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パチパラ13 ~スーパー海とパチプロ風雲録~ - (2019/01/09 (水) 03:52:55) のソース

*パチパラ13 ~スーパー海とパチプロ風雲録~
【ぱちぱらじゅうさん すーぱーうみとぱちぷろふううんろく】
|ジャンル|ギャンブラーRPG+パチンコシミュレーター|&amazon(B000GLI3KM)|&amazon(B0010LWYWA)|
|対応機種|プレイステーション2|~|~|
|発売元|アイレムソフトウェアエンジニアリング|~|~|
|発売日|2006年10月26日|~|~|
|定価|5,040円|~|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~|
|廉価版|愛コレ!アイレムコレクション&br;2008年2月7日/1,800円|~|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|~|
|ポイント|いろんな意味で旧作から飛躍的に進化|~|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アイレムソフトウェアエンジニアリングと企業提携しているパチンコメーカー三洋物産のパチンコシリーズ、『海物語シリーズ』を収録したパチンコシミュレータにギャンブラーRPG『パチプロ風雲録5-青春編-』を収録した作品。~
パチプロ風雲録はパチパラ8から収録されているシリーズであり、パチンコゲームながらギャルゲー要素や妙にシリアスなストーリー(…とバカゲー要素)が特徴的なシリーズであった。旧3作では画面が見下ろし型だったが前作『パチプロ風雲録4-銀玉殺人事件-』で3D化され、同社製作・発売の『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』と同じゲームエンジンを採用したことによってゲームの可能性が広がりを見せた((本作の男性主人公のCVも『バンピートロット』の主人公と同じ川島章吾。))。~
5作目である本作はそこから色々な意味で凄まじい進化を遂げて見事(?)バカゲーとしての地位を確立するに至ったのである。~
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**特徴
-4つのモード
--「スーパー海」
---提携先である三洋の人気機種『スーパー海物語』をリアルに再現し、クギや台の寝かせなども調整しながら打つ事が可能。また実践攻略では、軍資金5万円やオリジナルグッズなどのプレゼントに応募できるパスワードが入手できる(現在はすでに終了している)。
--「パチプロ風雲録5」
---オマケモードにして、あらゆる意味での本作のメイン。友人からの頼みで代打ちをしたことから、パチプロの世界へとのめり込んで行くギャンブラーRPG。詳しくは後述。
---「5」とあるが、前作までとはストーリー上の繋がりは無く、旧作のキャラが何人かゲスト程度の出演をするぐらい。本作から初めても問題は無い。
---ちなみにストーリー的な繋がりがある作品は『1』~『3』。『5』と『6』であり、『4』のみが独立したストーリーとなってる。
--「液晶ビュー」
---スーパー海物語の演出だけを抜き出して見られるパート。ホールでは滅多に拝めないレア演出も見られる。
--「お楽しみ」
---パンフレットやデモムービーの閲覧のほか、風雲録で戦ったパチプロとのフリーバトルも可能。
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**ストーリー(風雲録5)
時代は昭和末期。県立八原高校を卒業した主人公は、未だ進路が決まっていない事に悩んでいた。~
校庭の桜の木の下で頭を抱えていた時、同じく頭を抱えていた同級生の小川桜子に声を掛けられる。~
「ねえ!君!パチンコ勝負に出てよ!」~
桜子は実家の自動車修理工場を借金の形に差し押さえられていた。~
そしてその工場を賭けたパチンコ勝負に出てくれる人間を探していたのだ。~
断り切れず引き受けた主人公はやがてパチプロの世界に足を踏み入れることになる。~
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勝負か?恋か?就職か?
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**バカゲー要素/評価点
本作のバカゲー要素と評価点。それはパチプロ風雲録5そのものである。
-とにかく自由度が恐ろしく高い箱庭形式になっている。
--パチンコに明け暮れる正しいパチプロライフはもちろん、ひたすら釣りを極めてもいい。グルメに走ってひたすら食べまくる事も、逆に道端のタンポポを食べながら生きる事も出来てしまう。
--清潔度など運に影響するパラメータもあるため、円滑に進めるのであれば「バランスのいい食事をして毎日ちゃんとお風呂にも入る健康的な生活」が推奨される。
--そういうことを意識せず、家を持ち車を買いデートをして…と呑気な昭和ライフを満喫する事ももちろん可能。
--主人公の性別は選択可能。それぞれの性別に応じた楽しみ方ができる。

