全長:58m
重量:600t
動力:原子力エンジン
エネルギー:超電磁エネルギー
最高飛行速度:マッハ16→マッハ20
「ブイ、トゥーギャザー!!」
「レェェッツ!ボルト!」「「「「イィィィィン!!」」」」
「ボォォルテェェス、ファァァァイブ!!」
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担当声優 |
- 白石ゆきなが(現・白石幸長)
- 原作アニメ版
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小田久史
- 『メガトン級ムサシW』
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小林千晃
- 『ボルテスV レガシー』(日本語吹替、スティーヴ・アームストロング名義)
小田氏は『メガトン級ムサシ』の開発元 レベルファイブの代表作の一つである『ダンボール戦機』シリーズの主要キャラ・海道ジンの声優。
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曽我部和行(現・曽我部和恭)
- 原作アニメ版
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金城大和
- 『ボルテスV レガシー』(日本語吹替、マーク・ゴードン名義)
金城氏はスーパー戦隊シリーズ第37作『獣電戦隊キョウリュウジャー』にて、
一平ポジションのマークと同じ青カラーの戦士であるキョウリュウブルー/有働ノブハルを演じている。
ただし、ノブハルは気は優しくて力持ちなダジャレ好きのオッサンムードメーカーで、ニヒリストである一平やマークとは180度異なるキャラである。
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玄田哲章
- 原作アニメ版
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花倉桔道
- 『ボルテスV レガシー』(日本語吹替、ロバート・“ビッグ・バート”・アームストロング名義)
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小原乃梨子
- 原作アニメ版
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小市眞琴
- 『ボルテスV レガシー』(日本語吹替、“リトル・ジョン”・アームストロング名義)
小原女史はボアザンの女幹部リー・カザリーンも兼任。
- 上田みゆき
- 原作アニメ版
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中島愛
- 『ボルテスV レガシー』(日本語吹替、ジェイミー・ロビンソン名義)
日本語吹替の中島女史は母がフィリピン人のハーフ。
母からはボルテスの思い出をよく聞かされていたため、今作のジェイミー役に抜擢された時は母が大感激しており、
映画試写会時には「感動的でした。見た瞬間に子供の頃に戻れた」と太鼓判をもらったとのこと。
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東映ビデオ企画・
サンライズ制作のロボットアニメにして、
長浜忠夫氏が監督した「長浜ロマンロボシリーズ」第2作『超電磁マシーン ボルテスV』の主人公機。
それまでのロボットアニメとは一線を画した高いドラマ性から「ロボットアニメ版大河ドラマ」と呼ばれたことも。
前作『超電磁ロボ コン・バトラーV』の「V」は「
ブイ」と読むのに対し、こちらはローマ数字に倣って「
ファイブ」と読む
(ただし合体前に組む
隊列「Vトゥギャザー」は「ブイ」読み)。
デザインしたのは
ガンダムや
レイズナー等も手掛けた大河原邦男氏(当時はデザインオフィスメカマンの社員だったため、メカマン名義)。
なお、スポンサーの意向(玩具化のし易さ)が優先されたデザインだったため、スタッフからは「烏天狗」と評判が悪かったらしい
「角を持つ者が貴族で持たない者は奴隷」というボアザン星人(ボアザン星人も半数以上は角を持たない)の侵略に対抗すべく、
剛健太郎博士及び彼の妻・光代博士、そして光代博士の恩師である浜口博士主導の下で建造されたスーパーロボット。
「ボルトマシン」と呼ばれるメカ5機で構成される。
同じ5体合体のコン・バトラーVと異なり、
分離が自由で戦術に幅が広がっている反面、
いざという時に
気持ちの甘えが出ない様に合体後は
脱出装置が無い。
『スパロボ』では普通にあるが
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ボルトマシン及び各パイロット詳細 |
劇中では各機を固有名詞ではなく、1~5号機と番号付きで呼ぶ事が殆ど。
なお全機が マッハ16(1号機は更に速い)という 殺人的な速度で飛行可能である。
各パイロットは全員開発者及び後援者の血縁者である
(前作『コン・バトラーV』にはなかった特徴。一応紅一点だけ開発者の孫娘だったが)。
本編の1年前から「脱走すれば銃殺」という鉄の掟に従いながら訓練を積まされてきたため、全員が戦闘のエキスパートでもあり、
突撃兵士(ボアザンの一般兵)との白兵戦などでその実力が発揮されている。
なお、キャラクターデザインは『超人ロック』で知られる漫画家・聖悠紀氏。
頭部を構成する戦闘機。マッハ20という超高速で飛行可能。
合体時には全動作を統括するため、ボルテスの頭脳と呼べる。
武器は機首両脇に「クルーミサイル」、機体後部の大型ミサイル「クルーアロー」、
