+ C4型植物とは
C4型光合成(植物)とは、光合成の過程に二酸化炭素を濃縮するためのC4経路を持つ光合成(及び、その能力を備えた植物)である。
一般の光合成であるC3型光合成は高温や乾燥など気孔*1が閉じがちになる条件下ではもちろん二酸化炭素を集めにくくなるが、C4植物はそうした条件を回避して気孔を開け、二酸化炭素を取り入れることが可能である。
よくわからないならC4植物は二酸化炭素限定のスーパーチャージャーを内蔵している、更に噛み砕いて言うなら他の植物だと乾燥を防ぐために気孔を閉ざさないといけないような真夏のカンカン照りの太陽の下でもバテずに光合成が出来る、くらいに考えればいい。
高温乾燥地域や二酸化炭素濃度の低い地域などに対応するための進化であり、こういった条件にC4植物は強い。
逆に、二酸化炭素を濃縮するということはそれにもエネルギーを使うということでもあるため、二酸化炭素濃度が高かったり低温で湿潤だったりという、通常の植物にとって好ましい環境では逆にエネルギーを浪費することにつながり不利になる。劣悪地域向けの進化なのだ。

発芽から3ヶ月程度でススキのような雄花が生じ、花粉を風に乗せて飛ばす。
花粉がヒゲ状の雌しべに受粉すると、雌花の付け根が膨らみ可食部である趣旨を形成する。
つまりトウモロコシのヒゲは一つ一つが種子に対応しているのである。
なお、極稀に雌穂(しずい)ではなく、雄穂(ゆうずい)の方に実が成ってしまうことがある。
「僕、オトコノコにゃのにぃぃぃ」
これは「雄穂種子(タッセルシード)」(「タッセル」とは「房」の意)と呼ばれる現象であるが、寒冷な環境等が影響して起こる現象である。

《名称について》

学名はZea mays(ゼア メイス)
英語(アメリカ英語)では知っての通りCorn(コーン)
余談だが、伝承上の獣として有名なユニコーンもスペルで書くと“unicorn”である。
つまり、あの角をトウモロコシの房に見立てた名前である……などという事は一切ない!!
ユニコーンのcornはラテン語で「角」を意味する“cornu”に由来し、今の英語の“horn”(角)に対応する。
なので、偶然の一致のようなものである。
ただ、それを掛け言葉として、北海道由仁町が、ブランドトウモロコシ『ゆにコーン®』を製造・販売している。
なお、イギリス英語では“Maize(メイズ)”と呼ぶのが一般的。

和名の「トウモロコシ」は、「(中国のこと)から伝わった蜀黍(トウモロコシとは別種の穀物。「高粱(コウリャン)」という別名でも知られる)に似た作物」ということで「唐蜀黍(とうもろこし)」と呼ばれるようになった。
また、キビにも似ているため「とうきび」「なんばんきび」とも呼ばれた。前者は北海道で定番の呼び名である他、東北や北陸などでは「きび」「きみ」などと省略・変化して定着した。後者は「なんば」と略されて関西圏で定着する呼び名となった。


◆歴史◆

《発祥》

トウモロコシの先祖となる植物は現在から遡ること9000年ほど前、中米メキシコ周辺のバルサス川流域に生育していたと見られる「テオシント」と呼ばれるイネ科の植物である。
このテオシントだが、見た目はトウモロコシとは似ても似つかないような硬い実の付いたエノコログサのような代物で、とても実の部分を食用にできる代物ではなかった。そのため食料としての最初期の頃は、テオシントは実ではなく茎から甘い汁を吸うという形で消費されていたと考えられている。
このテオシントが後にメソアメリカ文明の中心作物へと変貌し、マヤやアステカの神話では「人間の素材」として扱われるほど神聖視されるようになる。特に『ポポル・ヴフ』では、神々が泥・木での創造に失敗した後、ついにトウモロコシを材料として人間を創り出したと語られ、植物としての起源がそのまま人類の起源神話と結びついていった。

