登録日:2024/03/30 Sat 14:05:00
更新日:2025/06/01 Sun 07:26:29
所要時間:約 107 分で読めます
本来ならば、すばらしい年になるはずだった。
パーティーにカウントダウン、2000年問題に15インチのカラーディスプレイ、そして眠らない夜。
さぁ好きなだけ、振り返るといい。我々には限りない過去があるのだから!
ところで、 黄金はいかが?
『リバース:1999』(en:Reverse: 1999, zh:重返未来:1999)は、中国のゲームメーカーBLUEPOCHにより開発・運営されるiOS/AndroidおよびPC向けゲームアプリ。
日本では2023年10月にサービス開始した。
公式が公称するジャンルは「世紀末タイムリバースRPG」。実態としてはターン制のコマンドRPG。
【概要】
時間を巻き戻す未知の災害「ストーム」に襲われ、時代が遡っていく世界を舞台にしたターン制コマンドRPG。
本作の大きな特徴は、「
未来を舞台にしたSF」「
異世界・異星を舞台にしたSF・ファンタジー」「版権モノ」が多数を占める、
令和のスマホゲー業界においては珍しい、「20世紀」を舞台にした作品であるということ。
制作陣にとっても「20世紀」という舞台設定はこだわりのポイントであり、ストームによって逆行した各時代の風景や、いわゆる「レトロフューチャー」を意識したSFガジェット、
どこか古めかしさを感じさせるUIなど、丹念に古き良き20世紀のビジュアルを描いている。
凝っているのはビジュアルだけでなく、キャラクターどころか心相(装備品)、各種ステージ、
果ては
バトルパスやログインボーナスにすらフレーバーテキストが設定されており、この2つの合わせ技によって他のスマホゲームにないシックな雰囲気を作り出すことに成功している。
ストーリーは人間と異能力者「
神秘学家」の間に横たわる差別問題、組織の腐敗とそれに関わる政争など、ヘビーな要素が軸になることが多い。
読者の心を抉るダークな描写・展開は日常茶飯事だが、本作は同時に、苦境に置かれつつもそれに立ち向かう人間の強さ・美しさを描いており、
「人間讃歌」というテーマが通底するストーリーは非常に評価が高い。
またストーリーに関しても「20世紀」という舞台がしっかり生かされていて、例として1章、2章では1930年代に実際に起きた「世界恐慌」がキーワードの一つとなるほか、
6章は「陽気な黙示録」と評された1914年、第一次大戦前夜のウィーンが物語の根幹に関わる舞台となるなど、
実際に起こった歴史上の出来事や神話、宗教、哲学などが絡んだストーリーはビジュアル・フレーバー同様にスマホゲーに類例の少ないもので、本作オンリーワンの個性と言える。
この作風は、昨今のスマホゲーのシナリオが時にライトノベルと比較されることに倣って
「文学・洋画のよう」と形容されることも多い。
一方で本作特有の固有名詞・設定についてはそれなりに解説がされるものの、舞台となる様々な時代とそこに根付く風俗については、基本的にプレイヤーが知っている前提で話が進むことが多く、
真にストーリーを楽しむにはプレイヤー側に知識が求められる場面もしばしば。
ストーリーの根幹についてはそうした専門的な知識がなくとも理解できる作りにはなっているものの、このスタイルを
プレイヤーからは「このゲームを遊ぶには教養が必要」と揶揄されることも多い。
ストーリーは豪華なフルボイス仕様で、一枚絵や動画を使った演出も随所に挿入され、視覚・聴覚の面でもプレイヤーを楽しませてくれる。
また、作中では女性同士の強い関係性が度々描かれることから、本作を
百合ゲーとカテゴライズするプレイヤーもいる。
しかし、作中で描かれる女性同士の関係性は「百合」の二文字で消費してしまうにはあまりにも強烈、かつダークで救われないものも多く、
安易に女の子のキャッキャウフフを求めて手を出すとヤケドしかねないので、「百合」の二文字にアンテナが反応した諸兄はそれを念頭に置いておきたい。
ゲームシステムはターン制コマンドRPG。対人(PvP)要素は存在しない。
ゲーム的な特徴として非常にデイリーミッションの負担が軽く、クリアしたクエストのオート周回機能もあるため、プレイ時間を圧迫しにくい点が挙げられる。
この点は、スマホゲームを複数掛け持ちするプレイヤーからかなりの好評を得ている。
「対人要素のない、ストーリー重視のターン制コマンドRPG」という特徴から、本作を『
Fate/Grand Order』のフォロワーと見る向きもある。
【ストーリー】
人間と、異能の力を持った種族「神秘学家」が共に暮らす世界。
21世紀を迎えようとするこの世界を、未知の災害「ストーム」が襲った。
世界の時間を巻き戻すストームにより、21世紀を迎えるはずだった世界は過去へと逆行していく。
神秘学家を保護することを目的とした組織「聖パブロフ財団」の調査員・ヴェルティとその仲間たちは、ストームで逆行していく世界の中で神秘学家たちを保護しながら、ストームの正体を探っていく。
そして財団がストームの解明に動くのと同時に、「神秘学家が支配する世界」という目標を掲げる組織・マヌス・ヴェンデッタは、ストームを人為的に起こすことで世界を逆行させようとしていた。
【ゲームシステム】
【神秘学家】
このゲームにおける戦闘を行うキャラクター。ゲーム中では「キャラクター」表記。
各キャラクターには
- 2~6の5段階の「レアリティ」
- 本作の「属性」にあたる「本源」
- キャラクターの性能の傾向を示す「タグ」
- キャラクターが与えるリアル・メンタルの2種類の「ダメージタイプ」
- 戦闘時に使用する2種の「スペル」と、必殺技にあたる「アルティメット」
などが設定されている。
育成要素は
- レベル
- レベルキャップを開放すると同時に、パッシブスキルにあたる「伝承」を解放する「洞察」
- 他ゲーで言う「限界突破」「凸」にあたる、同名キャラクターを獲得した際に得られるアイテム「肖像」を消費してキャラクターを強化する「塑造」
- ステータスを強化するポリオミノを最大7x7マスのボードに嵌め込み、キャラクターを強化する「共鳴」
- 後に、ポリオミノが強化してくれるステータスの傾向を変更できるシステム「共鳴の変調」が実装
- 一部のキャラに実装された、専用のアイテムを消費することで段階的にパラメータ・スペルの強化が行える「狂想」
の4つ。
「洞察」はレアリティ5、6のキャラクターは最大3段階まで行えるが、それ以下のレアリティのキャラクターは2段階までしか行えない。このため、最終的なステータスに大きな差が生まれる。
「低レアリティのキャラも最後まで限界突破でき、使い道がある」という調整がなされることの多い近年のスマホゲーには珍しく、レアリティの高いキャラと低いキャラの間に絶対的な格差があるという調整がなされている。
推しが低レアに配置されていて「推しがスタメン落ちしちゃう」と嘆くタイムキーパーも多い
また、神秘学家は装備アイテム「心相」を装備してステータスを強化できる。他ゲーで言う「概念礼装」「
メモワール」のようなものだと思えば間違いない。
【バトル】
4人のキャラクターでチームを編成して戦う。
基本的には4人のうち3人が戦場に出て、残る一人は先に戦場に出ていたキャラクターがやられた際に登場する控えの立ち位置だが、
戦闘によってこのルールは変化し、戦場に一人しか出られずタイマンを強いられたり、逆に4人全員で戦えるステージもある。
1周年以降はサポートキャラを同伴しての擬似的な5人パーティや、5人構成のパーティで強敵に立ち向かうステージも登場している。
戦闘が開始されると、各キャラクターが2種ずつ持つ「スペル」が1枚ずつ配られ、7枚の手札がプレイヤーに与えられる(1枚はダブる)。
ターン中は戦場に出ているキャラクターの数だけ行動が可能で、
「スペルを選ぶ」「スペルを移動させる」と行動回数を消費する。
行動を選び終わるとキャラクターがプレイヤーの選んだ行動を行い、消費されたスペルが補充され、相手にターンが渡る。
基本的には、これを繰り返して相手を倒せば勝利となる。
本作の戦闘のキモはスペルの「合成」。
スペルは同一のものが出現することがあり、同一のスペルが隣り合うと「合成」され、ランクが上がった一枚のスペルに変化する。
ランクは最大3で、ランク1のカードを組み合わせるとランク2に、ランク2のカードを組み合わせるとランク3になる。
合成してランクが上がったカードには「威力/効力が上がる」「性質が変化する」などの恩恵がある。
合成するには先述のように自分でスペルを移動させる必要があるが、スペルを移動・選択することでスペルの配列が変わって同一のスペルが隣り合ったり、
ターン終了時のスペル補充の際に同種のスペルが隣り合っても自動で合成される。後者ふたつの合成パターンのほうが行動回数を使用しないのでオトク。
ただ、何でもかんでも合成すればいいわけではなく、ランク2のスペルを作って攻撃するよりもランク1のスペルを連続使用したほうが敵に与えるダメージは基本的に大きくなる。
このため、状況ごとにダメージを重視してランク1のスペルを連発するか、追加効果などを目当てに行動回数を切ってでもスペル合成を行うかの判断が戦闘においては求められる。
「スペルを選ぶ」「スペルを移動させる」「スペルが合成される(合成の過程は問わない)」とスペルの持ち主のキャラクターの
MPが貯まり、
MPが5になると各キャラクターの
必殺技であるアルティメットが補充される。
MPは単にスペルを使用するよりも、移動・合成したほうが効率的に貯められるため、スペル使用・合成の際にはアルティメットの存在も意識する必要がある。
また、一部のキャラクターは固有のリソース「ひらめき」を持つ。
この「ひらめき」は同じ名前で括られてはいるものの、
- 自身のスペル使用と味方の追加行動で獲得でき、5点獲得すると追加攻撃が発動(37)
- バトル/ターンの開始時に獲得、ターン開始時に自身のひらめきが2以上の場合、ひらめきをすべて消費して自身のスペルを強化(マーカス)
- スペルを使用するごとに獲得、攻撃スペル「証明終」の使用時にひらめきを持っているとひらめきを消費して追加ダメージ(スヴィスティ)
など、キャラクターによって獲得・消費の方法は大きく異なる。
主人公のヴェルティは戦えないが、戦闘中に得られるMP(戦闘キャラクターが得ているものとは別物)を消費することで「調律」というコマンドを使ってキャラクターを支援できる。
要はマスタースキル
本源(属性)相性は
星→
岩→
獣→
木→
星…の
覚えにくい4すくみと、
霊→
知→
霊…の対立。
弱点を突くと与ダメージが増えるが、不利属性で攻撃しても等倍のダメージが通る珍しい仕様。
【サブコンテンツ】
サブコンテンツは、現在
- ひと月ごとに更新・リセットされ、クリアすると報酬が手に入る階層式の戦闘コンテンツ「人工夢遊」
- マス目に区切られた2Dのフィールドでヴェルティを操作して各種ギミックを解くパズルアドベンチャー「第三の門」
- 複数のルートが用意されたステージを進行・クリアしていく高難度コンテンツ「局外の演繹」
- 各キャラクターや組織にピックアップしたストーリーを読み進める「エピソード」
- 前述した「狂想」の強化に必要な専用アイテムを獲得できる階層式の戦闘コンテンツ「雨中の空想」
の5つが常設されている。
【ウィルダネス】
ウィルダネスにはデフォルトで
「古の間」「ダスト鐘塔」「咬噛市場」「願いの泉」の4つの施設が存在する。
ウィルダネスを放置しておくと放置した時間に応じて、「咬噛市場」からはこのゲームにおける資金「咬噛銭貨」が、「ダスト鐘塔」からはキャラクターの育成に必要なリソース「ダスト」が生産され、タップで好きな時に受け取れる。
また「願いの泉」では、
アイテムを合成して上位のアイテムに変換する機能がある。
現状、育成に必要な最上位レアリティのアイテムは願いの泉による合成か期間限定イベントでしか入手できないため、合成を使いこなすことは育成をするうえで必須。
これらデフォルトの施設は専用のアイテム「ケルンベイビー」「ケルン婦人」を消費することで機能の拡張・アイテム生産量の増加が行える。
特に願いの泉はキャラクター育成に密接に関わるため、まっさきに最大まで機能を拡張しておきたい。
ちなみにこの合成、合成の際には自動で下位の素材も合成して合成に必要なアイテムを捻出してくれるスグレモノである。
Ver2.2からはウィルダネス内に「ニューバベル魔精社」というシステムが実装。経営シミュレーションゲームが楽しめる。
【課金要素】
現状ではキャラクターを入手できる
ガチャ「召喚」と、バトルパス「ほえほえジュークボックス」、各キャラクター用のスキンの3点が目立った課金要素。
課金することで
「石」的な課金アイテム「純雨の雫」を入手し、純雨の雫をゲーム内でスタミナ回復などに使える「雨の雫」に変換する、『
原神』と同じ方式。
「召喚」(以下「ガチャ」表記)は、 雨の雫を更に変換したアイテム「モノロー」を消費して引く。
ガチャから出てくるのはキャラクターのみでその点では優しいものの、2~6の5段階のレアリティがまとめてアソートされているため、運が悪いと最終的に実戦に耐えられなくなる低レアリティのキャラクターばかりが出ることもある。
星6の天井(最低保証)は70連で、ピックアップガチャの場合は最初の天井ですり抜けが発生すると、2度目の天井では必ずピックアップ対象の星6が出現するという親切仕様になっている。
また、天井した回数はほぼ全てのピックアップガチャで共有されており、ピックアップガチャAですり抜けが発生した後に、ピックアップガチャBで天井に到達するとピックアップ対象の星6が出現する。
また、この手のゲームには珍しく、新登場のキャラは(「限定」と銘打たれた一部キャラを除き)登場から数バージョン経つと恒常ガチャ枠に入るため、ピックアップガチャ消失後にもすり抜けで手に入る可能性があるという親切設計。
【イベント】
スマホゲーの華である期間限定イベントは本作にも存在し、基本的には「ステージを周回してアイテムを集め、交換アイテムを各種アイテムと交換する」よくある形式。
また、イベントに連動して、イベントに登場したキャラクターの過去を掘り下げるシナリオとミニゲームがセットのサブイベントと、
無限の体力を持つボスと戦い、限られたターン数の中で与えられたダメージの大きさによって報酬が獲得できるサブイベント「たてがみ手配書」が開催される。
前者のサブイベントの内容は用意されたキャラクターを使って課題を解いていくいわゆる「詰将棋」やキャラクターをゴールまで導くパズルゲームがほとんどだが、
中には常識知らずの神秘学家を教育して立派な卒業生にする
プリンセスメーカーアドベンチャーゲームや、簡易な『
8番出口』ライクのパズルゲーム、なんて変わり種もある。
Ver2.3以降はこれに加えて期間限定のミニゲームをイベントと同時開催しており、
ステージをクリアしながらアイテムと仲間を集め、チームを強化して勝ち進むオートバトル「パペットアリーナ」と、『オートチェス』ライクのボードゲーム「クリッタークラッシュ」の2種が開催された。
イベントの後半には「UTTU焦点コラム」か「走光性の研究」のどちらかのサブイベントが開催される。
ストーリー要素の薄い、複数のバトルで構成されたステージをクリアして交換アイテムを手に入れていく形式。
各ステージは選んだ8名のキャラクターで進行する必要があり、戦闘で負ったダメージは回復しない。
全体的に敵は手強いものの、こちらも「名士カード」と呼ばれる焦点コラム専用の装備品を装備してパーティを強化することができ、名士カードを使って普段ではできない面白い戦いを楽しめる。
ただし大半の名士カードは「一長一短」な性能、かつテキストも複雑なため、宇宙猫になってしまうタイムキーパーも多い。
ちなみに以前は、現在の焦点コラムと似た一本道のステージ攻略式の「UTTU閃光集会」というイベントだったのだが、現在は焦点コラムにリニューアルされてしまったため、現在閃光集会を遊ぶ手段は存在しない。
「UTTU焦点コラム」と同じく、ストーリー要素の薄いステージクリア式のイベント。
このモードでは
- このモード限定の特殊なバフ「思考パターン」の恩恵が得られる。「思考パターン」は前哨戦となる3つのステージを繰り返しクリアすることで強化可能
- スペルを1枚選択する毎に効果が発動し、1枚毎にMP・ひらめき獲得の処理がなされる
- 敵は共通して「記憶の殻」という強力な防御力バフを持つ。攻撃する毎に「記憶の殻」が剥がれ、記憶の殻を失った敵は「真相暴露」状態となり無防備になる。弱点を突いたり、高レベルのスペルで攻撃することでより多くの殻を剥がせる
- 敵がどんな攻撃を、誰に繰り出すかを事前にチェック可能
- 各ステージに、4名の戦闘キャラと4名の控えキャラを選出する。控えのキャラは、ターンの経過と敵の「真相暴露」によってMPが増加し、MPがマックスになると場のキャラと交代できる。
交代したキャラクターはMPを消費してアルティメットを発動し、このアルティメットは行動回数を消費しない
などの特殊なルールが課される。
交代時のアルティメット発動などこちらに有利な要素も多いものの、その代わりに敵は強力であり、従来の戦闘よりも「どの敵が誰を狙っているか」「どの敵を撃破 or 真相暴露して安全を確保するか」といった戦略を練って戦う必要がある。
ステージをクリアすると報酬としてアイテム「エスピオナージキー」が獲得でき、キーを消費すると各種アイテムを獲得可能。
またキーの消費に連動して、開催中のイベントシナリオに連動したテキストが解禁される。
