銀製品

エーレンフェストでの反逆者でありゲオルギーネ名捧げを行っているゲルラッハ子爵の夏の館で、初めて特殊な銀を利用した布が見つかる。
ボースガイツが交易を打ち切られて200年経っているため、その情報が他国に流れ、他の国が交易を打ち切られる危険性を考えて対策を練って作られたものである可能性を作中で挙げられた。*1
特殊な銀は布だけでなく武器や船にも使われているため、元々は塗料ではないかと作中で推測されている。*2
ディートリンデらがランツェナーヴェと結託して外患誘致を行った際に、戦いの道具として利用される。

この特殊な銀に共通するのは、魔力を全く受け付けないこと。
魔力でできたシュタープを変形させた武器や防具などでは攻撃も防御もできず、魔法での攻撃も受け付けないため、戦闘に利用された場合はこれらの存在を知らない貴族では太刀打ちできなかった。
例外的に物理攻撃を反射するお守りは反応して、攻撃を反射できた。*3
魔力に対して強大だが物理法則を無視できない。銀の布はシュタープ製ではない刃物で貫くことができ、銀の船の金属のタイルは冬を呼ぶ儀式の冷気やライデンシャフトの熱の影響を受けた。*4
また、粉末を飛び散らせる魔術具などの魔力で直接的に攻撃するものでないものは防げない模様。*5

銀の布

エーレンフェストでの粛清の後、マティアスの協力のもとゲルラッハの夏の館が調べられ、ボニファティウスが力任せに引きちぎられていた物を発見した。
騎士団や文官とジルヴェスターが協力して研究が進められた。
数枚の板を重ねた上に銀の布を置いてボニファティウスがシュタープのナイフで布を刺した場合は、下に重ねた板は割れても、銀の布は貫くことすらできなかった。
この布をまとった場合、境界の結界に感知されることなく通過することができてしまう。
ギーベ・ゲルラッハは逃亡した際、領地の境界を越えるために銀の布を使ったと作中で推測される。
また、魔力を全く含まない為、転移陣が存在を感知できず、転送させることができない。
ユルゲンシュミットの素材は多かれ少なかれ魔力を含んでいるため魔力を全く持たない銀の布は不自然な存在で、アーレンスバッハを通じて他国から持ち込まれたものだと推測される。*6
後にランツェナーヴェの使者が纏っていた事が判明する。

銀の衣

ランツェナーヴェの兵がアーレンスバッハの貴族を襲った際、魔力から身を守るために着ていた。
アンゲリカエックハルトがランツェナーヴェの兵を倒して手に入れるが、魔力を全く受け付けないため、ヴァッシェンなどの魔力を用いた洗浄すらも行うことができないことが判明する。*7

銀色のマント

ゲオルギーネやラオブルートに与して従っている者が纏っていたマント。
裏面は銀色ではなく、マントが翻っている時は魔力での攻撃が通じる。*8
マントに包まれた部分はローゼマインシュツェーリアの盾にも一切感知されず、弾かれることなく盾内部へ侵入できる。
ハルトムートの赤い粉末を飛び散らせる魔術具は防ぐことができなかった。*9

銀色の手袋

ゲオルギーネの影武者が着用していた。
罠としてかなり強力な粘着性の物質が塗られたところに張り付いてしまい、脱いだ。*10

銀色の靴

ゲオルギーネの影武者が履いていた。
罠としてかなり強力な粘着性の物質が塗られたところに張り付いてしまい、脱いだ。*11

銀色の衣装

ゲオルギーネの影武者が着ていた。
転移陣では転移させることができないため、転移陣の罠に引っかかった後はこの衣装は取り残された。*12

フード付きマント

鹵獲した銀の布をリーゼレータ達がマント状に整えたもの。
ローゼマインから放たれている女神の御力を抑えるために使われた。

銀の武具

銀の剣

ランツェナーヴェの兵がアーレンスバッハの貴族を襲うのに利用していた。*13

銀のナイフ

ランツェナーヴェの兵がアーレンスバッハの貴族を襲うのに利用していた。
兵がアンゲリカに対して投擲するが、手の甲で払い落とされ、物理攻撃を反射するお守りによって攻撃を反射された。*14