《発展》

しかしそのうち突然変異したテオシントが発見され、実の殻が柔らかい個体、粒が大きい個体、多めに実をつける個体など人間が実を食料とする上で都合の良い形質を持った個体が発見され始める。
栽培するうえでこういった性質を優先的に残したほうが良いことに気づいた古代人たちは、気の遠くなるような時間をかけてこれらの性質を持つ個体を配合、栽培し続け、品種改良を行った。
その結果実は大きくなり、殻は柔らかくなって食べやすくなり、そして一つの茎に大量の実を付けるようになった。これが後にトウモロコシの原型となる作物である。
またその結果野生で自然に伝播する能力は失われてゆき、人間によって持ち運ばれたり栽培されたりしない限り種として存続できない植物となっていった。
こうした人為的改良の積み重ねは、メソアメリカの文明発展そのものを支えた。アステカやマヤでは、トウモロコシの豊穣が国家の繁栄と直結していたため、農耕儀礼や神々への供物としても重視された。ポップコーン(モモチトル)が儀礼の頭飾りに使われた記録もあり、単なる食料を超えた文化的象徴として扱われていた。

《食用にされるまで》

とはいえ今のようなスイートコーンが完成するのははるか未来の話である。とりあえず食えるような代物にまではなったとはいえ、まだ皮は硬くて食感は悪かったし、何より消化に悪かった。
が、とりあえず焼けば食えるかと思ったのかは定かではないが、トウモロコシの粒を火の中に放り込むと、中の水分が蒸発してトウモロコシの実が破裂して硬い皮が破れ食べやすくなることが発覚する。こうして中米の住民はポップコーンを発見する。
また、中米の住民がトウモロコシを煮込む際に混入した灰が偶然にもトウモロコシに化学変化を生じさせ、皮が柔らかくなり食べやすくなることが発見される。これにより乾燥させたトウモロコシを石灰や灰汁などを混ぜたアルカリ性の液で煮込むニシュタマリゼーションが編み出される*2
これによりトウモロコシの栄養素*3がより吸収されやすくなるだけでなく最大の問題だった消化の悪さが改善され、トウモロコシは主食として北アメリカの先住民や中南米の住人の間で一気に普及していく。

《世界に広まる》

1492年、大航海時代に西欧諸国が沸いていた頃、コロンブスがアメリカ大陸に到達。そして持ち帰られたトウモロコシは数十年という圧倒的な速さで南欧などの温暖な地域に定着し、食料としての地位を築いてゆく。
主な理由としてはC4型植物についての説明でも述べた通り、トウモロコシは光合成の効率が極めて高く、南欧特有の強い日差しに耐えながら二酸化炭素を効率よく炭水化物に変換できるため、適切な環境さえ整えば成長が早い上に一粒の実から大量に収穫できるという作物として最高に理想的な性質を持っていたからである。
当時のヨーロッパでは精白された小麦は王侯貴族のような高い身分の人間しか食べられないものであったため、トウモロコシは食料不足に喘ぐ農民や貧困層にとって安価な食料供給源となる存在だったのだ。もっとも、その調理技術を持ち帰れなかったせいで後述するある重大な問題が発生する事になったのだが…
またトウモロコシは大航海時代を通じて世界中に移り住んでいった移民たちが植民先で食料を確保するための橋頭堡としても役立ち、新たな時代を切り開く原動力ともなっていった。

+ 歴史の闇
現在、アフリカの多くの地域で主食とされている「ウガリ」がトウモロコシ粉の料理であることや、アメリカ南部の黒人文化(ソウルフード)において「コーンブレッド」や「グリッツ」がソウル・フードとして深く根付いているのは、トウモロコシがアメリカ南部やアフリカの植民地で酷使される黒人奴隷、現地人労働者向けの安価な食料として利用されたからである。

また16世紀頃にはポルトガル人、スペイン人の商人経由で明にも伝わる。
当初は福建などの温暖な湾岸部で栽培されていたが、山間部などの未開墾の土地でも栽培できるほどの頑強さが知られるにつれて次第に黒竜江省や吉林省などの寒冷で乾燥した地域へと伝わり、当時文明の発展とともに人口の急激な増加と食糧不足に悩まされていた中国の食糧不足を救ったとされる。現在でも東北地域では玉米と呼ばれ、玉米面粥(トウモロコシの粥)、窩頭(トウモロコシの蒸しパン)といった料理として食べられている。