開催済みのイベントは後で「映像」というコーナーに常設され、ストーリーとキャラクターごとのサブイベントは見直せるほか、ステージクリア時の報酬は獲得可能。
【主な登場人物】
【主要人物】
CV:
高森奈津美
プレイヤーの分身となるキャラクター。中性的な少女。神秘学家。
近年…というかスマホゲーム全体から見ても珍しい、「
喋らず、プロフィールもあいまいな主人公」ではなく名前・パーソナリティ・プロフィールがしっかり設定された主人公。
聖パブロフ財団の調査員で、この世界で唯一ストームの影響を受けない「タイムキーパー」。
タイムキーパーの性質を活かして財団ではストームの調査と神秘学家の保護を行っているほか、朧気に覚えている「1999年に見た、手術台に拘束された母」の記憶は何なのかを探ろうとしている。
普段は喜怒哀楽をあまり表さず、世俗の出来事にも無関心で冷静な印象が強いが、
後述する過去のトラウマもあってか、財団の掲げる「神秘学家の保護」という使命には熱心で、迷える神秘学家に相対した際は保護するために懸命かつ饒舌に説得を試みる。
このため、彼女に救われたヒロインたちからはクソデカ感情を向けられている。
しかし財団の使命こそ守ってはいるが財団という組織そのものはあまり信用しておらず、上記の説得も「財団のため」と言うよりは、説得する神秘学家の身を案じての行いである。
彼女自身も神秘学家ではあるが戦闘向きの能力ではないようで、戦闘においては同行する神秘学家に指示を出す指揮官のポジションに就く。
相手に直接攻撃はできないものの、前述のように戦闘中は「調律」によって味方を助けることが可能。
また彼女自身の持つ能力ではないが、手にしたスーツケースの中身は
物理法則を無視した居住空間になっており、神秘学家であれば、スーツケースの中にいればストームの影響を受けることはない。
また「召喚」の際に使う謎の糸車やウィルダネスもスーツケースの中にある。
最前線学校時代は、学校の画一的な教育方針に疑問を持つ奔放な生徒であり、ヴェンデッタがオリティアウを使って落とした紙から外の世界の真実を知ると、
同じく学校の外に憧れを持つ生徒を集め、全校を挙げたパレードのさなか「自分たちは主体性を持った人間だ」と教師たちに主張しようとするも、強制的に鎮圧されてしまう。
その後、ヴェルティたちは警備の隙を縫って校外への脱出を計画するが、その計画は、以前からヴェルティをマークしていたコンスタンティンに全て露見していた。
コンスタンティンはストームに影響されない彼女の能力を知り、ヴェルティを財団の忠実な手駒とすべく、
「脱出計画の決行日にストームが到来することを知りながらヴェルティたちを見逃し、彼女にストームの真実を見せて心を折る」というあまりに残酷な計画を実行する。
コンスタンティンの手のひらの上で踊らされているとも知らずヴェルティたちは校外に脱出するも、そこにストームの到来を告げる雨が降り注ぎ、天へと戻っていく。
ヴェルティの友人たちはストームの影響で彼女の眼前で消滅し…そこにはヴェルティだけが残された。
その後ヴェルティはコンスタンティンの思惑通り、タイムキーパーとしての任務を受け入れるが、
この1件はヴェルティの心に決して消えない傷と財団への深い不信感を刻み、タイムキーパーになって以降のヴェルティは財団の傘下ではなく自身のもとに仲間となる神秘学家を集めようとしていた。
だがこの独断は財団に知れると当然問題になり、 第4章では彼女は「治療」の名目で眠らされ、
その間にコンスタンティンらの、財団内におけるヴェルティの裁量を狭め、ヴェルティの保護した神秘学家を財団の指揮下に収めようとする動きを許すことになってしまう。
しかし、これにレディ・Zたちはヴェルティを解放すべく抵抗。
彼女たちの抵抗で政争が泥沼化している間に、コンスタンティンが人類平和安全理事会(鳩小屋)の介入で翻意したことで、人工夢遊を解かれ財団の職務に復帰。
5章ではヴェンデッタがかつて使っていた基地でミス・ラジオと出会い、彼女を手がかりにチームを率いてエーゲ海のある座標(アペイロン教団が暮らす島)へと向かうも、
島の周囲を渦巻くゴルゴン海流と、海流を引き起こしていた怪物によって海に投げ出され、教団の暮らす島に漂着。
7章ではマーカスたちがストームに対抗しうる術式の手がかりを得たことを知り、それを解明し完成させるべく、手がかりを求めて37が挑む無限定者の試練に同行。同時に、同じく島にいたアルカナとの決着をつけるべく策を練る。
人間の本質を「数字」というかたちで見抜く37いわく、彼女を表現する数字は「0」。
これは教団が崇拝する無限定者しか持ち得ない特別な数字だという。
CV:
内田秀
ヴェルティの助手を務める橙色の髪の少女。神秘学家。
聖パブロフ財団の調査員。
優等生的な真面目な性格で、財団の業務とヴェルティの命令を忠実にこなす。一方でヴェルティに関する信頼には少し行き過ぎた面も見られ、時に危うさものぞかせる。
真面目ではあるがカタブツというわけではなく、元々敵であったシュナイダーが寝返った時は共同戦線を張ったほか、
第5章「洞窟の囚人」ではレグルスがアペイロン教団の教義を受け入れられない中、教団の流儀に合わせようと努力していた。
神秘学家としての能力は「詩の一節を詠唱することで、詠唱した詩の内容に沿った力を発揮する」。
ゲーム中では最前線学校の生徒に共通した光るエネルギーを操っての攻撃や、味方の強化を行う。
キャラクターとしては
岩本源。タグは「アタッカー/サポート/行動阻害」。
ゲーム開始時から使用可能ないわゆる「初期キャラ」で、初心者向けのミッションをクリアすることで無料で塑造を進められる。
味方へのバフスペル「勉励・その九」や、「自身にバフが入っている」という簡単な条件をクリアするだけで性能が強化されるアルティメットなど初心者向けに相応しいわかりやすいキャラクター。
最大の特徴は単体攻撃スペル「戒律・その五」で、ランクアップさせると「武装解除」という、相手の攻撃スペルを1ターン封じる状態異常を付与する。
現在、アルティメット以外で武装解除を付与できるのはソネットただ一人だけで、
連続で攻撃してくる相手や、レベルの高いスペルを撃ってくる相手を一発で無力化しつつ、相手のMPを得るペースを遅くできる。
キャラクターが揃ってきても決して倉庫番にはならない優秀な助手と言える。
最前線学校時代は今と変わらない優等生で、ルールを守らないヴェルティのことは快く思っていなかったが、
同時に心のどこかで彼女に興味を持っており、怪我をしたヴェルティに欠席していた間の授業内容を書いたノートを渡すなど、決して嫌ってはいなかった。
ヴェルティたちの脱出の際は脱出計画に参加こそしなかったものの、ヴェルティたちを追い詰めるリーリャに神秘術を使い拘束。彼女たちの脱出を助けた。
だが、その結果は上記の通り。
このことが原因で彼女は「自分が助けさえしなければ、ヴェルティは友人を失わずに済んだ」という罪悪感を抱えてしまう。危うささえ感じさせるヴェルティへの信頼は、彼女への贖罪だったのだ。
第4章「群虎黄金」では、眠っているヴェルティを救い、同時に彼女の今後の自由を財団内で確保するために、レディ・Zと共に腐敗した組織に挑む。
【ヴェルティに協力する神秘学家】
CV:
山本希望
1966年のロンドンで海賊放送を行っていた少女。神秘学家。
反骨精神に溢れたロックな性格で、性格に違わずロック音楽を愛好し、海上からAPPLeと共にロック音楽を届ける海賊放送を行う。
当然束縛されることは苦手で、自分の犯罪が露見して海賊放送ができなくなることを恐れて当初はヴェルティの説得にも耳を貸さなかったが、
財団の最新の機材が揃った環境に興味を持ち、自分をストームから救ったヴェルティへの恩返しも兼ねて財団に加入する。
規律を嫌うロックな性格…である一方で今まで培ってきた常識から抜け出せない頑迷な部分もあり、
第5章では、アペイロン教団のはたから見ると異常な教義をどうしても受け入れられず、その頑迷さによってトラブルを起こしてしまう。
神秘学家としての能力は「光の操作」。
音楽を奏でながら、スポットライトのような光で相手を攻撃する。
キャラクターとしては星本源。タグは「アタッカー/サポート」。
特徴は行動せずにターンを終えた際に得られる特殊なバフ「ビーティングハート」。
これは「クリティカル率を50%上げる」「ビーティングハートの効果でクリティカル率が100%以上になった場合、溢れた分はクリティカルダメージに変換される」効果を持つ。
単体攻撃スペル「ウォッシュ・ユア・イヤー」の威力を引き上げたり、ランク2以上の「クリーン・ユア・アイ」の「クリティカル発生時にMPを1減らす」効果を確実に発動させたりと、
レグルスの強みをより引き出す、彼女にとって最重要のバフである。
またアルティメット「フェスと眠らない夜」では、味方全体に「1ターン、行動するまでアルティメット以外の攻撃を回避する」
特殊なバフ「パッションロック」を付与でき、味方の生存率を上げてくれる。
ゲーム開始時に引けるガチャで手に入る可能性があることもあって、お世話になったタイムキーパーも多いのではないだろうか。
ヴェルティを人工夢遊で眠らせ、実質的に人質に取った財団に不信感を抱き、ドルーヴィス、サザビーと共に財団の一棟を占拠して籠城戦を開始。
レディZが「ストーム改革」法案を通すまで籠城し続ける決意を固める…が、肉を食えない籠城生活に嫌気が差して魔精を食べようとするなど完全に参っていた。
5章では財団から与えられた新たな船の船長となりヴェルティたちとともにミス・ラジオが示した座標に向かうも、前述の通りゴルゴン海流によって船を失い島に漂着。
チームの神秘学家がアペイロン教団に受け入れられる中、彼女だけは「無理数」と言われ島への上陸を拒まれてしまう。
それでも無理やり島に上陸しヴェルティとともに行動するも、教団に理解不能な理由で拒まれたことを根に持って教団のルールに反発したせいで、ますます教団との溝を深めてしまう。
しかし、無限定者からこぼれた錬金術の秘奥を前に語った「自分で手に入れたものではない、誰かから与えられた真理に意味はない」という思想は、
彼女を嫌っていた37も「過程が違うだけで、真理にたどり着くという結果は同じ」と理解を示している。
CV:
平川大輔
レグルスに付き従う紳士。意識覚醒者。
ロックで奔放なレグルスとは真逆の、落ち着きのある紳士的な性格。博識かつユーモアも解する好人物であり、仲間からの信頼は厚い。
…だが、その姿は「タイをしめた空飛ぶリンゴ」というあまりに異常なもの。
「何かがリンゴに化けている」というわけではなく、実際にリンゴであるらしく、毒に冒された際は農薬による治療を求めていた。
一方でリンゴでありながら食事を摂ることもできるようで、オフの日には酒を嗜むなど、謎は多い。
そんな見た目だがメカニックの技術もあり、イベント「リメカップ窃盗事件」では、
ボーダーコリーの神秘学家・ピクルスと意思疎通するために犬用の翻訳機「ドギー」を短時間で作り上げている。
しかし現在でも完全に実現していない犬の意思の翻訳が1960年の技術でできるはずもなく、ドギーはピクルスの意思を全く汲んでくれないどころか、考えと真逆な頓珍漢な翻訳をするときもあるポンコツ。
このためピクルスには嫌われており、最終的には破壊されてしまった。
神秘学家としての能力はレグルスと似た「光の操作」。
キャラクターとしては星本源。タグは「アタッカー/回復」。
攻撃に伴って味方を回復する扱いやすい性能だが、レアリティが低く最終的な性能では高レアのヒーラーに劣ってしまう。
序盤を乗り切るには十分だが、慣れてきたら他の高レアヒーラーに交代したい。
CV:
石川由依
マヌス・ヴェンデッタ側につく、逆行した1929年の神秘学家。
厭世的な雰囲気をまとった女性。
マヌス・ヴェンデッタについてはいるが、首魁のアルカナやミュオソティスとは違い、
敵対するヴェルティを秘密裏に助けるなど良心を捨ててはおらず、ヴェンデッタの思想に染まりきっているわけではない。
神秘学家としての能力は「植物の操作」。
キャラクターとしては
木本源。タグは「アタッカー/行動阻害/サポート」。
敵の動きを封じるデバフ「
石化」で相手の動きを止められるのが持ち味で、ソネットと同様に相手を無力化しつつダメージを稼いでいくサブアタッカー。
また、木本源の味方に特殊なバフ「生生流転」を永続的に付与するサポート能力も持つ。
石化はリアルダメージで解除されてしまうため、若干味方の編成を縛るのが難点だが、それを差し引いても最高レアらしい強烈な性能を持つ。
初期キャラの例に漏れず後発のキャラに遅れを取っている時期もあったものの、現在は狂想で石化の「リアルダメージで解除される」という欠点が消えた他、「生生流転」のバフ効果が強化。
木本源向けサポーターとしての立ち位置を再び確立している。
ただし、他の行動阻害系デバフ持ちのデバッファーと同じく、最近のボス級の敵は共通して行動阻害耐性を持っているので、石化能力を活かしにくいのが向かい風。
ドルーヴィスⅢはもともと森林業を営むウェアーハウザー家の義理の娘であった。
だが、彼女はウェアーハウザー家が保有する森林が焼け落ちて両親が亡くなった際、彼女の持つ黒魔術(神秘術)のせいで一方的に「両親を殺し、森を焼いたのはドルーヴィスⅢだ」とメディアから疑惑をかけられてしまう。
そのせいで彼女は世界に絶望し、ヴェンデッタに加入していたのである。
だが、ヴェルティの必死の説得で彼女は過去を振り切り、ヴェンデッタと決別。
第4章「群虎黄金」ではヴェルティを実質的に人質に取ったコンスタンティンの言動に不信をつのらせ、ヴェルティを取り返すべくレグルス、サザビーと共に財団の一棟を占拠して籠城戦を開始。
サザビーのポーションと自身の神秘術を組み合わせ、財団の一棟を森林に変えるほどのパワーを発揮した。
4章で財団の一棟を神秘術で破壊したことに対する罰則として、財団本部での奉仕活動を命じられていたが、
7章では教団の島から、37が見つけ出したストームへの対抗術式を抱えて飛んできたリーリャを受け止めるべく草木のクッションを作り、同時にリーリャを追いかけてきたオリティアウを迎撃した。
CV:
伊藤美来
逆行した1929年で活動する神秘学家。
オークション業を営む大富豪のご令嬢。
おてんばで世間知らずな、
「ですわ」口調で話すお嬢様。
その箱入り・天然ぶりは筋金入りで、あまり外界を見たことがないらしく、普通の動物をすぐにバイコーンやテュポーンなどの神秘学動物と勘違いする。
財団入りした後の彼女を描く特別章「星」でも、優等生気質のマチルダをその天然ぶりで振り回している。
逆行した1929年で、ミュオソティスの催した「ストーム会」に向かう途中でヴェルティと別れたソネットと出会い、ソネットを友人と認め彼女の助けとなる。
強い勇気と正義感の持ち主で、出会ってすぐのソネットを迷わず助け、命の危険も顧みずヴェルティたちに加勢しヴェンデッタと戦うなど、善性の塊のような少女。
だが同時にドジでもあり、皆のためにと行動するも熱意がから回ってしまうこともしばしば。
シリアスな展開が多い1章~2章における清涼剤担当であり、常に明るく振る舞う彼女のアホの子ぶりに心癒されたタイムキーパーも多いはず。
神秘学家としての能力は「特殊な効果を持ったポーションの合成」。
キャラクターとしては木本源。タグは「中毒/回復/アタッカー」。
タグ通り、敵にはスリップダメージ系の状態異常「中毒」を付与し、味方には継続回復を行うヒーラー。
アルティメット「それらをぜ~んぶ混ぜて!」は付与した中毒・継続回復の効果を即座に発動させる効果を持ち、本職のアタッカーには及ばないものの一応瞬間火力も出せる。
単純にヒーラー・デバッファーとして見た場合、何をするにも即応性がないことが足を引っ張り高評価とは言えないものの、
敵の負った中毒のダメージをさらに引き上げたり、持続時間を伸ばす効果を持つ中毒サポートキャラ「チューズデー」「ヴィロー」を軸にした、
中毒をキーにしたパーティ編成、通称「中毒パ」では上記の中毒サポートキャラの活躍に欠かせない人材として立ち位置を確立している。
また、依然として「回復が一手遅れる」弱点は残っているものの回復能力も狂想によって大幅に強化されており、サービス開始初期の汚名は返上している。
執事のカーソンとストームで死別するという悲しい出来事を経験しつつも、ミュオソティスとの戦いを乗り越えてヴェルティの案内で財団に加入。
しかしレグルス、ドルーヴィスと同様にヴェルティを実質的に人質に取ったコンスタンティンの言動に不信をつのらせ、ふたりと共に財団の一棟を占拠して籠城戦を開始。
ドルーヴィスの神秘術と自身のポーションを組み合わせ、財団の一棟を森林に変えた。
CV:小田島風美
女性の声で喋る、人格を持ったラジオ。意識覚醒者。
第5章「洞窟の囚人」冒頭で、ヴェルティがヴェンデッタの基地で発見した、彼女の名前が刻まれた木箱に入っていた。
ニュースという形でヴェルティにアペイロン教団の本拠地である島の場所を教え、その後はヴェルティたちの協力者として同行する。
キャラクターとしては
霊本源。タグは「デバフ」。
最低レアリティである星2のキャラクターであり戦闘力はたかが知れているが、アルティメット「明かされる真実の一角」は、
「敵全体にダメージを与えながらMPを4奪い、さらにMPを得られなくなる状態異常『動揺』を2ターン付与する」という強烈な効果を持つ。
ただし、その代償に自身は退場してしまう。
ちなみに、アルティメットで味方に
致命傷を回避するバフ「祈り」を付与できるキャラクター「ネクロ・ロギスト」と組み合わせると、
「明かされる真実の一角」の退場デメリットを「祈り」で踏み倒して再利用できる。人の心とかないんか?
