ねらいのまと(ポケモン)

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ねらいのまと(ポケモン) - (2020/12/08 (火) 20:47:25) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/01/29 Mon 12:56:02
更新日:2024/01/13 Sat 02:26:09
所要時間:約 4 分で読めます




「ねらいのまと」とは、ポケットモンスターシリーズに登場するアイテムの一つ。
初登場は第五世代に当たるブラック・ホワイト

その効果は次の通り。

ポケモンの タイプの 相性で 無効だった 技が 当たるように なってしまう。

とても画期的な効果であることがわかるだろう。
簡単に言うとこれを持っていると「×0」となるダメージ全てを「×1」に変換する効果である。
この相性による無効化は以下の一覧を見て分かる通り、戦闘において多大な影響を及ぼす。


つまり、これらの技の一貫性が大幅に向上することになるのだ。
サブウェポンなしでも対処が容易になることだろう。

注意点としては、「タイプの相性で」無効化されるもののみなので、特性ふゆう」や「そうしょく」などによる無効化には効果がない。
また、タイプに関係するものでも「相性」ではなく元々タイプ自体の能力として無効化される技が有効になるわけではない。
つまりでんきタイプを麻痺させたり、くさタイプに胞子や粉、宿り木を撒いたり、こおりタイプに「ぜったいれいど」を当てたりはできない。
ただし、じめんタイプへの「でんじは」はタイプ相性の影響を受けるため、当てることができる。
あくまでも上記の通りダメージ倍率のみに影響を及ぼす効果である。




























……さて、ポケモンの記事を見てきた人なら疑問に思うだろう。
「そんな便利なアイテムの割には対戦考察で名前を見たことがないな」と。
入手が困難なのか?いや、第五世代ではソウリュウシティで簡単に手に入るし、それ以降の作品でもBPとの交換なので入手自体は容易い。

では、このアイテム、何が問題なのか? 上の効果説明文をよーく読んでいただきたい。

ポケモンの タイプの 相性で 無効だった 技が 当たるように なってしまう。

なって しまう。

なって しまう


……うん、微妙にわかりにくい文章だが、嘘は言っていない。
このアイテムを持っているポケモンには無効だった技が当たるようになってしまう のである。

これを持っているポケモンは本来「×0」となるダメージが全て「×1」に変換されてしまう。
つまり相手の耐性ではなく自分の耐性を無効化する道具である。

このアイテムがあれば、じめんタイプへのでんき技や、ひこうタイプへのじめん技、ゴーストタイプへのノーマルやかくとう技も 自分に 普通に通るようになる。
つまり、これらの技の 自パーティーへの 一貫性が大幅に向上することになるのだ。サブウェポンなしでも このアイテム持ち への対処が容易になることだろう。
注意点としては、「タイプの相性で」無効化されるもののみなので、 幸いにも 特性浮遊や草食のほか、タイプ自体の能力による無効化には効果がない。

間違いなくポケモンの持ち物全ての中でもトップクラスに使いにくく、そして無意味なアイテムである

同じくデメリットしかないように見える「どくどくだま」や「かえんだま」は、状態異常で発動する特性と組み合わせて使えるが、こちらにはそのような用途も発見されていない。
これに匹敵するような使い道のないアイテムは「くっつきバリ」ぐらいなものだろう。


なお、本当に使い道が皆無かと言うと実はそうでもない。一応…… 一応 用途はある。

トリック・すりかえで相手に押し付ける

デメリットしかないならこうしてしまえばいい。これでゴーストタイプにかくとう技が、あくタイプにエスパー技が通るぜ、やったね!
……「みやぶる」「かぎわける」「ミラクルアイ」で十分だろう。そもそもこれらの技ですら対戦で採用されることはまずない時点で……。
一応、「じめんタイプにでんきを通す」「はがねタイプにどくを通す」などはこっちでしかできない。
「ぶきよう」ミミロップならデメリット(ゴースト技の有効化)を受けることなくすりかえを実行することも可能。
しかし、どの道技スペース一つと持ち物を犠牲にしてまでやることかというと甚だ疑問。
どうしてもはがねタイプを状態にしたいのならエンニュートもいる。

