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ダブルドラゴン - (2017/06/28 (水) 11:16:25) の編集履歴(バックアップ)


ここでは、『ダブルドラゴン(アーケード)』とFC移植版、続編『ダブルドラゴンII・ザ・リベンジ』とFC移植版を紹介する。



ダブルドラゴン

【だぶるどらごん】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
販売・開発元 テクノスジャパン
稼動開始日 1987年
プレイ人数 1~2人(同時プレイ可)
判定 良作
ダブルドラゴンシリーズリンク

概要

前年に稼動されたアーケード版『熱血硬派くにおくん』の流れを受け継ぎつつ、ベルトスクロールアクションというジャンルを確立したゲーム。

  • 『熱血硬派くにおくん』を手掛けた岸本良久氏が本作のディレクターを務めていることから、上記の後継作として作られた側面が垣間見られる。
  • ちなみに題名は『双截龍』と書いて『ダブルドラゴン』と読む。

ストーリー

功夫道場を営む、双截拳使いの双子の兄弟ビリー・リーとジミー・リー。
誘拐されたマリアンを救出するため、暴力組織「ブラック・ウォリアーズ」 の本拠地へと殴り込む。

特徴

  • いわゆるベルトスクロールアクション。奥行きのある横スクロールのゲームである。しかも2人同時プレイが可能。
    • 全4面だが、ステージ3は前半の森林地帯と後半の敵のアジトの入り口に分かれているので実質的には全5面。本作はステージ1からステージ3までステージが途切れることなく繋がっている。
  • 8方向レバー+3ボタン(パンチ、ジャンプ、キック)でプレイヤーキャラクターであるリー兄弟を操作する。
    • パンチもしくはキックで通常攻撃。
      • パンチ2発を相手に当てると、相手がかがんで隙ができ、様々な追い打ちをかけることが可能。
      • キックだと1発で相手がかがみ、同様に追い打ち可能。但しキックは避けられてしまうことがある。
    • ジャンプは障害物や穴を飛び越えるのに使用。また、ジャンプ中にパンチもしくはキックボタンを押すと飛び蹴りを出せる。
      • 但し本作の飛び蹴りは、後のベルトアクション等で一般的となった操作(自分の向いている側に蹴りが出る)とは違い、ボタンにより向きが固定される(パンチボタンだと左に、キックボタンだと右に蹴りが出る)。
    • その他、ボタンとレバーの組み合わせにより、肘打ち(背後攻撃)やソバット等の技で攻撃できる。
  • 道中では金属バットやナイフ、ムチ等といった武器が入手でき、それらを手にして攻撃することも出来る。
    • また落ちているドラム缶や岩は、持ち上げて投げつけたり、蹴り飛ばして転がしたりできる。
    • 敵にも武器を使ってくる者がいる。ダウンさせると落とすので奪い取れ。

評価点

  • 殴る蹴るの爽快感
    • 本作は「暴力表現」にかなり力を入れてあり、豊富な攻撃方法で相手を叩きのめすことが出来る。
      • 「髪を掴んで膝蹴り」と「背負い投げでぶん投げる」という追い打ち攻撃が可能。どう敵をひるませて、その敵にどう追い打ちを加えるかが、本作を楽しむポイント。
      • 武器もまた「金属バットをフルスイング」「投げられたナイフを叩き落して投げ返す」「火のついたダイナマイトを投げ返す」などなど…。
      • ステージによっては地形もまた武器となる。ベルトコンベアに巻き込んだり剣山に突き落としたり…。
  • 優れたBGMが多い。
    • 特にタイトル画面の曲は、後の『ダウンタウン熱血物語』でダブルドラゴン兄弟(りゅういち・りゅうじ)とのバトルのシーンでも使われている他、数多くのシリーズ作品にも使用される名曲である。
    • ステージ1のBGMも良曲で、後の『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』(3DS)でも使用されている。
  • 爽快感あるSE。
    • 敵に打撃を与えた時の「バギィッ!」という音、バットのスイング音なども妙に生々しい。

