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バイオハザード3 ラストエスケープ - (2017/04/02 (日) 13:23:41) の編集履歴(バックアップ)


BIOHAZARD 3 LAST ESCAPE

【ばいおはざーどすりー らすとえすけーぷ】

ジャンル サバイバルホラー


対応機種 プレイステーション
Windows 95/98
ドリームキャスト
ニンテンドーゲームキューブ
発売・開発元 カプコン
発売日 【PS】1999年9月22日
【Win】2000年6月16日
【DC】2000年11月16日
【GC】2003年1月23日
定価 【PS】7,140円
【Win】-円
【DC】6,090円
【GC】5,040円
配信 ゲームアーカイブス:2008年12月24日/600円
判定 良作
BIOHAZARDシリーズリンク?


概要

バイオハザードシリーズの三作目にして、ナンバリングタイトルではPS最後の作品。
BIOHAZARD?』の主人公ジルを再び主人公に据え、『BIOHAZARD 2?』の舞台裏で繰り広げられたもうひとつの物語を描く。


STORY

洋館事件を引き起こした国際製薬会社「アンブレラ」の調査のため、各地に散っていたS.T.A.R.S.メンバー。
そんな中、メンバーの一人ジル・バレンタインはラクーンシティに残り、街の内部から調査を続けていた。
調査を進めるうちに、ジルはこの街に未曾有のバイオハザードが進行していることを察知する。
しかし人々が真実に気が付いた時には既に手遅れだった。

街に蔓延るゾンビ、逃げ惑うラクーン市民。
警官隊は全滅し、アンブレラ社が送り込んだ傭兵部隊「U.B.C.S.」も、ゾンビの驚異的生命力の前にその多くが壊滅していく。
D小隊所属のカルロス・オリヴェイラはかろうじて仲間と共に生き残るものの、迫り来るゾンビの軍勢を前に、活路を見出すことが出来ずにいた。

一方自力での脱出を図っていたジルは、S.T.A.R.S.メンバーを付け狙う巨躯の怪物の存在に気付く。
崩壊するラクーンシティからの、『最後の逃走』が始まる。


新たな恐怖

前作で「数の恐怖」へとシフトした本シリーズ。本作ではその数の恐怖に加え、次に述べる新たなる恐怖を用意することでマンネリを見事回避した。

追われる恐怖

  • 新たな強敵として登場する「追跡者」ことネメシス-T型は、色々な意味でプレイヤーに衝撃を与えた。
    • ゲーム序盤から登場するのだが、その強さは前作のタイラント以上どころの話ではない。
      タイラント以上のタフさとプレイヤー以上の移動速度を兼ね備え、さらにロケットランチャーを遠距離攻撃手段に用いてくる。ロケットランチャーを持っていない時でも即死攻撃を持つため、油断しているとあっさり殺される。
    • 最初の遭遇では簡単に戦闘を回避可能。しかし撃退の可否を問わずその後も多くの場所で出現し、その度に執拗にこちらを追跡してくる
      その執拗さは凄まじく、部屋を出て逃げてもドアを開けて追いかけてくる。「ドアを隔てれば安心」という従来の常識を覆し、新たな恐怖の演出に成功している。
    • 登場の仕方も様々で、急に窓・扉・壁を突き破って登場したり、暗闇・死角から走り込んで来たりと、プレイヤーが驚くような演出が多い。
    • 追跡から逃げ切るには、突き放すまで(特定のエリアまで)逃げ続けるか、特定のイベント(後述のライブセレクション)で対応するか、撃退するしかない。撃退はたやすいことではないが、成功すると有用なアイテムを落とす。
    • 追跡者の進路上にゾンビなど他の敵が居た場合には、それを殴り倒す等をして排除してくる事がある。この点も他の敵との大きな違いで異質さが際立っている。
    • まさに名に違わぬ「追跡者」であり、登場の予兆となる不穏なBGMや、「S.T.A.R.S...」と低く唸りながら追いかけてくる姿がトラウマになったプレイヤーも少なくない。一方で、その厳ついビジュアルとプレイヤーに与えた衝撃から、シリーズの中で1、2を争う人気クリーチャーでもある。

