超人機メタルダー

登録日:2009/06/25(木) 00:42:48
更新日:2021/04/30 Fri 00:52:31
所要時間:約 5 分で読めます






画像出典:超人機メタルダー第1話「急げ!百鬼魔界へ」より
放送日:1987年3月16日 © 東映



る!

剣流星の体内に秘められたエネルギーが
怒りと共に頂点に達した時!
彼は、超人機メタルダーに瞬転する!!



―[概要]―

『超人機メタルダー』は、メタルヒーローシリーズ第6作。全39話。

人造人間キカイダー』をオマージュした作品で、主人公メタルダーはキカイダーをモチーフとしており、本作のプロデューサー、吉川進は『キカイダー』のプロデューサーも務めており、当初のインタビューでは「キカイダーを意識したものになると思います」と発言している。ただし、メインライターの高久進は『キカイダー』との関係について、「あれはもう14年も経っているし、質も内容も違うと思いますよ」と当時のインタビューで語っている。

基本的にスーパー戦隊シリーズよりも対象年齢の高い作風になることが多いメタルヒーローシリーズであるが、本作はジャスピオンスピルバンを経ていよいよインフレの極みに達したかのような内容をしており、シビアな世界観をベースに、時に都会的でトレンディな描写も交えつつ、ヒーロー側・悪役側ともに非常に濃密なドラマが展開されるのが最大の特徴。

メタルダーに変身する主人公・剣流星は超人機(人造人間)であるが、精神的には真っさらで知らないことだらけであり、頼れる仲間たちの助けを借りて少しずつ成長していく過程が描かれる。

一方、彼と対峙する悪のネロス帝国は世界を裏から牛耳る大組織であり、そこに所属する悪の戦士たちは非常にバリエーション豊富で、それぞれの所属先・派閥といった要素も緻密に設定されている。
軋轢に苦しめられたり、手柄を競いあったり、彼らの“社会構成員”としての側面を描いたそのドラマは、時にヒーロー側以上の感動を我々視聴者に与えてくれる。

特撮ヒーロー番組としては各種BGMが異常なほど豪華なのも特徴で、OPのクレジットには「演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団」と記載されているなど、音楽にかける並々ならぬ意気込みが伺える。

しかし、序盤こそシリアスな作風だったものの、視聴者からは受け入れられなかったようで、中盤から敵組織が運動会が行う等のコメディ的要素を追加。そのため初期と中期で作風が異なる。
が、それでもどうにもならなかったようで、もはや万策尽きたのか、メタルヒーローシリーズの中でも数少ない打ち切りによる終わりを迎える憂き目に遭った(放送時間帯も、途中で月曜夜7時から日曜朝9時半に変更されている。これ以降、ゴールデンタイムに特撮番組がレギュラー放送されることは現在に至るまでない)。
が、終盤はストーリーをキチンと描ききることに注力され、最終回に向けてのその展開は今なお高く評価されている。


ナレーションは『宇宙刑事ギャバン』や『特警ウインスペクター』でお馴染みの政宗一成氏。次回予告の「こいつぁ凄いぜ!!」は『仮面ライダーBLACK RX』の「ぶっちぎるぜぇ!!」と並んで有名。
アニメ版『ハヤテのごとく!』の次回予告のラストにハヤテがこのフレーズをしゃべったことも。



―[あらすじ]―

第二次世界大戦時に古賀博士によって作られた超人機メタルダー。だが、その絶大な力を悪用されるのを恐れていたために封印されていた。

しかし、世界征服を目論むネロス帝国の出現を知った博士はメタルダーを蘇らせた。



―[登場人物]―

剣流星メタルダー
太平洋戦争末期に作られた超人機。普段は青いジャケットを着た青年の姿をしており、正義の怒りを爆発させることによって、メタルダーへと“瞬転”する。
海や動物といった自然の景色を愛する一方で、原宿のストリートパフォーマーに釘付けになったりと好奇心旺盛な一面も。
詳細は該当項目参照。