【聖パブロフ財団】
CV:Liyuu
聖パブロフ財団の委員で、ヴェルティ・ソネットの上司。
思惑の読めない実質的な上司・コンスタンティンと財団内の権力闘争に振り回されつつも、自身の力の及ぶ限りヴェルティを支援する苦労人。
第4章では、ヴェルティの行動の自由を担保する「ストーム改革」法案を議会で可決するため、コンスタンティンの方針を無視してソネットと共に財団内の政争に身を投じる。
囲碁などのボードゲームに造詣が深く、情勢を何でもボードゲームになぞらえて思考するクセがある。
自分の顔が描かれたマグカップを持っているという一面も。
4章の描写を見るに、おそらく出身は中国。CVのLiyuu氏も中国出身であり、意図的なキャスティングであることがうかがえる。
財団の使命のためなら平然と非人道的な行動も取る非情な人物。
第3章では前述のようにヴェルティの「ストームに影響されない」という能力を知り、財団の方針に疑問を持つ彼女の心を折って、財団の手駒にしようと暗躍。
ヴェルティたちの脱出計画を知ると、ヴェルティたちの脱出計画に向ける熱意が恐ろしくなり、
計画を脱退した少女・メスメルから脱出計画の詳細を聞き出して、脱出計画の当日にストームが到来することを知りながらヴェルティを見逃す。
結果ヴェルティは目前で友人を失って外界の現実を知り、コンスタンティンの思惑通りタイムキーパーの任務を受け入れた。
第4章では任務を終えたヴェルティを「治療」という名目で人工夢遊を使って眠らせ、実質的にドルーヴィスたちに対する人質にすると、ドルーヴィスらに財団の指揮下に入るよう暗に脅迫。
しかしこの脅迫は彼女らには通じず、ドルーヴィスたちは財団の一棟を占拠し籠城戦を開始。
さらにはレディZとドルーヴィスらの結託、リーリャの籠城戦への加勢など、形勢はコンスタンティンの不利へと傾いていくが、
彼女はそれでも動じず、レディZの一派が提出する「ストーム改革」法案を叩き潰してレディZとドルーヴィスたちの心を折ろうとする。
しかし、土壇場で財団の上位組織「人類平和安全理事会(鳩小屋)」が介入。鳩小屋からのメッセージを聞くと葛藤しつつも翻意し、ヴェルティたちの今後の活動を認めた。
CV:
伊藤彩沙
最前線学校の風紀委員長。ソネットやヴェルティのかつてのクラスメイト。神秘学家。
プライドの高い勝ち気な自信家。
最前線学校の入学以前から様々な分野で称賛されてきた才女。しかし、最前線学校で彼女を上回る才能の持ち主・ソネットと出会い、彼女に強い対抗心を燃やすようになる。
ただし
対抗心は持ちつつも嫌っているわけではなく、第4章で自信を失ったソネットが彼女の占いを頼りに来た際はいつもの反発を置いて彼女の進むべき道を探す手助けをした。
シナリオでは第3章で幼少期のエピソードが語られる他、第4章では上記したように占星術でソネットの行く先を占い彼女の手助けをした。
特別章「星」では、財団に残ったサザビーの監督役として再登場。
フリーダムな彼女に振り回されつつも、ヴェルティたちを助けるためにアペイロン教団の資料を探す中で、ストーム発生初期の混乱を記したメモにたどり着く。
7章以降はヴェルティたちの活躍の裏で財団の特別調査員の任に就いている。
ストーリーの本筋にはあまり関わってこないものの、イベントでは出番多め。
「モル・パンク遊記」では強い神秘術エネルギーを感じ取って調査のためにインドに向かうが、そこでマヌス・ヴェンデッタの「神秘術を使って天体を落とす」という陰謀を知り、
現地で出会った神秘学家、カーラ・ボナーやシャーマィンらと共にヴェンデッタに立ち向かう。
特別調査員になった後の彼女を描く「疾走れ!ゴールデンシティへ」では、当初UTTUの編集者を追跡する任務を与えられていたが、
その任務をキャンセルされ、財団の秘密保持契約を破った未登録の神秘学家、「J」とパイオニアを追跡・捕縛する任務につく。
しかしなりゆきで、Jたちが暮らすニューエイジ・マーケットを巡るトラブルと、その裏に潜んでいたマヌス・ヴェンデッタとの戦いに巻き込まれ、ヴェンデッタ打倒のためJに助力する。
神秘学家としての能力は「占星術」。
戦闘では他の最前線学校の生徒と同様、光るエネルギーを相手にぶつけて攻撃する。
キャラクターとしては星本源。タグは「デバフ/アタッカー」。
初心者向けのミッションで必ず入手可能。
スペルでクリティカル耐性を下げるデバフ「朦朧」を付与し、クリティカル率の高いアルティメット「一瞬の予知」でクリティカル攻撃を撃ち込む…という動きが基本のわかりやすいクリティカルアタッカー。
性能自体は悪くないのだが、現状ガチャから出現せず塑像を進められないという弱点があり、ガチャ産の星本源アタッカーの育成が進むと倉庫番になりがち。
1周年記念イベントでもう一体配布されて塑像が1進むようにはなったものの、1年の間に星本源アタッカーがかなり充実したことも彼女にとっては向かい風。
しかし、そんな彼女にもVer2.4で狂想が実装され、基本性能の上昇とともに2.4で実装された新ギミック「啓示(即興スペル)」が搭載された。
これにより、以前の「高レア星本源アタッカーが手に入ったらお払い箱」という悲惨な立場は脱出。Ver2.4の新規キャラであるバルカローラを軸にした、いわゆる「啓示パーティ」における選択肢の一つ、という立場をようやく手に入れた。
CV:
喜多村英梨
ゼノミリタリーアカデミーの空軍に所属する軍人。神秘学家。
空を飛ぶことと酒が大好きで、それ以外にはあまり興味を持たないぶっきらぼうな女性。
表にはあまり出さないものの筋の通らない出来事を嫌う義侠心を持ち、第3章ではコンスタンティンの思惑を朧気ながら察知して、「警備」という名目でヴェルティたちの前に立ちふさがったほか、
第4章では少人数でヴェルティのために籠城戦を続けるドルーヴィス達の心意気を気に入り、彼女らに助力している。
第5章では正式にヴェルティが指揮するチームに加わり、ミス・ラジオが示したアペイロン教団の所在地への調査に同行する。
第8章ではサンパウロに同行。
神秘学家としての能力は「軍用の箒を使った飛行」。
キャラクターとしては星本源。タグは「瞬間火力/アタッカー/追撃」。
潔いまでに瞬間火力に特化したクリティカルアタッカーで、クリティカル発生時に追撃でさらなるダメージを与えるスペル「クロスウインド」や、
現在ゲーム中で最大クラスの威力倍率を誇るアルティメット「リトル・トリック」による火力は他の追随を許さない。
CV:
和久井優
財団の新人調査員。
第1章の開始前、ストームで逆行した1912年で保護されて財団に加入した神秘学家。
内向的な読書家の少女。
あらゆるものを「本」として捉え情報を得る「閲読」と呼ばれる神秘術を持ち、紙の本を読むだけでなく、神秘術を使って知識を得ることを好む。
この神秘術によって彼女は計り知れない知識を得たが、一方でその知識を基に判断を下すことは苦手で、些細なことで思考の袋小路に入り動けなくなってしまう。
例を挙げれば、6章の冒頭では「ザッハトルテをどうナイフで切り分けるか」という些細なことに真剣に悩んでいた。
また、ストームの発生以前は市井との接点が少ない生活を送っており、かなりの世間知らず。
指導教員のホフマンはこれらの欠点を矯正しようと辛抱強く教育を施しており、彼女自身も悪癖を改善しようと努力している。6章でウィーンに向かうことを承諾した理由の一つも、市井に触れることで自分を変えたいと思ったからである。
本編では6章「星は光りぬ」から登場。1913年のウィーンにて財団サイドの主人公的役割を果たす。
「ウィーンにいる可能性が高いヴェンデッタが持つと思われる、ストームへの対抗術式の入手」という任務に、「閲読」の神秘術により術をスムーズに解析できる可能性を見込まれて参加。ホフマンとともにウィーンに向かう。
この時代に生まれていないはずの名前を名乗るカカニアを要注意人物としてマークしていたが、カカニアが貴族医師のシュワルツとの決闘に臨んだ際に、
シュワルツがカカニアに渡した銃に暴発を起こすよう仕組まれた弾丸が装填されていることを「閲読」で知ってしまい、
ホフマンからの「必要以上に遡った時代に介入してはならない」という言いつけを破って決闘に介入。カカニアと面識を持ってしまう。
命を救ったカカニアとは友情が生まれ、カカニアを通して本命の要注意人物であるハインリヒと接触する機会を得たが、
財団を「官僚主義に囚われた組織」と決めつけるカカニアに、思わず「財団と魔の輪の初心は同じ」と反論し、その際にこの時代の人間には極秘にすべき「教団の島」の内情を僅かではあるがカカニアに明かしてしまう。
キャラクターとしては木本源。タグは「サポート」…ではなく、「アタッカー/瞬間火力」。
設定における能力からは想像できないひらめきギミックを内蔵したアタッカー。
- バトル・ターンの開始時にひらめきを獲得、ターン開始時に2以上のひらめきを持つ場合、ひらめきを消費して手札のスペルをランクアップさせる
- ターン開始時に、ボスを優先して永続するデバフ「注釈」を付与。注釈を付与された敵が行動すると行動回数に応じてひらめき獲得
- 自身を含めてパーティに木・霊・知本源のキャラが3人以上いる場合、専用のバフ「精読」を獲得。精読を得ている間は、ランク2以上のスペルを使うたびにMPを1追加で獲得できる
という性能を持ち、ランクアップしたスペルと「精読」によるアルティメットの高回転率を武器にコンスタントに打点を稼げる。
また、ひらめきさえ稼げれば合成の手間を省いて高ランクスペルを複数作れるため、高ランクスペルによる攻撃がギミック攻略のキーポイントになるタイプのボスに対しては八面六臂の大活躍を見せる。
しかし、合成の手間を省いて高ランクスペルを得られる代わりに
- 「注釈」はボスに優先して付与されるのだが、ボス不在で雑魚しか出てこないバトルやボスが複数出てくるバトルの場合、戦闘前に誰に注釈が付与されるのか判断する術がない
- 注釈のついたボスの行動次第でひらめきの獲得量が前後してしまう。また、ボスに下手に行動阻害系のデバフをかけると得られるひらめきが減ってしまう
- 「精読」を得るためにはパーティ構成が縛られてしまう
など固有の欠点もある。
ただ、これらの弱点・制約を踏まえても唯一無二の性能を持つ替えの効かないアタッカーであることは確か。
3つ目の制約についてはルーシーやカカニア、ヴィラ、マーキュリア、6など干渉しない汎用キャラも多く、4人パーティの場合は1枠余裕があるため、手持ちのキャラが揃っていればあまり気にならなくなってくる。
カカニアから受け取ったチケットでホフマンとともに魔の輪の展覧会に入場するが、そこでイゾルデとハインリヒが主導した神秘学家の暴動が発生。
暴動から逃れるために二人で撤退するが、その際にイゾルデと暴徒がアペイロン教団の島のことを「自由の国」と言及したのを聞き、
自身が漏らした機密がカカニアを通じて魔の輪のメンバーに広まり、それがイゾルデたちの蜂起に繋がったという仮説にたどり着き、それに囚われてしまう。
しかし、ホフマンは「この時代のウィーンの人々はあの島に理想を投影している。マーカスは神秘学家たちが島に投影した『理想』を語ったに過ぎない」
「カカニアに機密を話したことがイゾルデとハインリヒの蜂起を引き起こすなど予想することは不可能」とマーカスの最悪の仮説を否定。
同時にホフマンは世界が逆行する中でも変化しない力を持つ神秘学家、すなわちマーカスに期待を寄せていることを語った。
ホフマンの心を尽くした言葉で立ち直ったマーカスは、テオフィルが遺した絵画『救い』を閲読した際に違和感を覚えたことから「カカニアの協力を得て、『救い』から神秘術で情報を引き出す」ことを提案。
カカニアと接触すると、3人でイゾルデとハインリヒを改めて確保すべくイゾルデが出演するオペラの会場に向かうも、
最悪のタイミングで、ヴェンデッタが歴史に介入してサラエボ事件を史実よりも早く起こしたことで第1次世界大戦の開戦が早まり、教団の島にいたヴェルティにより24時間後のストーム発生が財団全体に通知される。
ストーム症候群による混乱の中ハインリヒに追いつくことには成功するも、ヴェンデッタがばらまいた「神秘学家の力を増幅させるポーション」の影響によってホフマンは重症を負ってしまう。
ポーションと仮面の影響で最高に「ハイ!」になったハインリヒはマーカスの孤児院に捨てられた過去を語り人間への憎悪を煽って彼女をヴェンデッタに勧誘するが、
同じくポーションによって本能を刺激されたマーカスは我を忘れてハインリヒに怒りを叩きつける。
…われらの時代?
