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ネタバレ防止のため折りたたみ |
- その正体は、10万年以上先の未来に栄える火星の文明。当初から「宇宙人」だとは思われていたが、同時に「未来人」でもあった。
- 劇中では人類側の推理と仮説から出た結論となっており、プライマー自身は確定的な情報を最後の最後になるまで出していない。
- 10万年は地球生物の進化スピードを基準にプロフェッサーが仮定した最短ラインであり、「以上」とあるようにプライマー自身はもっと遠い未来の存在である可能性もある。
- タイムマシンすら造り出せるテクノロジーを持つ彼らは、人類が滅んだ後の地球で文明の痕跡を発見し、時間旅行で古代文明の観察を楽しんでいた。
- ある時、プライマーは自分たちが未来の火星文明であることを人類に気取られるリスクに気付く。
- 人類が「未来の火星人」に干渉するような行動をとった場合、プライマーは歴史改変によって抵抗すらできず消滅してしまう危険性さえあることを、遅蒔きながら理解したのである。
- テラフォーミングといった大規模な干渉は勿論、極端な話「試しに地球の物質を少量持ち込んだ」や「サンプルとして石ころ一つ持ち帰った」だけでも、誕生するはずだった原始生命が生まれず、未来の生命体が全て消滅するなんてこともありうる。逆に未来のプライマーを気づかって火星への干渉をやめたらやめたで、起きるはずの事象が起きなくなり後々のプライマーに致命的な影響を及ぼす可能性がある。人類が敵意を持つかどうかすら無関係に、「知られた」ことそのものがプライマー文明存亡のリスクだったと言える。
- その後は時間旅行をやめ地球から姿を消したが、なんらかの事故で墜落したタイムシップの残骸が「数千年前の宇宙船」として人類に発見されてしまったため、そこから詳細に気付かれる前に人類に絶滅戦争を仕掛けることになった。
- 要は時間旅行に挑戦した結果の自業自得なのだが、何せ種族の存亡どころか存在そのものがかかっている上、どんな干渉がどう転ぶか予測がつかないという点で余りにも分が悪いため、『対話など穏便な手段で解決』『人類が火星や未来などの要素に気付かない可能性に賭ける』という選択肢は無いのである。
- タイムスリップのリスクについて凄まじく迂闊な事をしているため、高度なテクノロジーの割にかなり愚かな種族のようにも見えるが…時間旅行をしていたプライマーと、人類を攻撃しに来たプライマーとの関係性は不明。プライマーの総意で過去の調査に来ていたのか、一部の愚か者が時間旅行を強行した尻拭いを他の派閥がやっているのかなどもまったく不明であるため、種族全体の知的レベルというのも測り難い。
- 「なぜ大量破壊兵器で一気にケリをつけないのか」「なぜ人類社会が貧弱な古代ではなく、EDFの戦力が整ったこの時代をわざわざ攻撃するのか」「なぜ肝心の事故や発見を防ぐ形の歴史改編をしないのか」「地球が欲しいなら人類が滅んでいるプライマーの時代に自由に使えばいいはず」といった疑問は前~今作中やプレイヤーの間で挙げられていたが、地球侵攻は「人類への攻撃」そのものが目的であり、タイミングや手法は以下のような問題で雁字搦めになっていたのである。
- プライマーが人類抹殺を決意するきっかけは、墜落したタイムシップを「人類に発見されたことに気付いたから」であり、墜落船の発見以前に干渉するとパラドックスが起こる。つまり、最大限に見積もってもインドの山中で宇宙船の残骸が見つかった20年前より昔の歴史を書き換えることはできない。
- 「発見した後の人類のリアクション」が記録や遺跡に残る必要があるため、実際に戻れるタイミングは20年前よりさらに短くなる。「人類のリアクションの証拠」が兵器や基地といったEDFの痕跡だった場合、EDFの組織確立以前には戻れない。
- 時間旅行の影響が無かった本来の歴史で人類が行った火星探査などの影響は改変しない方が良いため、人類史上最後の火星探査が実施されるまでは手出しできない。