ランダムの恐怖

  • 一部エリアで登場する敵がランダムで変化する。
    • 「この武器を持っているから…」と安心していたら想定とは違う敵にやられる…ランダム要素の登場で、こんな死亡ケースも前作から増えた。
  • アイテムの配置やシリーズ恒例の謎解きの解答も変化するため、答えを事前に覚えて時間短縮することが難しくなった。仮に覚えていたとしても、幾つかのパターンを総当たりする必要がある。
  • 中盤以降にランダム要素は多く出現するようになり、初見のプレイヤーを戸惑わせた。

決断の恐怖

  • 追加された新要素「ライブセレクション」も、緊張感を煽る要因となっている。これは「襲いかかるピンチの際に、2つの選択肢から1つを選ぶ」というもの。どちらか一方が極端に不利な展開になることはほとんどないが、制限時間内に選択肢を選べないと、ますますピンチに陥る。
    • 例: 地震により地面が陥没するも、間一髪落下を免れた…だがそこに、地震で傾いた地面をつたって大きなコンテナが迫ってきた!!
      よじ登る 間一髪よじ登り、コンテナを回避。ノーダメージで先に進む。
      飛び降りる コンテナよりも先に飛び降り、コンテナをかわす。ノーダメージだがタイムロスしてしまう。地震の元凶となった敵を垣間見ることができる。
      タイムオーバー コンテナと共に落下して大ダメージ。
  • 追跡者に関するライブセレクションも複数あり、この点は相乗効果で更に緊張感を増している。
  • 選んだ選択肢によって後の展開が分岐するケースもあり、特に7回目のライブセレクションはEDに大きな変化を及ぼす。

この他にもシリーズおなじみの恐怖演出や新たな敵も恐怖を倍増させてくれる。ファンおなじみの「ハンター」シリーズの新型や、ミミズの変異体「グレイブディガー」など、手強いクリーチャーも多い。
また、ストーリー各所で挿入されるムービーも健在で、クオリティは前作から向上している。


新システム

緊急回避

  • 相手の攻撃タイミングにあわせ、武器構え(R1orR2ボタン)か攻撃動作をすると、相手の攻撃に合わせた回避行動を取って攻撃を回避することができる。
  • ほとんどの攻撃に対応することができ、タイミングは難しいが追跡者のロケットランチャーもよけることが可能。ただし当たり判定が消えるわけではないので、壁際や広範囲攻撃に対しては回避しきれない場合もある。
  • 位置取りである程度は補えるとはいえ、追跡者等の敵は緊急回避ありきと言ってもよい動きをしてくる側面があるため、弾数さえ確保しておけば勝てるというものではない。

弾薬生成

  • 本作では道中で手に入る弾薬が少ない代わりに、「ガンパウダー」という新アイテムが各所で手に入る。これを最初から所持している「リロードツール」と組み合わせることで、各種弾薬を生成することができる。
    • ガンパウダーは単独で使うだけでなく、異なる種類のガンパウダーと組み合わせることで様々な弾薬を生成できる。
    • 弾薬を作り続けることで弾薬生成のレベルが上がり生成できる弾薬が増える、更にレベルが一定に達するとハンドガン及びショットガンの「強化弾」を生成できるようになる。
    • 弾薬生成とは異なるもののガンパウダーとグレネードランチャーの榴弾を組み合わせて、性質の異なるグレネード弾を生成することができる。
      • またガンパウダー同士を組み合わせることで生成できる弾薬が増加したり、強力な武器の弾薬を生成できる。
  • このシステムの追加理由はゾンビやクリーチャーが蠢く街でのサバイバルという状況をよりリアルにする為という説もある。
    • これまでと違い、一般施設の搜索もあるので都合よく弾薬が置いてあるのはおかしいし、かと言って弾薬無しだと戦闘を乗り切れない。
    • そこでガンパウダー(当然、純正の物ではなくそれに準ずるものだと思われるが)を回収し自分で必要な弾丸を作り出して戦闘に備えるというわけである。

オブジェクト

  • 本作で「攻撃オブジェクト」が初登場する。フィールド上に設置されたドラム缶やバルブを撃つことで、周囲の敵を爆発などで巻き込み、一掃することができる。
  • 自身もダメージを負う危険性があるが、上手に使えばハンドガンなど低火力の武器で強力なクリーチャーを撃破したり、大量の敵を一掃することができる。