しかし第八世代ではごく一部で利用価値が見出されつつある。
レジエレキがじめんタイプ以外には滅法強いため、他のポケモンでじめんポケにトリックすりかえで渡す戦術もネタとは言い切れなくなってきたようだ。
めざめるパワー」廃止によりめざ氷で突破という方法が使えなくなったのも関係あるのだろう。
ただレジエレキ自身はトリックを覚えない上に露骨に地面タイプを呼ぶトリック要員が少ないのが困りもの。

②ひらいしんドサイドンに使わせる

「ひらいしん」は「でんきタイプの技を自分に引き寄せ、さらに無効化、無効化した際に特攻1段階アップ」という特性。
しかし、ドサイドンは素でじめんタイプ持ちなのででんきはタイプ相性で無効化してしまい、特攻アップの恩恵が受けられない。
さらに、上記のトリック・すりかえ戦法以外でじめんタイプにでんき技が通るようにする方法もないため、ねらいのまとを持たせるしかない。
だが、ねらいのまとを持たせることで、じめんによるでんき無効を打ち消してひらいしんの効果を発動させて特攻を上げられるのだ!しかもデメリットは皆無だぜ!
……根本的な話として特殊型ドサイドン自体がいわゆる「変態型」であり、ネタかよほど意表を突きたい場合以外は使われない構成である。
そんなドサイドンの特攻が上がったところで恩恵はほぼない。
というか、わざわざドサイドンにでんき技を撃ってくれる相手などいるわけがないので、でんき読み降臨かダブルバトルでしか使えない。

また、第七世代(サン・ムーン)以降は「タイプ相性による無効化よりも特性による無効化の方が優先される」に仕様変更。
これにより、 わざわざねらいのまとを持たせる意味が消失した 元からなかったけど

ギルガルドに使わせる

ギルガルドの専用技「キングシールド」は相手の攻撃技を無効化し、さらに攻撃を2段階させる強力な技。
だが、元々無効であるノーマル・格闘技に対してはキングシールド(以下キンシ)で防ぐという過程が発生せず、攻撃を下げられない。
そこであえてノーマル・格闘技が効くようにすることでキンシを活かす場面を増やすことができる。

比較的まともな使い方だったが、第七世代以降はタイプによる無効化よりもキンシの判定が優先されるようになった。
ギルガルドとしては純粋に強化されたわけだが、これによりドサイドン同様ねらいのまとを持たせる意味が消失した。

デスカーンに持たせてケッキングのノーマル/かくとう技で殴って特性「ミイラ」をいただく

そこまでするか?
そもそもケッキングは、ゴーストに半減されるむし技「れんぞくぎり」を覚える。
この技は初発の威力が極端に低いので、そっちで殴った方がなんぼかマシ。
第三・第四世代の教え技なのでレートでは使えないが三色パンチ等の適当なサブウェポンで殴るだけでも十分。
状態異常が発生してしまったとしても「ほのおのパンチ」の火傷ならそこまで痛手ではない。
そもそもダブルバトルでこの並びで出すだけで何をやろうとしているかモロバレルのが問題点。

なお、デメリットしかないように見えるが、そもそも論として「初見で持ち物のわからないじめんタイプにでんきを撃つか?」ということを考えれば、実害を受ける状況はごく限られる。
まぁ持ち物欄潰すのが何より大きいデメリットであるが

「どろぼう」と同じ感覚で「相手の持ち物を奪う」ことを目的として使えば、ある程度マシな使い方ができるかもしれない。
こだわり系アイテムや「くろいてっきゅう」のように自分の行動を縛られることなく、必要に応じて相手の持ち物を潰せるのはそれなりのメリットとなり得る。
先述のように無効タイプをわざわざ打たれるリスクは低いので、受け出し狙いで運用しないポケモンならば適正は十分にある。
アイテムの効果にあまり期待せず、上手く無効タイプを潰せることができればラッキーくらいのつもりで運用しよう。
たまたま持たせていたら役に立った!勝った!…ということは十分に起こりうる。
もっとも、そういう型を積極的に使う必要性はないので、選ぶとしても消去法だけどね。



追記・修正は無効になるタイプに攻撃を当てながらお願いします。

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