名前の初出(書籍版):第二部IV プロローグ
初出:第252話
声(ドラマCD第1弾):中原麻衣
声(ドラマCD第4弾/第7弾/第8弾):三瓶由布子
声(少女ゲオルギーネ/ドラマCD第8弾):衣川里佳
家族構成
容姿
髪の色:紫に近い青
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瞳の色:緑
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紫に近い青の髪に緑の瞳
彫りが深くて、くっきりはっきりとした目鼻立ちをしている美人
地位
階級:領主一族
職種:領主候補生→領主夫人(第三→第二→第一)
年齢と属性関連
- ローゼマインとの年齢差(夏時点):+24
- ローゼマインとの学年差:+25
- 誕生季:冬
影武者
ゲオルギーネと認識された影武者が複数存在する。
- エーレンフェスト神殿から転移陣で白の塔へ飛ばされた影武者
- エーレンフェストの城の秘密通路に侵入し、エーレンフェストの第一夫人に捕らえられた影武者
ゲオルギーネ視点の回
書籍第五部VIII エピローグ
作中での活躍
ギーゼルフリートに嫁いだ直後のフルネームは「ゲオルギーネ・トータ・エーレンフェスト・リトゥン・アーレンスバッハ(アーレンスバッハの第三夫人、エーレンフェストの領主の娘、ゲオルギーネ)」。
ベルケシュトック出身の第二夫人の処刑、ドレヴァンヒェル出身の第一夫人の排除を経て、アーレンスバッハの第一夫人に繰り上がった。その為、フルネームの「リトゥン」が「アシス」や「フラオ」へと変化したと推測される。
努力家でプライドが高く、権力欲が強い。
エーレンフェストの領主になれなかったことを強く恨んでおり、陰謀を企む。彼女の陰謀が、ヴィルフリートの白の塔事件や、ローゼマインが毒を受け二年眠る事件、聖典の盗難事件などを引き起こし、さらには
旧ヴェローニカ派の一斉粛清や、本物のディッターへと繋がっていった。
ユストクス曰く「貴族女性としての立ち居振る舞いは完璧で、味方だと思った相手には甘い顔も見せる一方、激情家の面もあり、敵だと思った相手には容赦がない」。他領地などの接触が殆どない者に対しては貴族として問題なく振舞え様々な問題行動を自分勝手るが、自身に従う者にはたとえ能力や素行に問題があろうと庇い、中立であろうと従わない者には一方的に敵視して様々な危害を加えようとし、敵と見做せば同腹の弟妹であろうと敵対心や嫉妬心を露にして、異常とも評される攻撃性を発揮する。
エーレンフェストの領主候補生時代
ライゼガングの血を引く
カルステッドを次期
領主にさせたくないヴェローニカによって、
貴族院就学前からかなり厳しく教育されており、甘やかしてくれるのは叔父であり当時の神殿長である
ベーゼヴァンスくらいだった。
一つのミスも許されない酷い叱責と折檻を伴う辛い教育だったが、二人続けて女児を産んだことで肩身が狭い思いをしている母親を救うため、自らの高い自尊心も手伝い、泣きながら文字を覚える、声が嗄れるほど挨拶を繰り返す、何度も叩かれながら礼儀作法を身につけるなど、次期領主を目指して必死に努力していた。
母親から見放されているように見えたコンスタンツェに対し、母親から受けてきた通りの教育を善意で与えようとしたが、妹を心配すればするほどなぜか周囲の大人たちによって距離を取らされ、当時は理由が分からなかった(二人を引き離すだけで「厳しすぎる」と周囲の大人が止めなかったのは、実際に厳しい教育を受けていたからに違いないと考えている)。
また、カルステッドについては、リヒャルダから話を聞いていたこともあり、年上の男性だが前領主の孫であって現領主の息子でないカルステッドは、現領主にとっては代替の存在であり、カルステッドと女性だが実子のゲオルギーネはどちらが領主になってもおかしくなかった。そのためか、切磋琢磨する好敵手であると比較的好意的に捉えていた。
そのため、ジルヴェスターが生まれただけで、カルステッドが上級貴族に落とされたことに強い衝撃を受け、次は自分の番かもしれないと危惧したが、ヴェローニカの実子であるが故に排除されずに済み、安堵した。