問題点

  • 最終面のトラップが難しい。
    • 最終面の前半には「せり出してくる石壁」と「槍を突き出してくる彫像」のトラップが存在しており、いずれも体力の3/5以上奪われた挙句大きく押し戻される。
      • このうち石は飛び出し方にムラがあって何とか避けられるものの、槍は近づくと間断なく突いてくるため、祈りながら像の手前を通過するしかなかったりする(一応、ジャンプしながら通過すれば多少当たりにくくなる)。
  • ウィリー(ラストボス)の機関銃の弾丸の威力は一撃必殺という極悪仕様。つまり食らった時点で体力満タンでも1人ミスとなる。
    • しかもウィリーは機関銃で小突いたり、後ろ蹴りを繰り出すことがあるので、これらの打撃を食らった後で撃たれたら精神的ダメージが大きくなる。
  • 2人プレイ時ではウィリーを倒した後、マリアン(ヒロイン)を賭けてプレイヤー同士が対決するという超展開。
    • しかも「一方が死んで、生き残った方がヒロインのキスを受ける」か「両者が時間切れなどで同時に死んでバッドエンド」の二択である。
  • バグが多い
    • 地形の当たり判定が怪しく、おかしな場所にめり込んで転落死するポイントがあらゆる場所にある。
      また、ハシゴに登っている最中にわざと転落死すると即座にゲームオーバーになるといった厳しいバグも…
    • 致命的なのは、最終面の槍のトラップ辺りに出てくる敵(ローパー)がダメージを受けたポーズのまま固まってしまい、倒せなくなるというバグ。こうなると先に進めなくなり、タイムオーバー、ゲームオーバーを待つしかない。

総評

多彩な方法で相手を叩きのめす、バイオレンスな爽快感が人気を集めた作品。
ベルトスクロールアクションのジャンルを確立した一作である。

余談

  • 当時としては過激な暴力描写のために、一部のファンからは「発禁になるのでは」と噂されたりもした。
    • 実際にアメリカの一部の州で稼動禁止の措置が取られたこともある。
      • ただアメリカでは大いに人気を博し、1994年には実写映画まで制作されている(日本では正式公開されず)。
  • 多彩な攻撃方法があるにも関わらず、実際は「肘打ち」が強力で、これだけで最後まで進めてしまう。
    • 本作をより楽しむのであればいろんな技を試してみるべきだろう。
    • ちなみに肘打ちを使用禁止にすると、かなり難易度が上昇する。通な方は是非試して欲しい。
  • ステージ1にこっそり「熱血硬派くにお君」の看板が存在している。

家庭用移植

  • 本作はFC、GB、セガ・マークIII、GBA、ジェネシス(海外版MD)、Atari Lynx、XboxLive、PS4に移植されている。
    • FC版に関しては下記記事を参照。
  • GB版はFC版同様にアレンジが加えられた移植となっており、新たな敵やトラップが追加されている。
    • さらにGB版はアクションモードとVSモードといった2つのモードが用意されている。。
    • FC版とGB版はバーチャルコンソールとして、前者はWiiで後者は3DSでそれぞれ配信中。
    • セガ・マークIII版はFC版準拠のキャラクターデザインだが、AC版と同様に2人同時プレイが可能。
    • GBA版は初代をベースに様々な要素を加えたアレンジ移植となっている。詳しくは『ダブルドラゴンアドバンス?』参照。
    • ジェネシス版とAtari Lynx版、XboxLive版はAC版ベースの移植となっているが、ともに処理落ちがなくなりゲームスピードが速くなっている。またジェネシス版ではリンダ(女ザコ)の髪型と服の色がAC版と違う。
      • ジェネシス版はセガから承諾されてない非公式ソフトであり、XboxLive版は現在は配信終了となっている。
    • PS4版は「アーケードアーカイブス」の作品としてダウンロード販売が行われている。こちらは著作権の絡む一部グラフィックの差し替えがされている事を除けばAC版の完全移植となる。
    • スマホ及びPC向けに『ダブルドラゴントリロジー』の名目で3タイトルがセットになったものが配信されている。基本的にはゲーム部分はAC版のまま移植されているが画面に表示されるライフ、スコアなどの部分が高解像のものに差し替えられていて変更できないためその点では完全移植でない。

ダブルドラゴン(ファミコン)

【だぶるどらごん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミコン
販売・開発元 テクノスジャパン
発売日 1988年4月8日
定価 5,800円
プレイ人数 1~2人(交代プレイ)
判定 なし
ポイント シングルドラゴン化
経験値でレベルアップ

概要(I・ファミコン)

アーケード版をFCへと移植したもの。ゲームハードの性能差から完全移植ではなく
様々なアレンジが施されたアレンジ移植となっている。

アーケード版からの変更点(I・ファミコン)

