スーパーマリオ 3Dコレクション

【すーぱーまりお すりーでぃーこれくしょん】

ジャンル 3Dアクション/オムニバス
対応機種 Nintendo Switch
メディア Nintendo Switch専用ゲームカード
ダウンロード販売
発売・開発元 任天堂
発売日 2020年9月18日
定価 7,128円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 2021年3月31日生産終了
判定 良作
ポイント スーパーマリオ35周年記念タイトル
大ボリュームの3本セット
希少サントラも収録
マリオシリーズ


概要

スーパーマリオブラザーズ』35周年記念で発売されたタイトルのひとつ。
スーパーマリオ64』『スーパーマリオサンシャイン』『スーパーマリオギャラクシー』の3Dマリオ3作を収録したオムニバスソフトである。
スーパーマリオシリーズのコレクションとしては1993年に発売された『スーパーマリオコレクション』以来のタイトルで、3Dマリオでは初めてとなる。
パッケージ版・ダウンロード版ともに2021年3月31日までの期間限定生産・販売となっている。


特徴・評価点

3Dマリオ夢の3本立て

  • 3Dマリオシリーズは1作だけでも大ボリュームを誇るが、それが3作も収録されているため非常にお得感が高い。特に『サンシャイン』は移植の要望も高かったため、発表された際には喜びの声が上がっていた。
    • 発売時期に5~6年の差があることもあり、3Dマリオの進化を楽しめる。カメラワークや操作感覚の違いに感心すること請け合い。
  • これに加えて各タイトルのサウンドトラックも収録。曲を流したまま画面を消せる「画面オフ再生」も用意されているので、Switchを携帯プレイヤーとしても使用できる。
    • 『サンシャイン』のBGMはこれが初の全曲音源化。『ギャラクシー』はクラブニンテンドーの2007年プラチナ会員限定で配布された完全版サントラを収録しており、現在は本作の定価を超えるプレミア価格となっていることを考慮すると、この点でも非常にお買い得と言える。

グラフィック

  • グラフィックの3Dモデル自体は当時そのままに準拠しているが、解像度がHD画質に引き上げられたため、よりくっきりした画質でプレイできるようになった。
    • 『64』は一部のテクスチャが高解像度化されており、一番分かりやすい点として残機などのUI表示が大幅に綺麗になっている。看板などのフォント、ステージの絵など結構な数のグラフィックがリファインされているのが分かる。
    • 『サンシャイン』は新たに16:9表示に対応。ムービー中の上下の黒帯が削られるなど、現在のディスプレイ環境に対応した変更が加えられている。
    • 元々画作りの面で評価の高かった『ギャラクシー』は美麗さがさらに強調され、近年のゲームと比較しても遜色はないレベルに。

システム面

  • 各タイトルの開始時にこそ多少のロードが発生するが、プレイ中はむしろロード時間が短縮され、快適になっている。
    • 『サンシャイン』は元々小型の8cmディスクを前提に作られていたためロードの長さは感じにくかったが、本作では更に短くなっている。『ギャラクシー』も元からロード時間が短かったので変化を感じにくいが、スター取得後の展望台帰還までのロードが一瞬で終わるようになっている。
  • 操作面ではSwitchのコントローラに合わせたボタン設定が行われ、快適に遊べるようになっている。-ボタンを押すと共通のオプションメニューが表示され、操作ガイドやアクションガイドなどの簡易説明を閲覧でき、説明書なしでもプレイ可能な配慮が行われている。
    • ゲーム中のボタン表記も変更されている。各タイトルで使用されているフォントに合わせているため、違和感はない。
    • 共通として、従来はAボタンでジャンプだったが、今作ではA/Bボタンの両方がジャンプに割り当てられており、その他のボタンもSwitchのコントローラ環境でも遊びやすい配置になっている。
  • 『サンシャイン』のポンプ操作はSwitchのRボタンが感圧式ではないため、ZRボタンで走りながら、Rボタンで立ち止まって放水するようになった。
    • Ver.1.1.0のアップデートにより、ニンテンドーゲームキューブコントローラ接続タップが使用できる環境であればGCコンでの操作に正式対応した(ゲーム中のボタン表記は変化しない)。GC当時そのままの感圧式操作で遊べるので、どうしても違和感があるプレイヤーは使用すると良いだろう。
  • 『ギャラクシー』はJoy-ConやProコンのジャイロセンサーを使用することでWiiリモコンでの操作を再現。サーフィンやタマコロなどのジャイロ操作も対応している。
    • オリジナル版と異なりコントローラを画面に向ける必要がなくなったのでプレイしやすくなった。それだけでなく、スピンはコントローラを振らずともX/Yボタンでも出せるようになった。
    • なお、携帯モードやSwitch Liteではタッチ操作でスターピースを取得できるが、アシストプレイは不可能などやや制限がある。
    • 2P時のアシストプレイにももちろん対応。おすそわけプレイでJoy-Con横持ちでも遊べる。カメラ操作が特殊になるが、元々見やすい位置にカメラが移動してくれるので、さほど問題はなく遊べる。
  • その他の点として、タイトル選択時に他言語を選べるようになり、手軽に海外版を楽しめるようになった。
    • 『64』は5言語、『サンシャイン』は7言語、『ギャラクシー』は10言語も収録している。
    • なお、セーブデータは全言語版で共有されている。