- 人類文明の痕跡を発見不可能なレベルで破壊してしまうと、プライマーが古代文明観察のために過去の地球を訪問することもなくなる。するとタイムシップの墜落が起こらず「墜落船を発見されたので人類を滅ぼしたため、墜落船が発生せず滅ぼさない」という動機のパラドックスになる。これを避けるには、大量破壊兵器を使わず、ほどよく遺跡が残る程度に手加減しなければならない。また、人類が自滅覚悟で大量破壊兵器で反撃するのも防がなくてはいけない。
- タイムシップの墜落を防いだり、墜落した残骸を見つかる前に回収や抹消してしまうことは、上記の20年前問題に抵触する。また、人類がプライマーに気づかず、プライマーは行動を起こさなくなるため「残骸が存在しないせいで残骸が存在する」という矛盾のパラドックスになってしまう。
- 人類はプライマーのことを「超技術を持ち、神にも等しい究極の進化に到達した存在」と恐れていたが、プライマーからしてみれば人類の方こそ「ほんの少し行動を起こしただけで自分達の存在を抹消しかねない」恐るべきリスクを持った存在だったのである。
- 火星文明と言うことになってはいるが、火星の環境下で一から進化したのか、地球や他の星に由来するものが火星で進化したのかなど、詳細は不明。
- また、過去改変による自身の消滅を回避するという動機はともかく、言語の翻訳や意志疎通もまったくできなかったため、必死だったのか余裕だったのか、プライマーがどういう思考や感情を持って対人類戦を遂行していたのかなどは、なにもわかっていない。
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結末 |
- ストーム隊が新たな時間移動船と交戦している間に、人類はプライマー発祥の地である火星に汚染物質を搭載したロケットを送り込む。「過去が改変され抵抗すらできず抹消される」という、プライマーが最も恐れていたであろう事態が、最も攻撃的な動機で起こってしまう事となった。
- ロケットは爆破され、汚染物質に覆われ環境が激変した火星にプライマー文明は誕生しない。そうなれば、「いるはずのない存在」となる目の前のプライマーも消滅し、人類は勝利を掴んだ。
- ……はずだったのだが、「プライマーが生まれなければ人類は火星を攻撃しない」「火星を攻撃しなければプライマーが生まれる」「プライマーが生まれれば人類は火星を攻撃する」「火星を攻撃すればプライマーは生まれない」……という矛盾のループに突入。ここに来て致命的なタイムパラドックスが発生してしまう。
- この矛盾を「どちらかが消え去った時点でループを止める」ことで解決するため、時間という概念そのものが作用し、時間移動船から現れた神がプライマーの、ストーム1が人類の代表に選ばれ決戦が始まった。結果ストーム1が勝利し、プライマーは誕生の歴史が否定され、時間に取り残された亡者として消滅する事になった。
- 「神」がその能力で召喚したプライマー戦力は全て「生まれるはずのない存在」としてその場で消えたが、ループが切断される時点以前の状態は確定されたため、「全地球防衛機構軍=EDFの設立」「人類は総人口の3割を失う」「プライマーを研究して得られた技術や、仮説による未来予想の知識」など、プライマー襲来による影響そのものは残った。
- 人類には痛手が残ったが、これにより「プライマーの影響がすべて消えたので、これ以上プライマー対策が行われない」というパラドックスは起きない形で、時間は固定された。
- 他のEDFシリーズの侵略者と比べると、意志疎通できず真の狙いが不明なのは共通している。しかし過去作は侵攻軍団の母艦撃破や戦力壊滅による撤退といった形で終わり、何らかの痛手は負ったにしろ種族全体がどうにかなった訳ではなかった。
- この点、プライマーは活動の背景についてある程度の調査がなされたほか、なんと言っても「プライマー自身」と目される生身の種族が姿を見せたという違いが大きい。
- その上で、軍事力どころか種族そのものが歴史から抹消されるという、根本的解決とも言える結末を迎えたのも初めてのことである。
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