  • 2P同時プレイがオミットされて交代制になってしまった。この為、ビリー一人で「ブラック・ウォーリアーズ」からマリアンを救い出すストーリーとなっている。
    • ミスをした場合もその場復活ではなく戻り復活となっている。
  • ステージやギミックの追加
    • ステージ数はAC版と同様に4面だが洞窟内などの新たなマップが多数追加され、ギミックも増加した。
    • ジェフの代わりに中国武術を使う「チン・タイメイ」が登場。チンタイメイは後に「アーケード版II」に逆輸入される等、シリーズの常連キャラとなる。逆にジェフは移植の際に消される事が多い悲運のキャラに
  • レベル制の導入
    • 攻撃を当てた際の攻撃方法に応じて経験値が溜まるようになり、1000を超えるとレベルが上昇し、アクションが解禁されていくしようとなった。
    • 最初はパンチとキックに加えヘッドバットしか出来ないが、レベルが上がるとジャンプキック、肘打ちなどのAC版のアクションに加え、回し蹴りや腰かけパンチといった追加アクションも使用可能となる
      • 基本的に後に覚えるアクションほど獲得経験値が少ない。その為、成長させるにはある程度アクションを制限して戦う必要がある。
  • 対戦モードの追加
    • 「GAME MODE B」は対戦格闘モードとなっており、ビリーと敵キャラの中からキャラを選択して対戦を行う。
      • 通常モードに比べ、キャラが大きくなり、使える技も異なるが、残念な事に同キャラ対戦しかできない。ビリーを選択したら色違いのジミーとしか戦えないのである、。
      • ラウンドの概念はなく、どちらかが倒れればゲーム終了となる。2Pと対戦するかCPUと対戦するかは選択可能。

評価点(I・ファミコン)

  • 概ね、アーケードの要素は移植できており、また、処理落ちが厳しかったアーケード版に比べるとスムーズに動く。
    • レベル制により、選択肢が多くて迷いやすかったアーケード版に比べると様々なアクションに満遍なく触れる事が出来る。
    • 敵のロジックの変更により武器攻撃がかなりあて易くなった。また、獲得経験値も多いため積極的に使う事が推奨される。
    • 接触判定が怪しいといったアーケード版のようなバグもないわけではないが、大半は気にならないレベルかプレイヤーが有利になるものが多い。

問題点(I・ファミコン)

  • 同時プレイのオミット
    • やはり二人同時に遊べるベルトアクションというアーケード版の評価点がオミットされてしまったのは残念な点である。
  • 変更点により難易度が跳ね上がってしまった。
    • 戻り復活となった為、最終面のボスラッシュシーンなどでやられてしまった場合は最初からやり直しとなっており、かなり厳しくなった。
    • コンティニュー不能。アーケード版はやや乱暴だがコンティニューしまくるパワープレイが可能だった分、クリアのハードルが上がってしまった。
      • エクステンドや体力回復手段に乏しいため、即死トラップに安易に引っかかるようでは到底クリアできない。また、アーケード版に比べてギミックの追加により即死するポイントが増えている。
    • 追加ルートやギミックの問題。ステージ3以降から前触れもなく無限ループが随所に挟まる為、ルートを知らなければ何度も同じ場所を回る羽目になるなど、難易度が一気に上昇する。
  • バトルモードは敵キャラが操作できるという点のみが目新しく、プレイするには微妙な出来。グラフィックをはじめ、アクション含めた全ての要素がオリジナルモードとは違うため、同じ名前のキャラが登場する別ゲームのような扱いになっている。
    • 必殺技などの派手なアクションは少なく、また一試合のやりきりである。どちらが勝ってもゲームオーバーの音と共にタイトルに飛ばされるのも味気ない。

賛否両論点(I・ファミコン)

  • 肘打ちはアーケード版に比べて避けられるようになり若干当てづらくなったが、リーチや威力は最強クラスである為、依然として双截拳最強奥義として君臨している。
+ ジミーの扱いについて、ネタバレ
  • 2Pキャラだったジミーはウィリーを倒した後に登場するラスボスになっている。
    アーケード版における最後のプレイヤー同士の殺し合いを再現したものと思われるが、実はオープニングのマリアン拉致シーンの中にちゃっかり色違いのジミーらしきキャラがいる。
    アーケード版のプレイヤーキャラが完全に裏切ってラスボスになるという点もある意味斬新ではあるが…