〇仰木舞
作中世界における有名な週刊誌、「週刊アップ*1」に携わる若き女性編集者(本人曰く「フォト・ジャーナリスト)。
とあるきっかけで流星と知り合い、ほどなくして彼の正体を初めて知った一般人となる。
以降は、彼の保護者のような、それとも友達のような、はたまた恋人のような奇妙な関係を築き、彼の成長の手助けをしていくこととなる。

雑誌編集者としての能力は高く、基礎教養や頭の柔軟性はバカにならないようなものがあり、作中世界の一般人は普通だったらまず知らないであろう「超人機」の噂に心当たりがあったり、流星が困っている時にヒントを出せば大抵正確だったりと何気にハイスペックヒロイン。
写真を撮るのが特技だが、本人も写真に撮られる機会がちょくちょくあり、アイドルのような決めポーズを披露することも。
ちなみに、演じた青田浩子は、1940年代はじめから50年代末に活躍したじゃじゃ馬の愛称で知られたプロ野球選手、故・青田昇氏の娘。

〇スプリンガー
メタルダーの相棒であるロボット犬で、ドーベルマンに近い姿をしている。人間の言葉をしゃべることが可能で*2、くだけた性格&口調で流星とは好対照。
メタルダーのメンテナンスなどを担当するが、非番の時はテレビ(コン・バトラーVやら徹子の部屋やら)を見てくつろいだりする。

〇北八荒
16話から登場。名前は「きた はっこう」と読む。元暴走族の頭で、現在はモトクロス選手権を目指す新人バイクレーサー。
女好きなイケメンで、どこか抜けた言動が目立つ、かつての某戦隊ヒーローのグリフォンの戦士みたいな雰囲気を持つ三枚目要員。
自分を取材してくれる舞に密かな想いを寄せており、舞と親しげに接する流星に当初は一方的に対抗意識を燃やしていたが、ネロス帝国に襲われてピンチになっていたところを助けられたりしているうちに次第に和解。以降は流星に積極的に協力するようになる。
流星の正体がメタルダーだと知っても全く態度を変えることもなく、今までどおり接してくれた善い人。

元暴走族ということもあり腕には覚えがあるようで、人間としては割と強い部類に入ると思われるが、本作の敵キャラは文字通り人外ばかりなので戦力としてはあまり役に立たない。変身できればよかったんだけどねぇ…*3
が、よせばいいのにそれでも戦いに行き、ちょくちょくピンチに陥るのだが、彼が体を張ってくれたおかげでメタルダーが危機を脱したりすることもあるので侮れない。
また、普段からあちこちバイクで遠出しているらしく、現地で様々な人と意気投合して知り合いになっており顔が広い。

数多の死線を潜り抜けてきた甲斐あって彼も成長してきたらしく、物語が進むにつれて流星へのアシストが次第に的確になっていった。
1人暮らしの影響か料理が得意。後述する彼の友人は、揃いも揃って人間やめてる化け物揃いである。

〇古賀竜一朗博士
メタルダーの生みの親。
太平洋戦争末期に息子の姿を模した流星(メタルダー)を作るが、封印していた。
封印から目覚めさせたメタルダーに「死」と言う概念を覚えさせるためにネロス帝国の軍団員に挑み戦死する。

演じた上原謙は、既に亡くなって久しいためご存知でないアニヲタ諸兄も多いものと思われるが、実は戦前の頃から活躍していたレジェンド級の大スター。
アニヲタ的に説明すると、昭和ドラマ版ブラックジャックの父親*4で、『モスラ』・『妖星ゴラス』でも博士役で出演。
また、彼がオーナーだったホテル(及びその廃墟)は、後年の「ダイレンジャー」の頃までたびたび特撮ロケに使われていた。