今度はジルヴェスターが切磋琢磨の相手になるのだと思い、負けない決意をした矢先、洗礼式の直前に、物心つく前からの筆頭側仕えであり、第二の母親とも言える、実の母親より母のように慕い、実の母親より母親らしい愛情を注いでくれていた
リヒャルダを、ジルヴェスターの乳母としてヴェローニカに奪われた。
あまりのひどい裏切りに抗議したが、父親に似て病弱なジルヴェスターに信頼できる人物をつけるのは当然だと言う母親と、その言い分を認めた父親により、リヒャルダが正式に異動となった。
この時、ゲオルギーネは初めて
ジルヴェスターに殺意を覚えた。
健康になった弟が遊びと悪戯を繰り返し、目に余って叱ると母親に泣いて縋りつき、逆にゲオルギーネを強制的に謝らせる母親の後ろで舌を出したり、貴族院で側近にしようとしていた者の召し上げを彼のために禁じられたりしたことから、顔をあわせる度に殺意が積み重なっていったが、洗礼式後に始まった次期領主教育は続行されており、その内両親も目を覚ますだろうと考え、努力を続けていた。
前14年冬、貴族院入学を機に更にベーゼヴァンスとの交流も禁じられ、甘えられる人を失ったゲオルギーネは、ボニファティウスが手を差し伸べたいと思う位に荒れた。
そんな状況でも貴族院では
優秀者を取り続け、領主教育では貴族院の3年時点で成人後のジルヴェスターと同程度と思われる知識を身につけ、領主になる為の婚約もした。
その様子からリヒャルダや
エルヴィーラも、ゲオルギーネは努力家で頑張っていたと認めている。
しかし前12年冬の終わり、ジルヴェスターが
洗礼式を受けると同時に、
ヴェローニカが「次期領主の洗礼式だ」と吹聴したため、ゲオルギーネは次期領主から外されることとなり、ゲオルギーネに対する騙し討ちのような経緯で、ジルヴェスターが次期領主だと周知された。
両親からはボニファティウスのように領主の補佐として生きることを期待されたが、ジルヴェスターは脱走の常習犯の上、空気を読まない発言をするなど、それまでゲオルギーネが要求されていた努力を否定される形になったことに加え、次期領主から外されたことで婚約も破棄された。
それでも当初は、ゲオルギーネもその側近達も、領主夫妻の決定に従ってジルヴェスターを補佐しようとしていた。
まずはそれに値する人物になってもらおうと、自分がヴェローニカから受けた教育を施そうとしたが、ジルヴェスターには次期領主なんてどうでも良いと反発される。
本気で殺意を覚えながらも両親の決定を呑み込もうとしていたが、その様子を見ていた
グラオザムに、ジルヴェスターは補佐するに値せず、彼の愚かさとゲオルギーネの優秀さを貴族達に見せつけることで排除し、ヴェローニカを手本に、名捧げを活用して揺るがない立場と裏切れない味方を作り、邪魔者は排除すればよいと訴えられ、実行に移すことにした。
名捧げの対象者には、グラオザムが調べた、ゲオルギーネと同世代で寿命の関係からヴェローニカに名を捧げることをためらっている、ガブリエーレの側近の系譜を選んでいる。
成人までの間に、彼女に心酔した
ギーベ・ゲルラッハ夫妻や
ダールドルフ子爵夫人を始め、10人近くの者達から
名捧げを受けた。
名捧げの慣習は祖母であるガブリエーレがアーレンスバッハから持ち込み、母ヴェローニカが踏襲し、母から直接教わったものを引き継いでいる。
ただしこれは、コンスタンツェが次期領主争いをおりたこともあってヴェローニカとの二者択一の状況の中で行われたものであり、アーレンスバッハ出身者内での裏切り防止を目的に、実質家族ぐるみで強要されている側面もあった。
ダールドルフ子爵などは情勢から必要に迫られなくなったために
息子には名捧げの事自体話していない。また、元は他派閥だった者が疑り深いヴェローニカに信用される手段として秘密裏に名捧げしていたことも示唆されている。
ヴェローニカを手本にするため、貴族院4年生以降は領主候補生コースを適当にこなして時間を調整し、薬学を中心とした文官コースの講義を取ることにした。
フロレンツィアの貴族院時代の印象には残っていない。
