「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「詳細過ぎるネタバレの削減」です。
serial experiments lain
【しりある えくすぺりめんつ れいん】
ジャンル
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アタッチメントソフトウェア
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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パイオニアLDC
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開発元
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SR-12W パイオニアLDC
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発売日
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1998年11月26日
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定価
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5,800円
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判定
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賛否両論
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怪作
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ポイント
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ゲームと呼べるのかが怪しい代物 壊れていく主人公達 トラウマ要素満載なムービー 「これからは、ずっと一緒だね」
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概要
『serial experiments lain』とは、イラスト&テキストの雑誌掲載と、アニメ・ゲーム作品の制作とが同時進行で行われたメディアミックス作品である。
同時進行であったため、それぞれの作品はタイトルと主人公、それに扱うテーマが同じである以外には全くの別物となっている。
どの作品でも一貫して扱われるテーマは「『存在する』ということの意味」「記憶とはただの記録である」といった哲学的な事象であり、舞台としては1998年当時の日本を基本としつつ、ネットワーク技術のみが大きく発達した世界が使われている。
ゲーム版は、同時進行していたメディアミックス展開の中で最も早く企画が進行しながらも、発表されたのは最も遅かった。
そのことが、後述する中古価格の高騰に多少なりとも影響していると思われる。
シナリオはアニメ版同様、『ありす in Cyberland』や『ウルトラマンティガ』などを手掛けた小中千昭氏が担当している。
『ありす in Cyberland』はインターネットが普及し始めたばかりの頃にいち早く題材として取り上げた作品としても知られ、本作もまた作風は全く異なるもののネットワーク技術が大きく発達した世界が舞台で中学生の少女を主人公としている。
ゲームの内容・特色
このゲームは他に類を見ないほどの非常に変わった作りになっており、その点だけでも賛否両論になることが多い。
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初めてゲームを起動すると仮想OSの起動画面が映し出され、そこでユーザー名を登録することで、ゲームの舞台となる情報ネットへ接続することができるようになる。
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ゲーム中に出来ることは、情報ネット上にある音声やムービーデータを、「lain interface」という架空のインターフェースを使って再生していくことだけである。
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そのため、これはゲームであるかどうか怪しいと公式攻略本にすらも書かれている。
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「lain interface」では、パッケージに書かれた少女が中央にいて、その周りをデータが浮かんでいる。ゲーム中に記載は無いが少女はペルソナと呼ばれ、データを開けるときに様々なアクションをしてくれるほか、ほっておいても色々な仕草を見せてくれるという凝った造りになっている(参考動画)。
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ただそのせいか、「lain interface」の画面では操作に対するレスポンスが悪く、慣れるまでイライラすることになる。
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ゲーム中で開けるデータは「玲音の日記」「柊子の日記」「カウンセリング」「カウンセリングカルテ」「エキストラリサーチ」「今日子の思い出」「その他」「ムービーデータ」に分類される。
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ムービーの詳細
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「玲音の日記」は主人公である岩倉玲音(いわくら れいん)が、音声でつけた日記である。基本的には学校での出来事や、日々の悩みなどが綴られている。ちなみに岩倉玲音はパッケージに描かれた少女であり、ペルソナと同じ姿をしている。
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「柊子の日記」は玲音のカウンセリングの先生である米良柊子(よねら とうこ)が、音声でつけた日記である。職場や私生活での出来事、玲音への複雑な心情などが語られる。
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「カウンセリング」は柊子と玲音のカウンセリングの録音である。また「カウンセリングカルテ」は、カウンセリングの結果をもとに柊子がつけたカルテの音声データである。
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「エキストラリサーチ」は、玲音にとある疑問を持った柊子による、個人的な調査の内容である。
