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//02/11:「大幅に手を加える場合はスレにて事前に相談を」というルールを無視した大規模なCOが行われており、その理由・内容も「開発スタッフによる明言等のソースもないのにこういう難易度・デザインなのだろうという決め付けでCO」「理屈や根拠を提示せず自分がそう思えないだけでCO」「記述の全体構成を考えずに部分的にCOして構成を乱す荒らしに近いCO」という酷いものであったため、一旦差し戻し。それでもなおCOを続けたいのなら編集の前にスレにて相談を。 *零 ~濡鴉ノ巫女~ 【ぜろ ぬれがらすのみこ】 |ジャンル|ホラーアクションアドベンチャー|&amazon(B00LWY22E0,image=https://eccdn.geo-online.co.jp/ec_media_images/5121405-01.jpg,width=115,height=160)| |対応機種|Wii U|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂&br()コーエーテクモゲームス&br()|~| |発売日|2014年9月27日|~| |定価|6,600円(税別)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|WiiU移行となりいろいろと進化&br()より質感を高めたグラフィック&br()低い難易度と水増し感|~| |>|>|CENTER:''[[零シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー >「日上山」はかつて霊場として崇められ、その周辺には特殊な信仰が伝えられていた。~ この山では、「水」を御神体とし、「人は水から生まれ、水へ還る」という、輪廻の教えがあった。~ そのため、この山には「死を迎える者」が訪れ、この山の水に触れて最期を迎えることで、正しく命を終えることができると信じられていた。~ ~ また、特異な儀式や風習が残っているとされ、陰惨な事件や不思議な出来事があったことも多数報告されている。~ ~ 物語は、霊山と呼ばれる「日上山」を舞台に、不来方 夕莉(こずかた ゆうり)・放生 蓮(ほうじょう れん)・雛咲 深羽(ひなさき みう)の3人によって織り成される怪異幻想譚である。 ---- **概要 コーエーテクモゲームスの和風ホラーゲーム『Project Zero』シリーズの第5作。~ 表現(描画)には同社より発売された『[[DEAD OR ALIVE 5]]』の技術が活用されている((このためか、キャラクターのモデリングも『DOA5』に近いものとなっている。))。~ キャッチフレーズは「''WiiUで体験する濡れる恐怖''」で、水をテーマとしている。~ 物語の重要な要素であり演出にも大きく影響している。 ---- **ゲームシステム・前作からの変更点 ''ゲーム進行'' 前作同様に3人の主人公を操作してストーリーを進めていく。操作キャラクターは章毎に決められており、任意変更はできない。 -不来方 夕莉 --従来通り射影機を使って戦うキャラクター。使用できる強化レンズが多く、比較的脚も早い。 -雛咲 深羽 --過去作にも登場した雛咲 深紅の娘で、夕莉と同じ射影機を使って戦う((同型の意ではなく、シナリオの都合上同一の射影機を使用し、強化状態も共有される。))。 --高い霊能力を持つという設定であり、霊力を消費して霊の動きを遅くする固有能力''スロー撮影''を使用できる。~ その反面、夕莉と比較して移動速度がやや遅いという調整が施されている。 -放生 蓮 --作家。次回作の題材として日上山周辺に見られる風習、「弔写真」を調べる内に…。 --夕莉とは異なる''複眼射影機''を使う。強化レンズの切り替えはできないが、4連写(強化により8連写)攻撃ができる。 --移動速度は3人の中で最も遅い。 -過去作と異なり、ミッション選択制である。 --これにより霊リスト埋めや、取り逃したファイルの回収がやりやすくなった。 --また回復アイテムやフィルムは次の章へ持ち越せず1つのミッションごとに規定数支給されるようになった。支給される量はミッションや難易度ごとに異なる。 --足りないと感じるならポイントを消費してショップで購入できるが、その分スコアから減点される。 --ミッションクリア時の所持アイテムは、クリアリザルト時に未使用分がスコアとして計算される。 -本作はマルチエンディングであり、夕莉が2つ、深羽が2つ、蓮は4つのエンディングが用意されている。 --最終ミッションでの行動で分岐し、エンディングによってもらえる特典が異なる。 ''撮影バトル'' -操作方法 --「ZR」ボタン射影機での攻撃(撮影)を行う。 --「R」ボタンで強化レンズの特殊攻撃を行う。 --十字ボタン「上下」で強化レンズの切り替えができる。 --十字ボタン「左右」でフィルム切り替えができる。 --「ZL」ボタンで対象をロックオン可能。 --「左スティック+ZL」ボタンの同時押しでパッと振り返ることが可能。 -フェイタルフレーム --相手の攻撃直前のタイミングでこちらの攻撃を当てる、相手に掴まれた直後などに発生する。~ ダメージアップ効果+相手を押し戻す+さらに追撃可能といった効果がある。~ 成功すると画面左上に表示がでて数字もでるが、この間が追撃(連写)タイムとなる。~ 時間は非常に短いが、フィルム消費がないので気にせず連射できる。~ フェイタル中にもフィルム変更可能。 -怨霊の撮影時に「霊片」と呼ばれる欠片状のものが飛び散るようになり、これと怨霊本体を同時撮影するとダメージが増加するようになった。~ また、本体と霊片の合計が5か所((厳密には霊片だけでなく、同行者の顔や敵の遠距離攻撃など、「撮影対象」全般が該当する。))以上だと「シャッターチャンス」となり、より大きなダメージと怯み・ノックバックが発生する。 --このため、従来作のようにじっくりフェイタルフレームを待って大ダメージを狙うだけが効率的ではなく、連続撮影して霊片との同時撮影ダメージを稼ぐというゴリ押しも充分戦法として通用するレベルになった。 --ただし発生した霊片を放置しておくと本体に戻り、HPを回復されてしまうため、単にチャンスを狙うだけが最適解ではない。 ''Wii U GamePadでの操作'' -今作では、Wii U GamePadを射影機に見立て、操作する。 --ジャイロセンサーを使用し、自身があたかも射影機を持っている感覚でプレイできる。 ---ジャイロセンサーによる操作が苦手な場合はスティック操作に設定できる。 ---操作は「ジャイロ+Rスティック」または「Rスティックのみ」の2種類。カメラの感度や反転もオプションで個別に変更可能。 ''影見'' -日上山周辺に伝わる特殊な力。道中で迷ったら「ZR」ボタンを長押しで影見を使用する。 --消えた人や物の影を見ることができる。多くのステージではこれを追い目的地を目指すため、迷うことはほぼ無い。 ---影見を行うには、寄香(よすが)と呼ばれる消えた人の想いが強く残る品を入手する必要がある。 ''看取り'' -撃退した霊に触れることで、霊の過去・死に際を見ることができる。 --従来では軽視されていた雑魚霊のバックボーンや、物語の根幹に関わる記憶を垣間見ることができる。 --また一部の霊は特定のタイミングで戦闘中でも看取ることができる。残り体力に関係なく一撃で倒せるため攻略の面でも重要である。 ''濡れる'' -文字通り、雨や水気の多い場所ではキャラクターの体が濡れる演出が入る。画面右下のメーターに濡れ具合が示される。 --濡れると移動速度が落ちる・霊の出現率が上がるなどのデメリットと、射影機による攻撃が強くなるといった一部メリットがある。 -また、一部の霊による攻撃を受けると''夜泉濡''という状態になる。 --キャラクターの体が濡れるのは共通だがメーターが赤紫に変化し、防御力低下+スリップダメージ状態になってしまう。アイテム「清めの火」を使うか、早く霊を倒す必要がある。 -特に女性キャラクターの場合は、''肌にピッタリ張り付きスケスケになる衣装が非常にエロい。'' ''特典要素'' -本作にも、クリア特典が用意されている。 --追加コスチュームには、白無垢といった和風テイストの他、水着(夕莉用)やマイクロビキニ+マフラー(深羽用)といった変化球も((なお、これらの衣装は海外版においては削除されており、代わりに任天堂キャラクターの衣装が用意されている。))。 --またおまけストーリーとして、『[[DEAD OR ALIVE>DEAD OR ALIVEシリーズ]]』シリーズの登場人物である「あやね」を操作するショートストーリーが解禁される。 ---『DOA』シリーズを手がけるTeam NINJAが監修しており、ストーリーは依頼を受けたあやねが行方不明の少女を捜すというもの。 ---ゲーム的には本編より隠密行動(スニーキング)を重視した内容で、過去作に登場する霊石灯と新要素である「紫糸」を駆使する。 ---- **評価点 ''グラフィック'' -本作はWiiUでの発売となったことに伴い、シリーズ初のHD作品となっている。~ そのため、次世代ハードの性能を存分に活かし、より美麗となったグラフィックとなっている。 --その恩恵により女性キャラクター、さらには女性型幽霊すら美しくなった。 --シリーズの顔でもある怨霊達も、よりおぞましい姿でプレイヤーを歓迎してくれる。 --''濡れる恐怖''がコンセプトというだけあってキャラクターが濡れた際の服や肌の質感はかなりのもの。 ---しかも濡れた度合いに応じて、''衣服の肌への張り付き方や透け具合まで変化する''という徹底した拘りっぷりを見せてくれる。 #region(そしてお馴染みの…) ---パンチラもあるにはあるが、今作で特筆すべきはやはり''乳揺れ''だろう。 ---走っても歩いても乳房が揺れる。挙句、女性型幽霊の乳房も揺れる始末である。 ---だが、本作はそれだけではなく、後述する通り別の問題点に繋がっている。 #endregion --グラフィックの向上により、動くものと動かないものの区別がほぼつかなくなり、怖さが倍増している。 ''ストーリー'' -本作では、シリーズ中でもかなり直球に「死」という要素を取り扱っている。 -物語の舞台となるのは「日上山」と呼ばれる霊山で、自殺の名所という設定。そのためか主要人物や怨霊も、その多くがここで自殺または自殺未遂を行っているという。 --従って、過去作のような単純なホラーゲーとしての恐怖だけでなく、希死念慮に囚われた人々が発する特有の陰鬱さも加わり、かなり重い話である。 --一般にゲーム中でキャラが自殺の際、その人の経緯などを考慮せずにその場凌ぎの精神論で説き伏せて終わりといった安っぽい扱いのものも少なくない。しかし、本作の場合は「看取る」ことでその怨霊が死を選ぶまでの過程を見ることができ、自殺が物語の核心となる重要な要素となっている。 -明らかに重そうな雰囲気の漂うシナリオと、プレイヤーを引き込むかのような先が読めない展開が評価されている。 -また、過去作との絡みもある。既存シリーズをプレイしてると知った名前や御家の名前などでニヤリとさせられるものもある。~ 話の根幹にいるのはやはり麻生博士だが、初代『零』の主人公が登場するなどファンサービスは多い。 ''音楽・音声'' -SEや天野月氏の主題歌、AnJu氏のテーマはゲーム全体としては和風ホラー調の重苦しい雰囲気にマッチしている。 -声優陣も主人公3人を演じる種田梨沙氏・鈴木達央氏・内田真礼氏の3名を始めとした豪華な顔ぶれが起用されており、重々しいストーリーの盛り上げに一役買ってくれている。 ''移動速度向上'' -MAPが広くなったためか、屋外時の移動速度が全体的に上昇している。過去作と比較してロケーション自体も増えているが、それらのフィールドを探索するのも楽になった。 ---- **問題点 ''描写不足のストーリー'' -ストーリーの全容を理解するためには、それ相応の情報収集能力を要する。 --しっかり理解するにはプレイヤー側がある程度知恵を絞らねばならず、説明不足と言われても決して間違った指摘ではない。 --一例として「鉈を持った男の霊」は、本作の惨劇を引き起こした元凶の1人と言える存在である。~ しかし彼の行動原理は、通常プレイで入手できる資料や看取りで見られる過去の映像では、極めて曖昧な描写・情報しか得られない。~ 核心部分はファイルリストコンプリートの特典である、強化レンズ「聲((登場人物や怨霊をロックオン撮影することで、対象の心の声が聞こえるというもの。声の内容は基本的に聞かずとも物語の理解に影響は出ず、聞けばさらに理解が深まるという程度のものなのだが、唯一の例外が「鉈を持った男の霊」である。))」を使用した際の音声を聞かないと理解できない。 --本作は全体的にキャラクターの心理描写・感情表現・台詞などが不足しており、これもまた描写不足を後押ししている。~ 例えばイベントムービーではキャラの僅かな息遣いのみで、台詞らしい台詞はかなり少なくキャラ自体もほぼ真顔で表情に乏しい。 --この描写不足はゲームを進めると手に入る「メモ」である程度理解できるが、これはメモでの補足よりも本編内で描写すべきだろう。~ 特に序盤のシナリオで登場する「百々瀬 春河」は救助してすぐに失踪し中盤で亡霊として現れるが、その過程は一切描写されない。~ 失踪しても蓮や密花はおろか、直接絡んだ夕莉すら気にも留めず、結局そのままゲームが終わってしまう。''描写不足というレベルではない。'' ''難易度の低さ'' -シリーズ経験者がプレイして真っ先に思うことがこの点である。 -先述の通り本作は、「敵を攻撃すると霊片が発生し、それを含む部位が5か所以上だとシャッターチャンス」というシステムである。~ このため''距離を取りつつ攻撃し霊片を増やすだけで容易にシャッターチャンスで大ダメージになる''ゲーム性へと化してしまった。 --おまけに今作では''難易度問わずO七式フィルムを無限に使用できる''ため、節約しながら効率良く戦う必要性がほぼ消滅してしまった。~ この2点が悪い意味で噛み合ってしまい、ただ距離を取りながら攻撃を重ねていくだけでよくなってしまったのである。 -本作の低難度を後押しているのが、''ほぼ全ての敵の攻撃をボタン連打で簡単に回避できる''ことである。 --回避できない攻撃は、ごく一部の敵が使用する掴み攻撃と、イベントによる強制ダメージ、そして遠距離攻撃全般のみである。~ 逆を言えば、これら以外の攻撃は回避ボタン連打で全て容易に避けられる。''最終ボスの突進攻撃であろうと例外ではない。''~ 受付時間が短い・攻撃によって押すボタンが違う・タイミングよく押すなどの制約もなく、同じボタンを軽く連打するだけで成功してしまう。 --これもまた、上記の「距離を取りつつ攻撃していくだけいい」と悪い意味で噛み合ってしまっている。~ 離れて攻撃しながら霊片を出してシャッターチャンスを狙い、攻撃されたらボタン連打で回避、''本作の敵の大半はこれだけで倒せる。''~ 敵の攻撃を知らせる強化装置「避」も、最序盤のシナリオ2で入手できてしまう有様である。いくら何でも至れり尽くせりが過ぎる。 -アイテムもシナリオ開始時にデフォルトで多数所持しているため、よほど杜撰なプレイをしなければゲームオーバーにはならない。 --例えば最序盤であるシナリオ2((シナリオ1は基本操作を学ぶチュートリアルシナリオのため、シナリオ2が実質的な初シナリオ2。))の時点で、万葉丸x10・御神水x3・鏡石x1と、たっぷりの回復アイテムを所持している((それぞれHPを3~4割ほど回復、HPを全回復、一度だけ死亡回避。『バイオハザード』で言えば、グリーンハーブ10個と救急スプレー3個を所持してスタートするようなものである。))。~ その上でシナリオ中に多数の回復アイテムや各種フィルムを入手できるため、戦闘で困ることはまずない(拾得数はシナリオにもよるが)。~ 後半シナリオに至っては、万葉丸x25・御神水x5もの回復アイテムを所持して始まる。ここまで多いと使いきる方が難しいくらいである。~ このためシナリオ開始前にアイテムを購入できるというシステムも、前作に引き続きほとんど機能していない。 -最高ランクであるSSクリアも、慣れてくると初見プレイで達成できることもあるほど簡単である。 --本作のクリアランクに関わる要素は、残影や霊全般の撮影で獲得したポイントと、所持していた消費アイテムの清算ポイント''のみ''である。~ 他アドベンチャーと違って敵から受けたダメージ・シナリオ中に経過した時間・ゲームオーバー回数・リトライ回数などは''一切関係ない。'' --やはりというか何というか、これもまた上記で述べた問題点と悪い意味でガチガチに絡み合ってしまっている。~ プレイ時間が関係なく、O七式が無限なため、上手く立ち回るよりもチマチマ攻撃してポイントを稼ぐ方が高ランクを狙えるのである。~ ランクに所持アイテムが関与している点も然り。各フィルムを使い分けるよりは、O七式で時間を掛けて戦う方が高ランクを狙えてしまう。~ そして攻撃を回避しやすいことは、回復アイテムをあまり使わないことでもあり、やはり高ランクの狙いやすさに繋がってしまっている。 --せっかくの「看取り」要素や特殊な条件下でのみ見れる「レア看取り」などは、点数を下げる行為であるため使うことが躊躇われてしまう。 --要約すると、きっちり探索してアイテムを拾い集め、戦闘ではO七式で時間を掛ける。''大半のシナリオはこれだけでSSを獲得できる。'' -シリーズお馴染みの最高難易度である「NIGHTMARE」も、本作ではそこまで難しいものではない。 --変化する要素は、所持/拾得アイテムの減少・霊片が消えやすい・与ダメ量と回復霊力の低下と、主にこちら側が弱くなるだけである。~ フェイタルフレームや攻撃回避の受付時間・被ダメ量・敵の配置や行動ルーチン・攻撃頻度など、敵側に関しては良くも悪くも変化がない。 --そのため、難易度NIGHTMAREでもプレイ感覚自体はNORMALと大して変わらない。~ 戦闘ではO七式で時間を掛けてポイントを稼ぎ、敵の攻撃はボタン連打で避けるため、回復アイテムやフィルムが減ろうがやることは同じ。~ 拾得量が少ないためNORMALより戦闘で稼ぐ必要があるが、与ダメ量の低下で必然的に戦闘に時間が掛かるため、結局大差はない。 ''ステージ構成・戦闘について'' -本作はシリーズ随一のボリュームをアピールしており、確かにエンディングに至るまでのプレイ時間は過去最大となっている。 --しかし実際には、時には別のキャラで、時には別の目的で、同じロケーションを何度も往復することが非常に多く、''水増し感が極めて強い。''