その他

  • 一瞬にして進行方向を180度変えるクイックターンが追加された。方向転換の際の快適性が向上している。これは後の作品にも実装されている。
  • 階段昇降の際に扉の開閉時のような演出が入らなくなり、階段上で段差を利用して敵と戦闘することが可能になった。
  • やり込み要素として、本作に登場しないシリーズ登場人物のその後を追った「エピローグ」の収集や、エクストラコスチュームなどがあり、いずれも好評。
  • 地味な変更点だが、イベントシーンのスキップが可能になったのは3から。 これにより周回プレイ時も快適にプレイできる。

THE MERCENARIES OPERATION MAD JACKAL

本編クリア後に解禁されるミニゲーム。本作を語る上で外せない要素の一つである。ミニゲーム自体は前作の「4th survivor」や、前作デュアルショック版の「Extreme Battle」があったが、やりこみ要素が導入され有名になったのは今作からだろう。
ファンから概して高評価を受け、クリア後のミニゲームはシリーズの伝統になった。

  • 作中に登場した3人の傭兵(カルロス・ミハイル・ニコライ)から1人を選び、敵を倒しつつゴールを目指す。制限時間があり、開始時点では2分だけ。ゴールを目指すには到底足りないが、敵を倒したり、緊急回避を用いることでタイムが加算されていく。ゴールすると残タイムや敵撃破数などを総合した評価を受け、それに応じた賞金が与えられる。集めた賞金を消費することで、ゲーム本編で使える強力な武器を購入できる
    • 途中で死亡したり制限時間切れでゲームオーバーになった場合でも、評価の半分の賞金が手に入る。
    • 敵を連続で倒す、緊急回避から倒す、複数をまとめて倒すなどの行動でタイム加算にボーナスがかかる。
    • 道中で市民や味方を救出することでもタイムとアイテムを得ることができる。なお、アイテム類は市民の救出でしか入手できない。
      • 市民と味方隊員は時間制限があり、それを過ぎると殺されてアイテムは貰えなくなる。なお、登場する市民はゲーム中に登場したダリオ、ルチア、マービン、ブラッドの4人。
    • また、隠しポイントがマップ6ヶ所に隠されており、発見するごとにタイムが加算されていく。タイムは2秒、4秒、8秒…と増えていき、6ヶ所すべて発見すれば64秒+$100となる。
    • ちなみにゴール地点で彼らに報酬を渡すのは、旧作に登場したある人物である。
+ 傭兵3人の性能
名前 装備 特徴
カルロス・オリヴェイラ アサルトライフル
EAGLE6.0(強化ハンドガン)
ハンドガンの弾×90
調合ハーブ×3
連射系の武器と回復アイテムをバランスよく持っている。
だが終盤では火力不足に陥りやすく、唯一の強力な武器であるアサルトライフルはいかなる手段でも補充がきかない。
よって意外に戦闘回避スキルや弾薬の効率のいい使い方が求められるため、中級者向け。
ミハイル・ヴィクトール ショットガン
マグナム
ロケットランチャー(8発)
ショットガンの弾×21
マグナムの弾×18
調合ハーブ
潤沢な武装を持っており、最もクリアに近い。
ショットガンで大勢の敵をまとめて倒したり、マグナムで強力な単体に対抗したりと、汎用性に富む。
弱点は回復アイテムが一つしかないことと、ロケットランチャーで敵を倒すと賞金の獲得額が3分の1に減算されてしまうこと。
ニコライ・ジノビエフ ナイフ
ハンドガン
救急スプレー×3
ブルーハーブ
装備が貧弱で、市民救出が攻略の鍵となる。ただしナイフで敵を倒すと賞金・獲得タイムに多大なボーナスがかかる。
いわば、公式にナイフプレイを推奨されたキャラクター。回復アイテムが手持ち以外一切入手できないため難度は高いが、使う人が使うと高評価をすんなり獲得できる。ちなみに、ニコライのナイフを振る動作はジルと異なり、『2』のレオンと同じ動作となっている。