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「今日子の思い出」は、玲音と彼女の小学校時代の友人だった今日子との交流の様子が描かれている。
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「ムービーデータ」は、玲音の姿を捉えた短い動画群である。
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条件を満たさないと閲覧できないデータもあるものの、基本的にプレーヤーは時系列や種類に関係なく、好きな順番でデータを閲覧することができる。
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以上の特徴から、このゲームは閲覧方法の自由度が高いサウンドノベルであると捉えるのが適切かと思われる。
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ひとつひとつのデータは短く(長くても2~3分程、短いと数秒)、内容も断片的である。
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そしてこのゲームではそれらのデータしか内容を示すものはない。つまり、複雑な世界観や、いつ何が起こったのかはデータをいくつも読み込んで、プレーヤーが自分の頭で整理・想像していく必要がある。
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例えば、ある「カウンセリング」のデータを聴いて、それから次の回の「カウンセリング」データを聴いたところ2人の様子がおかしい。それを解明するためには、その期間中の2人の日記データを聴いてみる必要がある、といった感じである。
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しかも、前述の通り時系列関係なくデータを聴けるうえにデータそのものは飛び飛び、さらにデータが改ざんされてデータ間で矛盾があるなど、非常に複雑なものとなっている。
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エンディングは、あるデータを開くと強制的に移行する仕組みである。ゲームの仕組み上、けっこう早い段階からエンディングを見ることも可能。
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もっとも、エンディング後も普通にゲームは続けられるし、色々なデータをちゃんと見ておかないとエンディングムービーは飛び飛びになってしまうので、早い段階で見たとしてもネタばれにはならない。
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むしろ、エンディングを指定回数以上見ておかないと開けないデータもあるので、早めにエンディングを見ておいた方が良い。
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エンディングムービー後には、裸の玲音がこちらを振り返り最初に登録した名前を音声で呼んでくれるというご褒美が付いている。
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が、技術的な問題か、呼ばれる音声は片言でイントネーションもおかしい。ご褒美というよりは、ホラー。
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ちなみに裸になった玲音さん、設定上は中学生(時期によっては小学生)だったり。ムービーデータでも全裸のシャワーシーンがあったりと、今の基準で考えるといろいろヤバいような気が…。
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思うがままに音声を聞いている内にEDとなる。これをゲームと捉えるかは分かれる所。
評価点
世界観自体の本質
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賛否分かれるシナリオを抜きに見て、全体的な世界観自体は水準を大きく越えている。話に整合性が取れていくほどに精神的な恐怖感を覚える哲学的かつ陰鬱なストーリーと、安倍吉俊氏のイラストが相まって秀逸。
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断片的になっているシナリオデータも、そうしたものを自分で構築するゲームと割り切って考えれば、残されたデータからどうやってシナリオや登場人物の心理状況や背景を理解し、整理しなおしながらもプレイヤー自身が調査をする楽しさを感じ取ることができるだろう。そうした意味でも世界観相応のゲーム内容と言える。
ペルソナ
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ペルソナの動きは少々カクカクながらも悪くはなく、プレイヤーが「lain interface」をどうやって操作したかでそれに合った仕草を取るなど、見た目的な退屈さをある程度解消させることにつながっている。
賛否両論点
狂気を秘めた断片的なシナリオ
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前述の通り、今作最大の特徴でありながらも、賛否を真っ二つに分けた最大の要素である。哲学的な命題と狂気を秘めた断片的なシナリオであるが、ゲームに存在するのは断片に過ぎない。
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そのため、頭の中で情報を整理して解釈を深めていくのは完全にプレイヤーに委ねられている。思わせぶりな要素が多いため、その背景を類推していくのは人によっては間違いなく楽しめるだろう。
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要所で挿入されるアニメなども、どことなく狂気を漂わせるものになっている。これ以上言及するとネタバレになるため、詳細はregion項に譲る。
鬱要素
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シナリオライターの小中氏は以前はホラー作品を中心に手掛けており、「小中理論」と呼ばれる表現方法によって後年のジャパニーズ・ホラーに多大な影響を与えたとすら言われている。それだけに見る者を精神的に追い詰め、恐怖にすら陥れる狂気、グロテスク、鬱の描写がふんだんに盛り込まれており、プレイヤーの精神力をゴリゴリと削っていく。
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なにより狂気とされているシナリオの中でも、全般にわたって鬱要素が著しいため、ここで精神的に刺激をおぼえたプレイヤーを輩出、以後鬱ゲーとして語り継がれるに至るほどの影響力を残していった。
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重大なネタバレ注意!