-カスタマイズの幅も非常に広い。
--服装、髪型の種類は豊富で、組み合わせは自由自在。プレイヤーだけの主人公を作る事ができる。
---時代を反映したファッション、様々な職業の制服、そして雰囲気ぶち壊しの着ぐるみやコスプレと、種類はとにかく豊富。帽子や手袋、眼鏡、靴、手荷物も自在にカスタマイズ可能。男性主人公なら髭を生やしたり、女性主人公なら化粧が出来たりも出来る。
---挙句の果てに普段の立ち振る舞いまで変えられる。腰に両手を当てて格好つけたり、モデル歩きで街を闊歩したり、変態の如くダバダバ走りや忍者走行をする事すら可能。この動きはイベントシーンにもしっかり反映されるので…。
---女性主人公の場合はゲーム開始時にバストサイズも変えられる。ゲーム本編には影響が無い%%ので男の目を引いたりは出来ないが%%。
--部屋も好きなようにカスタマイズ可能。新しい部屋の鍵はパチンコの景品で入手でき、粗末な掘っ立て小屋から二十四時間風呂付の豪華マンションまで選ぶ事が可能。家具もポスターも自由において、「俺の城」にしてしまえる。
---例によって家具の種類も非常に豊富で、テーブルやベッドなどは勿論、骨格模型や西洋の鎧などのネタに走ったものも取り揃えております。
--その他カスタマイズ要素の多くはゲームには関係なく、本当に単なる趣味。だからこそ拘ってしまうユーザーが続出。

-恋愛要素も豊富。
--各恋愛対象との出会いにはこれまた個性的なイベントが用意してあり、ちょっとした恋愛アドベンチャー気分が味わえる。
--出会いイベントをこなして電話番号を入手すれば、いよいよデートが可能。行先やデート中の行動がかなりきめ細かく設定でき、最終的には同棲もできる。
--キスシーンは主観視点になり、自分の唇の位置を上手く相手の唇に誘導させる…と言うミニゲームで表現する凝りよう。
---ちゃんと唇に当てればより愛情も深まる。''鏡を使って練習も可能''((鏡なのだから外れる訳が無いのだが、何故か鏡の中の主人公は一切動かない。魔法の鏡か…?))。しかも自宅でなくとも鏡があればどこでも出来る。何と迷惑な…。
--自宅に帰ると合コンイベントが発生する事も。参加者は恋愛対象キャラの異性からランダムで選ばれる。
---前作ではあっさりしたイベントだったが、今回は選択肢も会話のパターンも豊富。締めにはお約束の王様ゲームまである。
--恋愛対象も男女共に豊富。ヒロインは勿論の事、元同級生、先輩、巫女さん、デブ、病弱、小悪魔系女子、家出娘、好青年、ヘタレ、パチプロ、実は純情なチンピラ、DQN野郎、''保健の先生''、''エロオヤジ''、''ヒロインの母親''と、とにかく色々なタイプが揃っている。ギャルゲーとしても乙女ゲーとしても楽しめる。
--ヒロインのみならず、主人公に近付く謎の美女のリリー、掴みどころのない言動で主人公を翻弄する乾、主人公と度々勝負するパチプロのヤスなど、ストーリーに関わるメインキャラも一部攻略対象となっている。
--''一部の同性キャラも口説ける''。ただし、男性主人公でなければ口説けない男性キャラ(ガチホモ)はいるが女性主人公でなくては口説けない女性キャラ(ガチレズ)はいない。また、攻略条件の関係で、レズ要素を楽しむにはゲーム本編をクリアした後のフリーパートまで進まなければならない。
--ヒロインとの交際もエンディング後限定である。案の定と言うか、このヒロインも''両刀遣い''。