賛否両論・不満点

緊急回避について

  • 今でも発生条件が曖昧なところがあり、意図的に出すのが難しい。「こちらの構え動作あるいは攻撃の瞬間と、相手の攻撃がカチ合った時に起こるのでは」と言われているが、敵によってそのタイミングは千差万別で、かなりシビア。このことを理解せずに、初心者が緊急回避失敗を連発してピンチに陥る光景は発売当初多く見られた。
    • こればかりはプレイしないとわからないが、本当にシビアで分かりにくい。攻撃動作が解りやすい相手でもほぼきっかりカチ合うようにボタン入力しないと成功しない。
  • 一方で、意図的に出せるようになると非常に強力なスキルと化す。「バランスを崩壊させている」という批判の声が出るほど。
    • 上級プレイヤーの中には緊急回避を連発してゾンビを一箇所に押し込んだり、敵の攻撃をかわしきって追跡者でさえノーダメージで倒すツワモノも。
    • そもそも、アクション性に比重が寄った作品においてアクションが上達すれば有利になるというのはバランス崩壊でも何でもない。入力に全くシビアさが無く、誰でも簡単にできるのであれば明確なバランス崩壊だと言えるだろうが…
  • 主に特定の敵に壁際に追い詰められた際に「敵に攻撃しようとする→敵の攻撃とかち合って緊急回避→改めて攻撃しようとする→敵の攻撃とかち合って緊急回避→攻撃しようと~」というループが起こることがある。こうなるとこちらの攻撃がきっちり発動するのを待つしかない。
  • 回避を完了すると強制的に攻撃の構え動作に移るため、回避の意味がなくなる場面も*1
  • 以降の作品で緊急回避が採用されたのは長らく『GUN SURVIVOR 4』のみであったが、『REVELATIONS?』で久々に搭載された。

難易度について

  • 追跡者の存在
    • 全編に渡って登場する敵ながら、前述のようにかなりの強敵。前作のタイラントが霞んで見えるほどである。耐久力や遠距離攻撃もさることながら、近距離攻撃の踏み込みが深く緊急回避でも避けきれない場合があるのも厄介。
    • 正直、ドロップアイテムと戦闘のリスクが明らかに釣り合っていない。とはいえ、無視して逃げるわけにもいかない局面も少なくない。
      • 因みにドロップアイテムの内、既存の武器の強化版に当たる「EAGLE6.0(強化ハンドガン)」と「ウエスタンカスタム(速射ショットガン)」は、2つのパーツを組み合わせてようやく武器になる仕様である。頑張れば序盤に手に入るEAGLEはともかく、ウエスタンカスタム入手にはかなりの労力を要する。
    • 序盤から登場することもあって、詰むなどと言う前に立ち往生してしまうプレイヤーも多かっただろう。
  • ミニゲームの難度もかなり高く、残タイムに応じて適切な行動を取らないと慣れないうちはしょっちゅう爆死することになる。
  • ただ、低難易度の「Lightモード」*2もあるため、ハードルはむしろ低い。ただし、Lightモードはクリアしてもクリア特典が一部解放されないため注意が必要。