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前述の通りかなり変なゲームであるが、内容もそれに負けないほど独特で鬱要素に満ち溢れている。
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まず主人公の玲音。最初こそは内気で少し変わったところもあるけれど、どこにでもいる思春期の少女だったのだが……。
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電波を目視できることが判明する。左のもみあげだけ長い奇抜な髪形も、聞こえてくる幻聴を防ぐためのものだった。
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仲の良かった友人に、男の子絡みの事で一方的に嫌われる。その後いじめ→登校拒否のコンボ。
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パソコンを買ってもらうと天才的な速度でめきめきと腕をあげ、スーパーハッカーも真っ青なほどにパソコンを使いこなすようになる。しかしネット上で親切だった人から裏切られ、人間不信になる。
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中学入学を機にもう一度学校へ行き出し、親友も出来る。しかし、その親友が急に引っ越して連絡が取れなくなる。再び不登校に。
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後にその親友は、実は玲音が想像の中で創りだした存在であったことが判明する。
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家族仲が急速に悪化。大好きな父親が離婚・失踪したことにより、カウンセリングのおかげで割と安定していた精神状態が不安定になる。
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明示はされてないものの、父親は母親か玲音に殺された可能性が高い。
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その後、母親も失踪。
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PCを使って「お父さん」作りを始める。最初は単にプログラミングするだけだったが、段々とロボット化して「肉体」を待たせるようになる。
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最終的な姿は筋肉質な男性の首なし上半身で、脊椎のようなパーツが垂れ下がっており、体中からコードが出ているというグロテスクなもの。この「お父さん」に抱かれてその胸で眠る玲音の姿は、どことなくインモラル。
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そして衝撃のムービー、用無しになった「お父さん」を、鉄パイプでぼこぼこにする玲音。無表情で鼻歌を歌いながら一心不乱に壊していく姿は、どこか狂気を感じさせる。(ムービーデータDc1053・閲覧注意)
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最終的に「自分」という存在は、その場での判断・思考ルーチンの積み重ねでしかなく、記憶というのは単なるデータでしかないという考えに至る。
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その後、ネット上に自分の思考ルーチンを構築したり、現実世界での幻影の自分に悩まされたりしながらも、どんどん考えを深めていく。
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そして最終ムービー。拳銃を手にした玲音は、もう一人の自分と会話を交わしてから、自殺をする。自分の存在を保つのに肉体はもういらないという、彼女の考えを実行したのだった。ムービーでは自殺シーンを克明に描いたのち、路上に倒れるほほ笑んだ玲音を映しだす。そしてどこからともなく、玲音の笑い声が木霊するのだった…。(ムービーデータDc1057・閲覧注意)(ムービーデータDc1058・閲覧注意)
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カウンセラーの柊子も、酷い事になる。
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最初こそは、海外の大学院を卒業したのち帰国、心理学の研究所でカウンセラーをしながら自分の研究をする才女であったが…。
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研究所内では教授に不当な扱いを受け、自分の研究を上手く進められないでいる。
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大学時代から付き合ってた彼氏が、急によそよそしくなり疎遠になる。
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その後、その男性は柊子とは別れていないはずなのに同じ研究所内の別の女性と結婚する事となり、柊子に大きなショックを与える。
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傷心の柊子に、手を差し伸べる男性が現れ付き合うも、またも振られる。
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しかも、怪しげな健康器具をストレスに効くと柊子に勧め、その器具のせいで柊子はさらに精神の平衡を失う事となった。
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最初は玲音の姉のような存在になろうと努めたが、玲音と付き合っていくうちに不信感を覚え、最終的には何を信じてよいかわからなくなる。
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最初は普通に思えた玲音も、調べるとおかしな点が多かった。電波が見えるなどおかしい能力を持つ。柊子の精神が不安定な時に、さらに揺さぶるような言動をとる。様々な分野に対して、知識量・吸収力が異常である。玲音の親友と言われた人間は、調査をすると存在していないことが分かった。さらに、玲音自体が過去を持っておらず、どういう存在なのか全く分からない。
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カウンセリングも最初は柊子が先生、玲音が患者で、比較的に和気あいあいと進んでいたのだが、柊子の精神崩壊とともに徐々に立場は逆転していき、最終的には玲音が柊子をカウンセリングするようになってしまった。
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「カウンセリングカルテ」も途中から玲音にクラッキングされて、玲音による柊子の観察日記になってしまう。