日本へは1579年(天正7年)に南蛮貿易でポルトガル商人によりもたらされたとされる。
前述したように、唐から伝わった*4モロコシに似た植物ということで「トウモロコシ」と呼ばれた。
その作物は、日本では既にトウモロコシと似た立場の作物として粟・稗などが栽培されていたほか、耕作に適した平地では年貢や商品作物としての米作が優先されていたため食用としてはすぐに定着せず、江戸時代頃までは中国由来の変な植物程度の認識で大規模に生産されることはなかった。一方、四国や中部の山奥等、水田に適した平地が確保できないような地域では貴重な作物として重宝されていたという。
しかし、明治時代に移り北海道が開拓されるとある別の用途で注目されるようになる。

家畜の餌だ。

チーズの項目に詳しいが、日本で酪農が広まらなかった理由として牛を食わせていけるだけの広い牧草地が確保できなかったから、という物があった。それが広大な北海道の土地が開拓された事で放牧に適した土地が確保できるようになり、ようやく日本でも本格的な酪農事業が始動し始めたのだ。
だが、寒冷で夏が短い気候の北海道は米の栽培に向いておらず、入植当初の開拓団は食料の確保に難儀していた。
そこで当時北海道開拓の陣頭指揮を取っていたお雇い外国人のホーレス・ケプロン、ウィリアム・スミス・クラーク*5らが、自身の故郷であるアメリカ北東部で栽培されていたトウモロコシを導入。寒冷で乾燥した気候に合わせて品種改良されていたトウモロコシは北海道の地にも馴染み、幾度かの品種改良を経ながら救荒作物として普及してゆく。
そしてその栄養価の高さは家畜の餌としても注目され、北海道の広大な農地を利用して飼料用のデントコーンの栽培も開始される。そして牧草よりもはるかに高カロリーで体積の小さいトウモロコシを牧草と共に大量に食わせるという近代式酪農が導入されるに伴い、酪農に広い放牧地は必須条件でなくなり、平地の少ない本州での酪農の普及に繋がっていったのだ。

その後科学技術の発展とともにコーンシロップやコーンスターチといった製品への加工技術が編み出される。
さらにバイオエタノールの供給源にもなるなど、今日の我々の生活とは切っても切れない重要な作物となった。
今日では世界統計で量的に最も生産されている穀物というデータもある*6


◆主な品種◆

トウモロコシは長い栽培の歴史の中で様々な品種が生まれている。

  • 甘味種
「スイートコーン」とも。
一般的に「トウモロコシ」と言われて真っ先に思いつくであろう品種。
黄色または白い、柔らかく甘い種子を実らせる。
品種によっては生食も可能。

  • ベビーコーン、ヤングコーン
甘味種の雌穂や若い未熟果を摘み取ったもの。中華丼などで使う。

  • 硬粒種
「フリントコーン」とも。非常に硬い種子をつける。
あまりに硬いため生食は難しく、未熟なものは焼きトウモロコシにする。熟したものは家畜用飼料や工業原料に用いられる。
実は我が国に在来品種が残っており、北海道の「八列もろこし」や山梨県の「甲州もろこし」がそうである。
粒が硬いことと、色が鮮やかであることを活かして、これ自体を装飾品に使うこともある。

  • 爆裂種
「ポップ種」とも。みんな大好きポップコーンに使われるのはこれ。
乾燥した種子を煎ると、破裂してポップコーンとなる。
前述の硬粒種同様、色が鮮やかな品種を茎ごと乾燥させて装飾品として用いることもある。
硬粒種同様、金槌(かなづち)で力を入れて叩かないとつぶれないほど硬い。人間の歯などとても通らない。

  • (もち)
意外かもしれないが、トウモロコシにもモチ米、もといモチトウモロコシがある。
「ワキシーコーン」とも呼ばれる。
モチ米同様アミロペクチン*7を生成するので、蒸すとモチモチした食感になる。
粒の色は黄色や白のほか、黒紫色がある。

  • ジャイアントコーン
江崎グリコのアイスクリームではない。
非常に大型の種子を実らせるトウモロコシで、原産地のペルーではチャクロと呼ばれている。
ペルー中南部ウルバンバ地方の標高約3000mのごく限られた地域でのみ栽培され、加工品が輸出される。
甘みはそれほどなく、生で食べるとボソボソするが、茹でるとモッチリした食感に変わる。
揚げてを降っておつまみに。ペルーでは茹でたり、ペースト状にして調理されることも多い。

