Mk5 核弾頭ミサイル(ガンダムSEED)

登録日:2023/08/09 Wed 11:02:41
更新日:2025/04/08 Tue 10:08:23
所要時間:約 14 分で読めます






「安全装置解除!信管、起動確認!」


「よし…!くたばれ!宇宙(そら)の化け物!」



「青き清浄なる世界の為に!」




Mk5 核弾頭ミサイルとは、『機動戦士ガンダムSEED』及びその続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の核兵器。
地球連合軍が保有・運用している。







【概要】


見た目は白とオレンジ色の酒瓶、或いは細長く伸ばしたヤクルトの容器といった所。
宇宙用のミサイルであるため安定翼は無く、先端も尖っておらず平たいのが特徴。
尾部4基のロケットモーターと、全体各部の姿勢制御スラスターにより推進・進路調整を行う。
サイズはMAメビウスの全長より少し大きい程度のサイズ感となっている。

劇中では「核魚雷」とも呼ばれており、資料によっては「戦術核ミサイル」とも称される。
戦術核と戦略核の違いは時期によって異なるため何とも言い難い所であるが、少なくとも書類上は戦術兵器に位置付けられる代物として扱われている様である。
実際、「いわゆるガンダムシリーズの戦略兵器」と比べると、「一発で要塞を粉砕」「一撃で艦隊を殲滅」といった、あれらの様な桁外れの威力は持っていないが、地球連合軍という豊富な物量に因む「核ミサイル運用部隊の軍勢」の威力として見れば、それら戦略兵器群にも引けを取らない。


【仕様・運用】


「核ミサイル」としか説明されていないため、詳しい原理は不明。
ただ、C.E.世界では純粋水爆は実用化されていないため、弾頭は原子爆弾かテラー・ウラム型水素爆弾*1と思われる。

キャニスターや運搬ケース、搭載ミサイルランチャーには放射線マークが描き込まれており、遠くからでもよく目立つ。
一目でそれと分かるコンテナが基地内を大量に行き交う様は劇中でも異様な迫力を醸している。……が、そのお陰で核ミサイル部隊である事がバレて大損害を被った事がある。詳しくは後述

当初はメビウスの装備の一つとして運用されており、レールガン・大型ミサイル4本に次ぐ第三の装備パターンとして「核ミサイル」が使用されていた。
『DESTINY』では、この核ミサイルを2本装備できる「マルチランチャーパック」が開発されており、ウィンダム等の地球軍MSのストライカーパックとして運用される様になった。


劇中のエフェクトとしては核ミサイルの爆炎には専用のものが用意されており、「ピンク色の火球」という点は他の爆炎と同じだが、核のものはCG加工された独特の閃光として描写されている。
この違いは演出の都合などのメタ的なものではなく、実際に劇中でも遠くから「あれは核の爆炎・閃光」と確認できるものであるらしい言及がある。


このシリーズでは核兵器が目立つためある意味「SEEDシリーズを代表するアイテムの一つ」と化している感がある。
但し、盟主ムルタ・アズラエル以下ブルーコスモス派の核に対するイカレた言動のお陰で誤解されがちであるが、決して忘れてはいけない事として核の運用に積極的なのは地球連合内では急進的なブルーコスモス派だけである。

実際にNジャマーキャンセラーの入手によって核技術が解禁された際、その使い道に関する地球連合上層部会議*2にて、連合幹部達の反応は

「うーむ、核で総攻撃というのは……」
「それよりも、深刻になっている地上のエネルギー問題の解決を優先させた方が……」

と、「核ミサイルなんて不穏なものを作ったり、ましてや核攻撃などというリスキーも甚だしい行為に出るより、危険な状態になっているエネルギー不足の復旧による市民生活の安定化が先」との至極真っ当な意見を述べている。
アズラエルはそれを弱腰と断じ、

撃たなきゃ勝てないでしょうがこの戦争! 敵はコーディネイターなんですよ?徹底的にやらなきゃ……
大体、核なんて前にももう撃ったんだ。それを何で今更躊躇うんです?