〇ジャック電撃応援団
25、26話に登場した、義侠心に溢れる愛すべき荒くれ者集団。大型トラックの運転手や喫茶店のマスター、バイク好きの若い女性ら6人から構成される。
北八荒の昔馴染みの友達で、流星たち一行が彼らの行きつけの喫茶店の近くを通りかかったことがきっかけで接触した。
劇中では特に明言されていないが*5、おそらく、現在は足を洗ってカタギになった、八荒の不良時代の仲間or先輩であると思われる。
以後、ネロス帝国に狙われているゲストキャラの青年を彼の故郷まで送り届けるため、八荒、そして流星(メタルダー)に協力して行動を共にする。

特筆すべきは演じている俳優の顔ぶれで、そのメンバーは『宇宙刑事ギャバン』のギャバン、『宇宙刑事シャリバン』のシャリバン、『巨獣特捜ジャスピオン』のマッドギャラン、『超電子バイオマン』の二代目イエローフォ-、『時空刑事スピルバン』のダイアナレディ、そして海坊主*6という細かすぎて伝わらない超豪華メンバー
当然と言うべきか、メンバー全員が八荒と互角かそれ以上の身体能力を誇り、作中に登場した中では間違いなく最強の人間(なお、田中澄子と澄川真琴は、かつて自分がレギュラーを務めた番組では戦闘員相手に無双していたものの、本作の世界観にはそぐわないと思われたのか、彼女らのみギャグの範疇で済むような戦闘描写に留まっている)。
が、やはり人間ということもあってか色々と限界があり、そんな彼らが一致団結して死力を尽くしても、ネロスが差し向けた敵には辛うじて勝てるくらいのレベルであった。
ゲスト的出演に留まったことを惜しむ声は多い。

暴魂トップガンダー
自らのポリシーに忠実なスナイパー。
該当項目参照。


[ネロス帝国]―

表向きは大財閥である桐原コンツェルンだが、その裏では地下に巨大闘技場・ゴーストバンクを拠点にこの世全ての悪を支配する暗黒組織。
ヨロイ・戦闘ロボット・モンスター・機甲軍団の4軍団に分かれ、大勢の軍団員を擁する。
中闘士、暴魂、凱聖などの階級があり、頑張れば出世できるが階級が上がったキャラはそんなにいない。

桐原剛造/帝王ゴッドネロス
桐原コンツェルンの社長であり、世界の株価や武器売買を行っている死の商人。
頭脳明晰かつ冷酷非情で、裏切り者や弱者には一切の情けをかけず邪魔者を全て抹殺する。
その一方、作戦に失敗した者でも有能もしくは忠実な者にはたびたび温情をかけたり、忠言や作戦に名乗り出た者の意見を汲むなど懐の広さも備えている。
詳細は該当項目参照。

ヨロイ軍団凱聖クールギン
鎧を装着した人間*7で構成されているヨロイ軍団の凱聖。
剣の達人で冷徹な性格に違わぬ実力を持ち、初戦でメタルダーを倒した。部下に対する態度や相互の信頼も概ね良好。
その鉄仮面の下に隠された素顔は……。

戦闘ロボット軍団凱聖バルスキー
戦闘用ロボットで構成された戦闘ロボット軍団の凱聖。
凱聖の中でも特に正々堂々として部下想いなので、軍団員は彼を慕う者ばかりが集まっている。
「責任は俺が取る!」など、名言多し。

モンスター軍団凱聖ゲルドリング
バイオ科学によって生み出されたモンスターで構成されているモンスター軍団の凱聖。
卑怯な性格で「口八丁手八丁・卑怯未練恥知らず」を信条とする。台詞は何故か関西弁・広島弁・名古屋弁が入り混じっている。

機甲軍団凱聖ドランガー
兵器がモチーフで最新技術の粋を凝らした重装備に身を包む戦闘ロボットで構成される機甲軍団の凱聖。
戦艦をモチーフとしていて、各部に装備されたビーム砲や剣を武器として使う。
他の凱聖に比べて力押しを好む傾向にあるが、影の薄さも人一倍。



