予言僧 チョウレン

登録日:2012/11/14 Wed 17:55:13
更新日:2025/02/16 Sun 17:07:47
所要時間:約 9 分で読めます




《予言僧 チョウレン》とは遊戯王OCGに存在するモンスターの一体である。


テキスト

効果モンスター
星4/炎属性/魔法使い族/攻1800/守200
(1):1ターンに1度、カードの種類(魔法・罠)を宣言し、相手の魔法&罠ゾーンにセットされているカード1枚を対象として発動できる。
そのセットされたカードをお互いに確認し、宣言した種類だった場合、このターンそのカードは発動できない。

概要

2011年11月19日発売の「ORDER OF CHAOS」で登場したモンスター。
高い展開力とアドバンテージ獲得能力で瞬く間に環境の主流となった【甲虫装機】と同期である。
詳細は後述するが、2001年から時折登場している、実在した僧侶をモチーフとしたモンスターの1体。モデルは恐らく日蓮。

セットされているカード1枚の発動を封じる効果を持つが、その種類を当てなければならないため安定性がない。
神炎皇ウリア》などのようにチェーンを封じる効果もないため、対象としたのがフリーチェーンのカードだった場合、そのまま発動されて無駄打ちに終わる恐れもある。
当てはしたものの、選んだカードはただのブラフで、本命の妨害はそのまま場に……なんて可能性もゼロではない。

しかし、見方を変えれば一概に弱い効果とも言い切れない。

フリーチェーンのメリットは好きなタイミングで相手の妨害が行える事なので、このカードで発動タイミングをずらす事ができれば儲け物である。
月の書》や《強制脱出装置》をそのまま打たれても、チョウレン自身は後続を展開する効果などもないので被害は少なく、仮にチェーンせず伏せられたままになれば、そのターン中に除去すれば安心である。
無論、《聖なるバリア −ミラーフォース−》《次元幽閉》などの攻撃反応型罠はフリーチェーンではないので、発動を完全に封じる事ができる。

攻撃力は1800と、《ライオウ》や《フォトン・スラッシャー》あたりには及ばないが、下級モンスターとしては申し分ない数値。
種族も魔法使い族であり、サポートが豊富。効果を使い終わったら各種素材にしてしまうのも手だろう。
レベル4なので、僧繋がりの《召喚僧サモンプリースト》から特殊召喚し、伏せカードを封じてからエクシーズする芸当も可能。

使い方次第では活躍できるポテンシャルはありそうだが、効果が通るかが安定せず、成功したとしても大きなアドバンテージは得られないのは否定できない。
守備力が低いために苦し紛れの壁としても機能しづらく、属性も僧侶のイメージに近しい闇でも光でもなく炎であるため、カオスのコストにもできない。

ちなみに、このカードの登場から7か月前のパック「GENERATION FORCE」で、レベル、種族、攻撃力が共通し、効果も似ている《久遠の魔術師ミラ》が登場している。
肝心の効果は、召喚成功時に相手の裏側表示のカードの確認するというもの。その効果に対し、相手は魔法・罠カードを発動できないというおまけ付き。
裏側ならモンスターも確認できるため、リバース効果持ちか、戦闘破壊されることが狙いか、あるいはただの壁かなどを判別できるのは、チョウレンにはない強みと言える。
しかしあちらは召喚時にのみ使えるピンポイントなピーピングに過ぎず、こちらは毎ターン使える起動効果なので、十分差別化は可能だろう。

見た目は確かに美少女でもない坊主だが、なかなかダンディーでカッコいいので、イラストアドも負けてないだろう……(多分)

余談だが、このカードの英語名は《Chow Len the Prophet》なので、寺生まれのTさんではなくCさんと呼ぶ方が正確である。

追記・修正はチョウレンを3積みしてからお願いします。
















だが奴は……ハジケた














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           真   炎   の   爆   発










通常魔法
自分の墓地から守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される。

勘の鋭い人や、炎属性使いの人は彼のステータスを見ただけでお気づきになっただろう。
彼はこの意味不明な程強力なこのカードに対応しているのだ。

仮にチョウレンが墓地に3体存在する場合、その3体(+α)を特殊召喚すれば、相手の伏せカードを最大3枚まで発動不能に出来る
これにより、相手はこちらが安心して展開や攻撃を通す様を眺めるか、その後の展開が少しでも崩れるのを期待してすぐに妨害を切るかの2択を迫られる。
その後はエクシーズするなり攻撃するなり神の生け贄にするなり好きに使えるので、非常に強力。