と言い放っているが、
幹部達も「いや、あれは君達が……」と弱弱しく反論しているあたり、血のバレンタイン事件の核攻撃はブルーコスモス派の独断行為で、連合上層部はそれを事後承諾したと解釈するのが妥当だろうか(詳しくは後述)。
上記に加え、続く

核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんですよ
兵器は使わなきゃ。高い金かけて作ったのは、使う為でしょう?
さ? さっさと撃って、さっさと終わらせて下さい。…こんな戦争は♪

というアズラエルの発言は、核兵器という存在する事自体が問題な、百歩譲っても
  • 使わない為に用いる兵器
  • 『使う事自体が人類全体への重大な背信行為』と言える最低最悪の兵器*3
である筈のものが、あまつさえちょっと大きめの普通のミサイル感覚で大量投入されようとしている『SEED』世界の末期振りを象徴する様に見られがちだが、
最終的に地球軍が「核の大量投入によるプラントへの総攻撃(とコーディネイターの大量虐殺)」を今度は正式な作戦として実施する羽目となったのは、ブルーコスモス、延いてはアズラエルの力が増大し、地球軍が半ばブルーコスモス延いてはアズラエルの私兵と成り果てていたためであり、「地球連合」という組織そのものは核兵器の使用に常に消極的・否定的である。


なお、下記の様に何度も投入されている一方でその出番は全て宇宙となっており、地上で使われた事は一度も無い。
使用可能だった期間は主戦場が宇宙だったというのもあるだろうが、宇宙の化物退治の兵器で、青き清浄なる世界を穢す訳には行かないと思ったのだろうか。
また「放射能汚染」という点で見た場合、宇宙空間はもともと放射線濃度が地上より遥かに濃く、放射線の種類も多種多様なため、今さら核ミサイルを撃ったところで汚染も何も最初からありはしない*4、という理由もあったと思われる。
なにせ、宇宙で輝く太陽や、瞬く無数の恒星の一つ一つが、何十億年も前から起動している剥き出しの核融合炉なのだから。



【実際の活躍……「活躍」……?】



血のバレンタイン事件

第1次連合・プラント大戦が一気に泥沼化した原因と言える事件。

第1次大戦開戦直後に実施された地球軍による最初のプラントへの直接侵攻に際し、ブルーコスモス派軍人によって一発の核弾頭が秘密裏に持ち込まれており、メビウスから発射された核ミサイルがプラントの農業コロニー・ユニウスセブンに命中。
アスランの母、レノアを含む内部の一般市民24万3721人が全員死亡した。

プラント攻撃に核を用いるというのは正式な軍事作戦ではなく、ここまでの事態を引き起こしたのは地球連合にとっても全くの不本意であった。
この為地球連合もブルーコスモスの勝手な行いのせいで事後処理に苦労させられ、最終的にプラントの核自爆作戦という苦しい言い訳をする羽目になる。

なお、資料では持ち込まれた核弾頭は「1発」との事だが、劇中では核ミサイルを装備したメビウスが3機描写されている。
内2基はダミーだったのだろうか。

当初は運用部隊名は不明だったが、『SEED Re;』にて「ガーディアンズ」と命名された。
また同作によると、指揮官は後にヤキンでも核攻撃を指揮するウィリアム・サザーランド大佐である事が語られた。

本事件を受けてプラントは当然ながら過激派・穏健派問わず大激怒したが、過激派が核報復に向けて動き出そうとしたのに対して穏健派は彼らを宥めすかし、結果として核エネルギーを封じるニュートロンジャマーの投入が決定、以降しばらく核兵器は使用不可能となる。

詳細は個別項目を参照。


ボアズ攻略戦


あの人…!「これで戦争が終わる」って言ったのに!!

……確かに終わるさ。敵である者を全て、滅ぼせばな
確かに、終わるのだ……

『SEED』版ソロモン攻略戦と言うべき戦いにて、連邦軍のソーラ・システムに相当する兵器として登場。

フレイ、延いてはクルーゼにより地球連合に齎された「Nジャマーキャンセラー」により核兵器が使用可能となった事で、核ミサイルを満載したメビウス部隊、その名をピースメーカー隊が出撃、数十発の核ミサイルの弾幕による集中砲火を浴びせられたボアズは一瞬で崩壊した。
ピースメーカー隊は、劇中のカットでは3機1小隊の編成が少なくとも20個確認できる。
その一機一機が一本の核ミサイルを装備している事から、最低でも60本もの核が一度に投入されている事になる。