―[共演作について]―

デザインモチーフとなったキカイダーとはスーパーヒーロー作戦にて共演を果たし、ギルの笛に操られかけたキカイダーを助けた。
しかし、容量の都合上舞と八荒は未登場で、主人公(問わず)がその代役を務める。
また、ネロス帝国は人員削減されてなぜかモンスター軍団と機甲軍団は存在抹消。その代わりにギルハカイダー率いるハカイダー四天王とワルダーがビッグシャドウ様がダサいからと帝国入りするという、優遇されてるのか冷遇されてるのかわからない扱いになっている。
「ギルハカイダーがゲルドリング役となったと思えばOK」と割り切る人もいれば、「ゲルドリングとギルハカイダーの足の引っ張り合い掛け合いが見たかった」と残念がる人もいたり、と評価は微妙。
作中でも物語に頻繁に絡み、物語の主人公の一人といった立ち位置。
しかし、本編最終回と同様にゲーム終盤に戦線を離脱する。


―[主題歌・音楽]―

オープニング主題歌「君の青春は輝いているか」は名曲だが、過去に戻り青春をやり直したくなる一曲でもある。
作詞は脚本家のジェームス三木。作曲は「アンパンマンのマーチ」や「行け!牛若小太郎」で有名な故・三木たかし。
ヒーロー名が一切入っておらずメタルダーの曲だとは一見気づきにくいが。


この他、「星からの手紙」「一瞬のチャンス」「ネバー・ギブアップ」「ネロス帝国4軍団」「瞬転!夢の戦士」など、挿入歌も神曲揃い。

劇伴は聖闘士星矢などの劇伴を手がけた横山菁児が担当。
マリンバの音色が特徴的なBGMは後に「特警ウインスペクター」に流用された*8
次回予告のBGMは前年までの主題歌のインストではなく劇伴をアレンジしたものが使用されている*9。提供クレジットのBGMはオープニングが「タイムリミット」のインスト*10、エンディングが「君の青春は輝いているか」のインスト*11である。


―[フィギュア]―

2009年にはメガハウスよりスプリンガーとセットのアクションフィギュアが発売。S.H.フィギュアーツと合わせられるサイズとなっている。
欲しければ誤解を恐れずにありのままの自分を太陽に晒しながら購入しよう。




※推奨BGM:襲撃

ネロス帝国・中闘士Wiki籠り。
その追記修正能力は、あらゆる情報を自在に書き換える。
メタルダー・剣流星は、迫り来る追記修正の罠をいかに切り抜けるのか?
瞬転せよ、超人機メタルダー!


……こいつぁ凄いぜ!!


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最終更新:2021年04月30日 00:52
添付ファイル

*1 さすがに放送当時は現在と世相が違うためか出版業界も景気が良いらしく、何かにつけて派生雑誌がジャンジャン増刊されたりしている。

*2 まだキャラが固まっていなかったのか、序盤で一話だけいかにもロボットっぽい声で喋ったこともあったがすぐ元に戻っている

*3 第20・21話では流星のように「怒る!」と啖呵を切ってみせたが、当然本人には何の変化もなく、前者は逆にピンチに陥り、後者はその瞬間にメタルダーと入れ替わった

*4 つまり加山雄三は彼の息子ということ。

*5 そもそも「ジャック電撃応援団」というのも便宜上の呼称のようなもので、25話のサブタイトルでそう呼ばれているのみ。ちなみに26話だと「ジャック野郎」と呼ばれていた。

*6 演じた山田一善氏は、これまで様々な特撮番組でスーツアクターを担当しており、本作でもメタルダーを担当している

*7 一部サイボーグ化されていると思われる者もいる

*8 渡辺宙明が新規に劇伴を多数作ったにも関わらず、渡辺の過去作が多数流用されたジバンとは違い、こちらは横山の承諾を得て、新規楽曲を少なめにし流用している。「君の青春は輝いているか」「タイムリミット」をアレンジしたBGMも流用された。ウインスペクターの18話ではサブタイトルBGMにメタルダーのサブタイトルBGMが使われた

*9 次週の内容とサブタイトル→アタック音の後に「こいつは凄いぜ!」。ただし、翌年以降は主題歌に戻った。

*10 バックは空を飛ぶサイドファントム

*11 バックは構えるメタルダー