〝リベルタス〟
パーソナルデータ |
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型式 |
R.ISE-R01・LIB:ERT-AS |
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搭乗者 |
アイオライト・セプテンバー |
製造 |
新世界エレクトロニクス |
形態 |
クロムキャバリア |
種別 |
超高速空戦型・実験機 |
全高 |
5m |
重量 |
3t |
動力 |
ERT-MT12/EP〝エアドライブ〟 |
環境適応 |
陸:S 空:S 水:A |
標準兵装 |
胸部 |
ERT-EX305/BXS-A〝フェニックス〟 |
ビームブラストナックル |
肩部 |
ERT-EX307/BS-S〝コカトリス〟 |
ホーミングレーザー |
腰部 |
ERT-EX303/BX〝ガルーダ〟 |
ビームブレード |
背部 |
ERT-EX402/EP〝ハルウェルⅡ〟 |
人工サイキックウイング |
背部 |
ERT-EX308/BS-F〝フレスベルク〟 |
クリスタルビット |
全身 |
ERT-EX401/EP〝ハルウェル〟 |
人工サイキックウイング |
オプション兵装 |
携行 |
ERT-EX301/BS〝サンダーバード〟 |
可変弾速型ビームライフル |
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V.ERT-EX021〝ブルーテイル・エクス〟 |
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新旧世界争奪戦の際に得られたデータを元に開発された、最新鋭の実験・実証用クロムキャバリア。
機体名称である〝リベルタス〟は
Laboratory Integrate type Bluetail-Extraordinary Rescue Tools-corresponded to All Sky
≪研究設備統合型ブルーテイル・全空域対応型特別救護装備群≫
という長ったらしい事業名を縮めたものであり、アイオライトが「星座の本」を読んでもじったものである。
その長ったらしい正式名称も示す通りあくまで〝実験機〟であり、他の同社製キャバリアに対し、戦地での恒常的な運用を想定していない。
実戦運用を通してデータを収集するための機構を組み込まれたこの機体は、数多の実験兵装を搭載し、得られたデータを即座にフィードバックしてさらにデータを集める〝戦う研究所〟である。
本機はブルーテイルから
人工サイキックエナジー制御装置〝ソウルボードエミュレーター〟
並列予知演算システム〝エクスブレイン〟
といった特殊機構を継承しているが、機体構造そのものは設計レベルから完全に別物と言える。
+
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一つ一つの仕様を列挙すると長いので、詳細は折りたたむ。 |
まず本機を実験機とする最大の特徴として〝オブリビオンプリンター〟が搭載されている。
これは動力に使われている偽神兵器からオブリビオンストームを放出し、破壊した物質を〝エクスブレインCAD〟が演算したデータを元に
瞬時にその戦場で有用な武器として射出形成し直す一種の3Dプリンターである。
この機能により本機は非常に多彩な装備の試作、試験が可能となったが、反面、パイロットを完全に限定するものとなってしまった。
新規設計されたフレームには特殊構造材〝霊子強化ガラス〟が使用されている。
これは薄氷ジゼルの協力によって提供されたサイキックキャバリア、ルサールカの構造素子をベースにしたものである。
この構造材はブルーテイルでは考えられなかった柔軟性と冷却性能を両立している。
機体の稼働によって生じたエネルギーの排熱はブルーテイルでは深刻な問題であったが、本機は最大稼働時に全身の装甲をスライドさせ
露出した霊子強化ガラスからサイキックエナジーとして放出することで排熱を行いつつ、装甲の剛性を高めることに成功している。
この機構によって、本機は最大稼働時に全身及び〝ハルウェルⅡ〟が空色に発光するため、隠密性は極めて低い。
この〝ハルウェルⅡ〟はブルーテイルに搭載されていたハルウェルの発展型であり、ウイングをオブリビオンストームで構築し、サイキックエナジーでコーティングすることによって環境、状況に応じリアルタイムで空力的に最適な形状を取ることができる。
この際に発生する光の翼はそれ自体が因果率推進装置でもあり、オブリビオンストームが空間に干渉することで発生する〝過去と未来の差〟を反発させることで推進剤を必要とせずに飛び続ける。
この機構の仕様上、リベルタスは飛行の際に鳥のように〝羽ばたく〟動きを取る。