~ 発生イベントや敵配置に変化はあるものの、同じ場所に何度も行くため、未知のロケーションに行く新鮮味・恐怖感が薄れてしまっている。~ 中には3回も4回も''5回も''行くロケーションもある。ここまで多いと新鮮味どころか飽き飽きしてしまうことだろう。 //--しかし、新しいロケーションを行き来する際の道程が既に通ったロケーションである、という場面が多く、実際のボリューム面は冗長気味。 //--目的を果たすために影見で登場人物の行方を追う、目的を果たした後に危険から逃れるべく下山するなど、シチュエーション自体にもシナリオの都合とは言え似通った部分が多い。そのことも相俟って、既視感を覚えてしまう箇所も多く、恐怖感が薄まりがち。 //--また、戦闘が存在する14の章のうち2つは、舞台が主人公たちの拠点のみに絞られており、目的も実質同じ。この点も冗長さに拍車をかけている。 //↑ロケーション自体は決して少なくなく、探索時の新鮮味はある (問題ありにしても本質は少し異なる) ように感じます。念のためひとまず記述は残しておきますが、ロケーションに関して水増し感をここまで強調しなくても良いのではないでしょうか //↑同じ場所に何度も行く水増し感は無印発売時にもリマスター発売時にも濡鴉本スレで指摘されるくらい話題になってたよ、強調でもなんでもないただの事実。そもそもこれは同じ場所に何度も行く事による既視感や辟易への指摘であり、ロケーションの多い少ないは関係ない。「ロケーション自体は決して少なくなく~」と言いたいならその旨を評価点に書けばいいだけの事。 //↑失礼、元記述からして既視感の指摘に寄っているのは確かにそうでした。水増し感についてはこちらももう少し具体的に反論できれば良いんですが、感覚の問題に終始しそうなので、ロケーションの量に関して移動速度向上に絡めて少し触れておくに留めます。ご指摘どうもありがとう -これも多くのプレイヤーから指摘されていることだが、本作は閉所での戦闘がシリーズ全体でも特に多く、ストレスを感じやすい。 --戦闘エリアが狭いが故に敵が地形内にめり込んでしまうことが多発し、それにより敵側が一方的に有利になる様々な事態が発生する。~ 地形内の敵が戻ってくるのを待つ間に発生した霊片が消滅してHPを回復される、霊片が地形内にめり込んでシャッターチャンスを逃す、~ シャッターチャンスで敵を倒すと地形内までノックバックして「看取り」ができなくなるなど、多方面に悪影響を及ぼしている。 --当然のことだが、戦闘エリアの狭さは敵が有利になる一方で、プレイヤー側は著しく不利になる。~ 地形が狭いとフレーム内に敵や霊片を収めにくく、結果シャッターチャンスを逃がしたりフェイタルフレームに失敗するなどになりやすい。~ ボタン入力で敵の攻撃を回避しても、地形が狭いせいで結局当たってしまうということも多く、これには流石に理不尽さを禁じ得ない。 --このため、''戦闘エリアが広いか狭いかだけで難易度が激変する''という、非常に歪なゲームバランスになってしまっている。~ 先述の通り敵の攻撃はボタン入力で回避できるため、開所で戦う強敵よりも、閉所で戦う雑魚の方が難しいという逆転現象が起きている。~ シナリオ8・13に至っては、''5畳程度しかない物置で戦う、狭い事務所内で2体の敵と対峙する''という厳しすぎる状況すらもある。~ 意図的か結果的かは分からないが、仮に意図的とするならば、ゲームとしての面白味には全く寄与できていないと言えるだろう。~ もちろん、幽霊なので地形をすり抜けること自体は問題ではない。''幽霊に有利な地形・場所が多すぎる''のが問題なのである。 -本作の霊の総数は決して少ないわけではないが、全体のボリュームが多い上、敵と遭遇する頻度も従来作と比べて高め。~ これにより相対的に同じ敵と遭遇する機会が多くなり、その内恐怖感よりも「またこいつか…」と辟易してしまいやすい。~ また、総数自体は少なくないものの、見た目が違うだけでモーションは使い回しの水増し幽霊も少なからず存在している。 --本作には都市伝説として有名な「''八尺様''」が正体不明の謎の幽霊として登場しており、これはとても好意的に評価されている。~ しかし折角の個性的な存在なのに、エンカウントの機会は僅か2回のみで、どちらも迂回ルートを通れば戦闘にならない((一応浮遊霊としては何度も登場する。))。~ こういった要素をもっとたくさん入れてくれれば、プレイヤーの心境も変わっただろうに。 -霊やこちらの攻撃に対する地形の当たり判定がおかしい箇所が多い。 --岩や壁の中にいる敵に攻撃が当たる一方で、別の壁の中や木の裏側の敵には当たらなかったりと、この謎の判定は序盤から随所に見られる。