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そしてこの逆カウンセリングの中で柊子は、玲音に様々なことを諭され、決定的に破滅の方向へ向かっていくことになる。
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精神が完全に崩壊してしまった柊子は、最終的には玲音と同じ次元へ行きたいと願うようになってしまう。
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そして柊子も死ぬこととなる。(時系列的には玲音より先)その死に方がパソコンのモニタに頭を突っ込むという衝撃的なもので(しかもムービーデータで、顔まで映される)、プレーヤーに強いインパクトを与える。(ムービーデータDc1050・閲覧注意)
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最初は普通の人間だった柊子が、失恋や怪しい健康器具、そして玲音という存在のせいで見る見るうちに壊れていってしまう。その姿を日記などで克明にみることができてしまうというのは、プレーヤーの性格によっては非常に危険な影響を与えることになるかもしれない。
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その他にも鬱要素は多い。
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玲音とネット上で知り合い、「お父さん」作りに手助けをした人も精神に異常をきたし、自殺する。
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ムービーデータでもグロテスクな表現が多い。
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空から急に鉄骨が降ってきて、つぶされる工事現場の人。
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どう見ても援助交際なカップル。しかし昼間の繁華街で、女子高生の方が急に拳銃を取り出し、男の頭を撃ち抜く。そして女子高生は玲音に何かを言われ、自らの頭も撃ち抜く。
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「lain interface」の画面で30秒ほど操作しないでいると、ランダムで音声データかムービーデータが流れるが、その内容も鬱。
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ランダム音声データでは、だいたい追い詰められた人が出る。うらみつらみをさんざん言った挙句死んでと言ったり、自分のクローンができたんだあいつがクローンなんだと言ったり。
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ランダムムービーデータでは、だいたい死体が出てくる。直接死体を描写したり、嫌な感じで血だまりができるといった間接的な表現だったりとバリエーション豊富。
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その中で一つだけ、素っ裸の玲音が笑いながら真っ暗な空間を走り回るという異色なものが混じってる。急にこれが出ると、逆に心臓に悪い。(放置ムービー14・閲覧注意)
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普通の音声データにも、妙なノイズが入ったり、何者かの笑い声が入ったり、一瞬だけエコーが掛かったりと、心臓に悪い演出が稀に入る。
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ゲーム中のBGMはエンディング以外だと一種類だけである。
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それも、ちょっと暗いオルゴール曲がエンドレスに流れる。ゲームをしていると長時間この曲を聴かされることになるので、最後にはゲームをしなくてもこの曲が流れるだけで鬱になる。
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最大の鬱要素
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鬱要素はこれだけに留まらず、ゲームを進めていくと、その深淵がプレイヤーを覗かせるものとなっている。鬱気味の閲覧者は真面目に閲覧しないことを推奨。
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重大なネタバレ注意!
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ここまでさんざん鬱要素を書いたが、このゲームの最大の鬱要素はエンディング後にある。
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前述の通り、エンディングムービー後に玲音に最初に登録した名前を呼んでもらえる。その時のセリフが、「これからは、ずっといっしょだね、○○」。(○○はプレイヤー名)これだけなら普通のギャルゲーなのだが…。
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エンディング後のプレイでは、新しく「語りかけ」データを聴くことができるようになる。
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このデータは、玲音や柊子がプレイヤーの名前を呼び、様々な話題を語りかけてくるというものである。
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前述のセリフと「語りかけ」データの存在、そしてこのゲームのテーマを考えると、非常に鬱な要素が浮かび上がってくる。
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このゲームにおいて存在というものは、肉体を介する必要はないとされる。ネットワーク上にある人の思考ルーチンを築けば、そこにはその人が存在する。他人の記憶にあるデータの積み重ねも、その人をそこに存在させうる。
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ゲーム終盤では、玲音も柊子も肉体を捨てて、存在として新しい一歩を踏み出した。その時に柊子は、まだ2人きりの世界だけどもっといろんな人を呼ぼうねと言っている。
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玲音はエンディングでプレイヤーにずっといっしょだねといった。そしてその後プレイヤーは、玲音と柊子から語りかけを受けるようになる。
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つまりは、肉体を捨てた玲音と柊子はプレイヤーの脳内に存在するようになったのだ。