同時に、水面下でヴェローニカ派内部に自身に名捧げする部下を増やすなど、ヴェローニカが脅威を抱くような派閥工作を行ったり、ジルヴェスターや領主夫妻に対する不信感を周囲に植え付けたりしていた。
それが発覚し、将来争いが起こることを危惧され、成人後には
アウブ・アーレンスバッハの第三夫人として嫁がされることとなる。
反発はしたが、次期領主教育の結果身についていた領地を重視する考えが邪魔をし、屈辱と苛立ちの中で受け入れた。
また、
フロレンツィアに一目惚れしたジルヴェスターの態度と利益の少ない婚姻を父親が許したことが許せず、領地を出されることが決まり自暴自棄な気分になっていたことも手伝って、初めて人に対して毒を使った。
ヴェローニカがいつも使っている毒を受けて倒れるジルヴェスターと、動揺する母親を見て胸がすく思いを得たが、致死には至らず、それを残念に思いながらアーレンスバッハに嫁いだ。
これらの経緯により、両親とジルヴェスターに対して強い恨みを抱いている。
なお、上記の経緯はあくまでゲオルギーネ本人の認識が主なものであり、コンスタンツェは姉の敵意が面倒と考え早々に次期領主競争を離脱したり、ジルヴェスターは成人してなお消化できないような「洗礼式後から虐め」をされたと捉え、同級生のユストクスにジルヴェスター誕生直後の段階で「次期領主となるために色々と企てては敵を陥れる」「敵を沈めるためには手段を選ばない」と評されるなど他者からの認識は大きく異なっているため、後述の動向からも彼女の言う切磋琢磨が実力勝負だけではなく敵への妨害工作すら含まれていたと考えられる。
実際、本人はジルヴェスターに対して「叱る」「自分が受けた教育を施す」という認識で、教育から逃げたり悪戯するジルヴェスターへのゲオルギーネの懲罰やゲオルギーネからジルヴェスターへの教育はゲオルギーネが受けたものに対して厳しくはなかったのでリヒャルダが叱ることはなかったという解説もあるがリヒャルダすら「虐め」「あまりにも酷い」と判断するレベルの内容が何度もあったとされ、エルヴィーラには「異常な憎悪」「排斥するための執拗な嫌がらせ」と評されている。
ジルヴェスターの述懐では、ゲオルギーネ自身がジルヴェスターに対して直接行っていた教育的指導と称する虐めの例として、ジルヴェスターの洗礼前は月に一回程度会うたびに睨んで、アレができていない、こんなことでどうするの!と手や足をパシパシ叩くもの、洗礼後にされた事の例として、先述の毒殺騒動以外では勉強を逃げ出した際にシュタープの光の帯で首ごと縛り上げられて引きずられたり、ペットであるシュミルのブラウをさらわれて隠されたりしたことが挙げられた。
ジルヴェスターはゲオルギーネを「自分には一度も心を開かなった(自分の望みを口にせず怒るだけだった)」と評し、ゲオルギーネの回想などからも両親に抗議はしてもジルヴェスターとは心を通わせる気が全くなく、虐めたり裏で陰謀を企み排斥を試みるといった攻撃を行うだけであったことが描写されている。
アーレンスバッハの第三夫人時代
しばらくの間は無気力に結婚生活を送り、アーレンスバッハで権力を握ることも考えたが熱意を抱けず、ただ退屈に過ごしていたと回想している。
その後ふと、第一夫人になって領主会議でジルヴェスターの上に立てば楽しめるのではと思い付き、第一夫人になるための暗躍を始めた。これにより第一夫人が亡くなったことが示唆されている
家族の中で唯一自分を可愛がってくれた叔父の
前神殿長を頼りにし、結婚後も文通による交流を続ける。
父が死去して03年春にジルヴェスターがアウブとなってからは、不仲のため援助も無くなったが、中央の政変によるアーレンスバッハ内の情勢変化(第二夫人の処刑など)を利用して、自身の派閥を強化。
即死毒やトルークは領地の内政を担当していた元第二夫人が政変に政変に役立てるためにランツェナーヴェから取り寄せたものであり、元第二夫人の粛清後、ランツェナーヴェとの交流がゲオルギーネに引き継がれた。
叔父である前神殿長に頼んだ小聖杯を使って旧ベルケシュトック貴族に恩を売って味方に引き入れるなど、エーレンフェストからの違法な魔力供与を情報操作で自分の手柄にするなど辣腕をふるっている。