  • イエローデント
粒の頭頂部に「デント(くぼみ)」がある。
栽培しやすく、大量生産に適した品種であるが、
全く食用に向かず、主に家畜の飼料や産業用アルコールに使われる。
とある漫画では、ロケット作成のキーアイテムとして扱われた。


◆食材として◆

コメが主食となっている日本では野菜の一種として扱われる事が多いが、トウモロコシを「主食」として穀物扱いしている国や地域はかなり多い。
栄養成分としては想像通りデンプン質が多く、また食物繊維豊富な皮は余分なコレステロールの排出に役立つことも期待できる。
さらに黄色い色素は血管の若さを保つ効果もあるのでは、とも言われている。

但し主食にもなるくらいのデンプン爆弾なので食べ過ぎると体型が残念なことになるぞ!

また、イネ科の主食穀物としてはビタミンB3がとぼしいという難点があり、とうもろこしばかり食っていてはビタミンB3欠乏症に陥る*8。そのため、豆類なり魚介類なりの副食を摂る必要がある。
コメでもムギでも起き得るこの栄養失調問題だが、トウモロコシはこれが特に偏って起きやすい。
しかしこれらのメカニクスが真剣に研究・究明されるのは18世紀、脚気や壊血病の禍に対処するために栄養学が発展してからの事になる。

ちなみにアメリカのTVドラマの『大草原の小さな家』ではトウモロコシ製品が主食として多用されており、「ひきわりトウモロコシのパン」「トウモロコシ粥」「皮むきとうもろこしのメープルシロップかけ」が登場していた。

+ ちょっと汚い話※食事中の閲覧非推奨
トウモロコシの皮の成分であるセルロースだが、実はコレ、人体には消化する機能が備わっていない。
消化できない物が体に入った場合、当然ながらそれは体外に排出される。
…何が言いたいかというと、よく噛まずに粒を飲み込むとそのまま下から出てくるのである。
別に出てきたところで健康被害があるとかいうわけではないので心配する必要はまったくないが、トイレに行った時にギョッとしないためにもコレを頭に入れて、トウモロコシに限らず食べ物はよく噛んで食べるのを心がけよう。

生食

横に持ってそのまま丸齧り。甘くておいしいけど、大体歯に詰まる。

塩ゆで

塩水でゆでる。ちなみにラップと耐熱皿があれば電子レンジでチンすることで疑似的に塩ゆでに出来る。

焼きトウモロコシ

採れたてのトウモロコシをそのままガス火や炭火で焼く。仕上げに醤油を塗ると香ばしさがたまらない。
札幌大通公園の名物。
他、焼肉店でたまにおいてある(たいてい丸のままではなく、食べやすいように輪切りにされている)。

コーンサラダ

茹でた、或いは蒸したトウモロコシをほぐしてそのまま、或いはマヨネーズ和えに。
マヨネーズ和えを軍艦巻きのネタとしたコーン寿司は子供に人気。

バターコーン

ほぐしたトウモロコシとバターというシンプルにして最高の組み合わせである。
蒸したジャガイモと合わせるという禁断の技も…。

コーンスープ(コーンポタージュ)

裏ごししたトウモロコシを用いたスープ
実は日本以外ではそれほどメジャーではなく、キャンベルはコーンポタージュについて「日本人向けに開発された日本専用の製品です」と回答している。

日本人以外だと、マヤ人が白トウモロコシを使ったアトル・デ・エロテを愛飲している。
茹でて芯から外した粒を茹で汁の一部と合わせてピュレ状にして漉し、取り置きした茹で汁の残りで延ばして温め、砂糖と塩で調味して仕上げにシナモンパウダーを振る。
茹でる段階でシナモンスティックやバニラスティックを使用して香り付けしたり、コク味のために牛乳やコーンスターチを加える例もある。

コーンフレーク

蒸したトウモロコシを伸ばして焼き、フレーク状にしたもの。
牛乳をかけて軽めの朝食にしたり、チョコに混ぜたり、揚げ物の衣にしたりと用途は幅広い。
サクサクの食感がたまらない。