なお、ともすれば冷血漢と見られがちな程に軍務に忠実なナタル・バジルールでさえ一瞬で壊滅したボアズを前に「敵相手と言えど核を使う事に何とも思わないのか」と正面から疑問を呈したが、
アズラエルは核の威力に無邪気に喜んですらおり、そればかりか「勝ち目の無い戦いに『死んで来い』って自分の部下を送る人達より、僕の方がよっぽど優しいと思うけど?」と、
何とも思っていないどころか、一気に敵を片付けられ、味方兵士が死ぬ確率を下げられる分人道的ですらあると思っている事が描写されている。
それどころか「さ、次はいよいよ本国だ」民間人相手の使用すら気にも留めていない様子である。

相手が宇宙の化物であるなら『人』道も『人』権も関係ないという事か。


結果血のバレンタイン事件以来重篤な核アレルギーを持つプラント、そしてザフト兵士はこの事態を受けて怒りが頂点に達し、ザラ議長は決戦兵器「ジェネシスを起動・発射し、遂に終末的大量破壊兵器の撃ち合いが始まる事となる。
また末端兵士も怒りのあまりジェネシス照射後に戦意喪失しながら潰走して行く地球軍兵士を据え物斬りにかかる事態を起こした。

この時アズラエルはジェネシスの途轍もない威力を前に「何が『ナチュラルの野蛮な核』だ!」「あそこからでも地球を撃てる奴等のこのとんでもない兵器の方が、遙かに野蛮じゃないか!」と激怒していた。
実際一撃で地球軍艦艇の半数を消し去り、地球の生物を8割死滅させるジェネシスの方が一発当たりの危険度はMk5より遥かに上。
それを鑑みれば一面的にはその通りであるが、当のアズラエルが核兵器で8ケタ人以上もの民間人を殺戮したくて仕方がない身である以上、少なくともアズラエルだけはジェネシスの事をとやかく言える立場ではない。


第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦

『SEED』の最終決戦となった戦い。

やはり開幕早々にピースメーカー隊がプラントに向けて(ジェネシスに向けて、ではない!)出撃したが、三隻同盟とザフトの防衛戦力の活躍により全て迎撃され、プラントに命中する事は無かった。
この期に及んでまだジェネシスではなくプラント攻撃を優先しようとするアズラエルの姿勢は、小説版では明確にバジルールから呆れられる事となる。
アズラエル曰く「いくらあんなもの振り翳そうがプラントを落とせば戦いは終わる!」との事だが、万全な状態のジェネシスとその運用要員がそのまま残っている状態でそれを行えば報復攻撃で地球も滅ぼされるのは明白である*5
因みに、かつてはこの時の発射数=キラとアスランがミーティアで撃墜した本数は「144本」とされる事が散見されたが、この数字の明確な根拠は不明である。

それでもアズラエルは諦めずに核攻撃隊を改めて発進させたが、やはり核ミサイルは全て迎撃され、更には核攻撃艦隊自体も壊滅させられた事でピースメーカー隊はほぼ全滅、核攻撃は失敗に終わった。
これに伴い、地球軍はプラント本体とジェネシスへの直接攻撃の手段を完全に喪失。
またそれ以前に宇宙最大の拠点プトレマイオス基地も破壊されているため、実質的に核攻撃艦隊と共に今次大戦に於ける地球軍の勝ち目自体も喪失したと言える。


フォックストロット・ノヴェンバー


「この青き清浄なる世界にコーディネイターの居場所など無いということを、今度こそ思い知らせてやるのだ!!」


「そぉら行け!今度こそ、青き清浄なる世界の為に!」


『DESTINY』の序盤、第2次連合・プラント大戦の緒戦となった戦い。

この時代ではユニウス条約によりNJCの軍事利用は禁止されているのだが、堂々と無視する形で登場。
正面から攻撃する宇宙艦隊を陽動とし、プラントの頭上に当たる極軌道から侵攻する別動隊クルセイダーズが使用した。
ガンダムシリーズでも結構珍しい「宇宙空間には上も下も無い」事を活かした作戦である。
この時の編成は画面で確認できるだけでも3機1小隊で40個以上、その各機が2本ずつミサイルを持っているという事は、
最低でも240本以上のミサイルが投入されている事になる。
しかも実際には核攻撃艦隊に残されたままのものもあったため、発射されなかった分も含む作戦投入本数は更に増えると考えられる。