武器の優遇・不遇

  • グレネードランチャーが強力すぎる。弾速がやや遅いのが欠点だが、「運がよければ序盤で入手可能、高威力・爆風あり・装填弾数上限が255発と極端に多い*3・弾薬を入手しやすい・ガンパウダーとの組み合わせで様々な弾丸を生成できるため汎用性が高い」と、欠点を帳消しにして余りある利点を持つ。
    • 中盤以降頻出するハンター系に有効な火炎弾、中ボス・グレイブディガーに有効な硫酸弾、敵を凍結して一瞬動きを止められる上追跡者に対し有効な冷凍弾と、弾丸のバリエーションはどれも有用。
    • 今作は敵の配置もランダムである為に、尚更汎用性が高いという利点が生きる事となる。おかげでシリーズ伝統の高威力武器であるマグナムやショットガンの立場を奪っているという声も聞かれるほど。
  • ショットガンは上記の通りグレネードランチャーと比べて遅れをとる。威力はそこそこ、弾が拡散する為に雑魚戦では複数の敵を巻き込めて当てやすく便利だが遠距離時の威力低下のデメリットも持ち、それがボス戦では欠点となる。
    • ただし序盤に入手可能、ガンパウダーB単品でも弾薬が生成可能、強化弾による威力強化が可能と言った長所があるのでグレネードランチャーを上手く当てられないプレイヤーには選択の余地がある。
  • マグナムは今作では悲惨な扱いである。グレネードランチャーとマグナムは序盤のある場所でランダムでどちらかが手に入り、手に入らなかった方は中盤で取得可能なのだが、序盤でマグナムが出るとハズレ扱いされる。
    • と、言うのもマグナムの弾薬生成には大量のガンパウダーが必要(後述)で配置弾薬は終盤に12発しかない為、序盤で入手してもアイテムボックスの肥やしとなるのが関の山であるからである。
      事実最速攻略用のガイドブックの中には、「ここでマグナムが出たらリセットしよう」と明記されているものがある。
    • しかも、前作にあった貫通性能がなくなるというまさかの弱体化まで図られている。ただでさえグレネードランチャーのおかげで割を食っているのにこの仕打ちはいかがなものか。
    • 一応フォローはしておくと、威力自体はシリーズ伝統に恥じない高さを誇る。ハンターなどの素早い敵も遠距離から仕留められ、即死攻撃のリスクを減らせるメリットもある。
  • 追跡者撃破というリスクに釣り合っていない武器である「ウエスタンカスタム」の存在価値には疑問符がつく。
    • 要は連射速度が速いショットガンなのだが、装弾数減及び射角調整不可のデメリットが痛い。
      これを手に入れるには追跡者を5回撃退する必要があるのだが、それを達成するころには既に終盤であり、他に強い武器はいくらでもある。
  • 強化型ハンドガン「EAGLE」は完全上位互換武器で、クリティカル時にはマグナムと同等の威力になるなど悪くない。しかし序盤の内に追跡者を撃破してパーツを揃えなければ、入手できるのはハンドガンの弾が手に入りにくい中盤以降になってしまう。
  • ヘビーモード限定で手に入るゲームオリジナル武器「マインスロアー」もかなり使いづらい。
    • 対象に突き刺さると数秒後に爆発する弾を発射する武器であり、複数の敵をまとめて倒すこともできそうだが、爆発までに時間を要するので実際は難しい。また、一度弾を装填すると弾を撃ちきらないと再装填できないため、アイテム欄を余分に使うことになる。そして何より弾の入手機会がごく僅かであり、生成もできない。
    • 後述の「無限弾」により弾を無限化すると「マインスロアー改」に変化してホーミング性能が付くが、それができるのは当然2周目以降である。そもそも弾数が無限になる時点で通常プレイでは使用を躊躇してしまう。
    • -武器自体はこれまでにない設置型銃器であり、ユニークな武器であったのだがプレイヤー側の性能に制約が多く、敵に対しては逃げるか先手必勝が基本の旧バイオハザードのシステムにはマッチしていなかったのが不評とされた理由だと思われる。

弾薬生成システムの練り込み不足

  • 強化弾が生成可能になるためには、対応する弾薬を一定回数生成する必要がある。しかしその必要回数が多く、結局強化弾が生成可能になるのは終盤近くになってしまう。その頃には普通は他の武器が主力となっている。さらに、強化弾が追跡者撃退で手に入る強化型武器(EAGLE6.0、ウエスタンカスタム)に使えないのも痛い。
    • そもそも強化弾がなくとも前述のグレネードランチャーのような強力な武器があるため、全く気にならない。手慣れたプレイヤーのプレイではほとんど強化弾の生成はない。
      • 逆に不慣れなプレイヤーは弾薬生成で生成できる弾薬や、プレイ進行による武器選択の必要性(メイン武器やボス専用武器の選別)を理解できず*4、行き当たりばったりでハンドガンやショットガンの弾を大量に生成してしまうと言ったことも起こりうる。
  • ガンパウダーは複数個が固まって置かれている場合が多く、アイテム所持欄が圧迫されてしまう場合が多い。
    • そして弾薬生成にはリロードツール(初期アイテム)が必要。当然、常時持ち歩くようなアイテムではないので普段はアイテムボックスに入れておき、アイテムボックス内のガンパウダーを集めて生成という展開になりがちでボックス内のアイテムの出し入れの手間もかかってしまう。
      • 上記のグレネードランチャーの弾薬生成は炸裂弾とガンパウダーの組み合わせで生成できリロードツールも不要。炸裂弾はそれなりにあるので生成には困りにくくガンパウダーのA,Bを組み合わせて作るCとリロードツールでこれ自体も生成可能。
        一方、グレネードランチャーと対比されているマグナムはCを3つ組み合わせたCCCでのみ生成可能(要リロードツール)とますます格差を生み出してしまっている。
  • サバイバルという点を設定的にも強調できて、改善次第ではプレイ進行の調整もでき伸びしろがありそうなシステムであったが(、後の作品には採用されずに終わった*5