-パチンコ脳な主人公
--とにかくパチンコで何とかしようとする性格があり、あるイベントで河砂が必要になったときは「パチンコ屋の景品にはないだろうし、どうすればいいんだろう」と頭を抱えてしまう。パチンコ以外にも色々と手はあるはず…というかそもそも土木作業用の資材は専門家に任せなさい。
--ちなみに本シリーズの通貨は「''玉''」。パチンコの玉がそのまま貨幣となっているのである。
--ただし世界観そのものがパチプロを容認しているわけではなく、むしろ一般人にとっては「専業パチプロ=無職」という扱いになっている。主人公は就職も進学も決まらないまま卒業してそのままパチプロになっているから、無職と言われても返す言葉は無いだろうが。
--エンディングによってはパチプロをやめて大手企業に就職する結末もある。尤も、その後のフリープレイでは普通にパチンコが出来る。

-アイレム節全開のイベント
--アイレム作品の例に漏れず無駄に選択肢が豊富。切羽詰った状況なのにラブホテルへ行こうとする選択があったり、真面目なときに限ってネタが紛れ込むアイレム展開。アイレムお馴染みの「そんなことよりおなかがすいたよ」も勿論健在。
--[[絶体絶命都市]]シリーズでは人気の要素である一方で雰囲気を壊しかねない部分が批判されることもあったが、本作ではシステム・世界観共にマッチしている為、否定的意見はほぼ聞かれない。
--選択肢によって主人公の性格が「冷静」「情熱」「慈愛」「鬼畜」のグラフで判定され、デートでの相手との相性に影響する。
---ちなみにメインヒロインである小川桜子の好みの性格は「''鬼畜''」。まさかのドMヒロインである。但し、酷い選択肢を選んで喜ばれるかと言えば、それは別。
--自由度とバカゲー要素が満載でそちらにばかり目が行きがちだが、本編のストーリーはアイレム作品の例に漏れずメイン、サブ問わず基本的に暗めのシリアス路線である。コンセプト故の突っ込み所は多々あるものの、伏線も随所に張られており、全体的な作りはしっかりしている。
--逆に選択肢や外見でこう言ったシリアスな流れをブチ壊しにする事も可能。それも自由度の高さ故の楽しみ方の一つである。

-更なるカオス、フリーパート
--一度ゲームをクリアすると、本編の二年後を舞台にしたフリーパートが始まる。新イベントが発生したり、新たな対戦相手が出現したり、本編とは違った勝負が出来るなどは当然としても、その内容は本編以上にブッ飛んだものが多い。
--サブイベントをクリアすれば「[[次元戦闘機>R-TYPEシリーズ]]」や「二足歩行自動車((『バンピートロット』の機体。))」をマイカーにする事が出来てしまう。マイ…カー…?
---次元戦闘機の開発者は桜子。本作の薄幸ヒロインはオーバーテクノロジーの持ち主であった((しかも次回作ではこんな超兵器を一般人が買えたりしている。どんな世界だよ!))。
--特に女性主人公でパチプロ「乾」に「私が勝ったら付き合って」と約束した状態で勝ったときの様子は必見。本編では「飄々とした、掴みどころのない謎のパチプロ」という感じだったのだが、そんなイメージなどかなぐり捨てて「絶対に嫌だ!」と大暴れしBGMにまでケチをつける始末。そこまで嫌がる事は無いのでは……?

-パチンコ勝負
--風雲録シリーズではパチプロ必殺技なるものが存在し、本作においても例外無く登場している。発動すると一定時間効果が持続し、勝負を有利に進める事ができる。
---チューリップを開きっぱなしにする、出玉数を倍にする、''確実に大当たりを出す''、''相手の玉をスローモーションにする''、などもはや超能力の類である。いつからパチンコ勝負は能力バトルになったんですか…?
---一方、玉が全ての役物を通過する、釘を最良の状態にする、と言った使い所に困る技もある。

-主題歌は飯田舞の「花」。他にも彼女が唄う挿入歌が収録されており、いずれも良曲と好評。
--「花」は次回作『6』でも再び主題歌として採用された。
--飯田女史は本作以降『[[絶体絶命都市3>絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-]]』などアイレム作品の主題歌・挿入歌を多数担当しており、後にアイレムの一部スタッフが独立した会社「グランゼーラ」にもやはり楽曲を提供している。