この頃に唯一の男の領主候補生で実子のヴォルフラムが亡くなり、ディートリンデが一躍次期領主候補となるもその素行を不安視されたため中継ぎアウブと見做され、後にレティーツィアにアウブが引き継がれることが内定した。
最初から子供は駒として育てるべきという方針で子供に愛情はあまりなく、ディートリンデは駒として働けるだけの能力を持てず、ディートリンデが母親に自分を見て欲しいと愛情を求めることにもなった。
アーレンスバッハの第一夫人時代(第三部)
08年夏以降、
アウブ・アーレンスバッハの第一夫人が死去し、自身が第一夫人となる。
09年春の領主会議から第一夫人として参加。
大領地の第一夫人という、アウブ・エーレンフェストより上の立場になったことで、
前神殿長の死を理由に、09年夏に結婚後初めてエーレンフェストを訪問。ギーベ・ゲルラッハを筆頭に旧ヴェローニカ派を取り込み、エーレンフェスト内での派閥強化や陰謀に励む。
また、ヴェローニカが白の塔に幽閉されているのを見て、愉しそうに微笑む。
この訪問時に入手した前神殿長の遺した文書から、エーレンフェストの礎への入口が神殿図書室の本棚にある事、その鍵が
聖典の鍵である事を知り、ギーベ・ゲルラッハに相談の手紙を送付した。
アルステーデやブラージウスに旧ベルケシュトックの転移陣を一時的に染めさせ、礎の魔術や神殿長の聖典や鍵に関する実験を行っていた。
これを機に礎を得るために名捧げやトルークを用いて自分だけ安全を確保して、部下に命がけの暗殺やテロ行為を行わせるようになり、ローゼマインが毒を受け二年眠る事件など(ゲオルギーネが領主しか知らない抜け道を教え、
ジョイソターク子爵には
トルークが使われた)が引き起こされた。
アーレンスバッハの第一夫人時代(第四部)
13年春の初め~
ランツェナーヴェの使者が訪れる夏にかけて、
表彰式強襲事件の調査で何度も訪問してきた
ラオブルートら中央騎士団に対応した。この時期にラオブルートと手を組み、後にラオブルートとジェルヴァージオの橋渡しを行った。
その春の領主会議では、邪魔者である
フェルディナンドをエーレンフェストから引き離すため、娘のディートリンデと婚約させる。
13年夏、2人の婚約式を理由にエーレンフェストを訪問。再び精力的な社交を行い、お茶会で”エーレンフェストに領主候補生を戻す”計画を口に出す。
アーレンスバッハからの火急の手紙で呼び戻された帰路、ディートリンデに毒を盛ることでの体調不良を隠れ蓑に
ゲルラッハ子爵領の夏の館に密かに一泊し、エーレンフェスト内にいる自分に名捧げをした臣下達を集めた。
トルークを使用した秘密の会合で、エーレンフェストの
礎の魔術を手に入れられそうだと告げる。
この際
マティアスの兄達から名を捧げられたが、グラオザムに教える許可を与えた魔力圧縮法で魔力を伸ばしている最中だという建前で逃れたマティアスには、成人後の名捧げを約束させるにとどまった。実際には、この頃すでにマティアスやラウレンツといった旧ヴェローニカ派の一部はゲオルギーネの策謀により厳しい環境から救ってくれたローゼマインに心が傾いており、その後の密告につながった。
アーレンスバッハに戻ると、本館から離宮へ住まいを移しつつ陰謀に勤しむ。
ギーベ・ゲルラッハと
ダールドルフ子爵夫人を手先とし、聖典の盗難事件を起こす。
ローゼマインたちの行動で、聖典は取り戻され、灰色神官は救出され、遅効性の毒の罠は解除される。
聖典の鍵のすり替えは見破られず、この陰謀の最大の狙いは達成する一方で、旧ヴェローニカ派を粛清可能な犯罪の証拠や旧ヴェローニカ派の名捧げ事情などの内部情報がローゼマインたちに渡ってしまった。
アーレンスバッハの第一夫人時代(第五部)
13年秋から冬頃、
転移陣を使って
ランツェナーヴェの館とアダルジーザの離宮を自由に行き来するために、
ギーゼルフリートを毒殺した。
13年冬、城の貴族達に対しては夫を亡くした悲しみを嘆き社交にも出ることができず、離宮に閉じこもっている姿勢を見せていた。
冬の社交界が始まってすぐエーレンフェストの礎を奪還する計画があったことから、この時密かに離宮を抜け出しエーレンフェストに潜入し、
グラオザムらが神殿を制圧してすぐ礎に入って奪える体制をとっていた可能性が高い。