《真炎の爆発》にばかり目が行きがちだが、「守備力200の炎属性モンスター」のサポートや活用方法はそれだけではない。

《フレムベル・パウン》でのサーチ、《フレムベル・ヘルドッグ》でのリクルートに加え、墓地に居れば《フレムベルカウンター》のコストにできる。
というかフレムベルのサポートを大体受けられる。

《紅炎の騎士》でデッキから墓地に送る事も、《火霊術−「紅」》でバーンする事もできる。
さらには魔法使い族がいれば特殊召喚できる《稲荷火》もいる。こいつも爆発対応のモンスターなのでかなり相性がいい。

この様に、一見デメリットに思えた属性と守備力のおかげで、非常に高いポテンシャルを秘めたモンスターなのである。

このカードに特化した【チョウレンビート】や【チョウレン1キル】などを組むプレイヤーも現れ、
大規模な大会で入賞を果たした【チョウレンビート】まで現れた。
相手は悪夢を見るがな!


【鬼畜な坊主・陰陽師仲間達】

基本的にチョウレン同様魔法使い族で統一。
全体的にステータスが低いため戦闘で有利は取れないが能力が厄介極まりない奴らが豊富。


《昇霊術師 ジョウゲン》

効果モンスター
星3/光属性/魔法使い族/攻 200/守1300
手札をランダムに1枚墓地へ捨てて発動できる。
フィールド上の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにモンスターを特殊召喚できない。

『Labyrinth of Nightmare』で登場した光属性の鬼畜坊主。
実在坊主軍団の中では最古参のメンバー。
手札をランダムに捨てることで、既に特殊召喚されているモンスターを全て破壊する起動効果と、
場にいる限り互いの特殊召喚を封印する永続効果を持つ。
特殊召喚が主流な現在では居座られるだけで非常に面倒な上、邪魔なモンスターを排除することも可能と徹底的に敵の動きを縛ることに長ける。
ただしステータスは低いので過信は禁物。

捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が健在の遊戯王マスターデュエルでは、コピーした《烙印融合》で《アルバスの落胤》とともに《真炎竜アルビオン》の融合素材として墓地に送り、相手ターンに《真炎竜アルビオン》の効果で蘇生する事で、展開しながら簡単にロックを掛ける極悪コンボが可能。
中でも【粛声】は《粛声なる結界》で攻撃制限を掛けて《昇霊術師 ジョウゲン》を守れる事から主流構築として流行したため、2024年10月に禁止カードとなってしまう。

モデルは西遊記でお馴染みの中国の僧侶「玄奘法師(三蔵法師)」。



《霊滅術師 カイクウ》

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 700
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はお互いの墓地のカードを除外できない。
(2):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、相手の墓地のモンスターを2体まで対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。

『Labyrinth of Nightmare』で登場した闇属性の鬼畜坊主。
ジョウゲンと並ぶ最古参のメンバー。
場に居座る限り墓地のカードを除外する効果を封殺するため、実質墓地を利用する効果を持つカードの大半を機能停止に追い込める。
シンプル故に強力な効果だが、やはりカイクウ自身のステータスが下級モンスターの域を出ないため過信は禁物。
一時期はかの【カオス】や《魔導書の神判》と極悪タッグを組んで猛威を振るった、鬼畜坊主の筆頭格。

モデルは、平安初期の僧侶「空海」。


《封印師 メイセイ》

通常モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1100/守 900
封印の呪符を使いこなす事ができる数少ない人物。
その経歴は未だ謎に包まれている。

『天空の聖域』で登場した闇属性の坊主…というか陰陽師。
単体だと単なるバニラカードであるが、専用の永続魔法《罠封印の呪符》と、永続罠《魔法封印の呪符》を持つため、実質コイツがいる限り互いに魔法・罠カードは発動できず、魔法・罠カードの効果も無効にされる
ただし《罠封印の呪符》に関しては、現在では上位互換にあたる《王宮のお触れ》が制限解除されているため影が非常に薄い。
魔法ロックも、フィールド魔法サポートを受けられる《魔法族の里》と適当な魔法使い族モンスターで事足りるのが厳しい。

モデルは、平安時代中期の陰陽師「安倍晴明」。


《破戒僧 ランシン》

効果モンスター
星4/地属性/魔法使い族/攻1800/守 100
このカードが相手によってフィールド上から墓地へ送られた時、
相手の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。

『STARSTRIKE BLAST』で登場した地属性の坊主。
相手によって墓地へ送られた時、相手の墓地からモンスター1体を除外する誘発効果を持つ。
発動できるかも刺さるかも相手に依存しており、実在坊主軍団の中では控えめなスペック。