また、この光の翼は常に反発力を産むため、広げてシールドとしても、大型のブレードとしても使用することができる。
最大稼働時には時折うなり声のような音を上げることがあり、これは光の翼と空気の摩擦が生み出す現象らしい。
しかし、この音がなぜ発生するのか理論的な説明ができる開発スタッフは一人として存在しない。
〝エクスブレイン〟が搭載された頭部はブルーテイルの形状に近いが、ブルーテイルとは比べ物にならない機動性を獲得したことでセンサー系が大幅に強化されている。
ブレードアンテナはより大型となり、頭部中央には王冠状のサブセンサーが増設されたほか、額にもサブカメラを搭載した。
メインカメラは従来通りツインアイであるが、リミッター解除時等、CPUの演算負荷が上がった際にはこのカメラに〝瞳〟のような模様が浮かび上がることがある。
これはカメラアイを構成するナノセンサーの稼働負荷による物である……と報告書には説明されているが、開発スタッフは全員この瞳がなぜ浮かび上がるのか全く分かっていない。
そして最も重要な新機能として〝運用データ詳細記録・統合分析研究考察システム〟というこれまた長ったらしいシステムが搭載されており
長い上に気の利いた略称も無かったのでスタッフからは〝リプレイ〟と呼ばれている。
これはリベルタスの運用データを可能な限り詳細に、パイロットの操縦、行動、心情に至るまで記録し、ソウルボードエミュレーター内で仮想世界ともいえるほど詳細に出力する物である。
これは「作ったは良いがワケ分かんないとこ多すぎwwwwww」であるリベルタスをスタッフが研究し、量産化を検討するために必要な装置であり、リベルタスの最も重要なシステムにして最も問題のある部分でもある。
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本機はあくまで「キャバリア型の研究施設」であり、新世界エレクトロニクスが新商品を開発するための物であって、その目的は実験と実証である。
従来とはまったく違う機構。
整備ひとつとっても完全に専用の機材と工程が必要な構造。
そして上記「リプレイ」の検証、研究のために必要な時間。
そういったもろもろを踏まえた結論として、単体としてはともかく、本機の兵器としての運用コストは〝劣悪〟の一言。
スタッフもいちいち機体をバラすし、不明な現象が起きたらなるべく時間をかけて検証しなければならない。
万が一テストパイロットが死んだりしたら大変だからである。
そういう理由で、「超強いから、どんな戦場でもこれ一台あればオッケー♪」とはならない。
そもそも一回出撃させるだけでもとても面倒なのだ。
そういった事情から、アイオライトは結局、普段はブルーテイル・エクスに乗っている。
〝ブルーテイル〟
パーソナルデータ |
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型式 |
ERT-D021 |
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搭乗者 |
アイオライト・セプテンバー |
製造 |
新世界エレクトロニクス |
形態 |
クロムキャバリア |
種別 |
軽量・高速空戦機 |
全高 |
5m |
重量 |
6.4t |
標準仕様動力 |
エネルギーインゴット |
特別仕様動力 |
ERT-MT12/EP〝エアドライブ〟 |
環境適応 |
陸:B 空:S 水:C |
標準兵装 |
胸部 |
ERT-D105/RS-A〝ウッドペッカー〟 |
可変弾速ライフル |
肩部 |
ERT-D206/RS-S〝サンドパイパ-〟 |
多弾頭ミサイルユニット |
腰部 |
ERT-D302/BX-A〝スラッシュ〟 |
プラズマエネルギーブレード |
背部 |
ERT-D403/EP〝ファルコン〟 |
高出力ロケットブースター |
オプション兵装 |
携行 |
ERT-D320/BS〝カサウェアリィ〟 |
推進装置兼用大型荷電粒子法 |
腕部 |
ERT-E312/BXS-A〝ハウリングホーク〟 |
近接格闘用多目的ビームジェネレータ |
背部 |
MI-Marvel of Peru-V009/メタルファイバークローク |
式典用装飾外套(耐弾・耐ENコート) |
新世界エレクトロニクス社製の最新鋭クロムキャバリア。
企業PRも兼ねた、スポーツカーの如きスタイリッシュなデザインが特徴的な機体。
ルリビタキをモデルとした、ブルーと鮮やかなオレンジのカラーリングで飾られている。
渡り鳥計画の最終目標、ERT-DXXX〝スワロウテイル〟を開発するための系譜機体でもある。
オブリビオン・ストームを使用した高出力動力ユニット「ERT-MT12/EP〝エアドライブ〟」。
及び、それからなる大出力ブースターによる高い機動性をセールスポイントとし、高機動戦を得意とする。