でもわたしの時代は…もうきたんです。
あなたが「ストーム」で壊滅させた1914年が───わたしの時代です!
わたしは荒れた島で、白い部屋…時間の針が1966年を回り、1929年を回り、やっとこの時代に戻ってこれました…
世界を救うと主張してますが、破滅をもう一つの破滅で塗り替え、死でもう一つの死を塗り替えてるだけじゃないですか。
避けられたはずの災いを、故意に早めて…あなたたちはこの時代、そしてそこに生きる人々になんの関心も持ってない。人々を捨て、自分にしか行けない王国に逃げてるだけ。
まだ存在すらしない薔薇の園で…芸術と詩歌を語り、ピアノまで叩いて…はは、あははは…
わたしはただ…戻って一目見たかっただけなのに、どうしてこんなに簡単な願いすら邪魔するんですか!?
ポーションの喚起した怒りのままに、マーカスはハインリヒに向かっていく。
しかし、そのハインリヒの背後に、銃を構えたイゾルデが近づいていた──。
CV:
大地葉
聖パブロフ財団の調査員。
財団に保護され、調査員となったマーカスの指導教員。人間。
常に冷静で落ち着き払った、本作で「未熟で感情的な神秘学家」と対比される「理性的な人間」の手本のような人物。
ストームで元いた時代から外れてしまったマーカスのことを案じており、自己肯定感の低いマーカスを支え導く。
ゲーム中で何度も強調される「感情的な神秘学家と理性的な人間」の対比に疑問を抱いており、
要約すると「神秘学家が感情的な人間に育つのは、周囲の差別と無理解のせい」「神秘学家も人間と同じように育てれば、きっと理性的な人間になる」という持論を持っている。
マーカスに対してもこの持論に従って接しており、特別扱いすることなく、一人前の調査員に育て上げようとしている。
6章にてマーカスのサポート役として登場。
「ウィーンにいる可能性が高いヴェンデッタが持つと思われる、ストームへの対抗術式の入手」という任務を帯び、第一次大戦前夜のウィーンでヴェンデッタへの接触を試みる。
同じ財団調査員のセンメルワイスから「以前のストームをヴェンデッタと関わることで乗り越えた『ハインリヒ』という神秘学家がウィーンにいる」という情報を聞き、
もともとの「ストーム対抗術式の入手」という任務の手がかりを得る目的も兼ねてハインリヒの確保に動いたものの、その矢先にイゾルデとハインリヒが主導した神秘学家の暴動が発生。
「自分が財団の機密事項であった教団の島の内情をカカニアに話した(カカニア経由でイゾルデに島のことが伝わった)ことがこの事態を招いた」と強く自責するマーカスの言葉を認めつつも、
ホフマンは言葉を尽くしてマーカスを諭し、同時に彼女に手を差し伸べた理由を語った。
…だから、あなたは軽はずみなんかじゃない、マーカス。まだ成長途中なだけ。
もし時代がこのまま後退していくとしたら、これまでの人類の科学の成果はやがて無に帰すでしょう。
一方で個人の能力である神秘術は、異彩を放つ。未来に再び戻らんとする『時の戦争』の中で生き残るのは、あなたたちであって私たちじゃない。
だからあなたにはいつか、一人前になってもらいたいの。
その後は立ち直ったマーカスの「カカニアの協力を得て、テオフィルが遺した絵画『救い』から神秘術で情報を引き出す」という作戦に従い、
イゾルデとハインリヒを改めて確保すべくイゾルデが出演するオペラの会場に向かうも、最悪のタイミングで、ヴェンデッタが歴史に介入してサラエボ事件を史実よりも早く起こしたことで第1次世界大戦の開戦が早まり、
教団の島にいたヴェルティにより24時間後のストーム発生が財団全体に通知される。
ストーム症候群による混乱の中ハインリヒに追いつくことには成功するも、ヴェンデッタがばらまいた「神秘学家の力を増幅させるポーション」の影響によって肉体にわずかに残った神秘学家の血が暴走。内側から肉体を引き裂かれ重症を負ってしまう。
朦朧とする意識の中で彼女が見たのは、ハインリヒへの憎悪に飲まれたマーカスと、何故かハインリヒに銃を向けるイゾルデ。
神秘学家の血に身体を焼かれ冷静な思考が失われゆく中で、ホフマンは決断を下す。
【ラプラス計算科学研究センター】
CV:
諏訪彩花
ラプラス計算科学研究センターの所長。
蒸気機関のピストンに意識を宿した意識覚醒者。
これまでに登場した意識覚醒者とは違って、人間というよりはマシンのような非人間的な思考をする。言動は常に論理的・合理的で、喜怒哀楽の一切を表さない。
そのため、神秘学家を含む人間とのコミュニケーションの際には齟齬が生じることもしばしば。
ラプラスの所長になるにあたって人間のことを学ぶ努力はしており、機械で作り上げた人間を模したロボットの身体もその一環なのだが、
皮肉やユーモアをも文字通りに受け取ってしまう四角四面ぶりからその試みはうまくいっていない。
「すべての生物は『よりよい生活』を求める。それこそが『進歩』」という持論を持ち、「進歩への信念」を行動原理として、ストームによる時代の逆行が続く世界においても技術の進歩に心血を注いでいる。
「安定して誰にでも再現可能なものこそが技術」という考え方から、神秘学家でありながら個人に依存しすぎる神秘術を絶対視しておらず、進んでその力を振るうことは少ない。
「機械を進歩させる」神秘術を持ち、戦闘においてはこの能力が「行動するたびに自身を強化していく」というかたちで再現されている。
初登場は5章の後の特別章「星」。
実装に伴って開催されたサブイベント「過去を飛び越えて」では、ストームが起こる以前、当時のラプラスが目をつけた「人間が単独で飛行可能な機械」を実現させるべく、1835年から約100年にわたって様々な技術者を支援していた。
本格的に本筋に関わるのは7章。マーカスが伝えた「ストームの免疫スペル」を解析・完成させて、間近に迫るストームで実証すべく研究を進める。
キャラクターとしては知本源。タグは「アタッカー/追撃/連続撃破」。
周年記念の限定キャラであり、これまでのアタッカーを過去にする激烈な性能で注目を集めた。
- 自分と味方のMP獲得、及び味方の「ひらめき」獲得のたびに、専用のバフ「電力」がスタックしていく。「電力」を持っていると自身のスペルを電力を消費して強化できる他、電力が20スタックすると、自身のスペルを1枚選んで「進化」させられる
- 敵を撃破すると、ルーシーだけが持つ第3のスペル「エネルギー保存」で敵全体を追撃。「エネルギー保存」で敵を撃破するともう一度「エネルギー保存」が発動する。1ターンに「エネルギー保存」は最大2回発動できる
- アルティメット「前進の一歩」を発動すると一定ターンすべての属性に有利な状態に。さらに5回までスタック可能な攻撃バフ「イテレーション」を筆頭に様々な効果を得る
- 電力を貯めて全てのスペルを強化するとアルティメットも強化される
という至れり尽くせりな性能のアタッカー。
通常の戦闘で活躍することは言わずもがな、本作のボスは取り巻きのエネミーを召喚し、取り巻きと連動したギミックを持っていることが多いので、
様々なスペルでボスと取り巻きを同時に攻撃できるルーシーはほとんどのボス戦で活躍できる。
確実にイテレーションの5スタックとスペル全強化を狙えるため、相手が無限の体力を持っている都合上絶対に長期戦になる「たてがみ手配書」や、
高防御力の敵がズラズラ出てくるため速攻が困難な「走光性の研究」などのエンドコンテンツでは八面六臂の活躍を見せる。
電力を使ったカード強化とすべての属性に有利な状態になるアルティメットにより瞬間火力も高く、攻撃面に弱点はないと言っても過言ではない。
このため、高難度コンテンツでは基本的に「ルーシーが通用するか」が難易度の判断基準になる。
強いて言えば弱点は、雑魚を一切召喚しないボス・イベント戦相手では「エネルギー保存」を発動する機会が少なくなり、攻撃力を発揮しにくくなることと、常に電力の有無を考えて行動しなければならないため画面の前のプレイヤーが疲れること。
この弱点を加味しても最強クラスのアタッカーであることは間違いない。
マーカスが送信したストームの免疫スペルをラプラス内で共有すべく拡散したが、そのスペルは唱えた者に、自身の死を含むランダムで致命的な副作用をもたらすものだった。
しかし彼女は、自身と同じ意識覚醒者であり、術式解析のために招集した暗号解読班班長・ウルリッヒが呪文を唱えながらも死ななかったことから、
「あくまで本体は意識(魂)で、肉体は道具に過ぎない意識覚醒者なら副作用を耐えられる」という仮説を立て、自身を使って呪文の副作用を解析し始める。
呪文の副作用は感情を持たないはずのルーシーが本能的に恐怖するほどのものだったが、それでも彼女は実験を続け、162の副作用をリストアップして既存の対抗呪文で副作用を抑え込めるかを確認し、対抗術式の研究に貢献した。
余談だが、彼女の「レトロフューチャー風な
爆乳女性ロボット」「裸(?)ジャケット、洞察を重ねると裸Yシャツ衣装解禁」という衝撃的なビジュアルは本作をプレイしていない層にまでバズり、
「孤独の歌」とルーシーの実装が発表された際には当時のツイッターJP(現:X)のトレンドに、普段はあまりバズに縁のない本作のタイトルが喰い込む事態となった。
また、ルーシーのバズに伴って、ルーシーを通して本作に興味を持った界隈外の人間を、
一人でもユーザーを増やして本作の魅力を拡散したいタイムキーパーがジオン残党の如く現れて囲い込むという珍事もツイッターでは複数見られたという。
CV:
土岐隼一
ラプラス計算科学研究センターに所属する研究者。神秘学家。
本編での出番は少ないものの、ゲームの公式youtubeチャンネルで、新規に実装される神秘学家を視聴者に紹介するカートゥーンアニメ調の動画「エクストリーム・タレント」の司会を務めている。
ラプラスの研究員だけあって高い技術力を持っており、「エクストリーム・タレント」でも
様々な発明品を番組の最後に披露するのだが、
発明品が想定外の挙動を示したり、Xの想定外のトラブルが起こったりして失敗することがほとんど。
神秘術かどうかは不明だが、ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(ピタゴラ装置、と言えばアニヲタ諸兄にも伝わるだろう)を作るという特技を持つ。
キャラクターとしては知本源。タグは「バフ解除/アタッカー/行動阻害」。
敵の妨害に特化しており、スペルのランクを上げることでカウンター、バフを解除できるほか、アルティメット「ミニマリズムとマキシマリズム」で敵のMPを減らせる。
CV:
花江夏樹
ラプラス計算科学研究センターの研究員。神秘学家。
ラプラスの研究の進歩に数多く貢献してきた、自他ともに認める天才。
神秘学家の世界に流通するお菓子でゲームにおけるスタミナ回復アイテム「苦目キャンディ」を発明したのも彼。
だが、卓越した頭脳を持つ一方で人格は壊滅しており、性格は短気にして粗暴、口を開けば荒っぽい暴言が次々と飛び出す。おまけに天才という称号も堂々と自称する、典型的なジャイアニストにしてナルシスト。
研究・発明には健康を犠牲にしてまで全力で取り組むが、それも自分の好奇心を満たすため。
加えて常に破壊欲求を抱えており、放っておくと身近なものをどんどん噛みついて壊してしまうため、ラプラスでは彼専用の屋外グラウンドを用意することで彼の欲求を発散させている。
彼はこれらの性格を一切「矯正すべきもの」とは考えておらず、
6章で起こったストームに伴って発生した「身体の変形、戦争の賛美と過剰な攻撃性、破壊欲の発露」というストーム症候群に対して「最初のは気持ち悪いけど、ほかは美徳」と断言していた。
キャラクターとしては獣本源。タグは「回復/デバフ/行動阻害」。
相手の被ダメージを上げるデバフスペル「固有慣習」で味方の攻撃面をサポートしつつ、全体回復に加えて1ターンの防御バフ「強固」を付与する回復スペル「錬金容器」で耐久面を支える、破滅的な性格からは想像できない汎用的ヒーラー。
アルティメット「26の副反応」で敵を1ターン「気絶」させて動きを止めることも可能で、大抵の戦闘で腐ることがない優等生。
また洞察を重ねると「26の副反応」にも味方への回復効果が加わるほか、
デバフスペルに伴って最もHPの少ない味方を回復する心相「好奇心の塊」を装備させると「固有慣習」でも回復ができるようになるため、パーティ全体がかなり打たれ強くなる。
ただ、決して弱くはないものの、昨今のボスは多くが気絶(行動阻害)に対する耐性を持っていて「26の副反応」が足止めとして機能しないことと、
後発のヒーラーがより強力な攻撃面のサポート効果を持っていることから、初期実装キャラの例に漏れず評価を下げている。
CV:
梅原裕一郎
ラプラス計算科学研究センターの所員。暗号解読のエキスパート。人間。
厭世家で、ストームで逆行する世界に対してすっかり絶望してしまっており、
かつての功績を知るルーシーによってラプラスに留め置かれているものの、研究室に引きこもる生活を送っている。
初登場は5章の後の特別章「星」。
7章ではその能力をルーシーに見込まれて、マーカスが持ち帰った免疫スペルの解読チームに加えられるが、早々に「俺達にこの呪文を解析することはできない」と仕事から降りてしまう。
決して理解を諦めて投げ出したわけではなく、熟考したうえで「手に負えない」という結論を導き出したのだが、当然同僚の感情を逆撫でしてしまった。
本名はアドラー・ホフマンで、グレタ・ホフマンの弟。
ストームに絶望したことで厭世的になってしまったエニグマだが、その本質は本作きっての人情家。
目の前で呪文を読んだ同僚が呪いに蝕まれる所を見てしまい、姉の命と引換えにもたらされた希望の正体に絶望。
この状況でもスペルの完成を優先するルーシーに研究中止を直訴するが、そこで彼女の信念と、彼女が恐怖に耐えながら呪文の副作用をリストアップしていることを知る。
その後は解読チームから一旦離れて呪文を安全に使用する方法を一人で考えていたが、そこでアペイロン教団がストームを「流出」と呼んでいたことを思い出し、
メディスンポケットの実験によって「ストーム発生の24時間前を目安に、大気中には神秘学家のエネルギー源『プネウマ』が溢れる」ことを確認。
「普通の神秘学家が免疫スペルで副作用を受けるのは、免疫スペルがあまりに強力すぎるため。だが、ストーム到来前の大気に含まれる大量のプネウマを何らかの手段で取り込み、神秘学家の能力を増幅させれば副作用無しで免疫スペルを使えるのでは?」
という仮説を立てた。
この仮説は正しいもので、神秘学家はストームを乗り切れることが判明する。しかしルーシーはこれに満足せず、エニグマに次なる「免疫スペルを、人間でも扱えるようなかたちに応用する」という課題を与えるのだった。
【マヌス・ヴェンデッタ】
CV:
小清水亜美
絶大なカリスマを持つ、ヴェンデッタの首魁。
ヴェンデッタ信徒からは「導きの者」と呼ばれる。
常に笑顔と自分のペースを崩さない、超然とした態度の女性。
配下の神秘学家と違い強烈な怒りや憎しみを表に出すことはないが、第2章では神秘学家を装って近づいてきたある人間を、笑顔のままに残酷な方法で処刑しており、人間への悪意、あるいは無関心がうかがえる。
ヴェルティのことを特別視しており、第2章ではヴェルティの目前に現れ、ドルーヴィスが捕らえたシュナイダーを人質にして彼に仲間になるように迫った。
詳細は不明だが一般の神秘術家とは隔絶した能力を持ち、劇中ではヴェンデッタの信徒や神秘学動物、巨大な怪物を複数召喚・使役するなどの能力を見せたほか、
6章でマーカスが伝えた、アルカナが持っていたストームの免疫スペルは通常の神秘学家にとっては規格外な力を持ち、唱えた神秘学家はごく一部の例外を除いて自身の死を含むランダムで致命的な副作用を受けてしまった。