ポップコーン

爆裂種のトウモロコシを炒って爆発させたもの。映画の友。
ちなみになぜ映画館での定番になっているのかというと、「食べているときに音がしない」こと、「トイレに行く回数を減らす効果がある(=映画鑑賞に集中しやすい)」こと、「映画のクソっぷりに頭にきて投げつけても人にも物にも被害がない」こと、「利益率が高いので映画館の収入が増える」という理由から、と言われている。

トルティーヤ

トウモロコシの粉を使ったクレープのような食品。
要するにタコスの皮で、これ自体を揚げてスナック菓子にも用いられている。
日本で出回っているモノは小麦粉を使ったものが多いが、本場中米ではトウモロコシが主流。
パナマのトルティーヤはケソ・フレスコ(フレッシュチーズ)入りで、やや厚くなっている。

とうもろこし茶

トウモロコシの粒やひげから煮出したお茶。「オクスス茶」という名前で聞いたことのある方もいるかもしれない*9
韓国では一般的に飲まれているほか、日本では北海道産のものが有名。

コーンスターチ

トウモロコシから採れるデンプン、およびそれを精製したもの。
ジャガイモ由来のバレイショデンプン、いわゆる片栗粉に比べると粒子が細かく、水に溶いた時のとろみが弱めという特徴がある。
料理のとろみ付けや、糊料などの食品添加物として使われる他、化粧品や医薬品などの基剤としての用途もある。

コーンシロップ

清涼飲料水の甘味づけに使われるシロップの一種。
前述のコーンスターチを原料とすることからこう呼ばれる。

ウイトラコチェ

黒穂病に感染したトウモロコシ
いかにも体に悪そうだが、驚くなかれ、古代アステカ時代から伝わる高級食材で、「メキシコのトリュフ」と呼ばれる。
要するにマコモダケみたいなもんである。
栄養価も高く、高タンパク質、必須アミノ酸リジン、繊維、鉄、カルシウム、ビタミンを豊富に含む。
とはいえ今のところ流通販路がない上に土壌に至るまで汚染するため厄介者扱いされており、基本的に発見次第速やかに駆除・加熱廃棄されている。

コーンポリッジ

挽いたトウモロコシを粥状に加熱調理した物。余った場合は冷やし固めて焼くこともあり、ゆっくり加熱を続ければペースト状にもなる。
16世紀、ヨーロッパに持ち込まれたトウモロコシはこの調理法がデフォルトで、
イタリアの「ポレンタ」、バルカン半島の「ママリガ」という名前が伝わっている。
ヨーロッパでは石臼などの製粉技術が古くから発達しており、固い穀物を粉々にグラインドしてお粥にするのは当然の事だった。石のように硬いトウモロコシ種子も「いつも通りに砕いちめえ」でそのまま食事に取り入れる事ができたのだ。
…だが、これが前述の栄養分の吸収不全につながる。

コーンブレッド(メイズブレッド、トウモロコシパン)

挽いたトウモロコシを使ったクイックブレッドないしローフケーキ。
ジョニーケーキやコーンマフィンもコーンブレッドに包括される。
コーンブレッドの生地を揚げたハッシュパピーは魚料理の付け合わせにされる。

少し定義が外れるが、とうもろこしの粉をパンに焼く試みは持ち込まれたヨーロッパ各地で行われた。
ライ麦粉よりさらに膨らまないので、そのまま練って焼くとぺたんこのクレープになる。
スペイン北東端、バスクの地で作られた「タロ」というトウモロコシ粉の素焼きはこのタイプ。
実は、前述した重症ビタミンB3欠乏症「ペラグラ」の症例が最初に報告されたのはこのバスク地方。簡単に育ってこりゃいいやとばかりにトウモロコシが取り入れられた結果だった。だが、北イタリアのように「近隣の大都市に売れるもんは全部売って、トウモロコシだけで食いつなぐ」という考え方にならなかったためか、深刻化しなかった。

イベリア半島各文化圏はトウモロコシパンの開発に熱心で、小麦粉やライ麦粉を混ぜてパンに仕立て上げる技術が発達した。ポルトガルの食事パン「ブロア」はこの例。

ミアス(ミヤスゥ)