モデルは、浄土真宗の宗祖とされる「親鸞」。


《結界術師 メイコウ》

効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1700/守 600
このカードをリリースして発動できる。
フィールド上に表側表示で存在する永続魔法・永続罠カード1枚を選択して破壊する。

『FORCE OF THE BREAKER』で登場した光属性の坊主。
魔導戦士 ブレイカー》の代用として用いられていたカードで、永続魔法と罠を割れるのは便利。
だがブレイカーが釈放された結果、一気に出番がなくなってしまった悲しい坊主。

モデルは『三国志』『三国志演義』に登場する「諸葛亮孔明」。
一人だけ坊主じゃない辺りも風当たりが強い。


《修禅僧 ゲンドウ》

効果モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻 300/守1800
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの表側攻撃表示モンスターは効果を発動できない。
(2):守備表示のこのカードはカードの効果の対象にならず、効果では破壊されない。

『シャイニング・ビクトリーズ』で登場した水属性の鬼畜坊主。
表側攻撃表示モンスターの効果の発動を封じる永続効果と、表側守備表示だと効果対象と効果破壊への耐性を得る2種類の永続効果を持つ。
場に居座るだけで一気に選択肢を奪う厄介な特性を持っており、特に守備表示がルール上不可能なリンクモンスターには強烈なロックがかかる。
欠点はやはり素のステータスの低さ。効果を発動できないだけで攻撃は可能なので、そのままでは適当な大型モンスターに戦闘破壊されてしまう。

名前の由来は、日本における曹洞宗の開祖「道元」。


《霊塞術師 チョウサイ》

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1900/守 800
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いに墓地の魔法・罠カードの効果を発動できない。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、相手の墓地の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。

Vジャンプ付録カードの闇属性の坊主。
墓地の魔法・罠の効果発動を封じる永続効果と、場から墓地に送られた場合相手の墓地から魔法・罠を除外する誘発効果の2種類を持つ。
ただ墓地の魔法・罠はだいたいコストとして除外されるため、カイクウを立たせておいても同じような効果が見込めるのが厳しいところ。
というかカイクウは相手にのみ制限をかけるのに対し、こっちは両方に制限をかけるため、融通の利かなさがさらに厳しい*1
ただし、墓地からモンスターになって蘇る【バージェストマ】、墓地の魔法・罠を除外して後続を用意する【エルドリッチ】、強力な罠の発動コストを踏み倒せる《トランザクション・ロールバック》などにはバカ刺さりする。
Vジャンプでの紹介によれば、当時環境で活躍していた【電脳堺】や【エルドリッチ】に対するメタとしての役割を想定されたカードらしい。

名前の由来は、日本における天台宗の開祖「最澄」。


関連カード

  • 《罠封印の呪符》
永続魔法
「封印師 メイセイ」が自分フィールド上に存在している時のみ発動する事ができる。
このカードがフィールド上に存在する限り罠カードは発動できず、全てのフィールド上罠カードの効果は無効になる。
「封印師 メイセイ」が自分フィールド上に存在しなくなった時、このカードを破壊する。
  • 《魔法封印の呪符》
永続罠
「封印師 メイセイ」が自分フィールド上に存在している時のみ発動する事ができる。
このカードがフィールド上に存在する限り魔法カードは発動できず、全てのフィールド上魔法カードの効果は無効になる。
「封印師 メイセイ」が自分フィールド上に存在しなくなった時、このカードを破壊する。
上述したメイセイ専用永続魔法・罠カード群。登場はメイセイと同じ『天空の聖域』から。
どれも強力だがメイセイがフィールドから離れると自壊するデメリット効果持ち。

  • 《霊滅独鈷杵》
装備魔法
装備モンスターが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手の墓地に存在するモンスターを2体まで選択してゲームから除外する事ができる。
『STARSTRIKE BLAST』で登場したカイクウの数珠と一緒に描かれた独鈷杵が特徴のカード。
カイクウの(2)の効果と同じ効果を装備モンスターに与えるカードだが、戦闘ダメージでライフを削らないといけないのが最大のネック。
なお、『STARSTRIKE BLAST』では他にも《ガオドレイクのタテガミ》《パルキオンのうろこ》など、既存モンスターやその効果を強くイメージさせる魔法カードが幾つか登場している。



追記・修正は坊主を爆発させてからお願いします。


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最終更新:2025年02月16日 17:07

*1 カイクウならば自分は墓地のカードを除外できるため、墓地の魔法・罠を自分だけ発動できる