~ 本作は狭い地形が多いため、プレイヤーとしては壁の中にいても当たってくれた方が当然嬉しいが、完成度的な意味ではあまり褒められない。 --また、2階の小部屋での戦闘中に突如1階に行ってしまったり、地面の中に潜り込んでしまったり、不安定な挙動を示すこともある。 ''上手く機能していない状態異常'' -本作の要素の1つである「濡れ」は、ゲームとしての面白さに寄与しているとはお世辞にも言い難いものになってしまっている。~ 水に濡れると被ダメが増え特定の敵が出現しやすくなる半面、与ダメが増加し霊力の回復量が増えるという長短になっている。~ しかしシナリオの途中で強制的にずぶ濡れにさせられることが多い上、特に終盤は雨が降っているため否応なしに濡れることになる。~ また、先述の通り敵の攻撃は回避ボタン連打で容易に回避できるため、被ダメの増加も大したデメリットになっていない。~ 遭遇率増加も、アイテム収集でよほど寄り道しない限りは差が出ず、戦闘でのポイント稼ぎにもなるため、やはりデメリットには至らず。~ さらに言えば、蓮には元より霊力が存在しないため、「霊力の回復量が増加する」というメリットが機能していない。 -もう1つの「夜泉濡」は、移動速度低下・視界妨害・スリップダメージというなかなか手痛い状態異常にはなっている。~ しかし夜泉濡攻撃を確定で仕掛けてくる敵は限られている上、その敵もHPを1/6程度にまで減らさないと基本的に使用してこない((一応すべての敵が夜泉濡をしてくる可能性はある。しかし「専用の夜泉濡攻撃モーション」を持っているのはやはり巫女だけで、他の敵は「攻撃に夜泉濡付与効果がつく」というもの。))。~ 仮に使用してきたとしても、やはり回避ボタン連打で簡単に回避できてしまい、回復アイテムも潤沢なので大した脅威ではない。 ''恐怖演出の少なさ・弱さ'' -本作の怖さは、ホラーゲーム経験者・シリーズ経験者からするとパンチが弱い・あまり怖くないとされている。~ 低年層の多いWiiUユーザーに合わせた可能性もあるが、初代や『紅い蝶』のような怖さ・おぞましさが足りないという声が多い。 --分かりやすい説明をしづらいが、全体的にプレイヤーを怖がらせる、または驚かせる演出・工夫・表現が少ない。 ---いくつか例を挙げると、大半の浮遊霊の登場の仕方がただ立っているか歩いているだけ。 ---浮遊霊が登場する際に鳴る効果音の種類が少ない、もしくは鳴らず、効果音が鳴ったとしても「ピーン!」という怖さの欠片のないもの。 ---霊(敵)の登場も同じくただ登場するだけで工夫が凝らされていない。 ---恐怖感を煽るようなBGMがプレイ中に一切なく、2種類の環境音が延々と流れているだけなど。 --浮遊霊も敵として登場するものがほとんどなため、数回で見慣れて恐怖感を感じなくなってしまう。 --他ホラーゲームやジャパニーズホラーではよくある、「手を触れていないのに物が勝手に動く」「章が進むごとに人形の髪が伸びる」「壁のシミが動く」というような明らかに不自然な怪奇現象は皆無。せいぜい「棚から勝手に物が落ちる」程度のモノで、怖いとはお世辞にも言い難い((序ノ雫で「いつの間にか人形の向きが変わる」という現象はあるが地味。))。 --『零』シリーズも今作で5作目ということで耐性のあるプレイヤーも多く、初のHDハードでもあったため、今までにない表現が欲しかったところ。 --もちろん全くダメなわけではなく、押入れを開けると映りこむ等身大の人形の存在感や、劣化しまくったVHSのような表現が施された看取り映像、電話ボックスの隣に立つ謎の存在感を放つ「傘を差した女」や、先述した「八尺様」などは充分に個性的でホラーゲームとしての水準を満たしている。 -Wii U GamePadによる没入感の妨げ。 --『零』シリーズは、写影機を構えるとカメラ越しの一人称視点になり、恐怖の存在を見て対峙するしかないという独自の恐怖演出であった。~ しかし本作では、この一人称視点がゲームパッドの小さな画面に表示されるため、カメラ越しに敵と対峙するというシリーズ特有の臨場感が大幅に削がれてしまっている。さらに、プレイヤーの視線もテレビ画面とパッド画面を頻繁に行き来することになるため、作品世界へ入り込む没入感も同様に削がれている。~ 本作に限った話ではないが、Wii U GamePadは「ごっこ遊び」をする上では優秀なデバイスではあるものの、臨場感・没入感の面ではマイナスの方向に働いてしまっている。ただし、''「ごっこ遊び」としてはかなり効果的に活用・機能している部類であるということは特記しておく。'' -恐怖感を殺す、過剰なお色気要素。 --主に健全な紳士からの感想。''