-その他、ミニゲームまで収録されている。
--釣りにカーレースと、パチンコゲームである事を忘れてしまうほど本格的である。
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**賛否両論点
-鬱要素を含むストーリー
--パチンコ勝負が原因で全てを失う者、復讐心に駆られて凶行に及ぶ者と、登場人物の悲劇性は割と容赦が無い。人死にも普通にある。
---桜子も冒頭からして幸薄そうな雰囲気を漂わせているが、ストーリーが進むと「突然、父が倒れて入院する」「''実家を火事で失う''」「''誘拐される''」「父とは血が繋がっていないと明かされる」「''その育ての父を亡くす''」と更なる不幸の連続に見舞われる。そして、そんな薄幸ヒロインに追い打ちを掛ける選択肢が紛れ込むのもアイレムクオリティ((例えば火事のシーンで「こんなに火事を近くで見たのは初めてだよ!」とはしゃぐと言った鬼畜極まりない事も出来てしまう。勿論、ヒロインは大泣き。))。~
旧作のヒロイン達も色々と不幸な目に遭っていた((『1』のヒロインの時点で、「祖父のように慕う人物が実は極悪人で、しかも両親の仇だった」というパチンコゲームに有るまじき展開に遭遇している。))が、本作の桜子の不幸ぶりはその遥か上を行くほど。
---営んでいた養鶏場を火事で失った好青年は下記の大島のカモにされた挙句、主人公が大島との勝負に勝つと''発狂して失踪してしまう''。彼には何の罪も無く、しかし後述のように大島には一矢報いる事も出来ない。精々、フリーパートの勝負で負かすぐらいか。
---ある恋愛対象キャラについては''イベントを最後まで進めると必ず死亡してしまう''((最後まで進められるのは男主人公のみだが、イベントで最期を看取らなかったとしてもエンディング後には既に亡くなっているので、途中でイベントが終わる女主人公でもやはり結果は同じ。))。
---続編『6』では更に容赦の無い展開が用意されており、メインシナリオ中に''殺害''されてしまう恋愛対象キャラも登場。メインヒロインの不幸ぶりも今作の桜子に負けず劣らず((しかもそのメインヒロインすら最後に死亡してしまうルートもある。))。
--サブイベントも大量に用意されているが、クリアしたからと言って必ずしも大団円で終わるとは限らず、「行動しようがしまいが結果は変えられない」「主人公の所為で事態が悪化してしまう」と言ったような報われない展開もあったりと、『バンピートロット』と同様アイレム特有の現実主義が垣間見られる。
---大島と言う男は堅気の人間を騙してパチンコ勝負の負債を押し付けると言う悪徳パチプロで、作中でも外道行為の数々を行うのだが、この男がメインストーリー上で明確に報いを受ける事は無い((乾とリリーはそれぞれ大島に制裁を加えるべく動いていたが、二人ともその為に主人公を働かせた割には特に何かした様子は無い。))。サブイベントは用意されているのだが、そこで主人公がこの男に出来るのは制裁を加える事ではなく、''好感度を上げて親密になり、彼の暴挙の仕返しに来た元舎弟を返り討ちにする事''だけである。
--こう言った暗い、報われない展開をリアリティがある評価点と取るか、気分が悪くなる不満点と取るかはプレイヤー次第である。
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**問題点
-パチンコ部分について
--確かにリアルでレア演出も見られるが、収録が一機だけなのはやはり寂しい。
--また、実機と違ってハンドルを固定してしまえるためプレイヤーは見ているだけの時間が結構ある。