賛否両論点

  • 収録されているタイトルのバージョンは発売されたハードでの国外版を含めた最終バージョンがベースになっているようで、国内後期版などとも少しずつ違いが存在する。
    もちろんストーリーやステージが変更されているということはないのだが、細かい部分の違いが気になるという声がしばしば聞かれる(特に『サンシャイン』)。これらは言語を切り替えても全て共通仕様となる。
    • 『64』は国内の振動パック対応版が最終バージョンだったため、内容的にはそちらに準拠している*1。なお、タイトルセレクト画面のパッケージアートは初期版のはねマリオ単独のものになっている。
      • 特に、初期版との大きな違いとして「後ろ向き幅跳び(ケツワープ)による加速ができなくなった」という点がよく挙げられやすい。
    • 『サンシャイン』は欧州版が最終バージョンのため、ドルピックタウンに配置されたフルーツが増えていたり、ムービー中の字幕をオフにするオプションが追加されたりといった変更がなされている。
      • シレナビーチの大掃除の判定の緩和や、モンテマンレースの専用BGMの追加などの違いもあるが、これらは国内後期出荷版でも取り入れられていた要素である。
    • 『ギャラクシー』は、2018年に中国で発売されたNVIDIA Shield版をベースにしている。
      • スピンがボタン操作で行える等の追加要素を除けばオリジナルのWii版からの変更点もほぼ存在せず、オリジナル版で可能だった各種小技やバグ技も再現されている。加えて、先述のようにジャイロセンサーで従来通りのプレイも可能。
  • 同様のコンセプトであるSFC『スーパーマリオコレクション』に比べると、本作独自の追加点や改善点に乏しい。例えば、『サンシャイン』の青コインのコースごとの取得枚数が確認できない等のやや不便な点は原作そのまま。
    • 3作品ともグラフィック面の改善こそあれど、最終版で修正されていないバグ(『サンシャイン』のパチンコ台の重力判定ずれなど)についてはプレイヤー不利なものであろうとそのままである。
    • 『64』については1作だけ旧来の4:3のまま(左右端に黒いピラーボックス)。ワイド画面に対応しなかったのはおそらく64のエミュレーション絡みの問題だろうが、画面バランスがおかしくなる可能性があるので一概に悪いとは言えない。
    • 同じくエミュレーションで動作していたVCのオートセーブや、『Nintendo Switch Online』の巻き戻し機能も実装されていない。
    • もっとも、旧『コレクション』が発売されたSFC当時はエミュレーションが一般的でなかったことや、SFCでFCを再現しようとするにはスペックの問題もあるという事情はあったため、一概に同列で語ることはできないが。

問題点

  • 映像の解像度
    • エミュレータの都合か、『64』のみ解像度が720p(他は1080p)と画質が若干粗い。Switchソフトでも大半のソフトはTVモード時の解像度が1080pなだけに不可解である。
    • 一応、720pでも十分綺麗ではある。

アップデートで改善された問題点

  • 以下はいずれもアップデートで修正された問題点である。
    • さすがに現在では少ないと思われるが、ネット環境がない場合は難点である。パッケージ版の出荷時期によってアップデートがどこまで適用されているかは今のところ不明なので、できる限りネットに繋いでおくべきだろう。
      特に、本作のパッケージ生産終了後に行われたアップデートであるVer.1.1.1の適用についてはネット環境必須である。
  • デフォルトのカメラ操作がオリジナル版と一部逆になっている。
    • 当初は全てのカメラ操作がいわゆるノーマル式に統一されていた。このためオリジナル版プレイヤーには操作面で違和感が強く、問題視する声が多く上がっていた。
    • Ver.1.1.0でカメラ操作のリバースオプションが設定可能になった。このオプション画面でYボタンを押すと自動でオリジナル版当時と同じ設定に変更してくれるようになったので、アップデートすれば問題は解決される。自分で細かくカスタマイズすることも可能。
  • 『サンシャイン』がGCコントローラに対応していなかった。
    • 一応接続はでき操作不可能ではないが、原作通りの操作ができないばかりかボタンの対応も全く異なるものになってしまっていた。
      • GCコンはボタン配置が変更できないこともあり、非公式の接続アダプタを使ってProコンと誤認識でもさせない限りまともに遊べる代物ではなかった。また、仮にその手段を用いても原作のような感圧操作はできなかった。
    • Ver.1.1.0で『サンシャイン』がGCコントローラに正式対応。GCコン使用時に原作通りのボタン配置になり、感圧操作もしっかりと再現された。
      • なお、ゲーム中のメッセージのボタン表記は変化しない。また、『サンシャイン』以外の2作品に関しては従来のままの操作となる。
  • 『マリオ64』が新規発売のワイヤレス64コントローラーに対応していなかった。
    • 上記と同様の事例だが、Ver.1.1.1で『マリオ64』が64コントローラーに正式対応。
      • なお、これについては64コン発売の経緯までも含めて本作の販売終了からかなり経ってからの出来事であるため、後述の余談も参照。