機首先端のパーツを投げつける「クルーブーメラン」、主翼先端に「クルーカッター」を装備している。
パイロットは剛健太郎博士の長男である剛健一(トップ画像中央)。
自他共に厳しい性格で、一平との殴り合いはおろか弱音を吐く日吉に対しても鉄拳制裁に出るなど、苛烈な態度から弟や仲間と衝突する事が多いが、
平時にはジョークを言ったり、カニが嫌いなめぐみを持参したカニでからかったりする人間味も併せ持つ。
第13話で戦死した浜口博士の後任として現れた教え子の佐近寺公三博士の着任直後は、博士自身が訓練中に追尾ミサイルを突然撃ってきたり、
あまりの過酷さから日吉が気絶した後も訓練を続けさせたりと、健一以上にスパルタな性格という事に加え
(なお実弾を使った訓練は浜口博士も行っているので、師弟揃ってスパルタ式である)、
訓練に集中させるべく5人の私物を没収した際、射撃大会優勝記念の金メダルを踏み付けられた事で怒りが爆発し、
チーム全員で岡防衛長官のいる防衛軍への脱走を企てるまでに関係が悪化してしまう。
しかし、直後の戦闘で左近寺博士はそれまでとは打って変わった真摯な態度で合体要請を行い、
訓練の成果である高速スピンフォーメーション「ボルトマシン・スピン」で獣士の撃破に成功。
戦闘終了後に「お前達を死なせたくないからあえて鬼となった」という左近寺博士の真意を聞き
(合体中、Vトゥギャザーで無防備になる点は生前の浜口博士も苦心していた課題でもあった)、
弱点を見事克服した5人は結束を新たにし、左近寺博士を指揮官として迎え入れるのだった。
以降はリーダーとして立派に成長し、戦闘で負傷したボアザン星人を救おうとするなど、敵に対しても優しさを見せるようになった。
射撃を特技としているが、(スポンサーの要求により)ボルテスの必殺技が剣技だった事や下記の余談の通り獣士の必殺剣の前に一度破れたため、
リベンジするべく大次郎と特訓に励んだことも。
てか、ガンマンだとカウボーイの一平とある意味被るし…まぁそれ故に一平の特技が銃ではなく鞭や投げ縄になったのだろうが
その後は剣技についても自主練を積み重ねたのか、終盤におけるハイネルとの一騎打ちでは互角の鍔迫り合いを繰り広げており、
パッケージイラストなどでこの時の姿が描き下ろされる機会も多い。
腕部を構成する重爆撃機。パイロットの適性に合わせたのかワイヤー射出武器も豊富で、リモコンによる誘導も可能。
合体時には武器系統を制御する。
武器は機首両側面に「ボンバーミサイル」、合体後の腕になる部分から発射されるワイヤーアンカー「ボンバーフック」、
機体下面に装備されたリング状の武器「ボンバーリング」、爆雷の「ボンバーバム」を装備している。
パイロットは浜口博士の孫・峰一平(トップ画像左上)。
ただし彼の血縁設定は劇中では言及されておらず、浜口博士の事も「浜口のオヤジさん」呼びしている。
まあ博士も声が『巨人の星』の星一徹こと加藤精三氏だったので、「じいさん」よりそっちの方がしっくり来たのかもしれない
カウボーイで鞭捌きや乗馬に長けており、全米ロデオ選手権3年連続優勝の実績を上げている。
その後日本に帰国したものの、浜口博士の部下に拉致同然で訓練所に連れ込まれたため、戦いに巻き込まれるのを快く思っていなかった。
斜に構えたクールで皮肉屋な性格で、健一と衝突することも多い この当時のお約束的な二号機乗り。
このシリーズの場合、前作のは後で言うカイ・シデン系で美形ではなかったが
……と言うか、主題歌では毎回健一と殴り合っている(歌詞を考慮すると「 タイマン張ったらダチ」というノリだろうが)。
アメリカで開拓をしていた (時代設定どうなってんだろう)が失敗して放浪生活をしていた事があり、その際に両親を失い天涯孤独の身である
(特に母は病に倒れた父と自分を見捨てて逃げたと思い恨んでいたが、
実際は迫っていた狼の群れを遠ざけるために囮となり、 道連れに自爆して死亡した事を後に浜口博士から知らされる。
なお、設定上はこの母こそ浜口博士の娘である。 自分の娘の死の真相を淡々と語る博士の心境…)。
この事から、自分達を守るために犠牲になった光代博士の死を悲しむ剛三兄弟に対し強い反発を見せていた事も。
しかし、家族同然の愛馬・アイフル (決して金融業者とは無関係…のはず)を健一が命懸けで守り抜き、戦闘後に和解した事でそういった面は薄れていき、
終盤には両親の仇としてボアザン星人を憎む余り、剛三兄弟すら同一視したビッグファルコン隊員を説得するまでに成長した。
胴体を構成する重戦車。英語の「 パンサー(豹)」ではなくドイツ語の「 パンツァー(戦車)」が由来。
戦車ではあるが、前作のバトルタンクとは違いマッハ15で飛行も可能(バトルタンクはバトルマリンに運搬してもらっていた)。
合体時にはエネルギー制御を行う。
武器はキャタピラ部分から発射される「ベルトカッター」、機体内部に「パンザーミサイル」、
機体上部の作業用アーム「パンザーアーム」、機首両側面にドリル付きアンカー「パンザーナックル」を装備している。
パイロットは剛健太郎博士の次男である剛大次郎(トップ画像右上)。
兄の健一をも凌ぐ巨漢であるが、なんとその体格や声にして 13歳である。 とてもそうは見えないが
棒術をはじめとして様々な武道に秀でており、前述の通り健一にも実際に胡蝶返し( 柳生新陰流でいう 真剣白羽取りと同義)の極意を授けもした。
慣れない剣技による特訓もあって健一は苦労したが、愛用のリボルバーを大次郎に預けて撃たせ、
銃弾を両手に持った石で受け止めるという方法で胡蝶返しの習得に成功した。
西郷隆盛に憧れているため 兄弟一人だけ鹿児島弁で喋る。 つまりエセ九州男児。いくら前作の該当キャラが熊本出身だったからって…
腰と脚部を構成する潜水艦。
水中戦を意識した設計がされており、潜水可能で水中戦用の武器を多数装備する他、修理装置も備わっている。