無限弾の仕様

  • マーセナリーズの景品に「無限弾」という、本編の武器から弾数の概念をなくすアイテムがある。遊び要素に近いアイテムなのだが、一度購入して本編に適用してしまうと、通常の仕様に戻せない。通常のゲームをしたい場合は、もう一つデータを作る必要がある。
    • この「無限弾」は『0』や『5』にも登場。『5』では適用後も無限弾を使用するかどうかが選択可能になった。

総評

多くの新要素や徹底した恐怖演出で、危惧されていたマンネリ化を見事避けた名作。クリア後のミニゲームなど、後の作品に引き継がれた要素も多い。
発売当初こそ賛否両論を呼んだが、現在では多くのファンから好意的に受け止められている、シリーズの名作の一つである。
PSPのゲームアーカイブスでもDL販売*6されているので未体験の人は是非。


小ネタ

前作と同様に本作にもクスリと笑いを誘うネタ(制作側にそのつもりはないのだろうが…)が各所に散りばめられている。

+ ニコライの生命力(エンディングに関するネタバレあり)
  • 本ゲーム中に登場するU.B.C.S.の傭兵の一人ニコライは、作中屈指の生命力を誇ることをネタにされる。
    • ガソリンスタンドの大爆発の中から何事もなかったかのように生還。彼が爆発に巻き込まれるシーンはしっかり描写されているのだが…
    • 製薬会社に詰めかけたゾンビに取り囲まれて死んだかと思われたが、何事もなかったかのように生還
    • 病院の4階から飛び降り、何事もなかったかのように生還。お前はジャック・バウアーか。
    • そして何事もなかったかのように生還が確定。正確に言うと本作のマルチシナリオの中には追跡者に殺されるルートなども存在する。
    • しかし『GUN SURVIVOR?*7のある資料から彼が生き残るルートが正史らしいことが判明している。さすがである。
    • パラレルワールドである『Operation Raccoon City?』では演出の都合上頭をいくら撃ちぬかれても死なない、まさに無敵の肉体を手に入れた。誰かこいつを止めろ。
    • 本人かどうかは分からないが、『OUTBREAK?』の「決意」シナリオにてタナトスを狙撃し、グレッグを殺害したU.B.C.S隊員がニコライにそっくりである。
  • 他にも、「ダリオの遺書*8」「病院のワクチン生成の不可解な仕掛け」「宝石を嵌めこまないと開かないラクーン市庁の正門」「何故か弾道ミサイルの飛来を感知するレーダーが置かれている廃棄物処理施設」「都合よく米軍の巨大レールガンが運び込まれている*9最終決戦の地」など、ファンからネタにされる要素は多い。
    • 廃棄物処理施設はアンブレラが管理する施設なので立ち寄った工作員が置いていった可能性があり、レールガンに関してはこの地でタイラントと交戦した米軍が持ち込んだという設定になっている(その名残はある程度描写されている)。
    • ただしアンブレラが関与しない一般施設であるはずの市役所には「銅像が持っているブロンズの本が取り外し可能で、別のところにあるブロンズの羅針盤(入手の仕掛けを解くにはブロンズの本が必要)を代わりに置けて、すると銅像が回ってバッテリーが出てくる(仕掛けのためのというわけではなく、ただ置かれている)」という仕掛けがあるのだが、これについて一部の攻略本で「胡散臭い市役所だ」と書かれており、『CODE:Veronica』の特典DVDでは各作品のディレクターやプログラマーまで「あれ見たときは「なんでやねん!」って思った」とツッコミを入れている。
    • 一応であるが公式設定では市長はアンブレラと繋がっており裏金を貰っていてそれを使い街を発展させていた為、ある意味で違和感は無くなっている。ちなみに市長はバイオハザード発生後、娘をほったらかして一目散に逃げ出し軍に保護されたとのこと。