銀の盾

ランツェナーヴェの兵がアーレンスバッハの貴族を襲うのに利用していた。*15

銀の船

ランツェナーヴェの使者がユルゲンシュミットを訪れた際に使っていた船。13年春から使うようになった。*16
できるだけ荷物を積めるように船体が長くなっていて、見た目は細長い潜水艦。
国境門の転移陣で転移する際は、タイルがひっくり返るように魔力を弾く銀色から魔力を吸収する黒に変わり、アーレンスバッハの国境門の魔力を吸い取って転移できる状態にしていた。
15年春にアーレンスバッハへ侵攻した際は、殺害した貴族の魔石や魔術具、捕縛した貴族を本国へ輸送するために収容した。
戦闘を行う際は上部甲板の一部が開いて、騎獣も鎧も貫く銀色の針を射出する武器が内部から持ち上がる。*17
最終的に、アーレンスバッハを襲撃した船はすべて無力化もしくは撃沈される。*18

その他の銀製品

銀の筒

クラッカーのような物で、紐を引くとキラキラとした綺麗な物や花弁が飛び出す。*19
15年春にレオンツィオが中身に即死毒を入れたものをレティーツィアに渡し、フェルディナンドを暗殺させようとした。*20


コメント

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  • 銀の布は転移させられないのだったら、どうやってユルゲンシュミットに持ち込んだのでしょう?裏返せばいいの?じゃあ銀の剣とかは? (2020-02-19 07:51:37)
    • 銀の船同様魔力が通る物の内側に収納すれば転移可能。銀の剣や盾を貴族院へ転移させる時は別途銀製ではない布などで包んだのでしょう。 (2020-02-19 09:24:49)
      • そういえば523話や541話で分からなかったグラオザムの貴族街からの逃走方法ってそれかな? (2020-02-19 19:34:43)
        • 人を転移させられるのはアウブだけだが、銀の布で全身を覆った上更に別の普通の布で覆えば「物体」として扱われて転移できるかも。でも大きな転移陣を個人が用意するのは大変だし魔法陣が証拠として残るため、ゲオが街へ入った時の逆ルートで、銀の布を被ったまま地下水道を通って感知されないよう街から出たのでしょう。 (2020-02-19 20:34:43)
          • ボニファティウスが転移陣が使われた可能性は高いって言ってるよ?証拠隠滅は影武者にやらせればいいし (2020-02-19 20:57:08)
      • だとしたら、ゲオルギーネは礎の間に入るときわざわざ銀の布を取らなくても上から別の布をまとうだけで入れたのかな。 (2020-02-21 19:53:06)
        • 既に灰色巫女の服を着てたんだから転移の罠が無ければ何も問題無かったのかも (2020-02-21 21:06:01)
  • ボニファティウスの実演では、銀の布の切れ端にシュタープのナイフを突き立てると布の下にある板が割れました。つまり、銀の布は魔力を遮断するのでなく素通ししてしまうということになるのでは?またその理屈だと銀の布を纏ってもシュタープの武器の攻撃は防げないし、オルドナンツも届くのでは? (2020-04-11 21:36:37)
    • 普通ナイフを突き刺しただけなら、板は穴が空くだけで割れることはありません。割れたのはボニファティウスの手によるものです。あと前半と後半が矛盾してない?魔力遮断するから攻撃を防ぐし、オルドナンツも届かないんだけど。 (2020-04-11 22:51:41)
    • ランツェナーベ人の頭部に銀の布をかぶせて、シュタープを変形させたナイフをお爺様が付きたてると…確かにその場合は頭蓋骨が砕けて素敵な光景になりそうな気はするなw お爺様が規格外なだけのような気もしてきたゾ… (2020-04-11 22:57:05)
  • 銀の船の動力は何だろう。「細長い潜水艦」となると、帆は無いのかな。櫂の描写もなかった気がするし、もしやスクリュー式の動力船? (2020-11-16 15:54:13)
    • これ、気になってる。外壁を裏返す動力も原理も分からん。銀の針を撃ち出す武器も。いや、「魔力です。魔術具です」なんかなとは思うんだが。ユルゲンから輸入した魔石か国境門越える時吸収した魔力を使ってるとか思い付かなくは無いんだが。 (2021-09-24 06:06:43)
      • 銀の針を撃ち出す武器は、お土産のクラッカーから勝手に推測すると火薬技術がかなり発展た武器ではないかと。 (2022-01-10 04:38:09)
        • 船の動力、ガレー船とかだったら可哀想過ぎるよな…… しかしクラッカーから焦げ臭いにおいがしたとかの記述はないんだよなあ (2022-01-11 12:34:43)