術を解析したエニグマいわく「幼稚園児にゴールドバッハ予想を答えさせるようなもの」「定格電流で動く家電にいきなり100万ボルトの稲妻が流れたようなもの」。
ちなみに頭にあるトゲトゲした装飾は髪飾りではなく、実際に頭に突き刺さっている。
劇中ではこれを引き抜き、そこから流れ出たタールのようなどす黒い液体を上記の召喚能力の触媒にしていた。
傷つくシュナイダーを前に心が折れたヴェルティから「ヴェンデッタの仲間になる」という言質を引き出すことに成功する。
そんなヴェルティに彼女が命じたのは「シュナイダーの殺害」。
それにヴェルティが抵抗すると、ヴェルティにシュナイダーの幼少期の幸せだった頃の思い出を見せて洗脳。
このときの、あまりにグロテスクな演出は全プレイヤーのトラウマ。
2章ラストの決戦では巨大な怪物を生み出すが、ストームが迫っていたためヴェルティを諦め撤退。
その後は、第5章でアペイロン教団の伝道会に姿を見せる。
これを見たソネットは反射的に神秘術をアルカナに使ってしまい、教団の戒律を破ったソネットは窮地に陥ることに…。
アペイロン教団の支援者であり、彼らの生活を支えていたが、その裏で信徒を操って島を守っていたストーム免疫を弱体化。
その真の狙いは「島をストーム症候群の効果範囲に入れるとともに、ストーム症候群で過激化した人間に島を襲撃させ、教団の信徒に『長年守ってきた信仰は無力』という絶望を味わわせてヴェンデッタに引き入れること」。
彼女の目論見は成功し、ソフィアを始めとする教団信者の大半はヴェンデッタに加入する道を選んだ。
だが、何故か彼女はそこで撤退せず、彼女との対決を目論んだヴェルティと相対する。
ここでも敵対行動を抑止していた6の腕輪をあっさり無効化する神業を見せ、ヴェルティたちに神秘学動物や怪物を差し向けるが、ヴェルティたちはなんとか怪物たちを撃破。
ヴェルティが密かに練っていた「ヴェルティたちはアルカナに攻撃できないので、大規模神秘術でアルカナを使われていないゼノミリタリー基地に転送、
腕輪の制約がないゼノミリタリーに真空爆弾で彼女を爆殺させる」という作戦にハマり、真空爆弾をまともに食らって死亡した。
また、6章では本編開始前にハインリヒやテオフィルと接触し、ストームの存在と、免疫スペル「はじまりの円」の存在を教えたことが明かされている。
CV:
諏訪部順一
ヴェンデッタの構成員。神秘学家。
ミュオソティスとは「ワスレナグサ」のこと。
逆行した1929年で、会員制のバー「ザ・ウォールデン」のバーテンとして働いており、
禁酒法の敷かれるアメリカで、有力マフィアと協力して「一見ただの水だが、口に含むと酒に変わるポーション」を売ることで絶大な利益を上げていた。
ヴェンデッタ構成員きっての過激人物。
ウォールデンで開催された「ストーム会」で人々にストームの存在を教えると、本来の歴史より早く訪れた世界恐慌とストームのダブルパンチで混乱する人々を見て嘲笑い、
救いを求めた人々には、「これをつければストームから逃れられる」と偽って、装着者をヴェンデッタの信徒に変える仮面を平気な顔で渡し、
さらには「神秘術ならば時代病に苦しむ人々を救える」という触れ込みで政府に取り入り、政府が急場しのぎで作り上げた治療所で笑いながら虐殺を行うなど、
人間への憎悪を隠そうとしない。
劇中では「ピアノの演奏に連動して、黒いオーラで攻撃する」という能力を見せた。
またポーション作りの達人であり、前述の「一見ただの水だが、口に含むと酒に変わるポーション」のほか、
6章では「神秘学家の力を増幅させるが、人間が触れると、人間の体内にわずかに残った神秘学家の血が活性化して体内が破壊される」悪辣なポーションを制作していた。
彼はポーションを作る際に厳密なレシピを用意せず、ほとんど直感で作り上げるらしく、マーカスが彼のポーションを「閲読」した際には、ポーションの成分はわかっても、どのような工程で作り上げたかを知ることはできなかった。
ヴェンデッタに加入したイゾルデたちを組織に迎えるべく登場。
「『理性的』なはずの人間がストーム症候群で殺し合う」という皮肉な状況を嘲笑いつつ、イゾルデがハインリヒを殺めたことについては「いくら大きな手柄を挙げたとしても、味方を殺めるのは度が過ぎる」と釘を差していた。
しかし愛しのカカニアと決別したことで虚しさの渦中にあったイゾルデには糠に釘であり、そんな彼女の考えを見抜いたのか、最終的に彼女をヴェンデッタに迎え入れることなくウィーンを去っている。
CV:
悠木碧
マヌス・ヴェンデッタに協力するギャングのリーダー。神秘学家。
逆行した1929年で、ヴェンデッタの先兵として活動する。
財団自体は敵視しているが、ヴェルティのことはどこか気に入っており、
「ザ・ウォールデン」で決闘した際には「ヴェンデッタより先にアンタに出会えていたら良かった」と、ヴェンデッタに手を貸すことは本意ではなかったと言いたげなセリフを言うほど。
ヴェンデッタに協力する見返りに「失踪した姉を探す」という約束をさせている。
彼女が犯罪に手を染めたのは、家族を養うため。
シュナイダーは両親から愛されてはいなかったが、兄弟姉妹との仲は良好で、彼女たちのために犯罪で金を得て、それを家族に送っていた。
ある時、シュナイダーはストームの存在と、それがもうすぐ訪れることを知る。
家族を守るべくシュナイダーはシカゴの財団支部に駆け込むが、シカゴの財団は「貧乏人は失せろ」との手紙をよこし、彼女たちを冷たく追い返した。
故に、シュナイダーは過激な思想の持ち主であると知りながらもヴェンデッタを頼るしかなかったのである。
しかし、ヴェンデッタは彼女を助けるつもりはさらさらなかった。
ヴェンデッタはシュナイダーの知らぬ間に彼女が探していた姉・マリアンを確保・監禁しており、その事実を知らせずにシュナイダーを手駒として使い潰すつもりでいた。
「ザ・ウォールデン」でマリアンを見つけ、ヴェンデッタの思惑を見抜いたシュナイダーはヴェンデッタから離反、
ヴェルティと共闘するもドルーヴィスには敵わず、共に捕らえられてしまう。
その後はアルカナの能力によって操られたヴェルティに致命傷を負わされたかに見えたが、ドルーヴィスと対峙した際にもう逃げられないと悟ったシュナイダーは、
ヴェルティに「もし何かあったときは、あたいの左胸を撃って確実に殺せ」と言葉を残していた。
彼女は右心症であり、操られたヴェルティの放った弾丸で即死することをなんとか回避。
シュナイダーを殺して(殺したと思って)なんとか生き延びたヴェルティから「ヴェンデッタは見せしめにシュナイダーの死体を財団陣営に送りつける」ことを知ると、死んだふりをして財団陣営に合流する。
その後は治療を受けた後に財団と共闘し、なんとかミュオソティスを退けるも、ストームは間近に迫っていた。
ストームを前に、スーツケースの中で開かれた晩餐会。執事のカーソンやマリアンが消えゆくなか、シュナイダーはヴェルティに告白する。
彼女は神秘学家ではなく、ドルーヴィスの改造したワンドで神秘術を使えるように見せかけていたただの人間だった。
ヴェンデッタはそれを見抜いていたために、彼女を助けなかったのだ。
そして、それは彼女もまたストームで消滅することを意味していた。
シュナイダーはヴェルティに、最後の願いを告げる。
両親からも、財団からも、ヴェンデッタからも見捨てられた彼女は、
最後に出会えた友・ヴェルティに願いを託し、嵐の中に消えていった…。
最初期のトレイラーから露出が多く、「シュナイダーのことが気になってゲームをDLした」という報告も多かった彼女。
あるステージでゲストキャラクターとして使用可能なことから「なんだかんだ生き残ってヴェルティの相棒枠になるんじゃないの?」と予想する声もあったが、結末はあまりに衝撃的なものであった。
このあまりに早すぎる結末に
「推そうと思ったキャラが死んじゃったんだけど」と衝撃を受けたタイムキーパーは非常に多く、
リリース初期の各種SNSのタイムラインは「推しが死んだ」と嘆く人々で溢れかえっていたという…。
第4章では「ストーム改革」法案を通すべく、支持者を増やす目的でレディ・Zがシカゴ支部の怠慢を指摘する作戦を立案。
証言台に立ったソネットが、彼女の仇を討つかのようにシカゴ支部の罪を糾弾して弁論戦に勝利している。
【アペイロン教団】
CV:
井口裕香
エーゲ海に浮かぶ孤島に住まう、世間から忘れられた神秘学家集団
「アペイロン教団」に所属する少女。神秘学家。
教団きっての天才少女で、世界を数字と幾何学で認識している。
教団の「万物は数字から成る」という教義を信じ、数学を通じて「真理」に辿り着こうとしている。
数字への信仰心は教団の中でも人一倍強く、ある人物から
「君の求めている真理が、君の知る世界の崩壊を招くものだったとしたら、それでも君は真理を求めるのか?(要約)」と質問された際には、
「もちろん!世界が真理によって変わるのなら、この世界が間違ってたってことでしょ?」と即答している。
一方で教団の「外」を知らず、真理を追求するだけの生活を送ってきたせいか人格面は幼く、
「世界が数字と幾何学でできている」ことを微塵も疑わず、「他人を理解しようとする」「相手の身になる」といった行動を全くしない。
このため彼女と一般人がコミュニケーションすることは極めて困難であり、ヴェルティたちも彼女とのコミュニケーションには苦戦していた。
要約すれば彼女は「数字と幾何学に対する知識だけが肥大化した子供」とでも言うべき存在である。
彼女や教団を少しでも理解しようと歩み寄るヴェルティ・ソネットには彼女なりに好意的に接するものの、
一度「理解し合えない」と判定した相手に歩み寄ることはなく、教団のルールを理解不能なものとして一切受け容れないレグルスのことは「無理数」と断じて嫌悪する。
また数字で解明できない不合理な出来事も嫌いなようで、神秘術で強運になっており、自らの幸運を試して楽しむ神秘学家・ケントゥリオンと相対した時には不合理さに気絶してしまった。
ちなみに「数字」つながりのお遊びなのか、ホーム画面で放っておくと
素数を数えだすほか、
数学者つながりか「わたしの円が乱れちゃう」というアルキメデスの
実は言っていないらしい名言を連想させる台詞がある。
神秘術の正確な内容は不明だが、「人の本質を数字として見通す」能力を持つ。
キャラクターとしては星本源。タグは「アタッカー/追撃/サポート」。
リアルでもメンタルでもない第3のダメージタイプ「ジェネシスダメージ」を操る他、
自身の行動やチームメンバーの追加行動で増加する固有の特殊リソース「ひらめき」を消費して、自身を強化しながら戦う…という一見すると理解の難しいキャラ。
アタッカーでありながらアルティメット「数字と幾何学の国」が全体バフ技…というのも初見のタイムキーパーの理解を妨げる。
だが複雑なテキストを理解すると
- 相手のリアル・メンタル防御力に左右されないジェネシスダメージに由来する安定した攻撃力
- その長所をさらに伸ばす「ジェネシスダメージにクリティカルが発生する」という洞察能力と、ジェネシスダメージにバフを掛けるアルティメット「数字と幾何学の国」
- ひらめきが5貯まるごとに、行動に関係なく発動する追加攻撃「補充数式」による手数の多さ
- 最低クラスの耐久面を補う防御バフ「強固」を付与するスペル「曲線の投影」により、防御面の弱点をある程度カバー可能
と、強いことしか書いていない強キャラだということがわかる。
CV:
中村悠一
教団の教主に代々受け継がれる数字「6」を継承した、教団の現在のリーダー。神秘学家。
精神が未発達の37とは真逆の、いかにも「指導者」といった雰囲気の冷静で聡明な青年。
教団の秩序を守ることを行動原理としており、島に争いを持ち込んだアルカナとヴェルティに対し、
ペナルティとして「敵対する陣営を攻撃するたびに、高熱を発し攻撃者を傷つける腕輪」を嵌めさせた。
キャラクターとしては知本源。タグは「サポート/デバフ/デバフ解除」。
37と同じく固有の特殊リソース「ひらめき」を管理して戦うキャラクターで、
こちらも、テキストは難しいがそれを読み解いていくと強いことしか書いていない強キャラ。
味方のデバフを解除しつつ、ランダムに2種のバフを付与する「義務と責任」で味方を補助しつつ、
敵には妨害スペル「規律と戒法」でランダムに2種のデバフを付与して攻勢を削ぐ…という能力を持つサポーターなのだが、
さらに単体攻撃アルティメット「受け継がれし啓示」で攻撃に参加も可能、とマルチな能力を持つ。
その上溜めたひらめきを消費することで味方にスペル強化を付与したり、ただでさえ倍率700%と攻撃力の高い「受け継がれし啓示」の火力を上げたりと、長所をさらに伸ばせる。
強いて言えば「付与するバフ・デバフがランダムで戦術に組み込みにくい」
「常に『ひらめき』の残量やスペル効果による『ひらめき』の増加量、行動に伴う『ひらめき』の消費など『ひらめき』を管理し続けなければいけないのでプレイヤーが頭を使う」
などの弱点はあるものの、長所に比べれば些細なもの。
総評するとゲーム最強クラスのマルチタレントと言って差し支えない強キャラである。
真理を追い求める者は真理より重要だ。
私には、あの永久に変動する数字を解析することはできないが、ここにいる者たちのことは理解しているつもりだ。
「6」の座を受け継いだ際に代々の「6」が蓄積してきた知識や記録も継承しており、
37の母である77が無限定者の試練を通して得た「エマネーションに数学で表せるような規則性などなく、エマネーションとは変動し続ける無理数の産物」という教団の求める真理に反する事実を知ってしまった6は、
教団の秩序を守るべくこれを誰にも話さずに自分の内に留めた。
しかし、エマネーションに対する研究が遅々として進まないことで6に疑いを持った210ら一部の信者に問い詰められ、エマネーションの正体を告白。210たちの信仰を打ち砕いてしまった。
彼がアペイロン教徒でありながら、信仰に背く事実を頑なに隠し続けることができた理由、それは彼の「真理を追い求める者は真理より重要」という考え方にあった。
数千年前にローマ帝国の戦火から逃れた者たちの集まりを原型とするアペイロン教団は、世界から受け入れられなかった者の受け皿となり続けた。
世間から爪弾きにされた人々を受け入れ、共に「真理の探求」という共通の目標を目指した教徒の生き方を、6は尊く思っていたのである。
だからこそ、彼らの生き様を壊さないよう、6は教主として島を管理し、「教団の思想は破綻している」という残酷な真実に苦しみながら、真理の破綻を隠し続けていたのだ。
彼は「長年追ってきた真理が、本当は偽りのものだった」という苦しみを知る先達として信仰を砕かれた210たちに共感しており、
210たちの「ストームに飛び込む」という自殺行為を理解できずに止めようとした37を制止し、210たちの選択を見届けている。
CV:廣瀬大介
アぺイロン教団の一員。神秘学家。
頭からブドウがぶら下がっているという奇妙な風貌をしているが、教団の中では外界との交流経験が多く、どちらかと言えば教団外の常識に寄った人物。
論理の通った話し方をするが、37からは「過剰な修飾で相手を煙に巻こうとしている」(意訳)という評価を受けている。
37・6・ソフィアとは幼なじみである。
とっくに知ってたんだな?!四年前の、6になった瞬間から!!
「エマネーション」が超絶的規律の現れではなく、超絶的規律の紊乱だと!!
永遠に超越した数学天国などなく、われらが崇拝していたプネウマの本質は、ただの変動し続ける無理数なのだと!!