この時期には地球軍にもMSの配備が進んでいたため、マルチランチャーパックを装備したウィンダムで攻撃が行われており、
発射時の地球軍パイロットのガンギマリ顔はよくネタにされる。

攻撃直前に強行偵察複座型ジンが大量の放射線マークの付いたランチャー装備のウィンダム群を発見、
旗艦ゴンドワナに連絡した事でザフト部隊の一部が迎撃に向かうも、まんまと陽動に嵌められた格好となった主力部隊は間に合うはずも無く最早手遅れ……
という状況の中、ギリギリで投入が間に合ったNジャマーに代わるもう一つの核カウンター兵器「ニュートロンスタンピーダー」により、核ミサイル群とクルセイダーズは全てその場で自爆、間一髪の所でプラントの核攻撃は阻止された。
なおニュートロンスタンピーダーは
  • 本当にギリギリで1セットだけ間に合った虎の子
  • 上手く行く保証は無しのぶっつけ本番
  • 実際に使ったら1回で損壊する使い捨て仕様
……と、核へのカウンター兵器としてはかなり危うい出来であり、核攻撃隊に第2陣があったらそれだけでプラントは壊滅されられていた所だったが、この攻撃失敗を受けて地球軍は一旦引き上げる事となった。

またこれ以降Nスタンピーダーを警戒したのかジブリールの影響力低下の煽りか、
地球軍は核攻撃を行う事は無く、本事件が劇中に於ける最後の核攻撃となっている。



【その他の核兵器】


  • 廃棄核爆弾(仮称)
SEED ASTRAYで登場。
元々ニュートロンジャマーの影響で使い道のなくなり太陽投下される予定だった核爆弾を宇宙船に改造したコロニー「リティリア」の推進材として転用した。
立地が幸い?なのかニュートロンジャマーの影響を受けなかったため実現できた。

数少ないCE世界基準で比較的平和的な使われ方をした核兵器。
何の因果かジェネシスと似た*6使い方がされている。

  • 核エンジン
フリーダムジャスティス等の動力。
これ自体はあくまで超強力なエンジンであって攻撃用核兵器というわけではないのだが、意図的に暴走させることで核爆発を起こすことが出来る。
劇中ではアスランがジェネシス破壊の最終手段としてジェネシス内部でのジャスティス自爆による核爆発を敢行、ジェネシス破壊に成功した。

  • GLCM Mk72巡航戦術核ミサイル
劇場版『SEED FREEDOM』で登場したユーラシア連邦が用意していた核ミサイル*7

ブルーコスモス首領ミケール大佐の確保に臨むコンパスとファウンデーション王国の共同作戦を監視するユーラシア連邦地上部隊の後方陣地に配置されたミサイルトレーラーに積まれていたが、本性を表したブラックナイトスコードによって密かに奪われて彼らが報復の大義名分を得るためのマッチポンプとしてファウンデーション首都イシュタリアに向けて発射されてしまう。

2発発射された内1基はルナマリアのゲルググに破壊されたものの、もう1基は迎撃を避けるように軌道を変えた為に破壊出来ずイシュタリアを直撃、5万人もの死者行方不明者と10万人の負傷者を出した。
更に遅れて発射された3発目が戦場の真っ只中で炸裂、コンパスと避難民とブルーコスモス諸共騒動にブラックナイツが関わっていた痕跡を吹き飛ばしてしまった。

それはそれとして、驚くべきはそのセキュリティ意識の低さ。
劇中で確認出来るセーフティはなんと4桁のパスワードのみである。
しかも発射後は指揮所からのコントロールを受け付けなかった。
あえてユーラシア連邦を擁護するなら、発射時にブラックナイツに細工されていた可能が高いし、アコードは相手の心を読めるのでパスワードを隠すのはまず不可能ではある。



【外部作品での扱い】


スーパーロボット大戦シリーズ

第3次α』では原作通りアズラエルらブルーコスモス派によって使用され、第51話「終わらない明日へ」では敵ユニットとして登場。
毎ターン少しずつ移動し、マップの端に到達すればプラントに着弾=ゲームオーバーとなる。
尚、HPは10000強もあり、やたら頑丈である。本当にミサイルなのか…?
そのくせシグー辺りは一発核ミサイルが激突したくらいでは沈まないなんかゴッドバードでドローメが倒せないみたいだな