総評(I・ファミコン)

  • アーケード版からFC版への移植は必然的にアレンジ移植となる事が多く、本作でも例外ではないものの
    残念ながらアーケード版からの劣化部分をアレンジによって補いきれておらず、特にコンティニュー不能や戻り復活性になった事で難易度が跳ね上がってしまい、
    気軽に遊ぶにはやや厳しい物となってしまった。

余談(I・ファミコン)

  • 本作のデフォルメされたリー兄弟のグラフィックが『ダウンタウン熱血物語』に登場するダブルドラゴン兄弟の顔グラフィックのモチーフになったと思われる。

ダブルドラゴンII・ザ・リベンジ

【だぶるどらごんつー・ざ・りべんじ】

ジャンル アクション
対応機種 ファミコン
販売・開発元 テクノスジャパン
稼動開始日 1989年3月
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
判定 良作

概要(II)

上記『ダブルドラゴン』から2年後に発売された続編。
前作で助けた「マリアン」が早々オープニングデモで前作のラストボス「ウィリー」に殺害されて、「リー兄弟」が復讐へ赴くストーリーとなっている。

前作からの変更点(II)

  • 技の出し方が「左攻撃・ジャンプ・右攻撃」という業務用『熱血硬派くにおくん』方式に変化した(要するに進行方向に向いてる時はパンチ、逆方向に向いている時はバックキックが出る)。
    • 操作系の変更が行われた為、「前蹴り」や「ヘッドバット」は使えなくなった。
      代わりにジャンプ中に攻撃ボタンを押す事で新必殺技の「旋風脚(龍尾嵐風脚)」が放てるようになった。
    • 厳密に言えば「くにおくん」と異なる点もあり、プレイヤーの向きは移動した時点で即座に変わる。(「くにおくん」では敵が集まっている方向を向くので、向きを決めれない)、その為、意図的に向きを変えやすくなっている

評価点(II)

  • 敵のアルゴリズムの強化
    • ファミコン版の前作では敵は1種類の武器しか使ってこなかったが、今作では一人の敵が複数の武器を使うようになった。
      それに伴い、地面に落ちた武器の争奪が激しくなり、武器の重要性が増した。
      • プレイヤーが不利になるようないやらしい強化ではなく、より人間っぽい動きに進歩したといえる。
    • 「ウィリアムス」が側転で素早く移動するなど、アクションが追加されたものもいる。
      • 「リンダ」が肘打ちをしたり、全てのザコがバックキックを使用するようになった。
  • 難易度調整
    • 前作の最終ステージでは「突然出てくる石柱に当たると体力がほとんど削られる」や「ボスのマシンガンで即死」といった尖った難易度調整がなされていたが、
      本作では同様の仕掛けは登場するもののダメージは抑えられており、ストレスは少なくなっている。
      • ただし、プレイヤーの投げ技が通用しない巨大な敵が増えたり、後述の「チン・タイメイ」等の強力な敵が多数追加されており、こちらで難易度の調整が図られている。
    • 前作で猛威を振るった「肘打ち」に調整が加えられており、全く使えないほどではないが肘打ち一本でラストまでいけるほど甘い作りにはなっていない。
      • 代わりになる攻撃方法として「敵に背を向けてバックキック→敵のほうを振り向いてアッパー」があるが、敵のジャンプキックで潰される事もある為、「肘打ち」ほど万能ではない。
      • しかし、「バックキック」は判定が強く、確実に敵をひるませるので、様々なコンボの起点になる。
        慣れてくると「バックキック→髪つかみキック→背負い投げ」、「バックキック→まわし蹴り」等の連続技が面白いように決まる。
  • 操作性の向上。
    • 移動速度の上昇など、全体的に操作が快適になり、動かしやすくなっている。
      • 敵より早く動ける事が多く、ジャンプキックを見てから余裕でかわせるなど有利な位置取りがしやすく、爽快感の向上に繋がっている。
  • 演出とBGMはかなり良好。
    • ボイスが増加され、敵によってやられボイスが異なる。
  • 前作と比ると新しい要素が追加された。
    • オカルト要素が含まれるようになった。倒されると断末魔の悲鳴とともに鎧を残して消滅し、消滅したかに見せかけて一度復活してくるものもいる敵キャラクター「ブルノフ」はその典型例。
    • さらに東洋的要素も含まれていて、ファミコン版の前作のオリジナル敵キャラクター「チン・タイメイ」が棒術使いとしてアーケード版にも登場し、敵のアジトの門や最終ステージのデザインも中華風になっている。
      • 「チン・タイメイ」は攻撃力とリーチでプレイヤーを上回り、かつ巨体キャラクターなので投げも効かないという有様で
        最終ステージでは一緒に出てくる前作の最強の中ボス格の「ジェフ」が箸休めに思えるほどの難敵である。