軽薄な態度の目立つ210だったが、彼も他の教徒と同じく、真理を求める敬虔な数学の徒であった。
同じ教徒の888から、歴代の6が禁じたはずの無限定者の試練に77が挑み、帰還していたことを知った210は6に不信を抱き、考えを同じくする教徒とともに6を問い詰める。
はたして、210の予想通り6はある事実を隠していた。「エマネーションは変動し続ける無理数の産物」「教団が追い求める『真理』は破綻している」という彼らにとって最悪の真実を。
アルカナが起こした島への攻撃が終わった後、信仰を失った210たちはひとつの決断をする。それは真理を求めて、自らエマネーションに踏み入ることだった…。
CV:
小林ゆう
アぺイロン教団の一員であり、37の親友である赤髪の少女。神秘学家。
もともとは幼いころに教団の外からやってきた人物であり、教団の外からの出来事が島に持ち込まれた際に対応するという役割を担っている。
彼女の名前が数字ではないのは、「魂の数字」を見つけられていないからである。
37は自身の能力でそれを見たが、他者から数字を明らかにされるのを恐れたソフィアは、それを瓶に詰め海に投げてしまった。
ヴェンデッタと財団が持ち込んだ争いと、結界が弱まったことによる島の結界の弱体化、そしてアルカナの思惑通りやってきた、ストーム症候群に侵された人類の軍隊による攻撃による島の秩序の崩壊に直面。
ソフィアは長年の信仰にすがりつき平静を保とうとするも、唯一の希望と思っていた、無限定者の試練を乗り越えた37が得た答えが、それ単体では意味をなさないパスコードであることと、
37が平然と「それを解析して術式のかたちにするには時間がかかる」と答えたことで、「信仰は暴力の前に無力である」と半ば確信してしまい、
現状を理解していない37への怒りと悲しみ、友情の裏に長年抱えてきた37への劣等感がないまぜになり、衝動的に彼女の元を離れてしまう。
そんな彼女の前に、アルカナが現れる。
ヴェンデッタへの加入を促すアルカナにソフィアはわずかに残った信心で反論するが、アルカナはそこでソフィアに、あるものを手渡す。
そなたが彼らの一員となったことなど、あったのかしら?
アルカナが手渡したのは、かつてソフィアが海に捨てた、魂の数字が書かれた紙の入った瓶。
そこに書かれていた数字は√2。自分が無理数であり、教団と相容れない存在であることを知ったソフィアは、アルカナの勧誘に応え、信仰を捨ててヴェンデッタの一員となってしまう。
しかし、人類への復讐を宣言しつつも37との友情を捨ててはおらず、37と敵対しつつも、彼女に倒されるのならばそれでいいとも考えていたが、戦意を持てない37が手加減したことで思惑は外れた。
生き延びた彼女は宣言通り島と信仰を捨て、「伝道者」と呼ばれてアルカナ亡き後のヴェンデッタの指導者となっている。
【1914年のウィーン】
CV:
斎藤千和
神秘学家の互助サークル
「魔の輪」のメンバーにして創設者。本名はクララ。神秘学家。
現在名乗っている「カカニア」という名前は、ハインリヒから貰った、作家のロベルト・ムージルが手掛けた小説『特性のない男』に登場する用語が由来で、
当時のウィーンが属するオーストリア=ハンガリー帝国のことを指す略語。
本人曰く
「K.K.であり、K.U.K.であり、「クソみたいな場所」を指してる言葉なんです!とても的確だと思いませんか?」
しかし、『特性のない男』は1914年においては上梓されておらず、この1914年に存在するはずのない名前のためにホフマンとマーカスからは「ヴェンデッタに関わる人物ではないか」とマークされることになる。
「魔の輪」を設立し神秘学家の受け皿となるなど活動的で、気丈な性格の女性。カウンセラー業を営むことから社交性も高く、若干押しの強い部分はあるものの人と距離を詰めるのが得意なコミュニケーション強者。
鏡を通して人の心を覗き見る神秘術を持ち、その能力と心理学者ジークムント・フロイトの教えを使ったカウンセラー業を営みながら魔の輪の活動に勤しんでいる。
神秘学家への差別に満ちたこの世界を憂いており、魔の輪の活動を通じて神秘学家が「抑圧から開放され、本能の情熱を抱きしめる」…即ちありのままに生きられる世界を目指している。
その夢に対する情熱は本物で、6章の冒頭ではイゾルデを見世物のように電気治療の実験台にした貴族医師のシュワルツのもとに乗り込んで彼を糾弾、
それが原因でシュワルツから決闘を申し込まれた際には、負けたら死ぬと知りながらも躊躇いなくそれに応じている。
本編では6章「星は光りぬ」から登場。
冒頭で糾弾した貴族医師・シュワルツから申し込まれた決闘を受けた際に、シュワルツのイカサマを見抜き自身を助けたマーカスと友誼を結び、彼女を後日行われる魔の輪の展覧会に招待する。
その後はイゾルデの定期診療を行い、自罰的なイゾルデに、マーカスが明かした市井で話題の「教団の島」の内情を交えた前述の夢について語りながらエールを送った。
その場はイゾルデを前向きにすることに成功し、安心した彼女は展覧会の当日を迎えるが、展覧会で彼女が目にしたのは、ハインリヒとともにウィーンの神秘学家に蜂起を呼びかけるイゾルデの姿であった…。
キャラクターとしては木本源。タグは「防御/サポート/瞬間火力」。
基本的には味方のダメージを引き受けパーティの耐久力を増す、いわゆる「タンク」役なのだが、実態はタンクという役割に収まらない「タンク兼バッファー兼サブヒーラー兼サブアタッカー」とでも言うべきマルチタレント。
要約すると
- 常時味方の受けるダメージの半分を負担し、負担したものを含むカカニアが受けるすべてのダメージの10%が「共感」という専用のパラメータとしてカウントされる
- 一定数共感が蓄積するごとに味方全体を回復。また何らかの手段でHPが回復すると、敵全体に 「共感」 のカウントに比例したダメージを与える
- 攻撃スペル「潜在意識」には「共感」 のカウントに比例したジェネシスダメージが加算され、味方への攻撃力バフスペル「自由連想法」は「共感」のカウントが大きいほどバフの数値が大きくなる
- 「共感」には上限があり、 MAXになってしまうとダメージ負担能力を一時的に失うが、アルティメット「イド・自我・超自我」を発動すると「共感」 カウントをリセットしつつ、発動時の「共感」カウントに応じたダメージを相手一体に与える。
「共感」 カウント次第では本職のアタッカー顔負けの瞬間火力を叩き出す
という多彩な能力を持ち、カカニアをパーティに入れるだけでパーティの耐久力・火力が大きく増加する。
このため多くのプレイヤーからは「どんなコンセプトのパーティにも入る余地がある」と言われ、敵との本源相性を無視してパーティに入れられることもしばしば。
強いて言えば、カカニアの行動の全ては相手からのダメージ(で貯まる共感)が起点になるため相手が強敵でないと真価を発揮できないことと、
その性質上激しくHPが減るため常にカカニアのHPを注視・管理する必要があるのは欠点だが、その欠点を差し引いて余りある強さを持つマルチタレントであることは間違いない。
ハインリヒとイゾルデの呼びかけによってウィーンでは神秘学家の暴動が起こり、「魔の輪」の構成員は暴動の首謀者とみなされてカカニアも含めて指名手配されてしまう。
そんな中でカカニアは独自にイゾルデに接触して彼女の真意を問いただすが、
イゾルデから返ってきたのは「お医者様の『抑圧から開放され、本能の情熱を抱きしめる』世界を実現する手伝いのために、マヌス・ヴェンデッタの力を借りた」
「もうすぐストームによってこの世界は過去に戻り、ヴェンデッタに選ばれなかった人間は消え去る」という衝撃の言葉だった。
カカニアはイゾルデを説得しようとするが彼女は意に介さず、それどころか「テオフィルは正当防衛で死んだのではなく、イゾルデには彼に対する殺意があった」というもう一つの真実で追い打ちをかける。
イゾルデの言動と明かされた真実を前に、カカニアは気づきたくなかった事実に気づいてしまう。
精神科医を名乗りながら、自分はイゾルデのことを何も理解できていなかったこと。
これまで掲げてきた「抑圧から開放され、本能の情熱を抱きしめる」世界は、曖昧模糊な理想論でしかなかったこと。
そしてその曖昧模糊な言葉が、親友を凶行に走らせ、それどころか故郷・ウィーンを無に帰すこと。
抑圧していた「本能の情熱」を解き放ち自由となったイゾルデを前に、恐怖したカカニアは衝動的にその場を逃げ出してしまうが、
混乱するウィーンの街で放浪していたところで、彼女はイゾルデとハインリヒの行く先に関する手がかりを探していたマーカスと再会。
カカニアは「今日開かれる予定だった『トスカ』の初演に彼女は現れる。なぜなら彼女には『自身の演じる作品は完璧でなければいけない』という強迫観念があるから」と推理し、イゾルデと再び対面すべく二人とともにフォルクスオーパーに向かう。
ストーム症候群で人々が発狂するなかカカニアはもう一度イゾルデの説得を試みるが、イゾルデには通じない。
それどころかイゾルデは「カカニアよりもヴェンデッタの使命を優先させたのが不服なら、ハインリヒを殺して償いをする」とカカニアの言葉を曲解。同胞であったハインリヒを躊躇いなく射殺してしまう。
これにカカニアは完全に心が折れてしまうが、そこに師のホフマンの言葉によって再起したマーカスが手を差し伸べる。
マーカスは、アルカナと接触したイゾルデはテオフィルが絵画「救い」に残したストームへの対抗術式をこの目で見たと推測。
カカニアと自身の神秘術の合せ技で、イゾルデにあるはずのアルカナが描いた術式の記憶を探り、それを使って「救い」を解析することでストームへの対抗術式を手に入れられることと、
それにはカカニアの協力が必要不可欠であると告げ、カカニアに協力を要請。
犯した過ちの罪滅ぼしをすべく、カカニアはマーカスへの協力を承諾する。
それが、かつての盟友の心を乱暴に暴く残酷な行為であると知りながら。
自分とマーカスが見つけたストーム対抗術式が形になったことをルーシーから告げられ、同時に術式の原型である「結び目」の詳細を知ったカカニアは、
それが成功率が低く、失敗すれば呪いの降りかかる未完成品と知りながらも、まだ正気を保っているウィーン市民に「結び目」を広めることを決断。
マーカスに別れを告げ、彼女は混乱の渦中にあるウィーンに戻っていった。
神秘学家も人間も、マジャル人もドイツ人も、商人も貴族も、みんな私の仲間です。
───誰しも、生きる機会を得るべきです。
スーツケースに迎えられたカカニアは「星は光りぬ」「孤独の歌」を経験してきたようで、以前の明るさは鳴りを潜めた自罰的な性格になっている。
スーツケース・ウィルダネス内で聞けるセリフも、なにかにつけて自罰をする痛々しいものばかり。
…彼女が前を向き、以前のように明るく振る舞える日は来るのだろうか。
あの歌声、聞こえます? ええ、イゾルデです…ああ、まだ歌の練習を…
悪夢は見てそうですか? けいれんの症状は?あぁ、質問が多すぎましたね…
現状すら変えられなかった者の慰めなど、症状を悪化させるだけだというのに。
CV:
浅倉杏美
「魔の輪」のメンバーの一人。
ウィーンの名門貴族・ディッタースドルフ家の令嬢。神秘学家。
1914年のウィーンで人気を博すオペラ歌手であり、「霊媒」の神秘術により演じる役に適した霊を憑依させることで常人には不可能な迫真の演技を行う。
しかし霊という他者を憑依させることには精神の消耗と身体の不調を伴い、身体の面では突発的なてんかんの発作に悩まされていて、
精神面でも同じく突発的なヒステリーに度々襲われるため、オペラの才能と神秘術の2つと引き換えに健全な日常生活を失っている。
これに加えて霊媒体質のせいで霊に好かれるらしく、意図せず霊を呼び込んでしまう。
一見すると物腰の柔らかい、気品に溢れた貴人のようだが、実態は上記の神秘術の副作用もあってネガティブで病んだ性格。
「ディッタースドルフ家にふさわしい人間でなければ」という精神的な重圧、「自分はしょせん霊に操られるだけの存在でしかなく、真の意味でのディーバとは言えない」という認識から来る自罰、
誰にも苦しみを理解されず奇異の目で見られることへの不服によってその精神は崩壊寸前の状態にあり、
唯一自身を励まし、「ディッタースドルフ家の令嬢」「幽霊の力を借りている偽りのディーバ」ではない自分自身を見てくれたカカニアを「お医者さま」と呼んで強く依存している。
本編では6章「星は光りぬ」において、精神・身体両面の不調を治すべく、貴族医師のシュワルツが行う効果が立証されていない電気治療を受け、電気ショックに絶叫するという衝撃的な登場を果たす。
その場はカカニアの介入により助かったものの、セセッション館での「魔の輪」の会合ではてんかんとヒステリーを起こし、降霊術が暴発して気絶してしまう。
周囲に迷惑をかけながら生きている事実にすっかり参っており自罰的な振る舞いが目立ったが、カカニアの前述した、アペイロン教団の島の実態を交えたエールにより再起。
無事に魔の輪の展覧会の当日を迎えるが、彼女はなぜかそこで、ハインリヒと共にウィーンの神秘学家に蜂起を呼びかける。
キャラクターとしては霊本源。タグは「アタッカー/サポート/燃焼」。
スリップダメージ系のデバフ「燃焼」を敵に付与しながら、敵にデバフをかけて味方を支援し、同時に敵に付与した熱量に応じて自身を強化していくサポーター。
範囲デバフ「意志の自由」の汎用性により様々なパーティに入りうるが、真価はカエンボクやロペラなど、同じく「燃焼」デバフを付与できる味方と組み合わせることで発揮される。
いいえ、お医者さま、違うの。わたしはもう完治しているわ。それもあなたのおかげで!だから今度は、わたしたちが共にこの世界の病気を治す番よ。
その上辺に塗られた顔料を剥がし、その裏にある本当の色をあらわにして、もう一度作り直すの───
カカニアには明かしていなかったが、テオフィルやハインリヒと同様にマヌス・ヴェンデッタに接触していた。
カカニアの明かした「抑圧から開放され、本能の情熱を抱きしめる」夢と、神秘学家が自由に暮らす島のことを聞いたイゾルデは、
彼女の夢を実現すべくハインリヒとともに再度ヴェンデッタに接触、ヴェンデッタの計画に乗ってウィーンの神秘学家たちを扇動したのだった。
イゾルデはカカニアにヴェンデッタとストームの存在を明かし、ヴェンデッタこそがカカニアの理想を叶えることを教えるが、「神秘学家だけの世界」なんて望んでいないカカニアとは話が噛み合わない。
しかし、自身を苦しめていた苦悩を捨て去り本能の情熱を抱きしめたイゾルデは止まらない。
彼女は予定通りフォルクスオーパーでの、オペラ「トスカ」の公演に出演すると、
正気を失い、自身を「トスカ」の登場人物・スカルピアと思い込まされたウィーン支部の財団職員・カールを「トスカ」の筋書きに則って刺殺。
それを皮切りに起こったストーム症候群でウィーンが大混乱に陥る中、説得に現れたカカニアともう一度対面する。
正気とは思えないイゾルデを思わず拒絶してしまったカカニアの言葉が引き金となり、罪悪感に言葉が出せないカカニアにすがりつくように、イゾルデはなぜ自身を拒絶するのかを問う。
…鏡を見ているかのように、わたしはあなたの夢の中で自分を、存在価値を見出したの。
あなたと話したあの誰そ彼の日、 わたしは初めて太陽を見たのよ。
あなたの夢がわたしの虚しい人生を満たしてくれた。おかげでわたしは…呪いの容器から抜け出せたわ。
あなたの夢があまりにも美しくて…それを覗き込んでいる自分の…醜さを忘れるほどに。
わたしはただ、あなたの理想を叶えて差し上げたかっただけ。それが…間違いだったの?
カカニアは「(理想を実現するために)あなたが犯罪に走るなんて望んでいない」と説得するが、
ヴェンデッタの思想に取り憑かれたイゾルデは「財団は何も教えてくれなかった、だから財団が抑圧していた全てを解放する必要がある」と言って聞き入れない。
彼女はストームの影響で現れた、この先に起きるはずだった悲劇───第一次世界大戦によって死んだ人々の幽霊の存在を示唆し、この世界はカカニアの言うような理想の世界にはならないと告げる。
ふふ、あはははは…わたしには彼らが見える、その声が聞こえる。未来に生まれる歴史の幽霊は、今、この街の空を彷徨っているの!