また、CCAの再現としては『第2次α』で終わってるがこっちも核ミサイル用意したからこれで迎撃してくれと、ラー・カイラムカムランから核ミサイルを受け取る流れとなるという、
とんでもない状況になるが、「ブルーコスモスと同じ事をやるわけはいかない」というブライトアムロの意向により、人類同士の争いが解決するまで核ミサイル受領は一旦延期となる。
その代わりに大量の核ミサイルを迎撃するのがゴルディオンクラッシャーだったり、イデオンガンだったりもするがそれはそれである。
そしてラー・カイラムの核ミサイルの最初の犠牲になるのは入手直後に大量に湧いて来る宇宙怪獣である。くたばれ宇宙の化け物!


J』でも『SEED』本編とほぼ同じ流れ・形式で登場。
目標地点であるプラントに移動するだけでなく、中には高威力の「突撃」で自軍に攻撃して来る危険なものも存在する。
本作ではHPは2800と常識的な数字。
……と、これだけならただの核ミサイルだが、これだけでは終わらないのが『J』の核ミサイル。
なんとコイツは

核ミサイル搭載型メビウスを破壊すると中からこんにちはしてくる


核ミサイル搭載型メビウスを破壊すると中からこんにちはしてくる

大事な事なので二度言いました
真面目に言うと、何故か核ミサイル搭載型メビウスの分離形態扱いになっているのである。どういう事なの……?
当然初見でそんな事を予測できるはずもなく、プラントへのミサイル攻撃を止めるためにメビウスを破壊したら、
無傷のミサイルがプラントや自軍にカッ飛んでいくというあまりにも理不尽な展開に、プレイヤー一同唖然とするのであった……
これを見越してメビウスのままにしておくとザフトが破壊して核ミサイルがカッ飛んでいくなんて事も

核ミサイル単体で登場する事もあり、その場合も扱いはほぼ同じである。


L』では『DESTINY』のフォックストロット・ノヴェンバーの再現として登場。
その関係で第7話という珍しくかなり早い段階での登場である。
原作ではNスタンピーダーが掃除してくれたが本作ではプレイヤー部隊が迎撃に出る事になる。
例の如くプラントに移動して行き、到達するとゲームオーバーとなる。
本作では射程1の自爆を繰り出して来る上、核というだけあって自爆の威力が洒落にならない高さである事からこちらも危険なエネミーとなっている。

なお、核ミサイルは自爆させずに撃墜できれば一体当たり資金5000獲得と、かなり美味しい的となり得るため、
登場ミッションは幸運との併用や、ゲームオーバーしやすい事による全滅プレイでの資金稼ぎの名所となっている。

一方で『W』のようにニュートロンジャマーキャンセラーが連合の手に渡らなかったためにフェルミオンミサイルに取って代わられる時もある。
このおかげで『W』では生還するニコルは自分が死んだと思った父親が開発したNJCのせいでプラントに核ミサイルの雨が降るという悪夢のような展開を見ずに済んだ


GジェネレーションDS

核兵器つながりか、メビウスではなく、ラウ・ル・クルーゼが送った黒歴史のデータによって量産されたガンダム試作2号機によって運用された。
オマケにDG細胞の尖兵とも言うべきデスアーミー部隊も用意しており、悪夢のような光景である。
ちなみに、ライバルルートの索敵では他ルートだとクリア後にしか登場しないはずの試作2号機が捕獲出来るのだが、どれくらい量産したのだろうか…。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II

Ⅱになって追加されたウィンダムがバリエーションで【ミサイル】を装備して登場。
コストは280と低コスト帯なのだが、一言で言えばゲーム中屈指のネタ機体でありロマン機体。
ミサイルは誘導も強く、直撃しようものなら高コスト機でも半分以上体力が減るくらいに威力があり、直撃しなくても爆風が非常に大きいため、動きが制限されるのも厄介。
ただし、撃つまでの隙がとてつもなく大きく、大抵はビームライフルで落とされるか、バルカンやマシンガンで弾頭を破壊されて自爆するのがオチ。

また、同じコストのジェットストライカー装備と比較すると動きが非常に重く格闘の替わりにミサイルが出ることもあって自衛もしづらい。
まともな構成の相手なら1発もミサイルを当てられずに負けることも珍しくない。