ところが、ローゼマインを主とすることを選んだマティアスらによる領主一族に対する反逆計画の密告が起こり、粛清の前倒しが行われた。
ゲオルギーネに名捧げした臣下達は脱出できた者以外は全て自爆もしくは処刑され、様々な犯罪行為も明るみに出ることとなとなった。更に、一連の動きの中で
トルークや
銀の布という
ランツェナーヴェの切り札といえる道具などの存在が知られることにもなった。
この冬の貴族院の卒業式でディートリンデが中央神殿から次期ツェント候補と宣言された事も計画に組み入れられたと思われる。
14年春の領主会議ではフェルディナンドの行動を制限した。
ディートリンデやゲオルギーネに迎合する貴族がいる一方、フェルディナンドへの態度やランツェナーヴェを優遇する政策は、内外に不満と不審を抱かせた。
この頃には魔力などの問題もあってアーレンスバッハは衰退の一途を辿るなど進退窮まった状態となっているが、旧ベルケシュトックの荒廃状況だけは自身の陰謀に組み込み済みであり、旧ベルケシュトックのギーベや騎士達をエーレンフェスト侵攻の手駒とした。
15年春、ついに大きく行動を起こす。
まずレオンツィオやディートリンデを手先とし、レティーツィアを操り、フェルディナンドの毒殺を狙う。半ば成功して瀕死にするも、ディートリンデは自分の失敗を隠蔽し、即死させたと虚偽の報告をする。
ゲオルギーネは、ランツェナーヴェと共謀して侵攻を開始。自身は臣下を率いてエーレンフェストの礎を奪いに向かい、娘たちにはランツェナーヴェ勢と共に貴族院へグルトリスハイトとツェントの座を奪いに向かわせた。
しかし、フェルディナンドの危機を察知したローゼマインが、本物のディッターを名目にダンケルフェルガー勢を率いて急襲。瀕死のフェルディナンドを救出する。
エーレンフェストに侵攻したゲオルギーネは、配下を使って数か所に陽動を目的とした攻撃を仕掛ける。この際、グラオザムは地の利のあるゲルラッハで神殿を狙うゲオルギーネから目を逸らさせるために暴れ、
即死毒を使って敵味方関係なく殺している。一連の戦闘で、ゲオルギーネとグラオザムには複数の影武者がいたことが確認されている。
最終的にゲオルギーネ(本物)は、エーレンフェストの神殿に秘密裏に潜入し、頃合いを見て礎の間に向かった。
礎の間に入る前に即死毒を撒き、中にいるであろうジルヴェスターを殺そうとする。しかし強運でジルヴェスターが毒を回避したので、礎の間で直接対決となってしまい、敗北。
確保された魔石と頭部を用いて記憶を調べられた。
復讐しか頭になく、その願望を達成した後のアーレンスバッハやエーレンフェストの内政や統治などは全く考えていなかった可能性が高い。
経歴
前24年冬 |
エーレンフェストの領主候補生として生まれる |
前17年冬 |
洗礼式。次期領主教育が開始する |
前14年冬 |
貴族院入学 |
~前12年 |
貴族院で優秀者として表彰される(毎回取得) |
前12年冬 |
春を寿ぐ宴で、ジルヴェスターが次期領主としてお披露目される |
前11年冬 |
ザウスガースの領主候補生(第三夫人の息子)から婚約解消を要求される |
前11年冬頃 |
婚約解消と次期領主解任が決定する |
前10年 |
ゲオルギーネからすればジルヴェスターへの教育、ジルヴェスターにとっては、虐めが開始される |
前10年頃 |
名捧げを活用した味方作りとジルヴェスターのネガキャン活動を始める |
前09年冬 |
貴族院卒業 |
前08年春 |
アウブ・アーレンスバッハの第三夫人として嫁入りする |
前08年冬 |
アルステーデを出産 |
前07(or 前05年)~前02年 |
ヴォルフラムを出産 |
前02年冬 |
ディートリンデを出産 |
04年頃 |
粛清で第二夫人が処刑され、繰り上がり第二夫人となる 上級貴族に落とされたブラージウスにアルステーデを嫁がせる提案をし、元第二夫人の派閥を吸収して勢力を伸ばす |
08年 |
第一夫人が死亡し、繰り上がり第一夫人となる |
09年春 |
アーレンスバッハの第一夫人として領主会議へ参加 |
09年夏 |
エーレンフェスト訪問 エーレンフェストの礎への道を発見したがどうすれば良いか相談の手紙をグラオザムに送付 |