劇中では修理装置によって破損した噴射口を自己修復する場面もあった。
武器は両翼先端に「フリゲートミサイル」、機首両側面から発射されるワイヤーアンカー「ネプチューンロック」、
機首両脇から発射される冷凍光線「フリーザー光線」を装備している。
パイロットは剛健太郎博士の三男である剛日吉(トップ画像左下)。
若干8歳ながら兄達にも負けず劣らずな身体能力の持ち主であり、ナイフ一本で鮫を仕留める程の水中戦闘のエキスパート。
機械工作にも精通しており、劇中では「タッコちゃん」というタコ型のサポートロボットを自作している。
趣味で自作した戦艦三笠のラジコン模型をイベントで走らせたいがためにわがままを通す等、年齢相応な処も。
足首を構成する万能装甲車。
コン・バトラーVのバトルクラフト同様、2つに分離して合体する。
索敵・偵察に長け、飛行は勿論、格納されている4基の「ランダードリル」で地中潜行も可能。
武器は機体下面から発射される十字手裏剣「ランダー手裏剣」、機体左右の管から発射される「ランダーミサイル」(別名「モグミサイル」)、
機体前部から射出される速乾性のコンクリート「ランダーコンクリート」を装備している。
他に煙幕も装備しており、いずれもパイロットが忍者である点を活かしたものと言えよう。
パイロットは地球防衛軍長官の娘である岡めぐみ(トップ画像右下)。
大次郎と同い年の 13歳にして画像をご覧になれば分かる通りのプロポーションを誇る、 甲賀流の十八代目である女忍者。
なお父親である岡防衛長官も その恰幅の良さに見合わず甲賀流十七代目である。
本作は 実質的なヒロインは剛健太郎博士であるため親子の絆を主軸に人間ドラマを描いていることもあって
(彼女自身も父の岡長官との ファザコンぶり親子愛にフォーカスが当たっている)、
紅一点ではあってもヒロインとは言い辛いキャラであり、健一とのロマンスも皆無。
むしろ一平から気を持たれている様子があり、彼のモーションをからかって交わしたりしている。
健一と一平は無論の事、剛三兄弟の間でも兄弟喧嘩が少なくないため、彼女が間に入って仲裁する役回りも受け持っている。
上述された通りカニが苦手だが、カニそっくりの獣士が現れた際には特に驚きもしていない。
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武装・特殊装備 |
胸の赤い部分から放たれる光線。主に牽制に使う。
回によって名称や光線の色が異なり、ボルトレーザーだったり超電磁ウェーブだったりする(同じ回で別々の武器名を叫んでいる事すらある)。
『スパロボ』では全部まとめて採用されている作品もある。
腰のベルトを引き抜くと鞭になる。ただしメインの使用法は超電磁コマを操るための紐。
健一は「超電磁ストリング」と呼称。
後述する『レガシー』では下記の超電磁ゴマ共々、一平に相当するマーク・ゴードンが操縦を交代し操るようになっており、
彼の鞭捌きのセンスが反映されている(作中でも大次郎相当のビッグバートに「得意だろ」と言われている)。
超電磁ゴマについては得意かと言われると疑問だが。まさかダジャレも得意とかいう『キョウリュウジャー』の中の人ネタではなかろう
腹から射出される コマ。 胡麻ではない(一応ヘソのゴマにかけたシャレだとは思われるが)。まあぶっちゃけ前作の超電磁ヨーヨーの焼き直し
側面に4本の刃が付き、上下の芯は針状に尖っている。前述の通り超電磁ストリングスを巻き付けて操る他、掌に乗せてから直接投擲する使い方も。
なおこの時の描写から腹部は空洞になっている。 ところでその場所って3号機と4号機のコクピットがあるはずじゃ
手首を格納して放つ鎖付きの分胴。
右手首を90度曲げると砲身が出てくるバズーカ。折れた右手首は銃のグリップの様に左手で握る。
パイロットの健一の特技である射撃を最大限に活かせる武装。
他にも健一が「ボルテスバズーカー!」と語尾を伸ばして発声することでも印象深い。
スパロボでも弾数制で天空剣に割くENを温存しつつ雑魚戦をこなせることもあって重宝する。
手首を格納して発射するミサイル。
上記と併せて手首から出てくる武装が3つも被っているが格納場所についてツッコんではいけない。前作もそうだったし
これまた健一の「ガトリングミサイール!」と、妙な所で伸ばした発声が耳に残る。
後述の『スパロボDD』では『フルメタル・パニック!』とのコラボで同作品の超高速ミサイルが弾頭として装填されていた。
腰のバックルを開いて使う火炎放射器。火球を撃つ事もできる。
グランドファイヤーと同じ場所から発射するミサイル。
ボルテスVを象徴する大剣。言うまでもないが 伝説の剣ではない。
胸の赤いパーツからグリップが伸び、両手で掴んで赤いパーツを胸から外すと刀身が生えて剣になる。
刀身に帯びた超電磁フィールドで 対象の分子結合を破壊するというメカニズムのため、理論上 切断出来ない物はほぼ存在しない。
この剣で放つ必殺技の代表格が「天空剣・Vの字斬り」で、他に「一文字斬り」「 十文字斬り」「二段斬り」も披露した。
Vの字斬りは「振り下ろしが直撃した瞬間BGMストップ」→「胴中央で剣先を捻る手元をアップに」→「切り上げと共に離脱、爆発」という、
必殺シリーズもかくやな 殺意と外連味が満点で、ロボットアニメや スーパー戦隊における「〇〇剣××斬り」という必殺技の元祖だとされている
(実際、長浜監督は殺陣師に振り付けを依頼して撮影し、これを参考資料としてスタッフ達に提示した)。
刃が食い込んだ剣をあんなひねり方しても折れない理由については、上記の超電磁フィールドで説明出来る。 実体剣に見えて実質ほぼビームサーベルとか、実はレーザーブレードのご先祖様にもあたるのでは?