賛否が分かれる点(II)

  • 一作目で救出したヒロイン「マリアン」がいきなり一作目のラストボス「ウィリー」に射殺されるという衝撃のプロローグ。
  • 敵キャラクターのデザインが前作に比べやや色物じみている。ロン毛になった「アボボ」や眼帯ヒゲ親父になった「ローパー」、
    唯一の女ザコの「リンダ」に至っては何故かモヒカンヘアーになり、より世紀末な雰囲気を醸し出している。
    • 同様に2Pキャラクターの「ジミー・リー」は白ずくめの衣装になっている(FC版やPCE版では前作同様に赤に戻っている)。
  • アーケード版で一作目から続投している敵キャラクターのうち、「ジェフ」と「ウィリー」は前作と色が違うだけ。
    • そのためファミコン版では「ジェフ」と「ウィリー」はリストラされて、代わりにクンフー使いの「右腕」とそのままな「忍者」と新たなラストボスの「謎の格闘家」が追加された。
+ ネタバレ
  • 「マリアン」を射殺した「ウィリー」を倒すと急に画面が暗くなり、不気味なBGMとともに「リー兄弟」の影から幻影があらわれる。
    幻影は兄弟の技のほか、気弾を飛ばしたり、不気味な笑みを浮かべながら影に入り込んで攻撃し兄弟を苦しめる。
    幻影を倒すと不気味な笑い声とともに消滅し、兄弟は開いた奥の扉へ進む。
    その後、「リー兄弟」と生きていた頃の「マリアン」の写真*1が表示され、写真の中の「マリアン」が涙を流して終了となる。
    直前に兄弟で殺し合いこそしたが無事に「マリアン」を救出してハッピーエンドとなった前作に比べると
    随分と後味の悪いものであり、その後の主人公達がどうなったかのフォローは一切ない
    今作では殺し合いは無くなったものの、後味の悪さでは前作を上回っている。
    当時としてもこのエンディングは賛否両論であったが、この後のシリーズはオカルト要素をさらに強めていくことになる…。

問題点(II)

  • 技の出し方が「左攻撃・ジャンプ・右攻撃」という方式のため、技を出す際にはプレイヤーキャラクターの向いている方向に気を付けなければならない。
  • 「旋風脚」の使い勝手が微妙
    • 威力はそこそこあるものの、敵のジャンプキックやパンチであっさり潰されたり、出し終わるまで当たらない所で待ち伏せされる事*2が多く、うまく決める事が難しい。
      • また、出し方にも癖があり、ジャンプし始めてから頂点に到達するまでの僅かなタイミングで攻撃ボタンを押す必要がある。頂点に達してしまうと出なかったりとコツがいる。
  • アーケード版で追加された一部のボス格の敵は理不尽に強すぎる。
    • 特にステージ2のボスの某殺人アンドロイドと瓜二つな風貌の巨漢「アボレ」とステージ3のボスの「チン・タイメイ」は、前作の中ボス格である「アボボ」や「ジェフ」がマシに思えるくらい強い。
  • アーケード版のステージの構成は前作のステージを手直ししただけの代物。
    • 特にステージ2は最初の場面以外は前作の同ステージのグラフィックを書き直しただけである。
    • その後もどこかで見た構成がゲームの最後まで続く。目新しい仕掛けはステージ3の耕運機とステージ4の爆発する鉄球ぐらいしか存在しない。
  • アーケード版では振り回し系の武器である「チェーンハンマー」か「シャベル」を持ってしまうと通常攻撃は進行方向に武器を振り回すだけになり、バックキックが使用できなくなる。
    • しかもザコ敵は「シャベル」を振り回せるだけでなく投げつける事も可能なので、投げつけることの出来ないプレイヤーはますます不利である。
    • そのため、ファミコン版で「シャベル」と入れ替わりに登場する「鉄パイプ」はプレイヤーも投げつけることが可能になった。

