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テラクレスタ - (2016/09/10 (土) 14:02:32) の編集履歴(バックアップ)


テラクレスタ

【てらくれすた】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 日本物産
稼働開始日 1985年
分類 良作

概要

システム

  • 自機はショットボタンで3連射まで可能なショットを撃つ。対地対空の撃ち分けは必要ない(例外的にエプシロン号のバリアは地上物に対する攻撃力が無い)。
    • 基本的に自機と接触判定のある地形は無いが、地上物の中にはショットを通さない障害物がある。
  • 道中の決まった場所に格納庫が出現し、周りにある番号が書かれた施設((番号-1)個ある)を破壊するとパーツが出現。接触すると合体する。
    • パーツは全4種類。既に合体しているパーツの格納庫は登場しない。なおこれは違う番号の格納庫が出現するわけではなく、格納庫自体が出現しない。
      • 内訳は、自機のアルファ号、弾の判定が横に広がるベータ号*1、後方に射撃できるようになるガンマ号、攻撃力の高い貫通弾を放てるデルタ号*2、背後に攻撃力のあるバリアを張るエプシロン号。余談だが食玩ではδαβεと前後に合体したうえで下方にγ号が合体している(ゲームではγが下というのは判らない)。
      • 合体すると移動速度が減少、当たり判定も巨大化する。
      • 合体中に被弾すると5機合体時はデルタ号とエプシロン号、3・4機合体の場合は全てのパーツを失うが、自機は無事である。
      • 5機合体を達成すると一定時間「火の鳥」になって自機に食らい判定がなくなり、全身に攻撃判定を持つ無敵状態になる。ただしその間はベータ号のショットしか撃てない。
    • パーツと合体中にフォーメーションボタンを押すとパーツが分離し、一定時間攻撃力が高く広範囲攻撃が可能なフォーメーション攻撃を行う。なおフォーメーション攻撃以外では壊せないものもある*3。フォーメーション中のパーツは無敵だが、自機であるアルファ号が被弾するとパーツ数関係無しにミスとなる。
      • フォーメーション攻撃を使用すると画面下部にあるFマークが一つ減少する。Fマークはパーツと合体すると3つまで補充される*4。合体以外に補充方法が無いため、5機合体時に使い切ったら態とパーツを失なった上で再合体しない限り使用不可。
      • 合体数によってフォーメーションと攻撃方法が変わる。ただしパーツの種類は問わないので全4種類である。フォーメーション中の自機は通常弾を発射する。
      • 5機フォーメーション終了後の再合体では火の鳥にはならない。4機フォーメーション中に5機目と合体した場合はフォーメーション終了と同時に火の鳥になる。
  • Wikipediaの情報によると全16ステージ構成らしいが、ステージクリアの表示がなく常時シームレスでゲームが進行するので、実質は1ステージ構成といえる。尤もそれを言ったら『ゼビウス』もそうだが(こちらも全16ステージとされている)。
    • ミスした場合の復帰地点は決まっているので、そこで区切ると16ステージと言う意味だろう。ゼビウスの復帰地点は森の上だったが本作では海上である。
      • ミスのタイミングによってはとんでもない位置の復帰地点へ飛ばされる。
    • 決まった位置まで進むとボスが出現する。ボスは一定時間内に倒せないと逃亡する。
  • 敵本体や敵弾に当たるとミスになり、上記の通りミス後は戻り復活。残機が無くなるとゲームオーバーで、コンティニューは無い。
  • 決まった位置で支援兵器(?)が降下して来る。これにショットを当てると画面内の敵を貫通する6方向分裂弾になる。自機で取るパワーアップアイテムではない。
  • 各空中物の出現エリアはマップ中で決まっているが、出現座標はランダム。地上物は定位置に出現する。