また、後述するボアザンの守護神ゴードルも「 神空剣」という大剣を持っており、互角の鍔迫り合いを繰り広げた点から、
そもそもボルテス自体がゴードルを元に設計された可能性も考えられる(理由はネタバレになるが)。
ちなみにボアザン側に脅されたビッグファルコンの整備員によって胸部パーツが溶接されてしまい使用できず、窮地に陥ったエピソードもある。
獣士ナマズンゴの反超電磁ビームを受けて合体を強制解除されたボルテスVの再合体に用いられた新型超電磁エネルギー発生装置。
元々はビッグファルコンに積まれており、大きさもボルトマシン並な上に人体への悪影響を解決出来ずにいたのだが、
ボルテスの窮地を前にぶっつけ本番で使った事で再合体に成功。
その後は制御回路の完成及びボルトマシンに搭載可能なまでの小型化に成功。
さらには終盤には後述のハンドガンサイズの超電磁加重砲に内蔵可能な程なまでの小型化を実現した。
ボアザンの科学者にして将軍ド・ベルガンの齎した「マキシンガル合金」により、
超電磁フィールド対策がされたため天空剣が効かない鎧獣士の登場でピンチに陥った際、
突如援護に現れマキシンガル合金の装甲を劣化させた謎の「鷹メカ」の光線を参考にした超電磁加重砲。
後にこれを応用し、超電磁粒子による凄まじい超電磁加重圧をかけ防御力を低下させた後、天空剣に繋げる新必殺技が生み出され、
『スーパーロボット大戦』参戦時に「天空剣・超電磁ボールVの字斬り」と命名された。 *1
なお、超電磁加重砲と言ったが、ボルテスに実装の際は天空剣自体がその発振器を兼ねる形になり、
空中の雷を集束させた後「ボール」の名の通り 天空剣をフルスイングして打ち出す(なお、大上段から振り降ろして投射するパターンもあり)。
設定だけ先に知ってスパロボをやったプレイヤーが驚く点である。
また、これらのデータからマキシンガル合金対策を強く推し進めた結果が功を奏したのか、
終盤には超小型ウルトラマグコンを内蔵しハンドガンとして携行できる程になり、
ド・ベルガンの纏った同合金製の甲冑にこれを照射し(めぐみの手裏剣にて)貫通する事に成功している。
これらの武装の他、その手足を振り回しての格闘戦も巧みに行い、拳や蹴りは勿論の事投げ技・寝技・関節技までこなして見せている
( 大次郎の格闘術をデータとして取り込み反映させているのだろうか)。
この他、最終回において修理を受けた際には地球とボアザン間を往来可能なワープ航行装置も搭載された。
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日本のアニメでありながら、フィリピンでは
国民的アニメとして扱われている。
当時、フィリピンでアニメと言えば大体アメリカ製であり、そんな状況下で輸出されたボルテスVは当時の子供達に衝撃と好評を以て歓迎され、
この大成功を機に日本製アニメが次々とフィリピンに輸出されたという。
最高視聴率58%を記録したり、本作のOPを歌った堀江美都子女史が国賓待遇を受けたり、
2006年度には
安倍晋三総理夫妻がある施設を訪問した際に、現地の若者達から本作のEDを歌って歓迎されたり、
フィリピン人の大半は「ボルテスVの歌」を日本語で歌えたり、それはフィリピン陸軍の軍歌にも採用されたり、
2023年に
実写+CGでリメイクされ(
更にOPもEDもフィリピン人歌手が原語=日本語そのままでカバー)、
その影響もあって2024年にはTVのアニソン特番で外国人が選んだランキング第3位に躍り出て、
異例の尺で特集され
その横で松本梨香女史が自分が呼ばれた理由であろう『めざせポケモンマスター』が選ばれず寂しそうにしていたりと、伝説に事欠かない。
後、足の太いバンブルビーや人間の顔が出てるダンガードAの立像がある遊園地に、ガチなクオリティのボルテスVが置かれている
日本でも2時間近くの映画として再編集された『ボルテスV レガシー』のタイトルで劇場公開された。
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フィリピンと『ボルテスV』との関係性 |
今でこそ本作の主題歌がフィリピン国民から 国歌的な扱いを受けるほどの人気を博しているが、
放送当時の驚異の人気の反動で保護者を始めとした大人からは「 子供がアニメにうつつを抜かし勉強をしなくなる」「 暴力的な内容」と芳しくなかった。
加えて保護者世代に太平洋戦争( 大日本帝国による占領)を経験した者が少なからず居た事から、
「 剣でトドメを刺すのは 日本兵が刀(軍刀)を抜いたら無敵と刷り込むためのプロパガンダ」
というこじつけレベルな抗議まで殺到していたとフィリピンの識者がNHKの取材に回答していた
(そもそも天空剣はその名の通り「(諸刃の)剣」であって「刀」ではないのだが…まぁクレーマーには区別が付かなかったのだろう)。
当時のフィリピンに輸出されていた日本製アニメにはボルテスVに負けず劣らずバイオレンスな描写が多い物も少なくなかったのだが、
上記の経緯もあってかボルテスVが集中砲火を浴びる格好となっている。
そして本作の最終回が間近に迫る1979年8月、当時のフェルディナンド・マルコス大統領が名指しで放映禁止の命令を下し、大騒ぎとなるのであった。 *2
余談だが、ここまでの仕打ちを受けたのはボルテスVだけであり、
『キャプテンフューチャー』や『 SF西遊記スタージンガー』などは普通に放映が続けられたという。