穴が空いた頭!銃弾が嵌め込まれた頭!空っぽの胃袋!幼い、赤子のような幽霊…見える、見えるわ!瓦礫の山と荒れ果てた街、死へ向かう満員列車!
もうすぐ、全てがやってくるわ、 もうすぐよ!木の枝に巻かれた腸は春に咲く花より艶やかに見えるわ!
弾丸、ヘルメット、ガーゼ…あーっはははは!
もはや反論するだけの力を失ったカカニアが絞り出した「あなたが人を殺すなんて思ってもみなかった」という言葉を、彼女は「カカニアよりもヴェンデッタの使命を優先させたのが不服だったのだ」と曲解。
ハインリヒを殺して償いをすることを決心し、同志だったハインリヒを躊躇いなく射殺してしまう。
カカニアに拒絶されたイゾルデは、混沌と化したウィーン市街に戻っていた。彼女らを迎えに来たミュオソティスの戒めの言葉も、孤独と悲しみの渦中にある彼女には届かない。
しかし、そんな彼女の前に再びカカニアが現れた。笑顔を取り戻すイゾルデだが、彼女は知らない。カカニアが、かつての盟友の心を暴くという悲壮な決意を胸に抱いて現れたことを。
カカニアの催眠術により正気を失い、カカニアたちと過ごした幸せな日々を夢に見続けており、
マーカスたちを迎えに来た財団のチームに保護され、財団の地下収容所で余生を過ごすことが示唆されている。
財団と合流した経緯が特殊なためか、プロフィールの表記も一般的な神秘学家が「◎◎に展示された・されている」「財団に管理されている」といった表記なのに対し、唯一「財団に封入されている」という表記がなされている。
ヴェンデッタに加担してストーム発生の片棒をかつぎ、ウィーンを滅ぼした、
オブラートに包まず言えば6章における全ての元凶と言える人物。
プレイアブル化している彼女は「星は光りぬ」「孤独の歌」を経験してきたようで、既に正気は失われている。
このため、ストーリーを読み終えたタイムキーパーたちからは
「この人がプレイアブルになっちゃダメ、そっとしておくべき」
「魔性菩薩が平気な顔で自軍入りしてきた時以来の衝撃」「こんな人だって知ってたらガチャを引かなかった」など、阿鼻叫喚の様々な感想が聞かれた。
財団の地下で、まどろみの中生き続ける彼女。
彼女が目覚める時、そして己の犯した罪と向き合う日は、果たして来るのだろうか。
イゾルデの兄。故人。神秘学家。
ディッタースドルフ家の例に漏れず彼も霊媒の神秘術を持ち、それを利用して画家として活動していたようだが、神秘学家としての格はイゾルデより落ちる模様。
6章のスタート以前に自身に火をつけて自殺しており、その際に近くにいたイゾルデに燃え上がりながら襲いかかり、イゾルデはやむなくこれを射殺。イゾルデにトラウマを残した。
彼の手掛けた絵画の多くは彼自身とともに焼失したが、彼が最後に残した絵画「救い」は焼失を免れており、魔の輪の手に渡って展示されることが決まっている。
自殺した理由は6章のスタート以前にハインリヒとイゾルデと共にマヌス・ヴェンデッタに接触し、この世界の真実を知って絶望したため。
しかし、貴族らしく民衆を見下しつつも、ストームに襲われ続けるであろう彼らを不憫に思い、「救い」にヴェンデッタの持つストーム免疫スペル「はじまりの円」の情報を残した。
また、イゾルデは当初「テオフィルに襲われたため、やむなく近くにあった銃で射殺した」と供述していたが、実際は死にきれずに介錯を求めたテオフィルを明確な殺意を持って射殺していた。
「魔の輪」のメンバーの一人。神秘学家。
快活で親しみのある性格の好青年。
しかし、出会った人の名前を無視して戯曲の登場人物の名前で呼ぶ困った性癖がある。
というか、ウィーン支部の職員・カールと対面した際には、彼を戯曲「トスカ」の登場人物・スカルピアと呼び、カールの「娘がいる」という事実を捻じ曲げて、戯曲に沿って「息子さんは元気かな」と話しかけていることから、
彼にはこの世界に生きる人間が戯曲の登場人物に見えている可能性がある。
第6章で登場。ホフマンとマーカスがウィーンにやってきた時点では彼の存在は重要視されていなかったものの、
ホフマンは後に財団調査員のセンメルワイスから「以前のストームをヴェンデッタと関わることで乗り越えた『ハインリヒ』という神秘学家がウィーンにいる」という情報を聞き、彼をヴェンデッタに関わる重要人物としてマークする。
6章の開始以前にイゾルデ・テオフィルと共にヴェンデッタに接触しており、そこでストームの存在を知るとともにそれを乗り越えて1910年代のウィーンにたどり着き、過去を偽って魔の輪に接触・加入していた。
ホフマンとマーカスが彼の確保に動いた矢先、彼とイゾルデはヴェンデッタのバックアップを受けてウィーンの神秘学家を扇動。ウィーンは神秘学家たちの暴動により大混乱に陥る。
その後は姿をくらましていたが、イゾルデとハインリヒを改めて確保すべく、イゾルデが主役を務めるオペラの会場であるフォルクスオーパーにやってきたマーカスとホフマンの前に、ヴェンデッタの仮面を身に着けて登場。
ホフマンの「テロリストと話すことなどない」という言葉に反応し、彼は自分がこの時代を破壊する理由を語った。
…ショパンの前奏曲を最もきれいに演奏していた僕の友、ベンは──左腕と左足を戦場に置いたまま帰還した。
エマニュエル。詩を書くための両手は不眠不休で塹壕を掘らされ、機関銃の掃射を乗り越え疫病で死んだ。
筆を走らせ、鍵盤を駆け、物語を創るための両手が…人間の偏狭さと偽善のせいで、煽り立てられ、そそのかされ、次々と砲火の前へ送り込まれた…
才能のせいで人間からのけ者にされ、その人間の争いごとのために命を落とす友人の姿を、僕はただ傍観することしかできなかった。
レディ、あなたもよく知ってることだろ?なのに、僕たちのことをテロリストだなんて──よく言えたものだな?
ハインリヒがヴェンデッタに与した理由。それは本来の世界で未来において起こる第一次世界大戦の惨状と、それに人間の都合で巻き込まれた友の悲惨な末路を見てしまったことによる、人間への怒りと絶望だった。
故に彼は、本来の歴史では第一次大戦の前夜と言われたウィーンで歴史に介入してストームを起こし、戦争が起こる前に同胞たちを、ヴェンデッタが語る「神秘学家至上主義の世界」に導こうとしていたのだ。
このように時代のうねりと人間の業に振り回されたシリアスなキャラクターなのだが、
- 正体を明かす前の印象に残る爽やかな笑顔
- 正体を明かして仮面を装着した後の尊大でハイテンションな振る舞い
- 決して笑えるものではないのだが、冷静になって聞くとちょっとシュールな「死んでくださいハインリヒ」というマーカスの激昂
などがネタにされ、本作屈指のネタキャラとしてタイムキーパーから愛されている。
【???】
ストーリーの幕間に登場し、ヴェルティ、あるいはプレイヤーに話しかけてくる謎の存在。通称「小道おじさん」
皮肉と比喩たっぷりの謎めいた言動で聞き手を煙に巻いてくるが、その内容はよく聞くと直近のエピソードと連動しており、ヒントや考察の材料となっている。
女の方は「第三の門」にも登場し、こちらでもやっぱり意味深な語りでプレイヤーを煙に巻いてくる。
本作のキーパーソンの一人と目される謎の人物。
名前や役職は時代によって違うが、様々な時代に、ほとんど外見を変えることなく存在している。
「朔日手記」では、人の骨に刻まれた「骨相」を読むことで相手のパーソナリティを知る能力を持つ葛天から「骨相が読めない」「妖でも人でもない」「汝に出会った瞬間、直感が逃げるべきだと告げた」と評されるなど、
各時代に出没していることも併せて「普通の神秘学家ではない」ことは察せられるが、それ以外の部分については現状では謎だらけの人物。
初登場はイベント「リメカップ窃盗事件」の冒頭。
この時はペーパーボーイに声をかけられるだけの端役であり当時は誰も気に留めていなかったが、後述するベスミエルやマーサの登場によって考察派のプレイヤーに「この人も『盲目の女性』なのでは?」と再注目された。
本格的に登場したのはVer1.6のイベント「朔日手記」で、この時の名前はベスミエル。神秘学家のエニセイを伴い、失われた古代の神秘術について調べていた。
「星は光りぬ」「孤独の歌」では、アペイロン教徒のマーサとして登場。彼女は210たちとともにストームの中に消えていった。
「悲しき熱帯」ではドクター・ドレスという名前で登場。彼女のデスクからは、幾多の時代から雑誌「UTTU」に投稿を繰り返してきた投稿者「ウルド」の名が書かれた原稿が見つかっているが…?
他にも、「さらば、ライヤシュキ」でレポートを書いていた謎の人物にも「盲目の女性」疑惑がかかっている。
【用語】
21世紀を迎えようとしていた世界に訪れた、ゲームのタイトル通り時代を西暦2000年以前に戻した謎の災害。
21世紀の寸前に起こって以降複数回発生しており、現在の世界はストームが発生するたびに2000年以前のランダムな時間軸にジャンプする異常事態の最中にある。
このため、この世界では「未来」「過去」といった時間の数え方が意味をなさなくなっている。
5章ではストームに影響されない島で正確に時間を記録していたアペイロン教団により、ストームさえ起こらなければ、世界は2007年を迎えていたことが判明している。
ストームが発生するとその時代にいた人々は消え去り、逆行した時代に沿った人物が再配置される。このため、財団に関わらない一般人にストームのことは殆ど知られていない。
逆行した時代においては本来の時間の流れで起きた出来事が再現されるが、後述するストームの影響を受けなかった者が歴史に介入することで、それらの出来事の発生を早めることが可能。
ストームが近づくと「ストーム症候群/時代病」と呼ばれる異変によって世界とそこに住む人々に異常が起こり、最終的には「逆再生のように天に昇る雨」という異常現象と共にストームが発生する。
ストーム症候群の症状は何故かその時代の特徴や、その時代で起きた出来事の悪質なパロディとなっていて、具体的には
- 人間の血管が金属線に置換されて即死する(1997年)
- 人間が幾何学体に変身、即死する(1987年)
- 現金が食料に見える幻覚を見る(1929年、1章~2章)
- 人間と世界が油絵のように変化して溶け出し、影響下にある人間は性格が攻撃的・暴力的に変化。些細なことで暴力を振るうようになる(1914年、6章~7章)
などの症状が確認されている。
またこれ以外にも「『親殺しのパラドックス』が発生せず、『過去の自分』と出会う事例の報告がない」「過去に存在した人物が、名前は一致しても顔や性格、立場が変わっていることがある」などの異常も発生しており、
第1部が終了した現在でもストームに関する謎は多い。
これらストームに伴う現象を感知し、抵抗できるのは神秘学家だけで、その神秘学家もストームの影響を受けない場所にいなければ一般人と同じくストームで消え去ってしまう。
現状、ストームの影響を全く受けない人物はタイムキーパーであるヴェルティのみ。財団とヴェンデッタの本部やヴェルティのスーツケース、アペイロン教団の暮らす島など、ストームの影響を受けない場所はわずかに存在する。
またヴェンデッタは後述する「仮面」と、ストームへの対抗スペル、通称「はじまりの円」など複数のストームへの対抗策を持っており、財団がヴェンデッタを追う目的にはこれらストームへの対抗手段の入手・解析も含まれている。
最初のストームの発生原因は不明。
マヌス・ヴェンデッタは「本来の歴史において、時代の転換点になった出来事がトリガーになってストームが発生する」ことを突き止めており、
逆行した世界に介入して時代の転換点になった出来事をより早く発生させることでストームを短いスパンで起こしている。
対する財団も、ストームの火種になりうる出来事が起きると予想される地域を「臨界点」に指定し、専門の調査隊「委託契約チーム」を臨界点に駐在させてヴェンデッタに対抗している。
神秘術と呼ばれる異能の力を持つ人々の総称。
この世界において彼らの存在は広く認知されており、歴史や伝説に伝わる魔法や超能力などのオカルトの多くは、この世界では神秘学家の持つ神秘術であったとされる。
各人が持つ
「グノーシス」と呼ばれる力が神秘術の源で、いわゆる「生命力」「魔力」的なエネルギー
「プネウマ」によって発動する。
劇中では「プネウマ」という単語で一括りにされているためわかりにくいが、「神秘学家が体内で生成するプネウマ」と「世界に満ちるプネウマ」の2種類が登場する。
『Fateシリーズ』のマナとオド、
『STAR WARSシリーズ』の
リビング・フォースとコズミック・フォースのような関係を想像してもらうとわかりやすい。
力の強さは体内に流れる神秘学家の血の濃さと強さ、即ち血統で決まる。このため人間と神秘学家の間に生まれた混血の神秘学家は純血の神秘学家よりも力では劣る。
特訓が無意味なわけではないが、基本的に血統の格差が努力で覆ることはない。力の弱い神秘学家は高レベルの術の仕組みを理解できても使用することはできず、最悪の場合は術の効果を発揮できないばかりか反動を受けてしまう。
神秘学家の能力には類似するものはあれど、完全に同一な能力は存在しない。
能力の具体例を挙げると
- 「墓碑を通して、埋葬された死者の声を聞く」(ネクロ・ロギスト)
- 「自身が創作したホラー映画にまつわる物品・クリーチャーを実体化させる」(ジェイミー)
- 「舞踏を通じて自然の力を借りる」(シャーマィン)
- 「触れた者をトリップさせる泡を作り出す」(ディガー)
- 「飼っているコブラ『プーンギ』との意思疎通」(カンジーラ)
- 「育成ゲームに登場するエミューのキャラクター『ポラビ』の実体化・使役」(サンド・フランネル)
など人によって千差万別で、「普遍性を持たない、解析不能な力」であることが劇中では度々強調される。
一方で体系化もされているようで最前線学校では神秘術の制御・特訓の方法を生徒たちに教えており、「神秘学家なら誰でも使える汎用的な術」も登場する。
また「神秘術を宿したアイテム」もいくつか登場しており、これを使えば人間でも術を使用できる。
神秘術を持つ一方で、精神面では常人よりも脆く、感情的であることがロード中に読めるtipsで強調されており、心の弱さ故に思い悩んだり、間違いを犯してしまった神秘学家も数多い。
イベントでは、そうした心の弱さから道を踏み外しかけた神秘学家の成長や再起が物語のメインテーマとなる。
しかし劇中ではこの「神秘学家は感情的」という定説に反論する人物も登場し、前述のようにホフマンは「神秘学家が感情的な人間に育つのは環境のせい」という持論を語っており、
6も「真理を追い求める姿勢は人間も神秘学家も同じ。我々と彼ら(人間)に違いはあるのだろうか?」と疑問を投げかけている。
聖パブロフ財団の活動もあって世間に浸透してはいるものの、20世紀末に入っても完全に社会に受け入れられてはおらず、神秘学家たちは差別の対象になることも少なくない。
ストームの影響で逆行した時代においては神秘学家に対する認識も古くなっていて、20世紀末よりも強い差別を受けている。
また、一部では神秘学家同士でも能力の高低で差別が発生しており、イベント「モル・パンク遊記」では、低い能力が原因で神秘学家の世界にも居場所がない神秘学家の悲劇が描かれた。
神秘学家であるかどうかは「神秘術が使える」という一点だけで判断されているようで、神秘術が使えさえすれば人間でなくとも神秘学家として扱われる。
プレイアブル化しているだけでも、ボーダーコリー(ピクルス)、剣と鎧(ナイト)、
宇宙人(ボイジャー、ギベオンズアイ)、喋るリンゴ(APPLe)、テレビに閉じ込められた少女(TTT)など、さまざまな神秘学家が存在する。
アーティスト・クリエイターとして大成する者が多いらしく、カカニアいわく「ウィーンで神秘学家の芸術と才能の貢献を認めないのは、この街そのものに火をつけるも同然」。
各神秘学家には歴史上の出来事や神話、童話などのモチーフがあり、