09年秋 |
グラオザムらが起こした白の塔事件を通じ、エーレンフェストに隙があるかどうかを様子見する |
09年冬 |
グラオザムにトルークを送付。ジョイソターク子爵に使用され、誘拐襲撃事件が起きる |
10年春 |
襲撃事件のせいで翌夏のエーレンフェスト再訪が中止となる |
11年冬 |
婚姻を始めとした領地としての関わりを断られる状況下、ディートリンデの婿にヴィルフリートを狙う |
12年春 |
領主会議でヴィルフリートとローゼマインの婚約が承認されてしまい、フロレンツィア相手に嫌味を言う アウレーリアとベティーナの婚姻をねじ込んだ事を自らの美談とする。2人には情報収集をさせようとする |
13年春 |
領主会議にてディートリンデとフェルディナンドの婚約を提案し一度は断られたものの、王命で得る |
13年夏 |
ディートリンデと共に婚約式のためエーレンフェスト訪問。領地から緊急の手紙が入り帰る。 帰路、ゲルラッハの夏の館に立ち寄り、名捧げした者達とトルークを用いて会合。夫の死後、必ずエーレンフェストに戻ると宣言する |
13年秋 |
エーレンフェストの聖典の鍵を入手する ギーゼルフリートが死亡する フェルディナンドを次期アウブ・アーレンスバッハの婿として迎え入れる |
13年冬 |
冬の社交界で手薄となる神殿の制圧を計画するも、粛清が前倒しになりグラオザムと共に貴族街から脱出する |
14年春 |
成人したディートリンデに中継ぎアウブの事実を伝える。また、ツェントを目指すなら一年と期限を申し渡す 領主会議のお茶会にて神事の重要性を説きエーレンフェストの聖女を中央神殿に入れるロビー活動を展開する 領主会議後フェルディナンドに隠し部屋を与えよ、という王命を実行しようとしないディートリンデを説得する ランツェナーヴェを受け入れる |
14年夏 |
ギーゼルフリートの葬儀に参列する |
14年秋 |
15年春に行われた計画の実行を本来予定していた |
15年春 |
供給の間にてフェルディナンドを害しエーレンフェストとアーレンスバッハの礎争奪戦と貴族院防衛戦を開戦する エーレンフェストの礎の間にてアウブ・エーレンフェストに討たれる |
作者コメント
【
2014年 09月13日 活動報告】
早速ゲオルギーネがいらっしゃいました。毒を含んでいそうなゴージャス系美女です。あの赤い唇を吊り上げて笑われたら、きっと怖いと思います。
【
2015年 07月20日 活動報告】
今回もゲオルギーネはごそごそと暗躍して帰りました。その影響が出てくるのは少し時間がたってから。ローゼマインがその名前から踏めば爆発する地雷だとすれば、ゲオルギーネは時限爆弾でしょうか。さりげなく置かれていて、その時までに撤去できなければ大爆発という感じですね。
【
2015年 09月30日 活動報告】
派手で豪華な顔立ちで、自分の味方には優しいけれど、敵には一切容赦しないタイプです。
【
2016年 07月06日 第588話「礎の魔術」あとがき】
実はゲオルギーネ様、神殿にアタックしようとしたことがありますが、ことごとく邪魔されてます。
意識外の部分でゲオルギーネ様の計画を潰しているローゼマイン。
【
2017年 05月31日 Twitter】
【
2017年 04月17日.06月20日 設定等まとめ Twitterこぼれ話】
>出番が少ない理由
ゲオルギーネはあまり出すと、ローゼマインの敵になりますからね。彼女はあくまでジルヴェスターと敵対する相手であって、ローゼマインの敵ではないのです。
【
2017年 06月08日 活動報告 2017/06/21 感想返し】
web版以上にゲオルギーネが、ジルヴェスター、ヴィルフリート、ヴェローニカにも悪意を向けていることが感じられたのであればよかったです。
ジルヴェスターとの挨拶のところは結構加筆したので。
(エピローグ)
礎の話を知ったのがこの時期なので、わかりやすく入れてみました。
(略)
この時はトルークを使っていません。この後、計画を聞いたゲオルギーネから送られてきます。
>策略はグラオザムでゲオルギーネ本人の能力は並レベル?