ただ、ステージセレクトで水中で機動力が落ちてしまうクレタ沖だと活躍したり、建物や障害物が多い場所を選択して爆風を当てるという運用も見込めるし、倒れた相手に撃ちこんで起き攻め、と言ったきちんとした戦略が存在したりもする。

家庭版のデストロイガンダムのMA形態に対して唯一ダメージを通す可能性がある射撃武器だったりする。
また高レベルのCPUを乗せてタイマンした際、近づいて相手のミサイルをガードして爆風を起こすと、そのまま敵はミサイルを連発するので、爆風がどんどん連鎖して終いには相手に直撃して自爆する絵面を拝める。

家庭用と言えばこのゲームには「P.L.U.S.モード」というプレイヤーがシンになって様々なミッションに挑戦していくモードがあるのだが、原作とは違うオリジナルミッションで「ラクス・クラインLIVE!」というものが存在する。
ディオキア基地にて通称ミーアザクがライブしている(当然ラクスもといミーアも乗ってる)中、制限時間まで本機が撃墜されないように護衛するミッションだが、
このミッションではなんと

ミーアザク目掛けて核ミサイルが四方八方からかっ飛んでくる
*8

当然一発でもミサイルが直撃すればミーアザクは爆散、ミーアも死亡しミッション失敗となるし、ミサイルを落としても爆風が発生するのでザクの近くで落とすと爆風でダメージを受けてしまう。
制限時間までミサイルをひたすら落とし、ザクを護衛するのがこのミッションであるが、時間が経つごとに飛んでくるミサイルの数はどんどん増えていく。
ライブの護衛ということで何が出てくるのやらとやってみたらまさかの核ミサイルの雨にプレイヤーは唖然とし、人によってはあまりのぶっ飛び具合に笑いがこみあげてくるのだった。
ミサイル自体はビームライフル一発、バルカン数発で破壊可能なので小回りの利くフォースインパルスで行くこと推奨。メインサブどちらかが撃てるように弾数調整をしっかりやって間違っても格闘を振ったりしないように。
このミッションではステージの中央でミーアザクはミサイルが飛んできても逃げることは決してなく踊り続ける。

ちなみに、表現の規制なのか【ミサイル】装備であり、核の文字はゲーム中にはなかったりする。
続編の「ガンダムvsガンダム」では試作2号機がアトミック・バズーカを装備してたりするが。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ON

やらやらが核弾頭をバシバシ投げるゲームでは些か見劣りはするものの、レイダーガンダムのEXバースト技に核弾頭召喚が付与されている。
その爆風範囲はほかの核弾頭持ちとほぼ同等規模になっているが、やや初速に鈍く誘導もよろしいとは言えない。そのため半ばネタ武装として認識されており、使い捨てにする程度の消極的な使用がもっぱらだった。
EXVS2XBでは爆風範囲が著しく狭くなった代わりに核弾頭が三発に増加している。


【立体化】


メビウスの立体物が皆無であるため、伴ってMk5の立体化の機会も無かった。
……のだが、2021年、プレミアムバンダイにて『HG ウィンダム&ダガーL用 拡張セット』と題し、ドッペルホルンと共にマルチランチャーパックのギミックとして遂に立体化してしまった。
「大丈夫なのかコレ…?」という声もあったが、「あくまでマルチランチャーパックに変なシールが付いているだけ」と劇中ばりの強弁をするモデラーも居た。

ランチャー内部にミサイルが収められている形で、カバーを取り外す事で取り出す事も可能になっている。
ミサイル自体に色分けはされておらず白一色となっており、またカバー部分は流石に劇中の様に4つに分離されておらず一体成型のはめ込み式となっている。
尾部のロケットノズルは再現されていないが代わりに3mm穴となっており、エフェクトパーツを挿入可能。

なおマルチランチャー・ドッペルホルン共にコネクタ部分の規格は共通なため、
ストライカーパックに対応するガンプラなら他のキット、延いてはストライクに装備させる事も可能である。

なお、マルチランチャーパック装備のウィンダム自体はガシャポンの『SDガンダムフルカラーカスタム』の方でも『マルチストライカー装備型』として商品化されているが、付属のチラシの説明文には、
マルチストライカーパックには核ミサイル2発を搭載可能と堂々と書かれている。