例を挙げれば「ナイト」は、叙事詩「ローランの歌」と、ローランが持つが持つ聖剣デュランダル、シャルルマーニュ伝説が元ネタの騎士道物語『不在の騎士』がモチーフと言われる。
「ホーム画面に遷移した際、一定の確率で物言わぬ絵画になってしまう」「戦闘中、控えにいる(スーツケースから顔を出している)神秘学家はそれぞれ異なった動物『ユーディモ』に変身してしまう」
など、未だに一切説明がなされない謎の演出もあり、神秘学家は「ストーム」と並ぶこのゲームの根幹にして最大の謎となっている。
何らかのきっかけで無機物に魂を宿した存在の総称。
意識覚醒者であるウルリッヒいわく「原始的な律動を物体に宿したもの」「身体に依存しておらず、身体を失おうとも何度でも目覚めることができる」らしく、劇中ではルーシーとウルリッヒが言葉通り、神秘術の強烈な反動に晒されながらも生還している。
現在はプレイアブルキャラとしては
APPLe(リンゴ)、スプートニク(人工衛星)、ミス・ラジオ(ラジオ)、ルーシー(蒸気機関のピストン)
パイオニア(マネキン)、ホワイトラム(ボトルシップ)、つば広ハット(帽子)、ロガーヘッド(映写機)
の8名が参戦しており、また非プレイアブルキャラには上記した磁性流体の意識覚醒者・ウルリッヒがいる。
一方で同じく無機物が意識を持っているように見えるTTTやナイトは一見意識覚醒者に見えるが神秘学家として扱われており、どこが意識覚醒者と神秘学家の境目なのかは判然としない。
ちなみに、財団の新人に向けた意識覚醒者と接する際のマニュアル、というていのあるテキストでは、意識覚醒者について説明する例として
何故かトースターが挙げられている。財団違いです。
人間ではない、かつ意識覚醒者(無機物)ではない神秘学家の総称。
現在はプレイアブルキャラとしては
- ゼノミリタリーの「軍事用魔精を生み出す」実験で生まれ、神秘学家に目覚めた実験体・ジェシカ
- 外宇宙の存在であるギベオンズアイとボイジャー
- サキュバスのアンジョナナ
の4名が参戦している。
意識覚醒者と同じく、どんな要素が一般神秘学家と超自然者の境目なのかは現在判然としておらず、ボーダーコリーの神秘学家・ピクルスや、ウルル運動会の聖火として古代から存在してきた「精霊」めいた存在のウル、
古代中国の伝説に登場する怪鳥「滅蒙鳥」と同一視される葛天は超自然者ではなく神秘学家として扱われている。
神秘学に関連する生物の総称。
神秘術と同じく、伝説に伝わる生物の多くは、この世界では魔精であったとされる。
危険な個体も少なくないことから普通の野生動物と同じく世間からは一定の距離を置かれているが、
危険な魔精の脅威から人々を守る役目を担ってきた一族の現在の当主・ニューバベルは、魔精への強い愛情から魔精の管理とペットとしての販売を行う「ニューバベル魔精社」を設立し、
魔精をペットとして広めることで世間の魔精への認識を変えようと活動している。
その一環として、攻撃性を持たない品種改良で生まれた新種の魔精「ノロリン」をペットとして販売しており、神秘学素材をエネルギーに変換する性質もあって売れ行きは好調らしい。
ゲーム中では主にエネミーとして登場。
また、イベント「レイクミドロの悪夢」では、人間に訓練された魔精上がりの神秘学家・ジェシカが登場する。
神秘学家の支援を目的とする組織。
神秘学家の保護と世間への浸透を任務としており、ストームの発生以降はストームの解析と、ストームを人為的に起こそうとするマヌス・ヴェンデッタへの対抗も行っている。
構成員には人類も神秘学家もいる。
彼らの尽力によって神秘学家の世間における立場が向上したことは確かなのだが、
長い活動の中で構成する人員の一部は腐敗してしまっており、「心の弱い神秘学家を保護”してやっている”」という傲慢な考えを持つ構成員も少なくない。
さらには、人員の中には「人類至上主義」を掲げている過激な差別主義者も交じっており、現状は一枚岩の組織ではない。
また運営体制はトップから現場レベルに至るまで官僚主義的で柔軟性はあまりないようで、それを嫌って財団と距離を置いて独自に助け合う神秘学家も多い。
6章ではカカニアが主宰する、芸術サークルを兼ねた神秘学家の互助組織「魔の輪」が登場する他、
イベント「疾走れ!ゴールデンシティへ」で登場した神秘学家向けのフリーマーケット「ニューエイジマーケット」も神秘学家の互助組織の側面を持っていた。
本部と支部は使命を共有してはいるものの、支部は使命の遂行にあまり熱心ではない。一部の支部は神秘学家の保護という目的を放棄しているありさまで、清廉な組織とは言い難い。
多くの支部は本部と違ってストームの影響下にあり、ストームが発生するたびにそれに巻き込まれて知識がリセットされてしまうため、
そもそもストームを認識できずストームに対抗しているという自覚が持てないことも支部のモチベーションが上がらない一因となっている。
ホフマンはマーカスに対して、「支部職員は各地の行政機関と本部を仲介する官僚にすぎない。同じ地球市民だとは思うな(※要約)」と、支部職員の態度に関しては割り切るよう教えている。
下部組織にストームの研究や装備品の開発に当たる「ラプラス計算科学研究センター」と、
幼い神秘学家を保護・教育する学校「最前線学校」があるほか、軍事組織「ゼノミリタリーアカデミー」と協力関係を築いている。
また上位組織に「人類平和安全理事会(鳩小屋)」が存在しているが、8章実装時点では組織的な実態は不明で、その思惑も「ストームを乗り越え、人類を存続させる」という一点を除いてまるで判然としない。
聖パブロフ財団の下部組織で、幼い神秘学家を保護・教育することを目的とする学校。
生徒はここで神秘術の制御・特訓の方法を学ぶ。
財団の調査で神秘学家と判明した子供は幼い段階で両親の許可のもと親元から引き離され、この学校に入学する。
そんなシステムどっかで聞いたな…
ヴェルティ・ソネットはここの卒業生で、マチルダは風紀委員として財団の業務に就きつつ現在も最前線学校に所属している。
教育においては生徒の自主性はあまり尊重されず、授業の内容は画一的。
教育方針に反発する生徒は、反省室に収容されて反省を促される。
また、生徒の外部との接触は禁じられている。
閉鎖的な環境と画一的な教育内容、何より強制的な両親との別れによって「学校を脱出したい」という願いを持ってしまう生徒も多く、
第3章「物語は何処にもあらず」では、ヴェルティを中心に学校の外に憧れた生徒たちの脱出劇が描かれる。
マヌス・ヴェンデッタはこの学校の所在地を把握しており、
空を飛ぶ魔精・オリティアウを使って外の情報とヴェンデッタのことを生徒たちに教え、組織に勧誘していた。
ヴェルティが教師陣に反発し、最終的に同志を集めて脱出を試みたのも、オリティアウが落とした外の情報が書かれた紙を見たからである。
「神秘学家が支配する世界」を最終目標に掲げる神秘学家の組織。
人間を駆逐して神秘学家だけの世界を作ることを目的とし、そのために歴史に介入してストームの発生スパンを早めている。最終目的はストームによって世界を上古時代まで回帰させること。
差別的な扱いを根に持ってヴェンデッタに加入してしまう神秘学家は後を絶たず、財団はヴェンデッタへの対処に追われている。
能力の高低にかかわらず神秘学家を幅広く受け入れる一方で、人間に対しての振る舞いは残酷。
ストームの存在を知った人間には「ストームを防ぐ」という触れ込みの仮面を与えて一見すると救う姿勢を見せるが、
この仮面は「ストームを防ぐ」という効果こそ真実であるものの、装着した人間から徐々に理性を奪ってヴェンデッタの信徒に変えてしまう。
ヴェンデッタは各時代でこの仮面を使ってストームを知った人々を信徒に変え、手駒を増やしている。
第2章では本来の歴史より世界恐慌を早く起こして、市場の暴落に慌てふためく人々をあざ笑ったり、
イベント「モル・パンク遊記」では神秘術で天体を呼び寄せて大量虐殺を起こそうとするなど、人間への憎悪を隠そうとしない。
ただ神秘学家であればおおむね誰でも受け入れるものの、組織内では血統の強さが重要視され、強力な血統の神秘学家が重用される。
逆に忌むべき人間の血が混じっているせいか混血の神秘学家には冷酷であり、混血は組織に受け入れられない場合もある。
彼ら曰く「ストームは財団が生み出した」らしいが、詳細は現時点では不明。
財団ではヴェンデッタの構成員を
- 「仮面を装着し、ヴェンデッタへの狂信を植え付けられた追随者」
- 「仮面の装着後怪物に変身し、完全に人間性を失った信者」
- 「怪物に変異しつつも人間的な特徴を残し、追随者・信者を超える力を持つ門徒」
- 「仮面を装着せず理性を保った、幹部的な立ち位置の使徒」
の4つにカテゴライズしている。
7章で指導者アルカナを失ったことで組織としては弱体化したものの、依然として組織はソフィアを当面の指導者に据えて存続している。
また、「疾走れ!ゴールデンシティへ」ではヴェンデッタの下部組織「イルミナシオン」が登場し、ヴェンデッタを再起させるべく活動していた。
神秘学家を特集する謎の雑誌。
過去から現在まで古今東西の神秘学家のデータを収集してまとめており、その調査範囲は人間界から隔絶されているはずのアペイロン教団の島にまで及ぶ。
ゲーム内で読めるデータベースや神秘学家のプロフィールは「UTTUを読んでいる」という体を取っているほか、
前述した「UTTU閃光集会」は、神秘学家によるUTTUの読書会という設定。UTTU閃光集会はなかなかお目にかかれないレアイベントらしい。
なぜか神秘学家のことを生物ではなく「芸術作品」と認識しており、
ゲーム中のプロフィールでは
- 誕生日→「展示開始日」
- 現在の出身地→「展示場所」
- 身長体重等のデータ→「サイズ」
と、各種データの表記が人間を形容するには不自然な単語に置き換わっている。
「パンドラ・ウィルソン」という編集長と取材記者を兼任するスタッフが居ることが判明しており、
各神秘学家の絆を上げると読めるショートエピソード「文化」の最終ページは、各神秘学家へのウィルソンのインタビューという形を取っている。
宇宙人とかシカとか数学バカとかヒッピーとかに振り回されるかわいそうな人である。
財団の目から逃れながら、謎の手段で古今東西の神秘学家に接触しデータベース化している彼らを
財団は強く警戒しており、
前述の通りイベント「疾走れ!ゴールデンシティへ」では、当初マチルダにUTTU編集者を確保する任務を与えていた。
イベント「ルート77~呪われた道路~」ではゲーム初のUTTU所属のプレイアブルキャラ・メェプルが実装されている。
エーゲ海のどこかにある孤島に住む神秘学家集団。
5章でヴェルティたちは孤島に流れ着き、彼らと交流することになる。
古代ギリシアにおいて、哲学者のピタゴラスが創設したという「ピタゴラス教団」の思想を受け継いでおり、
「世界は数からなる」という教義を掲げ、数学・幾何学を学ぶことで世界の真理に辿り着こうとしている。
一方で多くの教徒は島の外の世俗に関して全く興味はなく、島外・教団外のあらゆるものをひとまとめに「現象界の塵埃」と呼んで軽蔑している。
6は島の外の人間を、哲学者プラトンが唱えた比喩「洞窟の囚人」に例えている。
「無限定者」と呼ばれる存在を信仰している。
無限定者は実際に存在しており、島にある洞窟に入り、彼の与える「試練」を乗り越えた者は、無限の知恵を持つ無限定者にひとつ質問をする権利を得る。
しかしこの「試練」は過酷なものであり、詳細は不明だが乗り越えられなかった者は死亡してしまうため、現在は6が挑戦を禁止している。
数字を神聖なものとして見ており、大半の人々は名前を捨てて数字で互いを呼び合っている。
数字の名を持たない島民もいるものの、彼らは「未だに自分の本質となる数字を見つけられていない未熟者」として扱われている。
住民たちはピタゴラス教団の教えを元にした
「豆を食べてはならない」「起床し寝床を離れる時は、眠っていた痕跡を消して整えなければならない」
「落ちたものを拾ってはならない」「剣で火をかき混ぜてはならない」
などの一見すると不可解なルールを守って暮らしており、これを破った者には厳しい罰が課せられる。
マヌス・ヴェンデッタと同じく神秘学家至上主義を掲げており、
神秘学家を「実数」と呼んで歓迎する一方で、ただの人間は「虚数」と呼び、島に上げることはない。
また神秘学家であっても、教団のルールを理解しない者は「無理数」と呼ばれ、人間と同じく島から排除される。
島はストームの影響を受けていないものの、ストームのことは「エマネーション」という名前で認知しており、
島民はエマネーションを「現象界の塵埃を洗い流し、我々を低次元な世界から連れ出す神聖な現象」と定義している。
前述したようにストームは「本来の歴史において、時代の転換点になったイベント」をきっかけに起こる。つまり、教徒が軽んじていた現象界に立脚する現象である。
5章のタイトルである「洞窟の囚人」とは、「世界は数字で表せる」という教義を絶対視し、視野狭窄に陥った教団のことだった。
神秘学家至上主義という点で考えを同じくするマヌス・ヴェンデッタの支援を受けていたが、アルカナは理性を奪った信者を使って、島をストームから守る結界の力を密かに弱めていた。
彼女の狙いは、島の結界を弱体化させて島を衆目に晒し、ストーム症候群で過激化した人間に島を襲撃させ、教団の信徒に「長年守ってきた信仰は無力」という絶望を味わわせてヴェンデッタに引き入れること。
この目論見は成功し、多くの教徒は信仰の無力さを知って教団を離脱しヴェンデッタに加入。
残った信者も多くは「エマネーションは数学で解析などできない」という事実を前に信仰が揺らぎ、自らストームに飛び込むことで時代のうねりに消えていった。
7章を終えた時点で、残った教徒は6と37、信仰を捨てなかった僅かな人々のみ。
それでも、6は残った信者と、いずれこの島を訪れるかもしれない俗世で生きられない人々のために、教団を維持することをヴェルティたちに告げている。
【余談】
設定でキャラクターの言語を英語、中国語、韓国語に変更できるのだが、英語版では各キャラクターの喋る言葉は、キャラクターの出身地によってちゃんと訛っている。
例として日本人の五色月は、いわゆるジャパングリッシュになっている。
神秘学家のプロフィールには、各神秘学家が身にまとう「におい」をまとめた「香調」という項目がある。
各キャラクターの「におい」を知ることができるゲームは本作くらいのものだろう。
これを参考に香水を選べば、推しと同じ匂いを纏うことができるぞ!
タイムキーパーの皆様、追記・修正をお願いします。
画像出典:2023年10月26日稼働開始 BLUEPOCH『リバース:1999』より2点
- ネタバレは4章までのつもりで書きました 「主人公が喋って名前もある」タイプのスマホゲーを他にもご存じの方はじゃんじゃん追記してください -- 記事主 (2024-03-30 14:17:04)
- シュナイダーは混血ではなく、ドルーヴィスの作った特殊なワンドで神秘術を使う人間です -- 名無しさん (2024-04-03 18:02:25)
- 好きなゲームなので記事化うれしいありがとう。公開される動画もレトロでいいよね -- 名無しさん (2024-04-18 23:52:41)
- ちょっと触ったけどクソエグい凸ゲーな上激しすぎる持ち物検査の嵐で無理でした キャラとストーリーと音楽って良さをゲームそのものがぶち壊してる感じ -- 名無しさん (2024-08-10 19:08:57)
- ↑持ち物検査なのは否定しないけど凸ゲーは言い過ぎ -- 名無しさん (2024-08-14 23:43:55)
- 第1部の完結に伴い、第1部までの内容を大幅に追記しました。 -- 記事主 (2025-05-26 13:05:27)
- いつの間にか容量がエグいことになっとるな。 -- 名無しさん (2025-06-01 07:26:29)
最終更新:2025年06月01日 07:26