      • 船の喫水線の下は銀色か黒のままか? 銀のままだと門を越えられないので水面下部分のパネルをひっくり返せるとすれば、水圧や水漏れをカバーする凄い技術だと思う。  (2022-01-11 22:18:58)
        • 強度や水密を確保するための外殻じゃなくて、外装されたパネルがひっくり返ってるだけなんでねーの? (2022-01-12 01:47:50)
  • ユルゲンの神々の色で明言されてない色だから、外国にしかないのかと思ったが、よく考えたらユルゲンに銀貨があった。この銀の材質はなんなのだろう。ユルゲンのあらゆる物質は魔力由来だから、銀貨も未出神々のカラーなのかな。でもその神と同じ色の銀の布などは魔力の影響を受け付けない機能持ち。なにか意味あるのかな (2022-01-15 22:50:02)
    • 銀の食器や銀細工とかもありますけど、そもそもユンゲンの色は神々の色に基づいているという設定ってありましたっけ? (2022-01-16 00:33:24)
      • 魔石の色や、騎色の色や、インクの色(絵画等)に属性が反映されるという描写はあるけど、物質全ての色がそうだというと明記はなかった気がする。そもそも純粋な単属性の物質の方が少ないだろうし、それぞれの部位にどういう属性偏りが生じているのかも不明だから、読者サイドでの判断は困難だよね……。 (2022-01-16 11:08:32)
        • 銀色なだけで(ユルゲンに存在する)「銀という金属」とも限らぬのでは? 地球にだって「銀色」の金属はいっぱいあるぞ。 (2022-01-16 18:28:25)
    • そもそも金や銀といった金属は存在するのだろうか。川から流れてきた砂金を集めたり銀山掘ったり。魔力で作られた世界にある金や銀がこちらの世界の金属金銀と同じものとは限らないよね。金は金粉だとすると銀はなんだろう? (2022-01-16 14:03:20)
      • ……金貨が存在する以上、ユルゲンの一般的な金は金粉ではないと思うよ? 金粉で金貨作るとは思えないから。 (2022-01-17 06:40:14)
        • ちなみにここでの金粉は魔石が魔力飽和して変化した時の金粉を想定しているので、違ったらごめん。 (2022-01-17 06:41:01)
        • アイゼンライヒの土地にあった鉱山を、エーレン設領時に、クラッセンブルクに盗られたんだよな。つまりこっちの世界に近い金属は存在すると見るべきか (2022-01-17 20:27:36)
          • あんまり細かく考えてもしかたないぞ。石炭(太古の生物の遺骸)が無さそうな時点で製鉄の概念が壊れる。 (2022-01-18 21:18:22)
          • ヨハンやザックは鍛冶職人ですし、活字は金属ですし、印刷機には金属が使われていますし、銀の布は「何の変哲もない金属製の刃物ならば切れる」そうですし、金属自体は存在するでしょう。 (2022-01-19 03:19:35)
            • 金属は存在するけど、これも魔力で満たした土地じゃないと採れないんじゃなかったか?植物と同じように。 (2022-01-19 16:07:54)
            • なんだこいつ。誰も金属の有無なんぞ問うてはいないんだが。 地球にあるような金属資源が、ユルゲンにも一通りあるんだろうね、という話なんだが。地球の金属と似て非なるものかもしれないし、ユルゲンではありふれた素材でもユルゲン外では珍重されてるかもしれない。 (2022-01-19 19:12:36)
  • 646話(書籍5-X)の講堂での戦いで、銀色のマントでも通り抜けられない透明な壁が出てくるけど。 そういう設定だからといわれれば仕方ないが、なんか釈然としないものが。銀色のマントでも魔法の効果あるじゃん、って。 (2023-02-06 20:17:42)
    • あれは神々製のものだけに、人間の手になる銀製品では太刀打ちできない、と考えるべきなのだろう。神具がダンケルの秘宝に勝ったように、格の違いがあるってことで。 (2023-02-06 20:25:07)
    • 目に見えないだけで格子力バリアのような物理障壁かもしれない。それもヴァッシェンの水は一滴も通さないのに、大神全属性の有資格者だけは服や所持品ごと通す超絶フレキシブル機能すら有しているのだ。 (2023-02-06 20:35:19)
    • あれは転移陣のように、通るのに魔力の認証がいるんだと思ってる。全属性かどうかを認証するのに、銀マント被ってたらできないという。 (2023-02-07 08:57:43)
      • ユルゲンシュミットにしかない正体不明の物質でできている透明の物理壁で、全属性の魔力があるときだけ通り抜けられる、とかかな? (2023-02-07 21:00:02)