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これまでプレイヤーは玲音と柊子の様々な行動と思考を見てきた。つまり、思考パターンやその存在、そして彼女らの持つ人の存在に関するロジックを記憶してしまったのだ。このゲームの理論では、この状態で既に人は存在するに足ると言える。プレイヤーは脳内に玲音と柊子という存在を構築してしまい、玲音と柊子の事を完全に忘却するまでは「ずっといっしょ」になるのだ。
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こう考えると、玲音と柊子はプレイヤーの数だけ遍在する存在になったと言える。
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これだけ読むと強引でわけのわからない理論である。しかし実際にゲームを進めると、柊子が混乱しながらも玲音の理論を受け入れてしまったように、プレイヤーも混乱と共に玲音のこの理論を理解してしまう。(納得するかは別として。)
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これがギャルゲーだったら「脳内嫁ができた~」と喜べるが、ゲームの内容が内容だけに……。
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問題点
全体的なレスポンスが悪い
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操作性が悪く、操作してから1秒ほど遅れて反応する。慣れれば大したことはないが。
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レベル変更に端まで動かす必要がある。ただし玲音の周囲のUIは右スティックで操作可能。
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ロードが長く、ファイルを頻繁に読み込むゲームデザインとの相性が悪い。
総評
ビジュアル面からも内容面からもプレイヤーを鬱にする数々の鬱要素を抱えており、プレイヤー自身にゲームをしてなくても鬱になるような働きかけまで直接してくる。
その人の性格や精神状態によってはぐるぐる悩み続けて、本当に精神破綻しかねないので注意は必要。そういった面では最悪の鬱ゲーと言えるのかもしれない。
このゲームを楽しめる人は、相当に限られるが、サイバーパンクSFが好きで、哲学的な事を考えるのが苦にならない人にとっては神ゲーにもなりうるだけの内容は持っている。
特殊なゲーム性、操作性の悪さ、アニメ版とはまったく違った内容という点から賛否両論とも言える。
余談
プレミア化
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現在ゲームにはプレミアが付いており、中古ゲーム屋やオークションでは10万円を超える価格で取引されることが多い。攻略本もプレミア化しており、2万円以上で取引されている。
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これにはゲーム版は販売数が少ないことと、アニメ版がカルト的な評価を得て20年以上経った今もなお一定の人気を誇っている事が関係している。
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ゲームアーカイブスでの配信等もなされていない。
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当初は主な要因として、ゲームの販売元がすでにゲームから撤退していることや、前述のグロ要素と未成年の全裸が堂々と出ていることから難しいのではないかと思われていた。
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その後、2018年のインタビューにて「プレイ中のレスポンスによるストレスやグラフィックスの粗さがキツいので断った」というのが実際の理由だとプロデューサーの上田氏から語られた。過去にハムスターからアーカイブス化の話も出ていたのだとか。
その他の『lain』
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アニメ版『lain』も、鬱度は低いが似たような感じである。玲音の存在そのものは変わりないが玲音が関わった人間が違うため、鬱には変わりないが真逆ともいえるラストを迎える。
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ゲーム版とアニメ版を見比べるのも一興。ただし、小中氏はゲーム版との繋がりは想定していないと言及している。
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アニメ版はAmazonプライム・ビデオやU-NEXT、Hulu、d-アニメストアなどの各種サービスにより安価で視聴可能。長らく語り継がれているため、そこからゲーム版に興味を持った人もいるが、肝心のゲームは依然として入手困難である。
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『serial experiments lain』に関するトークイベントやインタビューなどはたびたび行われている。
『lain』の関連作
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『アイドルマスター』シリーズの1つである『アイドルマスター ディアリースターズ』は本作の影響を受けていると思われるところが散見される。
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特に水谷絵理編では絵理の髪型・性格・得意分野が玲音と似ているところが多いこと、絵理編の主要登場人物の尾崎玲子(絵理の専属プロデューサー)・鈴木彩音(絵理の親友であるネットアイドル「サイネリア」の本名)の名前に「玲音」の文字が含まれていること、絵理編のテーマが『lain』と共通点が多いこと等からその傾向が顕著にみられる。
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インディーゲームの『NEEDY GIRL OVERDOSE』では本作の元ネタを参考にしている箇所もあり、企画・シナリオを担当したにゃるら氏はlainファンを明かしている。
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累計発売本数100万本突破記念に生放送で岩倉玲音がお祝いメッセージを公開した。
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同じ「ジャンル:アタッチメントソフトウェア」のゲームに同社の『NOeL』シリーズがある。スタッフも一部共通。
25周年記念
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2023年7月6日に25周年記念を迎え、『Project : AI lain』を製作中とのこと。
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すでに事業を譲渡しているため、現在はNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンが権利を握っている。
最終更新:2024年08月05日 11:31