トウモロコシ粉を使ったフランス菓子ないし料理の付け合わせで、付け合わせにする時は甘くしない。
元々は語源(Millet)となったアワやキビを使った粥状の料理だったが、オーブンで焼かれるようになり、やがてトウモロコシに取って代わられた。生地を揚げる場合もあるという。
基本的な材料は牛乳、バター、トウモロコシ粉、卵、砂糖で、レシピ次第で小麦粉、カボチャ、イースト、膨張剤、洋酒、バニラ、オレンジフラワーウォーター、レモンゼスト、塩などが加わる。
トウモロコシ粉は入れないが、ガトー・マジックという三層構造の創作菓子はミヤスが原型だとされている。

コーンドッグ

ソーセージにコーンミール入りの衣を付けて揚げたホットスナック。
日本におけるアメリカンドッグやフレンチドッグのご先祖様。

カレーライスラーメンピザ

日本では定番の具。

ハンバーグ

日本では付け合わせの温野菜として添えられることも多い。

ウイスキー

大麦と共にウイスキーの主原料としてトウモロコシが使われる。
アメリカでは全原料のうちトウモロコシを51%以上使用するとバーボンウイスキーを、80%以上使用するとコーンウイスキーを名乗ることができる*10
コーンウイスキーは樽での熟成義務がないので、熟成をせず無色透明のまま出荷する銘柄もある。
トウモロコシの使用比率が高いと原料由来の甘味が強くなる傾向にある。
なお、トウモロコシのみでウイスキーを作ることはできない*11


◆トウモロコシに関するもの◆

フォーミュラスター

カービィのエアライド」「カービィのエアライダー」に登場するエアライドマシン。
F1カーを彷彿とさせる外見通り最高速特化のマシンである。
ニンテンドーダイレクトでの「エアライダー」の紹介番組で、マシンを自由に装飾できる「オレマシン」の紹介でよりにもよってトウモロコシ塗装にされてしまったことから、発売後にプレイヤーの間でトウモロコシ化するのが一大ブームとなった。

BBコーン

トリコ」に登場する高層ビルほどの大きさを持つ超巨大トウモロコシ。
本来はグルメ界の植物で、グルメ貴族(ブルーニトロ)のおやつにも使われていた。人間界でもグルメ界から流れ着いて成長したものがウージャングルに生えている。
粒1つが枕ほどの大きさがあり、手間はかかるがじっくり時間をかけて焼くことで100人前のポップコーンとなる。
その味わいはまるで綿菓子で、口に含んだだけで吸い込めてしまうほど。
食べても食べても食欲が増すほど味わい深く、トリコは相棒テリークロスの餌として探し求めた結果、自らのフルコース「前菜」に選抜した。

ネコもろこし

にゃんこ大戦争」に登場するレアキャラクター。
その名の通りトウモロコシの姿をしたネコ。進化するとコーンを被る。
悪魔と古代種に打たれ強く、移動速度が速い優秀な壁キャラクター。

コーンフォーク

「ファントム・キングダム」に登場する食料系モンスターのトウモロコシ担当。
ステータス的には魔術師タイプで、全体的に能力が低めな食料系モンスターでは比較的優秀な方。
本編では主要キャラであるトレニアが栽培したコーンフォークが重要(?)な役割を担う。

こーん

『すみっコぐらし』に登場する、すみっコの1人。
元々は皿の端っこに残されたりコーンスープ缶の余ったりしたトウモロコシだった。

モロコシ

テレビ東京系列の旅バラエティー『ヤギと大悟』に登場するヤギ
当番組の主役、タンポポ(ポポ)の弟分。
元々は無名のヤギだったが、大悟の「一番最初に出会った花の名前をつける」というアイデアによって色々な花を探すも、いずれも名前候補に相応しくないと判断され迷っていた矢先、たまたま近くにトウモロコシが実っていたため、今の名前がついた。

ピントコーン

妖怪ウォッチ』に登場するメリケン妖怪。フシギ族のDランク。
取り憑いた相手を何に対してもピンと来ないような反応をさせてしまう、妖怪不祥事案件「なんかイマイチピンとこないんだよね」を引き起こす妖怪。
家畜の飼料用品種であるデントコーンが元ネタ。
アニメではケータが初めてともだちになったメリケン妖怪であり、またイナホにも度々取り憑いた。