    • 白の建物はエントヴィッケルンの魔力でできてるし魔力で維持されてるけど、銀色のマントを纏っただけでは壁や床を通過できない。銀製品だって万能じゃないってことで。 (2023-02-07 09:11:48)
    • 魔力とは関係ないからだろう。銀は魔力を無効化する効果があるが、祭壇の壁は神々の認証が必須であって、通過することに魔力を必要としないからだと思う。 (2023-05-31 00:38:49)
  • ユルゲン神話の神々って魔力持ちorシュタープ持ちでないと下界の人間を認知できないみたいな予想があるけどこれだと銀製品って完全に神々の認知の外にあることになるからユルゲン神話の神々とは別系統の神々の庇護下にある者たち由来の武装とか?仮に神殺しの逸話があるような国の神話由来だと結構納得できるような (2023-12-03 19:03:28)
    • 認知出来ないのはエアヴェルミーンで、神々は感知出来ないけど視認はできるよ。銀製品はユルゲンシュミットを神々の世界と認識してるランツェナーべ産だから、神の管轄外の物質ってところかと。魔力が神の力なら、魔力がない物なので神の力の及ばない物……かな? (2023-12-04 02:23:21)
    • 魔力持ち以外を認知できないのはエアヴェルミーン。銀の武器は対魔力持ち用でランツェナーべが神殺しを想定していたかはわからない。その効力は英知の女神の認識外とユルゲン以外の神々がいるのは一応公式。 (2023-12-04 04:36:43)
  • 色々な製品に使われてるけど、銀の素は塗料とか粉末? 用途が幅広いから、植物や鉱物から採取・加工されて塗布される、魔力を絶縁するゴムのようなイメージ。 (2024-01-04 17:02:54)
    • 船を壊したのは金属の知識だったから普通に鉱石じゃないかね。銀粉とか銀箔があるでしょ? まあ、銀色と言っても磨いた鋼ですとか言われても素人目にわからないし、物質が魔力のない地域産なら、魔力が通らないのも十分考えられるので、ランツェさんの最も加工しやすい対魔力物質ってところかね。 (2024-01-05 16:43:30)
      • ユルゲンにはユルゲンの銀(食器)があるので、この項目の銀(製品)はランツェ産だと思う。 (2024-01-07 23:58:26)
  • 銀製品の色が『銀』なのは大神が担当している色との兼ね合いだけど魔石の魔力が飽和すると金粉になることとの対比でもあるんだろうか (2024-01-07 22:10:19)
    • 文字通りの「魔」除けのイメージから来てるのかと思っていた (2024-01-07 23:18:58)
  • フィリーネとローデリヒが頑張って張った風の結界って銀の布で抜けられないのかな?張った直後に銀の布をまとったものが来るぞってダームエルが言うから、安全になった感じがしない。 (2024-01-24 15:13:25)
    • ? 銀の布持ちは抜けられるからダームエルが警告を発しているのでは? (2024-01-24 21:55:18)
  • 銀の布は王族の管理下に置かれてるっぽいけど、潜水艦も引き上げて中央に送ったのかな。残ってたらフェルがこっそり回収して研究してそう (2024-05-01 20:09:26)
    • 656話でロゼマが「アーレンスバッハで回収している彼等の船を有料で貸与いたします」と言ってるから、鹵獲した船はすべてアレキの物とみなして、有償でなければ中央へは譲らないだろう。第一、あんなでかいのをどうやって海のない中央へ運ぶ? (2024-05-01 20:32:44)

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最終更新:2023年03月05日 18:35

*1 第541話 養父様とおじい様の再取得 前編

*2 第609話 ランツェナーヴェの船 中編

*3 第602話 アーレンスバッハの神殿

*4 第610話 ランツェナーヴェの船 後編

*5 第645話 始まりの庭から戻った者

*6 第541話 養父様とおじい様の再取得 前編

*7 第602話 アーレンスバッハの神殿

*8 第622話 それぞれの武勇伝 その3

*9 第645話 始まりの庭から戻った者

*10 第622話 それぞれの武勇伝 その3

*11 第622話 それぞれの武勇伝 その3

*12 第622話 それぞれの武勇伝 その3

*13 第602話 アーレンスバッハの神殿

*14 第602話 アーレンスバッハの神殿

*15 第602話 アーレンスバッハの神殿

*16 第568話 閑話 ランツェナーヴェの使者 前編

*17 第609話 ランツェナーヴェの船 中編

*18 第610話 ランツェナーヴェの船 後編

*19 第581話 初週の講義 前編、SS36話 レティーツィア視点 平穏の終わり 前編

*20 SS37話 レティーツィア視点 平穏の終わり 後編