-風雲録でのパチンコ
--他のパチプロとの勝負はともかく、生活費を稼ぐためのパチンコが面倒。運が高い場合、ハンドル位置さえ決めてしまえばあとは大当たり演出以外は見ているだけ。
--物語後半に舞台となる「山之上旅館」は高速道路を通らなければ行く事ができず、自動車を買う為に大金を稼がなければならない。一番安い車でも150000玉とかなりの値段であり、もはや苦行である。
---一応、救済処置として一気に玉を稼げる条件をパチンコ勝負にて提示する事が可能だが、これを活用したとしてもある程度は玉稼ぎに精を出さなければならない。
---続編では高速道路を通らなければ行けない場所は存在せず、車なしでもストーリーが進むようになった((山之上旅館はマップデータごと無くなっている。))。免許証の更新イベントはあるものの購入自体は任意で、また、購入せずとも入手可能な車両も登場した。
--ストーリー中で度々バトルロイヤルなる多人数戦を行うが、これが時間が掛かる。ストーリーを進めたいだけの時はかなり苦痛。
--かと思いきや、ラストバトルはすぐにイベントが起きて中断され、そのままパチンコとは関係無い流れでエンディングを迎える。パチンコゲームですよね…?これ。
---ラストバトルの対戦相手達とはエンディング後に個別で勝負可能だが、そのうちの一人である最強のパチプロ「神谷」は勝敗に関わらず一度しか戦えない。しかも規格外の強さを誇るため勝利するには必殺技を駆使するのは勿論、自力で大当たりを何度も引けるリアルラックと1戦30分程度かかる勝負に何度もロードして挑むメンタルが必要。
---ちなみに前作『4』もラストバトルが存在せず、そもそもストーリー自体がパチンコと殆ど関係ない内容だった((「銀玉殺人事件」と言うサブタイトルの時点でお察しである。))。旧三部作と次作『6』ではしっかりラスボスとなる人物が存在し、最後はパチンコで決着を付けている。
--ソフト自体がパチンコシミュレーターで、パチンコ経験者を対象としている為か説明書にはパチンコのルールが書かれていない。「パチンコは知らないけど風雲録目当てで買った」と言う人はまず基本的な部分から始めなければならない。
---基本ルールさえ判っていれば問題はない。また、公式サイトには遊び方が記載されている。
--むしろパチンコ要素をカットしてほしい、とまで言われる始末。パチンコゲームとしては本末転倒である。

-一部条件が意地悪な恋愛対象キャラがいる。
--男主人公でのみ付き合えるとあるキャラは、''他のキャラとキスしなければイベントを最後まで進められない''((「他の人とキスしてたでしょ!」と突っ込まれる形でイベントが進む為。))。普通に攻略するなら、他のキャラとキスできる所まで愛を深めてから乗り換えなければならない。
--特定イベントや合コンのキスも対象なので上手く利用できれば良いが、どういう訳かこのキャラは序盤に出会っておかないとED後まで登場しなくなる事があり(しかも初見では気付きにくい所にいる)、キスが必要なイベントまでにチャンスを逃してしまう可能性も((上記の最後に死亡するキャラともイベント中にキス出来るが、注釈した通りそのキャラはED後には必ず亡くなるので、時期が遅いとこのイベントに応用は出来ない。))。そして合コンでのキスは運が良くないとできない。
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**総評
パチンコシミュレータとしては平凡ながら、凄まじい進化を遂げた「風雲録」によって名を馳せたレアなタイトル。~
愛コレ!アイレムコレクション(廉価版)で発売されている本シリーズ唯一のソフトであり、人気の高さが伺える。~
パチンコ好きでなくともオススメ出来る、非常に珍しいタイプのパチンコシミュレータである。
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**余談
-次回作にもこの路線は受け継がれ、パチパラ14収録の『パチプロ風雲録6-情熱編-』は本作の4年後が舞台の直接の続編となった。凄まじい自由度もしっかり継承されつつ、要素の追加やシステムの改良が施された正統続編である。本作が楽しめたならこちらもオススメである。
--ストーリーの繋がりこそ殆ど無いが、主人公は本作と同一人物であり、本作の登場人物も多数続投している。本作をプレイ済みであればより楽しめるだろう。
--恋愛対象キャラは総入れ替えとなっており、中には他の相手とくっついて街から去ったりしているキャラもいたり時の流れの無情を感じることも。仮に登場はしても普通のNPC扱いや名無しのモブだったり、別人にモデルが使い回されていたりする。
---リリーや乾などのメインキャラもストーリーにこそ絡みはするが、交際は不可能になっている。
---但し、桜子だけは元メインヒロインだけあって、ストーリーにこそ絡まないものの個別イベントがあり、交際も可能である。
--上記でも触れた養鶏場はやはり再建されておらず、『5』で身寄りのない子供を育てていた養護施設は廃墟になっているなど、こういった所にも無情さが現れている。また、『5』でストーリーに関わった長谷部商事も最終的には…。