総評

いずれ劣らぬ人気を持つ3Dマリオの歴史をこれ一本で楽しめるお得なソフトである。
それぞれ異なる操作性をSwitch向けに最適化し、当時の遊び方もほぼそのまま再現可能かつ改良まで施された良移植。
当時の思い出に浸るのも良し、大ボリュームのゲームをやりこむのも良し、とことん遊び尽くせる一本と言えるだろう。

ただし現在では既に生産終了となっているため、今から入手するには残念ながら店頭在庫のパッケージ版しかない。


余談

  • CMは収録タイトルと同じく3種類が作られている。
    • 子供たちを見守り、夜には自分でプレイする『64』、協力プレイを楽しむ『ギャラクシー』に対して『サンシャイン』は例のマンタでミスしまくるというある意味プレイヤーの思い出を直撃する内容。
  • Wiiで『ギャラクシー』の続編として発売された『スーパーマリオギャラクシー2』は今回未収録となっている。
    • 本作で収録された『ギャラクシー』の移植度が良かっただけに、『2』が入っていなかった点は一部で惜しまれた。
    • ただし、今回収録の3本だけでも十分なボリュームがあり、またもし『2』を加えていたなら移植作業の手間等も含めて価格がさらに上昇していたことは想像に難くない。
  • 期間限定販売のため、現在はダウンロード版はeショップや店頭販売されているダウンロードカードの購入も新規入手不可*2、パッケージ版も店頭在庫のみのため入手困難になってきている。
    • これについて、「35周年記念作品とはいえ、わざわざこのような販売形態にする必要は無かったのでは」「過去作の移植ぐらいケチらず普通に売ってくれ」という批判もある。
  • マリオシリーズといえばスピードランだが、本作もSRCでしっかり集計されている。
    それも「3本を通して走り切る」のany%と100%ラン部門である。
    他にもサンシャインとギャラクシーはそれぞれSwitch版という形で個別集計されているが、なぜか64のみ個別集計されていない。
    やはりケツワープが無いと地味ということか。 *3
    • 『64』と『サンシャイン』は原作と比べてごく僅かに入力遅延が見られるという検証結果があるため、通常のプレイなら支障はないものの、RTA等のガチプレイ用途に関しては多少の影響がある。なお、『ギャラクシー』については原作と遜色ない。
      • ただし『64』についてはWiiU VC版の遅延がかなり大きかったため、それと比べれば今作では大幅に改善されている。
  • 本作の配信および出荷は既に終了しているが、2021年10月26日から配信の『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の第1弾として『マリオ64』が選出されているため、Switchでプレイする選択肢が新たに登場となる。
    • オンライン版は本作収録版と若干仕様が異なり、64当時をそのまま再現した仕様なのでテクスチャの解像度が低かったりする(VC版と同仕様)。
      また、日本版は振動パック版準拠だが、海外版は初期版の仕様のままなのでケツワープが使用可能であり、こちらはネット記事になるほど話題になった。
    • 同時期にSwitch専用のワイヤレス64コントローラーも発売されたが、オンライン版は操作の割り当てが本作と異なっているせいもあり、64コントローラー発売当初は『3Dコレクション』版を64コンで正常に遊ぶことはできなかった。
      • 本作が販売終了してから大分経っており、果たして対応されるのか動向が注目されていたが、過去のGCコン対応と同様にこちらも同年11月4日よりVer. 1.1.1のアップデートで64コンに正式対応され、原作と同様の操作で遊べるようになった(こちらもゲーム中のボタン表記は変化しない)。

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最終更新:2024年03月30日 19:08

*1 初期版との主な違いは、ボイスやSEの追加・差し替え。

*2 店頭販売されているダウンロードカードを販売期間内で購入して引き換える場合は、DL版の期限内の購入が可能だった。もっとも、こちらもパッケージ版と同様に入手困難だが…。

*3 VC版は個別集計されている。なお、ケツワープが修正されているのは日本の振動パック対応版のみで、海外版では修正されていない。そのため日本以外のVC版ではケツワープが可能となっている。