(これはパイロットであるアイオライトのストームブレードとしての能力に依存したカスタムであり、一般販売品はエネルギーインゴットによる稼働が基本仕様である)
各所に多数のアポジモーターが設けられており、1G下の飛行においても機敏な運動性能を実現しているが、これを可能にしているのは元々ソフトウェア開発で発展した新世界エレクトロニクス社製の慣性制御プログラムである。
パイロットの操縦が機体バランスを崩すレベルで入力されても転倒、墜落しないようコンピュータが優先的に姿勢制御を行う。
このプログラムは高速飛行時における機体制御とパイロットの生存性向上に貢献しているが、同時にパイロットの感覚に従った姿勢コントロールにクセを生み出すものであり、後述する操作性の問題点を生み出している。
リミッターを解除することでより自由な操縦も可能であるが、高出力ブースターの生み出す推力を無秩序に出力することは、パイロットの生存性を度外視することに直結している。
開発系譜としてはERT-D011〝クウェイル〟を設計上の前身機体として有し、同機体の発展型軽量フレームを採用している。
これは軽量かつ柔軟性に優れ、人間のそれに近い運動性を獲得している他、フレーム各所に組み込まれたマルチプル・コネクタによりオプションパーツを用いた高い拡張性を誇るが、本機の場合はそれらを機動性の向上に優先的に使用して全体設計を完成させているため、過度にチューニングすると機体バランスを致命的に崩す恐れがある。
しかしながら基本的には新世界エレクトロニクス製の共通規格によるパーツ構成となっており、機体コンセプトを変えない範囲であれば代替パーツによる応急処置も容易で、整備性は高いと言えるだろう。
欠点としては、軽量化、および排熱のために装甲を犠牲にしており、防御力に多少の難がある。
全身に設けられた制御用アポジモーターがそのまま防御性能の低下に直結してるのはコンセプト上避けられない所であるが、とりわけ多数の推進ユニットと制御用コンピューターの冷却のために設けられた強制排熱機構が外部ダメージに対する脆弱性を招いている。
この点に関しては開発サイドは「機動性に物を言わせて攻撃を回避すべし」という運用に割り切って仕様を纏め、ロールアウトさせたものである。
しかしながらもう一つの難点として、高い機動性と、慣性制御プログラムが成す高速域におけるデリケートな機体レスポンスから、操縦性がピーキーな物になってしまっており、実際に「蝶のように舞い、蜂のように射す」ような運用を行うためには操作プログラムのクセに対する理解と熟達を要する。
この問題に対し、新世界エレクトロニクスは「ハイエンドな機体はハイエンドなドライバーに与えられるものである」と、扱いづらさを正当化するようなコメントを残している。
余談であるが、敏感すぎる慣性制御プログラムの反応から、パイロットからは「はねっかえり」と揶揄するような愛称で呼ばれている。
〝ブルーテイル・ダッシュ〟
パーソナルデータ |
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型式 |
ERT-D021 |
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搭乗者 |
アイオライト・セプテンバー |
製造 |
新世界エレクトロニクス |
形態 |
クロムキャバリア |
種別 |
軽量・高速空戦機 |
全高 |
5m |
重量 |
6.4t |
動力 |
ERT-MT12/EP〝エアドライブ〟 |
環境適応 |
陸:B 空:S 水:C |
標準兵装 |
胸部 |
ERT-D105/RS-A〝ウッドペッカー〟 |
可変弾速ライフル |
肩部 |
ERT-D206/RS-S〝サンドパイパ-〟 |
多弾頭ミサイルユニット |
腕部 |
ERT-E312/BXS-A〝ハウリングホーク〟 |
近接格闘用多目的ビームジェネレータ |
腰部 |
ERT-D302/BX-A〝スラッシュ〟 |
プラズマエネルギーブレード |
背部 |
ERT-EX401/EP〝ハルウェル〟 |
疑似サイキックウィングブースター |
オプション兵装 |
携行 |
ERT-D320/BS〝カサウェアリィ〟 |
推進装置兼用大型荷電粒子法 |
背部 |
MI-Marvel of Peru-V009/メタルファイバークローク |
式典用装飾外套(耐弾・耐ENコート) |
ブルーテイルのVersion1.02に当たる機体。
本体はそのままであり、基礎設計に違いはない。
大きな変更点は2つである。
1つは、オプション兵装であった「ハウリングホーク」の標準兵装化。
共通規格コネクタを介して装備されていたものだが、シールド兼格闘兵器というには接続部分の脆弱性が問題になっており、格闘戦を好むパイロットの運用もあってしばしば問題視されていた。
ブルーテイル・ダッシュではこれを腕部一体型に変更し、剛性を強化。