その後、1986年のエドゥサ革命によりマルコス政権が倒され、残りの回も晴れて放映されるに至った。
この辺りの出来事から 「本作の最終回が見たいがために革命を起こした」というジョークまで存在するが、
前述のNHKの取材によると、既にブームは過ぎていたとか。一方で1999年に再放送された事で再びブームを起こしている。
この時は放送時間の問題から子供が中々登校しない、なんて話まで出たとか。
なお、エドゥサ革命直後に大統領の座に就いたのはマルコス大統領に敵視され国外追放されたベニグノ上院議員の妻、コラソン女史である
(世界的にはエドゥサ革命が起きた原因は、マルコス大統領(の命令を受けた兵士)によるベニグノ氏暗殺が原因とされている)。
また「マルコス大統領とコネが無かったから(コネのある局が『 ゲッターロボ』等を放送するも視聴率で負けたから)」という証言も存在する。
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外部出演 |
『スーパーロボット大戦』シリーズでは『新』で初参戦。
当時既に引退していた健一役の白石氏を 原作通りキャスティングしており、
出演名義も放送当時の芸名であった「白石ゆきなが」が一貫して使用されている。
通じて健一の射撃が特技という点もしばしばゲーム内能力に反映されるのだが、
『新』では高い遠攻撃に対し、近攻撃がやたら低い(この時はまだ「格闘」「射撃」という区分ではなく、射程1と2以上で分けられていた)、
という極端なステータス設定になっていた(それを補うためか、一平が上位のダメージアップ精神コマンド「魂」を覚えていたが)。
…尤も、同作は健一に限らず 最強技と本人の能力が全く噛み合わない主人公がやたらと多く、
あの ドモンですら フィンガー系の技も 石破天驚拳も遠攻撃であるため能力を発揮し切れないという有り様だったりするのだが
(このせいかドモンも「魂」が使えた。 でもやっぱGガンってスーパー系だしな。…『T』?もうその頃には2.2倍だし…)。
流石にこんな扱いはこれっきりで、以後は格闘も射撃に見劣りしないレベルにまで引き上げられている。
なお、DLCでの参戦となる『30』の初期バージョンでは ボルテスバズーカが格闘武器扱いという、
健一のキャラを根底から台無しにしそうな能力設定がされていたが、ただの設定ミスだったのかはたまた不評の声が出たのを受けてなのか、
アップデートにて無事射撃武器扱いに修正されている。やれやれ。
『α』シリーズ以降は『コン・バトラーV』との共演が多く、合体技も実装されている。
大抵の場合はコン・バトラーとは開発者同士に交流があり兄弟機のような扱いなのだが、
携帯機シリーズの『L』では相次ぐワープ事故の結果として、『マクロスF』における民間軍事会社「S.M.S」に拾われ、
さらに平行世界から来たという設定になっている。
おかげで小説版マクロスFのライターは危うくボルテスチームが居る事前提で書きそうになったとか
他にも、前述の通りDLC参戦の『30』でも 他のDLC参戦作品同様に別世界から飛ばされてきた設定であり
(ご丁寧にも飛ばされてきた場所がフィリピンのマニラである)、
これらでは無関係なのに何故かそっくりロボ同士になってしまったコンV陣営と多少の衝突もあったりする。
豹馬(コンVのメインパイロット)に「反骨心」があるのはこっちに向けたものじゃないだろうな?*3
元不良少年で喧嘩っ早い豹馬と、 真面目で長男気質の健一では性格が水と油なので、クロスの際は大体反りが合わない所から始まるが、
どちらも仲間との友情とチームワークを大切にしている点で通い合う物があるとして和解するのがお約束となっている。
まあ、豹馬は獣戦機隊(『 超獣機神ダンクーガ』の主役チーム)等とも似たようなトラブルを起こしがちなので、
元々トラブルメーカー扱いされてる気がするが…。
また、めぐみの父である岡防衛長官は、正規軍トップでありながらも主人公陣営の完全な味方であるという希少さから *4、
スパロボ時空では ブライト・ノアや 車弁慶(『 チェンゲ』)の上司になったり、
ジャミトフ・ハイマンやバスク・オムといったティターンズ陣営に真っ向から対峙する等の活躍を見せている。
他、ネタ方面では『L』にて宇宙生物「バジュラ」に対して有効なランカ・リーの歌を使った作戦を提案された際、
日吉が「 ガキ大将のリサイタルじゃあるまいし…」と、 声が同じメガネ少年のような反応を見せたり
(ちなみにそのガキ大将と同じ声の人ことコン・バトラーの3号機乗りは別ルートに行っていたので、 残念ながら歌えなかった)、
『30』ではその彼が 「歌を披露しよう」と言って日吉が嫌がる一幕まであったりする。 マジで怒られたりとかしないですよねこれ
スマホゲーム『DD』では本機の開発の参考にジェガンが用いられており *5、原作通りボルテスVの窮地を前に、
剛三兄弟の母光代がボアザン軍の旗艦「スカールーク」に特攻するのだが、その際にもジェガンを用いている。
他にもクロッシングパイロットでは、 相良宗介らミスリルチームが乗り込んだりもした。
なお、宗介役の関智一氏はボルテス直撃世代だったため、 台本では語尾を伸ばしていなかったのに
「超電磁ゴマァァァ!!」「ボルテスバズーカー!!」「天空ぅぅぅ剣!!」と健一のイントネーションを再現する宗介を自然に演技していたとのこと。
まあ、関氏は『新』で共演した ドモン・カッシュでもあったわけだし多少はね?
