ウイングマン


「チェイング!」

「悪!裂!ウイングマン!!」

週刊少年ジャンプで連載されていた桂正和氏の漫画『ウイングマン』に登場する変身ヒーロー。
主人公の広野健太が変身する。
ロックマン』シリーズのボスキャラに居そうな名前だが、無関係。
アニメ版『夢戦士ウイングマン』における担当声優はベジータ役で知られる 堀川亮(現・堀川りょう) 氏で、
同氏の声優デビュー作でもある。

ヒーローに憧れる普通の男子中学生であった広野は、ある日学校からの帰宅途中に空から落ちて来た謎の美少女「アオイ」に出会う。
アオイを家に連れて帰り、彼女が持っていたノートに自分で考えたヒーロー「ウイングマン」を描くと、健太は本当に変身してしまう。
そのノートはアオイの父ラークが発明した、書いた事を現実化させるノート「ドリムノート」であった。
本物の変身ヒーローになれる能力を身に付けた健太は本作の舞台の異次元世界「ポドリムス」から来たアオイと共に、
三次元人(ポドリムス人から見た我々人類)の奴隷化とドリムノートの強奪を目論むポドリムスの独裁者・リメルに立ち向かう事となる。
アニメ版は当初の敵であるリメルを倒した所で幕を下ろしたが、原作では新たな侵略者ライエルとの戦いを経て物語は終了した。

余談だが、アオイもポドリムス人であるため、三次元人的美少女な姿は擬態であり、
物語が進むにつれ健太に恋心を抱いた彼女は、ポドリムス人としての素顔を彼に見られる事を涙を流して嫌がり、
健太もそれを受けて彼女の素顔を決して見なかったため、どのような顔立ちなのかは最後まで明かされなかった。

(以上、Wikipediaより引用・改変)

恐れないで 人はみんな異次元の天使
今日こそなりたい 君だけのヒーロー

桂正和氏が高校生時代に執筆し、第19回手塚賞佳作を受賞した短編『ツバサ』等を元に、
『週刊少年ジャンプ』(集英社)誌上において1983年5・6合併号から1985年39号まで連載された。
ヒーローオタクの少年が、そのイマジネーションのままに「ぼくのかんがえた最高のヒーロー」を具現化して悪に立ち向かう!という、
当時としては一風変わった設定からヒット作品となり、『夢戦士ウイングマン』のタイトルでアニメ化もされた。
開始当初こそ、
  • 本当は赤いカラーのつもりだったのに黒ペンで描いたせいで色が黒くなった
  • 性能を書いていなかったので変身しても強くならなかった(剣もギミックが凝ってるだけの棒きれ)
  • 変身可能時間は10分。いきなり変身解除で大ピンチ → 残り時間で「青→黄→赤」に変わる仕様にピンチを敵に教える様なものでは?
  • 「チェイング!と叫べば変身」としか書いていなかったので、敵も「チェイング!」と叫べば変身出来た
  • 必殺技の威力が高すぎ、現実世界では周辺被害があって撃てない → 新必殺技はバリア内に敵を閉じ込めて爆殺する形に
    • その新必殺技は体が赤くならないと撃てないデザイン(三色に分身して敵を包囲)だったため、変身時間の制限が無くなる異次元では使用不可能
というように、ミスや設定の練り込み不足等で苦戦する展開もあったものの、
そうした穴を一つひとつ解決しつつ、戦いの激化に合わせて武装や能力を強化していく事で、
健太本人の成長と共にだんだんと本当のヒーローらしくなっていく姿は中々格好いい。
また、戦闘の際には時間が静止し上下も反転した魔空空間異空間「ポドリアルスペース」に移行したり、
状況によりロボット形態に変形して支援するハイテクバイクなど、特撮ヒーロー作品へのオマージュもふんだんに含まれている。

アオイ(三次元では夢あおい)や、健太の思い人である小川美紅とのラブコメやラッキースケベ、
二人に加えて健太の部活(アクションヒーロー部)仲間である森本桃子と、新聞部の布沢久美子が変身した、
美少女四人組の「ウイングガールズ」(ウイングマンとは違い美少女推しな見た目)など、
「変身ヒーローと美少女。そしてちょっとしたお色気を含むラブコメ」という桂正和氏の今後の作風がほぼ決定付けられた作品と言える
(ちなみにラブコメ推しは編集者・鳥嶋氏のアドバイスだとか。流石だなマシリト)。