-パチパラ8~12に収録されている『パチプロ風雲録1~4』((パチパラ10収録作はシミュレーション風の外伝である))については本作や次作と比べると、どうしても自由度やボリューム、システムの面で大きく見劣りしてしまうが、アイレム節全開のストーリーや魅力的な登場人物、おまけ要素は既に確立されている。本作プレイ後でも興味と機会があったらこちらに手を出すのも良いだろう。
--但し、本作以外のシリーズ作品には廉価版が出ていないので、本作ほど入手が容易ではない点に注意。
--『1』~『3』は「銀玉の狼」と呼ばれるパチプロの物語であり、三部作になっている。こちらはキャラは二頭身の見下ろし型で、イベントでは立ち絵や顔グラフィックが表示される方式である。
---「銀玉の狼」こと「須藤真幸」((本来は『絶体絶命都市』の主人公であり、所謂スターシステムにあたる。『パチプロ風雲録2』からは『絶体絶命都市』で須藤役だったヤマモトヒロフミがCVを務めている(『1』のみ別人が担当)。))は本作と次回作『6』にも強豪パチプロとして登場している。
--『4』は画面が3D化され、本作のベースとなった。主人公も男女から選択可能に。但し、本作に比べるとまだまだ要素は少なく、ストーリーも短い。これを大幅に拡充したのが本作である。
---パチンコ店で起きた殺人事件を始め、様々な事件を解決する作品で、''パチンコが殆ど関わらない推理アドベンチャー''となっている((謎解きのシステムは後に『絶体絶命都市2』にも応用されている。))。
---男性主人公は『3』までに引き続き須藤だが、世界観上は別人で「銀玉の狼」の通り名も無い。
--『4』から選択可能になった女性主人公は一貫して「村瀬杏子」だが、須藤と同じく『4』と他作品では別人である。男性主人公は本作『5』で新キャラの「椎名銀次」に交代した。
--尚、本作で桜子役を務めた小林恵美(現・亜城めぐ)は『3』以降のシリーズ作品でほぼ毎回%%不幸な%%ヒロイン役を務めている((『3』のメインヒロインは『1』にも登場していたが、当時は別人が担当していた。『6』では桜子役で続投なのでメインヒロインではないが、ヒロイン候補には違いない。))。

-ハードをPS3に移したパチパラ15以降は風雲録は収録されていない。本作が「春」、次作が「夏」の物語であったために「秋」「冬」の物語を待ち望んでいたユーザーもいたのだが……。
--ニンテンドー3DSにハードを移してからは恋愛要素に特化した外伝『らぶ・エクスチェンジ』やその世界観を受け継いだ『パチプロ風雲録・花』シリーズとして一応の復活を果たしたが、旧6作の主要スタッフは『絶体絶命都市4』や『バンピートロット2』の発売中止と言った経緯を経て既にアイレムを退社しており、全く別の作品と化している。
--『花』のタイトル通り新ヒロインを主役に据えているが、プレイヤーがヒロインを教育する内容だったり、逆にヒロイン自身を主人公にして逃亡ものやデスゲームものをやるなど、作風が一定していない。
--そもそもジャンルがアドベンチャーに変更され、旧シリーズの要素はほぼ廃されてしまった。
--『花』シリーズ第三弾『パチプロ風雲録・花 ~孤島の勝負師たち~』が収録された『パチパラ3D デラックス海物語』以降、パチパラシリーズの新作も出ていない。

-アイレムのゲーム部門スタッフが独立した「グランゼーラ」より発売された『巨影都市』にて「''中''川桜子」という本作ヒロインを彷彿させるキャラが登場している。両親の名前も本作の桜子と同じ。
--しかし同作では最終的に''橋の水没に巻き込まれて生死不明''になってしまう。やはり幸薄い…。
--また、恋人はゲーム会社勤務の一条一矢((元ネタはプロデューサーの九条一馬氏であろう。))、その携わった作品が『[[絶対安全都市>絶体絶命都市]]』と、全体的にネタに塗れている。このエピソード自体は悲劇なのだが、往年のアイレムファンからしてみれば思わず笑いが込み上げしまうだろう。

-グランゼーラ開発の『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-』では、とある選択肢に本作主人公の椎名銀次と村瀬杏子の名前がさり気なく登場している。