(なんなら代役でだが 東映本社ロボの後輩の方もやっている。 Zシリーズだと入れ違いで宗介達とは共演できなかったが)
ちなみにスパロボ民的にはボルテスはさらでも敵のボアザン軍が母艦として使用する、
頭に城を乗せた角付ドクロ型空中要塞「スカールーク」の外見のインパクトの方が印象が強いかも知れない。
しかもこの要塞、 口から巨大ドリル衝角を突き出して衝角戦を挑んでくるのである。
昭和のスーパーロボット物の敵はインパクト勝負とはいえ、 発想のスケールで…ま、負けた…。
どこにあんなデカブツを格納しているのかとツッコむのは野暮。昔のアニメだし。え、ギガドリルブレイク?聞こえんな
ちなみに初出の『新』では主役機が同じく角ドクロモチーフの外見をした『大空魔竜ガイキング』が味方におり、
仕舞にはドリルまで使い始めるので「あれ、こいつどっちの作品のメカだったっけ…?」と惑わされかねない状況であった。
なお、スカールークのせいで 大空魔竜はスパロボでは純地球産なのに異星人の戦艦とよく勘違いされる
(『ボルテス』『ガイキング』の初参戦の『新』のシナリオライター曰く、
「スカールーク見た後に大空魔竜見たら、異星人の戦艦にしか見えないだろう」との事。さもありなん)。
ライバルのプリンス・ハイネル( CV:市川治)は「敵の前線指揮官として何度もぶつかった美形のライバル」
「実は メインキャラの兄」「 最後は和解しながらも悲劇的な最期を遂げる」といった内容から当時の 腐女子お姉様方より 大きな人気を集めた。
そのため所謂「 美形悪役」の先駆けとされ、「美形悪役と言えば市川治氏」という評判にも繋がった
(前作の大将軍ガルーダも美形であり相応の悲劇的背景もあったが、単なる悪役に過ぎなかった)。
そして次作『闘将ダイモス』のリヒテル提督も多くの共通点を持つためか
(ただしリヒテルが地球と対立した理由は、バーム星の侵略派が和平派であるリヒテルの父親を暗殺した上で地球に罪を被せたため)、
両作品が共演する『第2次α』では条件を満たすと最終決戦の援軍に兄貴タッグで現れる上、
『第3次α』でも生存ルートが正史として扱われ、互いの母星の為に協力し合う姿が見られた。
ついでに、バーム星人は有翼だから暗黒ホラー軍団(ガイキングの敵)の一般兵士「暗黒鳥人」に似てて紛らわしいなあと思ってたら、 本当に暗黒ホラー軍団がバーム星人を洗脳して兵士にしていたという酷いクロスオーバーもした
『ダイモス』関連では他にも、同作での極端で横暴なタカ派軍人として悪名高い三輪防人長官が、
『第2次α』において横暴の限りを尽くした末、岡長官が逮捕状を突きつけるという美味しい所を頂く形にもなった。
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戦闘デモまとめ |
『新』版
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『α外伝』版
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『R』版
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『第3次α版』
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『J』版
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『AP』版
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『L』版
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『DD』版。パイロットはミスリルの皆さん
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『30』版
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長谷川裕一氏が描いた、長浜ロマンロボが 共演する漫画『ビクトリーファイブ』シリーズ及びその派生作品では、
強化パーツに変形する追加マシーン二機を加えた「ボルテスVII(セブン)」という強化形態が登場した他、
『 勇者ライディーン』と共闘したシリーズ『ゴッドバード』では、
国連軍主導による量産型超電磁マシーン「マグネスファイブ」が 建造されたものの敵の陰謀により敵に回ってしまうという展開がなされた
(外観と能力はコン・バトラーとボルテスの相の子。ちなみにマグネスファイブの名前はコン・バトラーの名称の没案である)。
一方で原作最終回で宮殿の崩壊に巻き込まれて死んだと思われていたプリンス・ハイネルは生きており、
過去の自分への戒めのために2本生えていた角の内1本を折った上で、「仮面の騎士モノホーン」として陰ながらビクトリーファイブを支援していた
(ハイネルはボアザン貴族として育った故に 差別主義者だったが、根は真面目な善人というのが原作時点からの設定である)。