とはいえ物語の本筋は、ただのヒーロー好き、ヒーローオタク(授業中にコスプレして騒ぎを起こす、傍目には迷惑ですらある)少年が、
突然現れた美少女アオイの導きを得て、悪の侵略者と戦う内に本当のヒーローとして成長していくといったもので、
序盤こそ今までの延長で周囲からも「いつもより気合の入ったヒーローごっこ」としか見られていなかった健太の戦いも、
中盤から侵略者たちの作戦や攻勢が異次元世界から現実世界の周囲の人々に及ぶにつれて過酷さを増していき、
結果として終盤には、名実共に正義のヒーロー「ウイングマン」として人々に周知されていく様は実に胸熱である。
また、健太自身もヒーローオタクではあるものの、その正義感は幼少期から培ってきた正真正銘本物のそれで、
たとえ敵だろうと困っていたり助けを求められれば躊躇無く応じ、卑怯な真似は一切せず、正々堂々と悪に立ち向かっていく。
拾ったのが死神のノートでも健太なら大丈夫だと思う
子どもの頃には全く無関係な女の子の飼い犬が轢き逃げにあった際に本気で怒り、大人の犯人に食って掛かるも逃げられ、
「犯人を捕まえられなくてごめんなさい」「犬を助けてあげられなくてごめんなさい」と泣いて謝ったという事もある。
そんな健太だが成長するにつれ、今まで一緒に遊んできた周囲の友達から「ヒーローごっこなんてダサい」と言われてしまい、
「ごっこだからダメなんだ」「本当にヒーローにならなきゃいけないんだ」と決意した事で、オリジナルヒーローの「ウイングマン」が生まれた。
つまりドリムノートを手に入れる前から、広野健太は本物のウイングマンだったのだ。

この「現実的なヒーロー路線と特撮のお約束をわかった展開」は極めて評価が高く、
新必殺技デルタエンドの決めポーズ、親指を下に向けて「ショック!」と叫ぶ場面は、他局の「うる星やつら」ですらパロディされた。
またアニメのOP・EDが「ヒーローになろうとする少年とそれを見守る少女」をそれぞれの視点で描いた歌なのに加え、
劇中歌として流れる『悪!裂!ウイングマン』はまさにヒーローとしてのウイングマンの主題歌という構成になっており、
その他の楽曲も素晴らしいクオリティのものが揃っている事から、音楽面でも評価された作品となっている。

ただ、連載後半のお色気描写増強には苦言を呈される事もあったようで、本作の終了後に連載された『超機動員ヴァンダー』は、
同じ変身ヒーロー物ながら、お色気描写が過剰気味だったためか、全二巻で打ち切りとなってしまった。
「胸に下げた変身アイテムを味方から専用の銃で撃たれる事で変身」「体の特定の箇所に剣を自ら突き刺す事で必殺技発動」など、
やたら自滅っぽい手順が組み込まれたギミックはこれはこれで面白かったのだが…。
と言うか、逆に変身ヒーロー要素を排除した恋愛漫画『I"s』や『電影少女(ビデオガール)』の方がヒットしていたりする*1
そしてその後は逆にお色気要素を排したヒーロー作品である『ZETMAN』や『TIGER&BUNNY』などに関わっているため、
本作は『お色気や可愛い女の子』と『ヒーローもの』のバランスが奇跡的に保たれた、作者の魅力がいっぱいに詰まった傑作となっている。




MUGENにおけるウイングマン

K-Z氏による手描きキャラが公開されていたが、現在は氏のサイトの閉鎖により入手不可。
完成度は「??%」となっており、大ポトレカンフーマンのまま、
多くの技でSEが出ないといった難点があるが、必須スプライトは揃っており使用には問題無い。
操作方法は6ボタン方式で、「クロムレイバー」「スパイラル・カット」「デルタエンド」など、原作の技が一通り再現されている。
AIもデフォルトで搭載済み。

また、詳細は不明だが、改変版が複数確認されている。
ジャンプ漫画の主人公でトーナメントに出場したのもその内の一体で、
大ポトレがウイングマン本人に差し替えられ、アニメ版からのボイスが多数追加されている。
参考動画(2:10~)

出場大会



*1
今では信じられないかもしれないが
努力友情勝利」がキャッチフレーズだった当時の男臭い「週刊少年ジャンプ」で恋愛をメインに据えた漫画を描く事が許されたのは、
桂氏と『きまぐれオレンジ☆ロード』のまつもと泉氏だけだった
コメディの一環とか、添え物扱いで良ければ、他の作者も描いてはいるが。
 一方でサンデーマガジン、同じジャンプでも「月刊少年ジャンプ」なら当時からラブコメOK。チャンピオン?ジャンプ以上に男臭かったよ!)。
なお、既に『ウイングマン』で実績のある桂氏はともかく、新人のまつもと氏が例外判定された理由は不明。
最初は超能力ものと言う事で売り込んだのだろうか?


最終更新:2024年05月30日 03:58
添付ファイル