その正体は他ならぬアッシュの先祖である。
ネイルアートの趣味があるアッシュと同様、中間デモにおいては自身の爪を気にする描写がある。
だが性格は 唯我独尊かつ凶暴で、他の人間達ははおろか味方さえも「無能」 「虫ケラ」呼ばわりと見下しており、
言葉遣いも非常に汚らしい。
彼を気遣って進言した仲間の 無界を、「自分の命令に 即時に従わなかった」と
理不尽極まりない難癖をつけて殺害し、吸収するほどの短気な男。
まぁ散々時間が無いと急かしていたにも拘らず、斎祀の手を煩わせたと言う点においては無界にも非があったと言えなくもないが。 スタッフによると「 とにかく嫌な奴」がコンセプトで、ネット上で見かけた様々な暴言等を参考にした結果、完成したキャラである。
彼の目的は無界や禍忌と同様、KOF優勝者の力を利用してオロチの復活を図ること。
そして、そのオロチの力を西洋の地球意思の復活に利用し、
時空の扉を開いて元の過去に帰還し未来を自由自在に作りかえる事にある。
優勝者が決定すると瞬時に 時を止め、優勝者のもとに現れて時空の扉を開き、正体を現して挑んでくる。
しかし優勝チームに敗北し、配置についた同胞も
説明なしに殆どが敗北。
(家庭用のストーリーモードを見る限り、アッシュが入れ知恵した結果、二人ほど命令に背いて逃げた者がいたのが主な原因のようだが)
直後に隙を突かれてアッシュの攻撃を受けるが、諦めの悪い彼はそのアッシュの肉体と精神を支配。
(この時放出した力によって近くにいた牡丹は消滅した…と思われていたが、
家庭用のストーリーを見るに生き延びて現代社会に溶け込んだようだ)
XIIIのラスボスである「血の螺旋に狂うアッシュ」となって再度戦う事となる。
最後は支配したアッシュと自身の力を使い、時空の扉を使って過去の世界に帰還する事を促すが、
アッシュには「僕はこの世界の事が結構気に入っているんだ」と返答され、拒絶される。
過去に戻る事の出来なかった彼は結果的に「歴史上いなかった存在」となってしまい、子孫のアッシュ共々消滅してしまう。 散々「クズ」だの「死ね」だの罵倒していた自分自身が「 いやだ!死にたくない!」と
悲痛な叫びを残して消滅する自業自得の呆気ない結末を迎える事となった。時間を統べるもの(笑)
ここまで見ればわかる通り、歴代の黒幕・オロチや イグニスと比較しても
かなりの小物キャラとなってしまっている
。
オロチはともかく、イグニスの場合はやっている事はまさに「 ありふれた悪党」そのものだったが、
ネスツという組織のトップとしての貫録はそれなりに持ち合わせていた。
しかしこいつの場合は貫禄や器量といった大物らしさを感じさせる描写が
全く
無く、
ただ力と自信だけが極端に肥大しているなど、救いようのないまでの小物ぶり
。
設定上は ゲーニッツとか 社あたりと同格のはずなのに、
そいつらとすら比較にならないレベルである
。
実際、 マキシマやホアなどからは「大物の風格がない」、 バイスから「リーダーとしてその性格はどうなのか?」、
ロバートからは「 自ら神と名乗る奴ほど寒い奴はおらんで。その上弱いとなるといいとこ無しやな」
……と、ボロボロに突っ込まれている。
その為か、中ボスとしてもう一度戦いたいと期待されていた無界との対戦をフイにしてしまった失望の方が大きく、
今まで「ムカイさん」「 マガキさん」などと「さん」付けで呼ばれてきたアッシュ編のボスの中で、
こいつは基本的に呼び捨て(慣例的に「サイキさん」と呼ぶ人もいない訳ではない)。
尤も、彼らが例外なだけで、KOFのラスボスは代々呼び捨てにされるのが普通なのだが。
アッシュ編のボスは遡るほど威厳を感じる辺り、シリーズ開始時点から狙ってやっていたのかもしれない。
加えて覚醒前はアッシュのコンパチに近く、覚醒後は全裸。とことん哀れである。
上記のように「とにかく嫌な奴」がコンセプトだったので、この嫌われようはキャラコンセプトとして大成功だったとも言えよう。
ただ、XIIIは操られたローズ(と散々伏線らしきものを張っていた アーデルハイド)の設定がほぼ生かせてなかったり、
「遥けし彼の地より出ずる者達」がデモだけでいつの間にかほぼ全滅状態になっていたりと
彼の存在以外にも色々と問題のあるストーリーなのは確かだが。
まぁそれも半分以上は全キャラドット絵チェンジの弊害がある為仕方が無いのかもしれない。
ちなみに家庭用ではストーリーモードでかなり補完されている。
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