もしかしたら火消しの風の元ネタかもしれない
また、原作で我が身を捨てて起動した守護神ゴードル像の別個体を史跡から発見して愛機にしており、こちらの頭部も片角に改装している。
なお、こちらは 紅蓮の業火に身を投じさせる試練は未実装……取り外したのだろうか? 単に旧ゴードルがキ〇ガイ仕様だっただけかもしれないが
また前述のリヒテル提督も『ゴッドバード』では『勇者ライディーン』の魔王バラオに利用されたふりをして復活、陰ながら活躍するという好待遇を受けた。
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(以上、Wikipedia及びスーパーロボット大戦Wikiより引用・改変)
MUGENにおけるボルテスV
Spinicci Giacomo氏によるDOSMUGEN専用キャラが公開されている。
手描きの一枚絵を使った
スプライトで構成されている。
一部スプライトに抜けがあり、
投げ技を食らうと姿が消えてしまう。
操作性は2ボタン方式。ジャンプして天空剣で攻撃する
必殺技がある。
AIは搭載されていない。
「子供たちよ…父や母や兄弟を愛するように、
人間同士が宇宙を超えて本当に愛し合えるならば、
そして…地上のあらゆる動物や植物、山や海を愛する事ができるのならば、
宇宙はいつまでも平和だ…」
出場大会
*1
実は原作では「超電磁ボール」からの「天空剣・Vの字斬り」という
連続技に過ぎないのだが、
『スパロボ』でそれを再現すると「2ターン掛かる技」になってしまい逆に弱体化するため、
一つの技に纏められた
(名前こそ付けられていないが、コン・バトラーVの「超電磁竜巻→超電磁スピン」や、
ダイターン3の「サンアタック→ダイターンクラッシュ」等も同様)。
+
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フィリピンでの放映禁止に関する噂とそれに纏わる『ボルテスV』終盤の展開(ネタバレ注意) |
フィリピンでマルコス大統領(当時)が『ボルテスV』の放映禁止命令を下した理由について、
終盤の 「剛健太郎の正体は地球に亡命したボアザン星人で、ボアザン星に帰還して改革派の将軍達と共に革命を起こす」という内容から、
「マルコス大統領が『皇帝ズ・ザンバジル=マルコス、健太郎=ベニグノ・アキノ』と見做される事を危険視したから」
という話が日本では有名だが、これは元ガイナックス代表の 岡田斗司夫氏による 仮説に過ぎない事には注意されたし。
そもそも、ズ・ザンバジルとラ・ゴール(健太郎)は従兄弟である(ザンバジルの父親は先代皇帝で、ラ・ゴールの父は皇弟)。
ズ・ザンバジルは妾腹だったが、(皇太子が病弱だった事により)皇位継承者となったラ・ゴールの角が偽物である事を突き止めて労奴に堕とす事に成功。
代わって自らが皇帝の座に就いた。
更に言うとプリンス・ハイネルと剛三兄弟も異母兄弟である
(ハイネルは皇族時代の子(生まれたのは奴隷になった後)、三兄弟は前述の通り地球人・光代との子)。
ちなみにハイネルがラ・ゴールの子として生まれたように、角の無い者から角のある者が生まれるというケースも存在するが、
誰もがハイネルのように貴族入りする事は出来ず、闘奴や兵卒が関の山とされていた
(まぁハイネルの母・ロザリアの実家も名門貴族だったのが大きかったのだろう。
後年の『 ゾイド』にも きれいなプー様バトスト版プロイツェン(アニメ版とは別人)という同類が居るし)。
そのため、ボアザン帝国の侵略兵器である獣士の頭脳に選ばれる事は、彼らにとっては栄誉とも言えた
(実際、達人級の武芸者がハイネルから角を受け賜り貴族入りし、必殺剣を以ってボルテスVを一度は敗退させた事もある)。
そしてラ・ゴールは、労奴達の余りの過酷な環境故に一度彼らを率いて反乱を起こしたのだが、失敗した事で地球に亡命
(なお、ラ・ゴールは角を持たずに生まれたためか、皇族時代から差別に疑問を持っていた)。
この事からハイネルは 「逆賊の子」というレッテルを貼られ迫害され続けてきた。
転機となったのはハイネルがズ・ザンバジルの眼に留まり、地球征服軍の司令官に任命された事であり、
この事により「自分を引き立ててくれた叔父上」であるザンバジルに忠誠を誓っていたのだが、
ザンバジル自身は自分より血筋の良いハイネルによって皇帝の座から引きずり落とされる可能性を危険視していた。
そのため、地球征服軍司令官という辺境の最前線送りにする事であわよくば戦死してくれる事を期待しており、
彼の動向の把握のためにド・ズールやド・ベルガン等の間者を送り込み、直接暗殺する事さえも目論んでいた。
なお、当のザンバジルは「妾腹の子」として周囲から白眼視され続けた事により鬱屈した性格を形成。
ラ・ゴールを追い落として皇帝の座に就いた後も周囲への怨念は晴れる事は無く、
労奴を酷使して搾り取った税により建立された黄金城に居を構えて贅沢三昧の生活を送っており、
その後も「高貴なボアザン文明を宇宙へ広げる」という美辞麗句のもと、周囲の惑星に対しても侵略戦争を仕掛け労働力を確保し、