長所

  • 当時の縦シューティングとしては突出したオリジナリティのあるシステムが話題を呼んだ。
  • さすがに『グラディウス』といった大作には見劣りするが、1985年当時としてはハイクオリティで完成度の高いグラフィックは注目を集めた。
    • 突如雄たけびを上げ炎を噴出す恐竜等、演出面でもなかなかにこった物がある。
    • 吉田健志氏の手がけた「テラクレスタのテーマ」はニチブツサウンドの代表格と言われるほど。ハイテンポで印象的。
      • 戻り復活時のBGMは残機ゼロ時に限りムーンクレスタのイントロのアレンジに変わる。この演出は好評を博し、後の作品にも影響を与えた。
    • フォーメーション攻撃の攻撃範囲は幅広く、フォーメーション展開中はかなりオフェンシブな攻略ができるが、通常時は敵の攻撃が変則的で陰湿。難易度はやや高いが、その弾の応酬はなかなかに心地よい。

短所

  • 自弾の連射性が独特。
    • どれだけ頑張って連射しても1発目と2発目の間(あいだ)に妙な間(ま)が空くため、連なって出現する雑魚などに対処しにくい。
  • 2機合体時のパーツとのフォーメーションでは自機を見失い易い。
    • 自機が画面の左右どちらにいるかで分離方向が変わるため、慣れるしかない。また、自機はパーツのある方へ進めるがパーツは自機の方へ寄って来ないので、分離の仕方によっては左右の画面端近くに障害物がある場合に困る事がある。
  • 空中物の移動速度がやたら速い。
    • 更に動きが変則的な上、しっかり弾も撃って来るのでミス後の復活はなかなか辛い。

総評

 ニチブツの傑作STG。シンプルな縦STGに同社伝統の合体パワーアップ要素と、フォーメーションと言うアイデアを取り入れたことで、突出したゲーム性を生み出している。円運動を主軸とした敵の動きは陰湿で、不慣れなシューターには難しいものの、フォーメーションを駆使して力押しをすると言う根本的な攻略法にさえ気付いてしまえば、撃ちまくり壊しまくりで爽快感と攻略を両立したゲームバランスは、触るのも楽しい攻略するのも楽しいと言う代物になっている。
 一方で、本作のヒットを受けてニチブツは『UFOロボ ダンガー』『アームドF』のように「合体STG」「フォーメーションSTG」に異様なこだわりを見せるようになり、ニチブツSTGの多様性を奪っていったと見ることもできなくもない。

余談

  • 基板のバージョンによって、音源ICがYM2203のものとYM3526のものがある。
    • これは当時国内外でヒットしたため基板を増産したがYM3526が不足したため、代替としてYM2203を使用したため。
    • YM2203バージョンでは、SSG音源がBGM、FM音源がSEで使用されている。そのためBGMがYM3526とYM2203でかなり異なっている。

FC移植版

ジャンル シューティング
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 日本物産
発売日 1986年9月27日
  • FC版はAC版同様ニチブツの自社開発。アーケード版のデザイナーである藤原茂樹氏は移植作業には関与していないが、本作で取り入れられた「フォーメーションエディット」は彼の発案によるものである。
  • ハードの制約上、AC版と比べるとさまざまな点で差異がある。
    • 前述のとおり、5機合体時のフォーメーションの陣形を自由に設定できる「フォーメーションエディット」が採用された。
    • 敵キャラの恐竜の咆哮SEが削除された。
    • パーツ格納庫の地上物が、徐々に出現するのではなく最初から出現している。ただし破壊可能になるのは画面下半分に来て、格納庫の数字の刻印が点滅し始めてから。
    • FCのスプライトの制約でボスのダイコンとマンドラーはBGで描画されており、出現時は背景が真っ暗になる*5。またマンドラーの腕は1本1本破壊されるのではなく、4本同時に破壊されるようになっている。
    • スプライトの制約上、敵キャラのエレキングとメガロが削除された。
    • FC版は(主に)家庭用テレビをモニターに用いるため画面が横長になり、その影響で縦に狭くなり、さらに合体時にはAC版よりも画面に対して自機(当たり判定)が大きくなるため、難易度が上がってしまっている。
    • 海外版のNESにも移植されており、こちらは音楽が海外仕様に合わせて変更されている。発売はビック東海。
  • この他にも電波新聞社によるX68000版『ビデオゲームアンソロジー』に「ムーンクレスタ&テラクレスタ」として収録されている。PS2にはハムスターの『オレたちゲーセン族』シリーズで移植されている。