総評(II)

元々は海外で先行発売するために作られており、キャラクターやマップパターンなどは前作の使いまわしが大多数であった。
「肘打ち一本でクリア」、「最終面の尖った難易度」といった前作の粗は概ね修正されており、
よく練られた敵のアルゴリズムをかいくぐって様々な技を決める、爽快感あふれるベルトアクションに仕上がっている。
しかし、最初のステージを除いてはほぼ全てが前作の流用なので手堅い作品ではあったが新鮮味に欠ける点は否めず、
そのため国内では今ひとつマイナーな評価で終わってしまった。

家庭用移植・リメイク(II)

  • 本作はFC・PCE・MD・PS4・GB(日本未発売)に移植されている。
    • FC版は前作同様アレンジが加えられている、詳しくは下記を参照
    • SUPER CDROM2専用ソフトとして発売されたPCE版は、基本FC版ベースの移植となっているが、キャラクターの頭身が高くなっている他、FC版でカットされたボスキャラクターが復活しているのが特徴的。また豪華声優陣によるボイス付きのビジュアルシーンも追加されている。
    • GB版もAC移植ではなく、『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』のキャラクター・BGM差し替え版となっている。
    • MD版は当時唯一AC基準の移植となっているものの、2面の構成が大きく異なる上、EDもモノクロでのボス紹介に変更されている。
    • PS4にて「アーケードアーカイブス」の一タイトルとして配信され、前作と同様にACの完全移植を手軽に楽しめるようになった。
    • スマホ及びPC向けに『ダブルドラゴントリロジー』の名目で3タイトルがセットになったものが配信されている。基本的にはゲーム部分はAC版のまま移植されているが画面に表示されるライフ、スコアなどの部分が高解像のものに差し替えられていて変更できないためその点では完全移植でない。
    • Xbox360向けDLソフトとして本作のリメイク『ダブルドラゴンII ワンダーオブドラゴン』が配信されたが・・・

ダブルドラゴンII・ザ・リベンジ(ファミコン)

【だぶるどらごんつー・ざ・りべんじ】

ジャンル アクション
対応機種 ファミコン
販売・開発元 テクノスジャパン
発売日 1989年12月22日
定価 5,900円
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
判定 良作
ポイント アーケード版を大きく超えた良アレンジ

概要(II・ファミコン)

前作に引き続き、ファミコンへと移植されたが、移植にあたってほぼ一から作り直したと言える程、変更点が多く、アレンジ移植となっている。
しかし、前作ではオミットされた2人同時プレイが可能になったり、ステージ間の演出が加わるといった要素があり、大きなパワーアップを遂げた作品と言える。

アーケード版からの変更点(II・ファミコン)

  • ストーリーが変更され、マリアンが殺されるという点は変わらないものの、ブラック・ウォーリーアーズではなく、代々双截拳と戦い続けてきた宿敵によるものとなった。
    このため、AC版では中ボスだったウィリーとついでにジェフが削除され、代わりにクンフー使いの「右腕」、素早い動きや手裏剣を駆使する「忍者」、ラスボスである「謎の格闘家」が追加された。
    • 今までは主人公が使う拳法でしかなかった双截拳がストーリーに絡んでくるという思い切ったアレンジともいえる。
  • 前作のFC版とは異なり、最初から全ての技が使用可能、加えて2人同時プレイも可能となり、アーケード版に近い仕様となった。
    • 必殺技も龍尾嵐風脚に加え、「天殺龍神拳(ハイパーアッパー)」と「爆魔龍神脚(真空飛び膝蹴り)」が追加された。かがんだ状態でタイミングよくコマンドを入れるものであり、ややコツがいる。
    • ダウン後の起き上がりも「かがみ状態」として扱われる為、反撃の一撃を与える事が出来る。
    • 肘打ちなど、一部削除された技も存在する。
  • ステージが大幅に増加
    • AC版のステージも登場するが、全体的にステージが増加されており、4ステージから9ステージと二倍以上になった。
    • 中ではヘリコプターの中で戦う*3、複雑なギミックをかいくぐる塔など個性的なステージが追加された
  • 演出が強化
    • ステージ間のデモはカットインとセリフで表現されるようになった。また、カットインのクオリティも高く、ストーリーへの没入感を高めてくれる。
    • 最終ボスの登場、戦闘、撃破時の一連の流れの演出は当時としては突出した良好なものとなっている。