ついにその魔の手を地球に伸ばす事となった。
そして作中終盤においてボルテスチームに追い詰められた事や、ラ・ゴールに率いられた労奴達による革命の足音が迫る事態を前に狼狽える事しか出来ず、
他の貴族達も保身のために我先にと逃げ出し続け、ザンバジルも財宝の数々を可能な限り抱え込んで脱出しようとした矢先にボルテスチームと遭遇。
命惜しさに「一連の侵略はハイネルによるものだ」と責任転嫁をされたハイネルは、その皇帝らしからぬ醜態に激怒して彼を誅殺。
「余はこんな蛆虫のために戦い続けてきたのか…」と慟哭、ザンバジルが落とした爆弾と宮殿の崩壊に巻き込まれて消えていった。
なおハイネルはこの直前までラ・ゴールの事を知らなかった(母はハイネルを産むと同時に死去。育てた祖父母は父は死刑になったと伝えていたらしい)。
と、このようにザンバジルを含めてボアザン星の貴族達は腐敗の極みといえる俗物ばかりだったが、
その一方で先述の改革派の将軍(改革派の証として自ら角を折っており、後の仮面の騎士モノホーンの元ネタとも言える)が居たり、
ハイネルにもルイ・ジャンギャルやリー・カザリーンのような忠臣達が居たり(尤もカザリーンは忠臣と言うよりは色恋の方だが)、
ロザリアのようにラ・ゴールの秘密を打ち明けられてもなお、変わらず彼に愛情を示した者等、良識的な人物も存在する。
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*3
一方で健一の方も、原作における初陣で獣士のミサイルを受けた際「600tのボルテスを吹き飛ばすとは!」とスペックをアピールするような台詞を返している。
コン・バトラーの身長と体重(それぞれ57m・550t)は毎回EDで歌われていた事もあり割と有名だったりするので、
(前作への)対抗心の表れだったのかもしれない。
…今時の視聴者なら小型軽量な方が優秀では?と思うかもしれないが、
『
機動戦士ガンダムF91』以前のロボットアニメは
デカくて重いほど強いみたいな
風潮が強かったので仕方が無い。
空想科学読本的には身長60mもあるボルテスの適正体重は2200t以上なので、むしろ軽すぎるぐらいである
*4
ロボットアニメにおける正規軍トップは手柄争いのために主人公陣営と張り合ったり、主人公の脚を引っ張ったり、
最悪
悪人そのものである事も多い。
特に『
ガンダム』シリーズだと顕著で、味方高官も毎回ライバルに出し抜かれる
役立たずである他、
『Ζ』に至っては主人公サイドは暴走する正規軍に異を唱えるレジスタンスという立場である
(一応、『ガンダム』シリーズには後年のメディアミックス展開で再評価がされた人物も居るのだが)。
加えて本作よりも後年の話になるが、侵略の危機を伝えても軍上層部や政治家達に全く相手にされなかったという作品もあるだけに、
健太郎の主張をすぐに信じて行動に出た浜口博士や岡長官といった人物と繋がりのあった光代のコネにも驚かされる話である。
*5
ジェガンは『ガンダム』シリーズにおいてはもっぱらやられ役のイメージでしかないが、この機体は既存の機体がジムIII等のように既に旧式化しつつあったり、
ハイザック等はジオン系やティターンズの系譜を思わせるとして使われず(実際ジオン残党には有難がられたらしい。
ザクIII涙目)、
それらに代わる次期主力量産機をアナハイム・エレクトロニクス社に求めた結果、歴代のジム系の集大成として設計したのに加え、
ネモ系の設計思想をも取り入れた事もあり、これらの機体の膨大な戦闘データや自社の革新的技術を最大限に活かした結果、
極めて拡張性と信頼性の高い機体に仕上がり、本機の性能は軍縮による費用節約が目下の課題である連邦政府ともマッチしていた。
シャアの反乱や
ラプラス事変、
マフティー動乱以降は反連邦勢力による大規模な紛争も起こらなくなった事により、
既存機体の近代化改修をするだけでジオン系のRFシリーズとも互角の性能を確保する事も可能だった事から、
コスモ・バビロニア建国戦争では後継機であるヘビーガンとも並んで扱われる等、ゆうに30年以上に渡って使われた名機でもあった。
流石にこの頃になると小型MSがトレンドとなりクロスボーン・バンガード(C・V)の前に、ヘビーガン共々蹂躙されるだけでしか無くなったが、
フロンティアサイド駐留軍の艦艇「ラー・グスタ」所属の部隊は、旧式機との混成部隊であるにも拘らず、
最新鋭機を駆るC・Vとも互角以上に渡り合える練度を持っていた。
また、ヘビーガンも「ただ小型化しただけのジェガン」等と軽んじられがちだが、ビルギット・ピリヨが駆る同機もまたC・Vとも互角に渡り合ったり、
ハードウェアの面ではアナハイム社が社運を賭け
てF91をパクったシルエットガンダムや、
ガンダムF90の対抗馬であるMSA-0120といった高性能機のベース機でもある事から、腐ってもジェガンの系譜だけにハードウェア性能は優秀で、
上記の光代がジェガンに目を付けたのも、そうした点があっての事かもしれない。
最終更新:2025年02月22日 02:32