砲モロコシ

ゲーム『モンスターハンター』シリーズにて登場するガンランス。つまり武器
ポップコーンにちなんでなのか、シリーズ共通で攻撃力や切れ味はイマイチだが砲撃レベルはトップクラスなのが特徴。
砲撃の威力を強化する「砲術王」発動中の本武器の砲撃は大タル爆弾に匹敵する。
最大でも23個しか使えない固定ダメージの攻撃手段に並んでしまう、と言えばそのヤバさが伝わるだろうか。
その性質上肉質が堅いモンスターに強く、トンチキな見た目ながら裏ボス相手に大真面目に起用される名品。

P-2000 ジニヤー

ゲーム『ラストオリジン』に登場する戦闘用バイオロイド。
トウモロコシが好物で立ち絵でも頬張っており、そのせいかラスオリ基準でもむっちり太まし体型になっている。
イベントストーリー「怒りの狼牙」では、ただトウモロコシを見つめていただけなのにあるお方に目を付けられてあらぬ嫌疑をふっかけられた上、別のバイオロイドが一連の会話を聞いて誤解した事で
「司令官のアレはトウモロコシ並のサイズでイボイボしている」というとんでもない噂が流れて騒動になってしまった。

コーン・チワ

ゲーム『セクシーパロディウス』の1面ボス。見た目は腕の生えた巨大なトウモロコシ。
葉っぱをプロペラのように回転して空を飛んだり、実をポップコーンにしてばら撒くなどの攻撃をしてくる。
撃破すると「セクシー」の名に恥じぬ意外な正体が明らかになる。

ファブリーズ

P&G社の消臭剤。
消臭成分としてトウモロコシ由来のサイクロデキストリン(別名:シクロデキストリン/シャールジンガーデキストリン/環状オリゴ糖)を配合している。
工業生産されているサイクロデキストリンは澱粉を原料にしているので、トウモロコシ以外の穀物から製造することも可能である。

コーンロウ

髪型の一種。
髪をいくつかのブロックに分け、ブロックごとに髪を三つ編みで頭皮に沿って編み込むスタイル。
見た目がトウモロコシににているため、こう呼ばれるようになった。





完熟したスイートコーンの種をほぐし、ポップコーンを炒りながらコーンスープとともにタコスとコーンフレークを食べ、とうもろこし茶やコーンシロップの入った清涼飲料水で喉を潤しながら追記修正をお願いします。

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最終更新:2026年08月06日 20:18

*1 植物の葉にある目に見えないほどの大きさの呼吸孔。

*2 このアルカリ処理法は現在でも中南米に受け継がれており、トルティーヤ生地の素であるマサを作るのに使用されている。

*3 具体的にはリシンやトリプトファンといった必須アミノ酸類。特にナイアシン(ビタミンB3)の合成に関わるトリプトファンの吸収効率が高まるのは重要で、この処理方法が伝わっていなかったヨーロッパでは後述するペラグラ(ナイアシン欠乏症)が多発する事態になっている。

*4 唐とは本来は中国の事だが、当時は外国は一緒くたに唐と呼ばれていただけで別に中国由来という意味ではない。

*5 少年よ、大志を抱けのあの人。

*6 トウモロコシが2位の小麦に1.5倍近い差を付けて独走。小麦、稲、大麦、ソルガムと続く。

*7 加熱すると粘り気を持つタイプのデンプン。

*8 これが問題になったのが18~19世紀のイタリア北部。トウモロコシが持ち込まれた事でカロリーベースでの餓死者が減ったのはいいが、重症ビタミンB3欠乏症が「ペラグラ」と呼ばれ、大流行し、多数の死者を出した。また21世紀現在でも北朝鮮の北部で、副食を得る余裕がなくトウモロコシしか食べられない貧困層にペラグラ禍が起こっているとの報告あり。

*9 そもそも「オクスス」は韓国語で「トウモロコシ」の意味である。

*10 バーボンを名乗るには他にもいくつかの規定があるが割愛。

*11 トウモロコシには糖化酵素がないためであり、必ず大麦麦芽を加えて糖化する必要がある。