優秀さを出したところでアーレンスバッハの第一夫人がアウブ・エーレンフェストにはなれませんし、策略を立てるのは別にゲオルギーネの仕事ではありませんからね。
この時のゲオルギーネにとって大事なのは、言質を取らせずに自分の望む結果を得ることなのです。
>ヴィルのKY発言を読むと、兄妹弟の仲が悪くなる可能性もあったのでは……
(略)
ゲオルギーネの恨みや怒りが理解できたのであれば嬉しいですね。そういう意味でもヴィルフリートはミニジル様なので。
【
2017年 07月18日 Twitter】
>撫で方の絵
ゲオルギーネは時と場合と相手によってどっちも。
相手にとって効果的な方を選択するけれど、計算ずくで無意識に手が伸びることがない感じです。
【
2017年 10月11日 Twitter】
【
2017年 10月11日 活動報告】
>ウィンク考察
ゲオルギーネ:できるけれど、ウィンクというよりは目配せ。何かが始まる合図
【
2018年 02月21日 Twitter】
>キャラ設定
敵役のゲオルギーネやグラオザムも多い。
【
2020年 03月10日 活動報告 2020年 04月10日 感想返し】
自分に忠実な臣下を得るために母親から名捧げについて教えられたヴェローニカは、カルステッドを退けてゲオルギーネを次期領主にするために教えました。ですが、当然のことながらゲオルギーネに名捧げをした者はゲオルギーネに仕えます。自分の臣下を娘に奪われていき、自分の勢力が削られていくわけです。
そのため、ゲオルギーネがアーレンスバッハへ移動した後、ジルヴェスターには教えませんでした。
【
2022年 10月22日 Twitter】
【
2022年10月23日活動報告】
>ゲオルギーネの教育方針
ディートリンデの教育に関する意見があったので、何となく。
ゲオルギーネは子供が馬鹿になるように育てたわけではないし、完全に教育を放棄していたわけでもありません。まぁ、子供への愛情はあまりありませんでしたが、それはディートリンデだけではなく兄姉に対しても同じです。
ゲオルギーネ自身の経験から来ている彼女の子育ての根底が歪んでいますから。
「どれほど厳しい教育を受けて努力しても、親の都合と気分で望みが潰されるのが子供。ならば、最初から駒であることを疑問に思わないように育てるべき」という考え方なので、普通の親とは教育方針自体が違う。
ゲオルギーネにとっての母親の愛情はジルヴェスターに向けられるものしか認識できていないので、「母親の愛情=子供を甘やかして愚かにするもの」なんですよね。
子供3人の結果
アルステーデは母親の教育方針通りに育ち、ヴォルフラムは男児なので父親の教育が入って都合の良い駒ではなくなりました。
ディートリンデは基本的には教育方針通りだけれど、思い通りの結果を成す能力が足りていないので良い駒になれない。そういう意味では教育に失敗しています。
伝えたいこと
母親から厳しさと理不尽さを学んだゲオルギーネは子供を自分の駒として扱うように成長し、母親から溺愛されて姉の八つ当たりを受けたジルヴェスターはヴィルフリートを兄妹間の競争がない状況で育てました。
それぞれの経験やその時の状況によって姉弟でも子供の教育方針には違いが出ます。
物語の中のことなので、どのキャラの立場に立ってどのように感じるのも自由です。
それで現実を見直してみてください。
自分の教育がどういうものか、子供に愛情を注いでいるつもりでもそれが毒になっていないのか。
何かしら考える機会になれば、様々な親子の形を書いた甲斐があります。
ゲオルギーネ様の神殿アタック計画についての考察
第588話「礎の魔術」あとがきにて、
実はゲオルギーネ様、神殿にアタックしようとしたことがありますが、ことごとく邪魔されてます。
意識外の部分でゲオルギーネ様の計画を潰しているローゼマイン。
とある、この複数の神殿アタック計画について本編内やコメント等で「これがそうだ」と明示されたものは無い。どういう計画があって、それらをローゼマインがどう潰したのか、本ページコメント欄で読者から提案されたものをまとめる。
前提として、ゲオルギーネが「神殿から領地の礎に入って乗っ取れる」ことを知ったのが第254話「ゲオルギーネ様の見送りとハッセ」(直後時系列の書籍第三部IV エピローグより)のことなので、候補となる事件は第255話~第587話かその同時期のSSからとなる。
- ギーベ・ジョイソタークを利用してローゼマインを誘拐(第268話)
- 実行犯のギーベ・ゲルラッハは誘拐したローゼマインを生かして魔力を搾り取り(アーレンスバッハの旧ベルケシュトックに与える等?)利用したかったようだが、同時に神殿から神殿長が長期不在となるのでその隙に神殿に忍び込んで神殿長の聖典の鍵を盗み図書室入室手段を得て礎に近づける。
- ローゼマイン自身が防いだと言い難いかもしれないが、事前に自力でユレーヴェを用意済で神殿長室の隠し部屋にこもることになり、またフェルディナンドが許可のない貴族が神殿に近づくことを禁止したので不可能となった。