主人公や女幽霊がいちいちエロくて恐怖演出を感じる余裕がない''という声が''COLOR(red){非常に多い。}''~ 夕莉はシリーズでも随一の巨乳であり、''ただ歩くだけでもその大きな乳房が激しく揺れる。''女幽霊も胸元をはだけた官能的なものが多い。~ また、コスチュームにもよるが狙わなくてもパンツが見えたり胸元を強調するイベントカットも数多く、[[こんな動画>https://www.youtube.com/watch?v=f1doqOafAh0]]が存在するほどである。~ これら数々のお色気要素が、ただでさえ弱い本作の恐怖感を殺してしまっており、怖くないという本作の評価を確固たるものにしている。 --もちろん、こういった舞台ではエロ要素自体は問題ではない。映画や小説などの他メディアのホラー作品においても、エロ要素は普通に存在する。~ ただし、その目的はホラー要素との緩急付けや恐怖演出をより際立たせるためのスパイス、つまりは「スイカに塩」の塩でしかない。~ エロはエロで評価されており、それ自体に批判の声はほとんど無いが、明らかに匙加減を間違えて素材本来の味を殺していることが問題なのである。 //どう見たって「賛否」よりもかなり「否」寄りの書き方・表現なのに、黙って動かすのはどうだろう。やる前に良作スレで意見を仰いでは如何か。 //それならそれで問題点とするのはいいけど、賛否と問題の項目をまとめないように。問題点と賛否両論点は全く別物。 -本作の舞台である日上山は自殺スポットの名所という設定であり、作中でも何度も「二度と生きて帰れない山」と言われている。 --しかし、そのわりには行方不明者を探して単身乗り込み、対象を発見または救助し無事家に帰還…という展開が何度も行われる。~ これは恐らく章仕立てにした弊害かと思われる。物語として破綻しているほどではないが、些か説得力に欠ける印象は否めない。~ 自殺スポットの名所であることを考えると、「この件で初めて生還者が確認できた」と解釈することはできるかもしれないが…。 ''操作キャラクターの格差'' -本作の操作キャラクターは主に夕莉と蓮の2人に大分されるが、この2人の性能差があまりにも激しすぎる。~ 夕莉は吸・遅・得・撃といった、8種類もの豊富な強化レンズ((本編クリア後に入手できるものを含めると合計12種類。))を使用でき、プレイスタイルにメリハリ・幅がある。 -一方で蓮は、夕莉のような多種多様な強化レンズを使用できず、代替手段である連写も「4連写」「8連写」の僅か2種類のみである。~ しかもこの連写、特性・長所・短所があまりにも噛み合っておらず、ダメージソースとしては全くと言っていいほど役に立たない。 --連写はその名の通り4/8連写できる反面、1発あたりの与ダメは通常撮影の3~4割程度しかない上、使用後の装填速度も非常に長い。~ また、その仕様から大量の霊片を放出させるが、連写で発生した霊片は僅か数秒で消えてしまうというという特性がある。 --このため、''連写では大したダメージを与えられず、装填速度が長いせいで大量の霊片が発生してもシャッターチャンスに繋げられず、大量に発生かつ数秒で消えるせいで与ダメ以上のHPを回復されてしまう''という、ほとんど役立たずな攻撃手段になってしまっているのである。~ 一応複数の怨霊を連写で攻撃すれば、2倍の霊片によって連写中にシャッターチャンスが発生し、回復される以上のダメージを与えられることがある。しかし、相手が連続でノックバックして全ヒットしないことがあったり、そもそも複数の怨霊が同時出現する状況に限られたりと、不確定要素が強く実用的とは言い難い。~ 唯一のメリットは「大量のポイントを容易に稼げる」ことであり、''この一点だけは''夕莉よりも優れている。しかし蓮には劣るとはいえ、夕莉にも獲得ポイントを増加させる強化レンズ「得」があり、釣り合いが取れているとは到底言えるものではない。 --このためポイント稼ぎ以外での戦闘では、実質的に強化レンズなしの通常撮影のみで戦闘させられるということになってしまっている。~ せめて「夕莉よりもHPが高い・攻撃力が高い・移動速度が速い」などの基礎スペックで差別化されていれば良かったが、''それすらもなし。'' -本作の主人公は前作同様に3人だが、この項目では「操作キャラクターは主に夕莉と蓮の2人に大分される」と書いている。~ というのもこれは、''深羽が主人公のシナリオが僅か2つしかない''ためである。主人公3人というよりは主人公2人+αというレベルである。 --一応最初と最後のシナリオに深羽の操作パートがあり、厳密には4つである。しかしこの時には一切戦闘がなく、実質2つと同様。