【余談】


薄々感じているwiki籠りも少なくないだろうが、核攻撃部隊は全体的にかなり悪趣味なネーミングが為されている。
  • 血のバレンタイン事件を起こした「宇宙の化物から『人類』を庇護する守護者(ガーディアンズ)
  • エルビス作戦に投入された「宇宙の化物を滅ぼす為の平和の作り手(ピースメーカー)
  • フォックスノット・ノヴェンバーで奇襲に向かった「宇宙の化物に占拠された土地を奪還するための十字軍(クルセイダーズ)
……全体的にかなりアレなネーミングである。
どれもこれも核兵器などという物騒なものを積んでいるにしては随分と綺麗そうな命名が為されている。

尤も、十字軍は実際には聖地奪還の為に真面目に戦った回数の方が少なく、虐殺だの略奪だのといった問題行為を連発しており、元ネタからしてさほど綺麗ではない。
いくらキリスト教から見ての異端者が相手とはいえどそのあまりの蛮行や野蛮な政治背景から*9、現代での評価のみならず当時の敬虔なキリスト教徒からもむしろ白眼視されていたりする。
ピースメーカーに至っては
  • これでインディアンを殺し尽くせば平和という意味でそのように呼ばれた拳銃コルト・シングルアクションアーミー
  • 大型爆撃機B-36の愛称、LGM-118大陸間弾道ミサイル「ピースキーパー」の別名
……と、「ピースメーカー」は寧ろ最低最悪の暴力装置に付ける「悪趣味なネーミング」という一種の伝統である。
ピースメーカー隊を運用した大西洋連邦は現代のアメリカ合衆国の後継的な存在であり、そういった意味ではピースメーカー隊は、これら「悪趣味なピースメーカー」たちの直系の子孫とも言える*10

ついでに言えば、ピースメーカー隊の旗艦はドゥーリットルであるが、ドゥーリットルと言えば日本本土爆撃を指揮した米軍人の名前として知られる。
いわゆるドゥーリットル空襲は流石に核攻撃を意図したものではないが、これを冠したものがプラント核攻撃艦隊の旗艦なのは偶然か意図したものか、どちらにせよ非常に因果な巡り合わせと言わねばなるまい。


因みに、元ネタか偶然かは不明だが、アメリカが開発した「Mark 5」という核爆弾が実在する
長崎型原爆「ファットマン」の直径を約7割に縮小した小型核爆弾で、60年代まで配備されていた。





パソコンは持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、便利な道具なんですよ。

道具は使わなきゃ。高い金かけて買ったのは、使う為でしょう?

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最終更新:2025年04月08日 10:08

*1 20世紀現在一般的な方式。核融合のスターターとして原子爆弾を用いる核爆弾。

*2 PHASE-47「悪夢は再び」冒頭

*3 MGガンダム試作2号機組み立て説明書解説文より。また『SEED FREEDOM』劇中でラメント議長も同様の発言をしている。

*4 逆に地上で使うことは放射能汚染が無視できない

*5 実際にはザラ議長は核攻撃部隊が壊滅してなお地球をジェネシスで攻撃しようとしていたため、結果的にはプラントが攻撃されようがされまいが無関係であったがそれはアズラエルは勿論地球軍側の知った事ではないし、ザフト軍内でさえそこまでするつもりは無かった。

*6 元々ジェネシスは宇宙船の加速装置として開発された。その使い方でも超高速質量弾として戦闘に悪用したキャラもいるが…

*7 小説版では「マーク七〇」となっている。

*8 核ミサイルだと明言されてはいないものの、ゲーム中のあの爆風及びエフェクトはウィンダムのミサイルと同じなので核で間違いないだろう。

*9 異端者どころか正教会を相手にすることすらあった

*10 ついでに言うと、前述したアズラエルの「(核攻撃で一気に叩いて終戦にもっていけば)連合兵の損耗を抑えられるのだから、使ったことでの人道面の懸念は無視できる選択」というのも、実際のアメリカにおける核兵器の捉え方(の中のひとつ)とほぼ同じ理屈でもある。さすがに近年は「使った件についての検証としてはまあ正しいが、それが今からもう一回使っていい理由だったり、日本人に面と向かって言っていい内容かは全く別」として否定的な人も増えているが