評価点(II・ファミコン)

  • アクションが痛快
    • 前作のFC版よりもキャラのサイズが大きくなり、描き込まれた為、迫力が増した。加えてアーケード版よりも処理落ちが少なく、操作性もよいためアクションの爽快感は高い。
    • 敵を吹き飛ばした際の音が『くにおくんシリーズ』でお馴染みの迫力のあるものであるのも大きい。次々と連打を決めてドカドカと敵を殴り飛ばすだけでも大きな爽快感が得られる
    • 追加技の「天殺龍神拳(ハイパーアッパー)」と「爆魔龍神脚(真空飛び膝蹴り)」の性能が非常に高く、アーケード版では難敵だった「アボレ」や「チン・タイメイ」ですら
      数発で沈めるという超威力を誇る他、技を当てると豪快に敵が吹き飛ぶため、リングアウトを狙いやすく、ゲームのテンポの良化にもつながっている。
      • ある程度コツが要る他、懐に入る必要があるので簡単には決まらないが決めた時の爽快感は別格。
  • 親切設計
    • 前作ではコンティニューが不可だったが、本作では無限にコンティニューをする事が出来る。
      • くわえてアーケード版同様にその場復活に戻った為、前作FC版に見られた理不尽な点は解消され、遊びやすくなった。
    • 二人同時プレイでは互いの攻撃の当り判定の有無も決める事が出来る。
    • 三段階の難易度にも対応している為、腕前に応じたプレイも出来、敷居が低くなった。
  • グラフィック及びBGMは高水準
    • ステージの追加に伴いBGMも多数追加されたが、ステージ4やラスボス戦など評判の高い両局も多数追加されている。一部のBGMは続編や近年の作品にもアレンジされて使用されている。
  • アーケードの移植とみても健闘している
    • 概ねの敵キャラは登場しており、ステージの半分はAC版を意識したものとなっている為、大幅に変わったと言えどAC版の雰囲気は残っている。
    • 「ウィリアムス」の側転や「リンダ」の肘打ち等も再現されている。
  • AC版からの改善点
    • 「龍尾嵐風脚(ジャンプ回転キック)」の使い勝手が向上、AC版ではほぼ使い物にならない技だったが、当てやすくなり、使う場面が増えた
    • 武器を拾った際に投げつける事が出来るようになった。AC版では拾ってしまうと隙の大きい攻撃しかできなくなる為、かえって不利になるといった点があった。
+ エンディングでは…、ネタバレ
  • 「マリアン」を殺した幻殺拳の使い手である謎の格闘家を倒した後、
    格闘家が言い残した、古の言い伝えにより、マリアンが息を吹き返してハッピーエンドとなる。
    アーケード版が後味の悪いエンディングであった分、原理はともかく救いのある内容となった。

問題点(II・ファミコン)

  • 爽快ではあるが「爆魔龍神脚(真空飛び膝蹴り)」が超性能。
    • 先述の通り、最強の威力を誇り、かつ相手を遠くへ吹き飛ばすため、ひたすら打ち続けていれば簡単にクリアできてしまえる。
    • Iでは肘が猛威を振るったが、II・ファミコン版では膝が猛威を振るう事になった
  • トラップが陰険な個所がある
  • 奥行きのないステージがそれなりに多い
    • ベルトスクロールアクションの肝である軸のズレを利用した攻撃がやりづらくなる為、苦戦しやすい

総評(II・ファミコン)

前作の焼き直し感が強かったアーケード版に大幅にアレンジを加えた事により、
アーケード版からの劣化を補うどころか大幅に改善、追加を加えた良作と言える。
完成度は非常に高く、当時のファミコンソフトから見ても頭一つ抜けた出来であるといえる。

余談(II・ファミコン)

  • 「天殺龍神拳」「爆魔龍神脚」「龍尾嵐風脚」は『くにおくんシリーズ』のダブルドラゴン兄弟の必殺技としても採用され、
    そのまま定着し、くにおくんシリーズの必殺技としての知名度も持つ。
  • 2017年に配信された『ダブルドラゴンIV』は本作がベースになっている
  • ニンテンドークラシックミニ(2016年に発売された小型ファミコン型ゲーム機)の収録ソフトにも採用されている。