- しかし、そもそもこの一連の誘拐は最初はシャルロッテが標的だったのか、さらわれたシャルロッテをローゼマインが我が身を省みず追うという予想できない行動によるものであったため、そもそも神殿へのアタックとは何の関係もない可能性も十分ある。
- また、これによりゲオルギーネを含めたアーレンスバッハ貴族はエーレンフェストに入ることができなくなっただけでなく、旧ヴェローニカ派は領主一族に危害を与える危険分子とみなされ旗頭であったヴィルフリートですら白の塔事件もあり厳しい態度をとるようになるなど一気に権勢が衰退する大きな原因の一つとなり、むしろ神殿へのアタックの機会が減り自身の手駒が動きにくい状況となった。
- ランプレヒト&アウレーリアともう1組の「境界線上の結婚式」に向かう神殿一行の馬車を道中で襲撃(第366話)
- 馬車に積まれた神事道具の中から聖典の鍵を奪取、その次に神殿に忍び込んで礎に近づく前段階。
- ローゼマインが大きくした騎獣に荷物も側仕えもすべて載せて空を飛んでいったため未遂に終わる。
- アウレーリアが時を止める魔術具で持ち込んだはずの調理済アーレンスバッハ料理が、平民料理人には処理不能な魔魚を含む生の魚にすり替えられていた(第369話、第428話)
- お魚解体はカルステッドの屋敷に息のかかった者を送り込むための策略の一つ
- 生魚の存在がローゼマインの興味を引き、フェルディナンドの元で解体が行われたことで不発に終わる。また魔魚レーギッシュの鱗はローゼマインが作るお守りの素材となり、後にフェルディナンドを死から救った。
- グローリエが神殿に忍び込み、聖典と聖典の鍵をすり替えて奪う、また偽の聖典に毒をまぶす(第446話)
- 聖典の鍵を入手し、後で神殿に忍び込んで礎に近づく前段階。聖典が失われることでエーレンフェスト神殿の権威失墜あるいは神殿長や神官長を務めるローゼマインやフェルディナンドの責任問題発生。「聖典や鍵を盗んだ(フェルディナンドに罪をなすりつけたり、ジルヴェスターを追い詰める)」などと言いがかりをつけることを企てた。ちなみに、毒殺計画に関してはフラウレルムも知っていたことからゲオルギーネが協力していたと考えられるが、一連の犯罪と異なり後述の襲撃計画においては不要な要素と考えられる。
- 聖典の鍵のすり替えは成功し、すり替えられたこと自体も第589話まで発覚しなかった。しかし聖典の盗難は何者かの侵入に違和感を覚えたローゼマインがフェルディナンドの助言によって見破り、偽聖典の毒は同様に誰を害することもなく、本物の聖典は取り戻され巻き込まれた灰色神官にも被害は無かった。そしてすり替えて置いてきたアーレンスバッハの聖典の鍵を使うことで、ローゼマインがアーレンスバッハの礎を奪うことが可能となった。また、領主一族の毒殺を企てダールドルフ子爵の一族や加担したグラオザムを処刑できる証拠や重要な情報も手に入れられる結果となり、後述の密告へとつながった。
- ギーベ・ゲルラッハやバルトルトの父達が神殿を制圧し、完了後ゲオルギーネ自身が事前に入手していた聖典の鍵で図書室から礎に入る(第456話、第462話、書籍第五部I 購入特典SS「胸に秘めた怒り」)
- web版からは粛清を前倒しして騎士団が貴族街の屋敷を急襲した際にギーベ・ゲルラッハ達の間で何が企まれていたのか明確ではなかったが、バルトルト視点の特典SSに「連日、見習いが貴族院への転移陣を使うためアウブ・エーレンフェストが城を離れられず、冬の社交界の始まりでローゼマインの成人側近も城に集まっているこの時を狙った」とあることから襲撃目標が神殿であったことが濃厚。またバルトルトがその計画の一部を聞かされた理由が「礎を奪い終えてゲオルギーネが新しいアウブとなった後で貴族院を統率する」ためともあるので、礎を奪うことと一体な計画であったと考えられる。ゲオルギーネは夫を亡くした悲しみに伏して離宮に閉じこもっているとされていたが、密かに離宮を出立して銀の布で魔力を遮りアーレンスバッハから境界を超えてエーレンフェストに入りすぐ神殿に向かえる場所で待っていた可能性がある。
- 聖典の鍵のすり替え時に毒殺や誘拐などを看破・阻止され、ローゼマインの周囲が明らかに警戒していることが見て取れたことで旧ヴェローニカ派が危機に瀕していることを察し、ローゼマインの今までの動向を見てきたマティアスとラウレンツが、自分が名を捧げて仕えたい主としてローゼマインを選び、計画の存在をローゼマインに伝えて粛清が前倒しされた。ゲオルギーネに名捧げしていたエーレンフェスト貴族は処刑されるか自爆し、計画は失敗した。なお、聖典の毒は遅効性であり、作中描写やフラウレルムの言動から数ヶ月以上の時間が経過しなければ死なないため、この襲撃計画においてはほぼ意味のない毒殺計画であり、アウブになってからの方が殺害する機会にも恵まれたであろうことからなぜこのようなことを実行したのかは不明。
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最終更新:2024年05月03日 21:12