~ 正直おまけシナリオで他作品のゲストキャラを使わせるよりは、深羽のシナリオを増やして内面をもっと掘り下げてくれた方が…。 ''その他の問題点'' -ゴーストハンドの煩わしさ --アイテム拾得時、一定確率でゴーストハンドに手を掴まれるシステムが、前作に引き続き本作にも採用されている。~ 前作同様に数回の遭遇で飽きるため恐怖演出として機能しておらず、拾得に数秒掛かるためいちいちテンポが悪く、評価は芳しくない。 --また、このゴーストハンドは手を伸ばす際に画面端を注視していれば回避できるが、地形や出現位置によっては反応が遅れてしまう((タンスを開ける際が特に顕著で、画面内のキャラクターの頭部でゴーストハンドが隠れてしまうため、反応が遅れてほぼ確実に掴まれる。))。~ この場合はほぼ確実に掴まれてしまい、僅かとはいえ余計なダメージを負いレバガチャを強いられてしまう。 --一応、前作と違って拾い損ねたアイテムが消失しない、という改善点はあるが…。 -オートセーブの弊害 --前述したとおりエンディング毎にクリア特典が用意されているが、本作はオートセーブのため分岐前でデータを残しておくことができない。~ 従って全特典の入手には最終シナリオを最低4周する必要がある。難易度は問わないのと、道中の戦闘は大半が無視できるのが救い。 --ボスや難敵と戦う前の任意セーブができないため、負けた場合は装備の変更や射影機の強化などもいちいちセットし直すことになる。~ 大抵の章はボス前にチェックポイントがあるが、シナリオ12は異常に少なく、屋敷内で5つもの鍵を探す間に一切チェックポイントがない。~ 鍵入手の前後には確定戦闘があるが、それに負けたら当然最初から集め直しであり、特に5つ目の鍵入手時の戦闘で負けると大惨事となる。 --同じく最終章もチェックポイントが少なく、散々歩き回ってアイテム(ポイント)を稼いでも、チェックポイント前の敵にやられたらやり直し。~ 一応ポイントを稼がなければいいだけなのだが、オールSSトロフィーの存在などからも、もうちょっとチェックポイントが欲しかったところ。 -今作では基本的に敵として登場する霊しかリストに登録されず、従来と違って浮遊霊や残影などは登録されなくなってしまった。 --コンプリート自体は楽になったものの、同時に霊に関する文章が大幅に削減され、読む楽しみが減ってしまった。 -初代から『月蝕の仮面』まで恒例だった、ゲームクリア後に開放されるミッションモードが『眞紅の蝶』に引き続き実装されていない。 --本編では体験できないシチュエーションで霊と戦えたり、強力な霊達と即座に再戦できたりスコアアタックも楽しめるとやりこみとして恒例になっていたのだが、本作では本編とミッションモードが統合されたような状況のためか実装されなかった。 ---- **総評 なかなか用途を見出しづらいゲームパッドをフル活用した作品。~ シリーズ本来の恐怖感は薄まっており、難易度もかなり低いが、それ故にシリーズ未経験者には勧められる出来にはなっている。~ 現在は多数のハードに移植されているため、興味があるなら買ってみてもいいだろう。 ---- **余談 -本作の発売と前後して、映画『劇場版 零 ゼロ』が公開された。原作は大塚英志著の『零 ~ゼロ~ 女の子だけがかかる呪い』である。 --また、マンガボックス内にてウェブコミック『零 影巫女』(原作:天樹征丸 作画:hakus 全7巻)がスタートするなど、各種媒体でメディアミックスが行われた。 ---ちなみに、作画担当のhakus氏はホラーアドベンチャー『[[真 流行り神>流行り神シリーズ]]』シリーズでキャラクターデザインを担当している人物である。 -2018年12月7日発売の『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』には、今作の主人公の1人である不来方夕莉がアシストフィギュアとして登場した。 ---- **その後の展開 -2021年10月28日に本作のリマスター版がSwitch/PS5/XSX/PS4/One/Winで発売された。 --PSハードでは『[[刺青ノ聲>零 ~刺青ノ聲~]]』以来16年ぶり、Xboxハードでは『[[FATAL FRAME II CRIMSON BUTTERFLY>零 ~紅い蝶~#id_f82ef32d]]』以来17年ぶりのリリースとなる。 --著作権表記には引き続き任天堂が名を連ねており、『[[The Wonderful 101>The Wonderful 101: Remastered]]』同様に任天堂版権のタイトルが他社プラットフォームで発売された希少な例となっている。

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