格闘兵器として満足に扱えるようになっている。「
もう1つは、ファルコンに代わる新型ブースター「ハルウェル」の採用。
これはサイキックキャバリアの推進システムを疑似的に再現したものであり、ファルコンに比べて加速性、最高速度共に向上している。
本機は2対1セットのハルウェルを背部と腰部にそれぞれ4対装備しており、推力だけでなくウイングの可動による重量移動、およびフラップのような扱い方を可能としており、短距離での機動性をも向上させている。
反面、システム上ランニングコストこそ低下したものの、1機の本体価格はファルコンの比ではなく、整備班の胃痛の種が増えたとも言える。
また、ハルウェルの制御のため、OSには〝ソウルボードエミュレーター〟なるシステムが組み込まれている。
これはブルーテイル・ダッシュのみにインストールされているものであり、このシステムから取得したデータによってハルウェルはようやく完成した。
〝ブルーテイル・エクス〟
パーソナルデータ |
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型式 |
V.ERT-EX021 |
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搭乗者 |
アイオライト・セプテンバー |
製造 |
新世界エレクトロニクス |
形態 |
クロムキャバリア |
種別 |
軽量・高速可変空戦機 |
全高 |
5m |
重量 |
5.6t |
動力 |
ERT-MT12/EP〝エアドライブ〟 |
環境適応 |
陸:B 空:S 水:B |
標準兵装 |
本体 |
V.ERT-EX400〝キメラテック〟 |
可変式ヴィークルアンダー |
胸部 |
ERT-D105/RS-A〝ウッドペッカー〟 |
可変弾速ライフル |
肩部 |
ERT-D206/RS-S〝サンドパイパ-〟 |
多弾頭ミサイルユニット |
腕部 |
ERT-E312/BXS-A〝ハウリングホーク〟 |
近接格闘用多目的ビームジェネレータ |
腰部 |
ERT-D302/BX-A〝スラッシュ〟 |
プラズマエネルギーブレード |
背部 |
ERT-EX306/EP〝オーディンサイド〟 |
遠隔操作式スラスタードローン |
背部 |
ERT-EX401/EP〝ハルウェル〟 |
疑似サイキックウィングブースター |
オプション兵装 |
携行 |
ERT-D320/BS〝カサウェアリィ〟 |
推進装置兼用大型荷電粒子法 |
背部 |
MI-Marvel of Peru-V009/メタルファイバークローク |
式典用装飾外套(耐弾・耐ENコート) |
ブルーテイルのVersion2.0に当たる機体。アンダーフレーム単位の交換によって、構造的には大きく変化している。
最大の変更点として、戦闘機形態「スカイクルーザー」への変形機構を新たに搭載している。
これはNWCにて(ペーパープランだけ)出展されていた新世代型キャバリア「ヴァーテックス」のために設計された新型アンダーフレーム、「キメラテックアンダー」を採用したことによるものであり、これにより、ブルーテイルもまた型式にV.ERT-EXを有するスペシャリストモデルへと世代を改めるにあたって、ビーム兵器のエネルギー効率向上と、それに伴うビームシールド出力向上によって(一応程度に)防御力の強化が成された。
名称の「ブルーテイル・エクス」はヴァーテックスと同じ機構を採用したことと、スカイクルーザー時に正面から見た際、ウイングがX字を描くことによる。
スカイクルーザー時には機体各所の推進機がすべて後方に集められることにより、最高速度および最大航続距離をより上昇させている。
また、戦闘機型のシルエットとなることにより、正面からの投影面積が小さくなるため、突撃時にはより被弾率を下げる効果が期待される。
この変形機構は本来、キャバリア単体での長距離の作戦行動や、サブフライトユニットの代用として他キャバリアとの連携を行うためのものであるが、アイオライトはあえて空中変形を行うことで機動を不安定にし、急制動をかけるために利用している。
(機体仕様上は推奨されていない。空中機動時の無理な変形はフレームが耐えられてもパイロットに殺人的なGをかける可能性がある)
また、もう一つの新装備としてERT-EX306/EP〝オーディンサイド〟がある。
これはドローンとしての機構を持つサブスラスターであり、普段はブルーテイル背面の四枚羽に接続されているが、機体から切り離しても滞空させて遠隔操作を行うことができるものである。
この機能は本来、装備用コネクタを塞ぐスラスターを戦場で切り離し、火器へのスムーズな感想を行うためのものであるが、アイオライトはこれらを浮遊砲台として使用する。
アイオライトの希望により(製品としては想定外の)ビームガンを備え、短時間ならビームブレードの発振も可能。
空中を輝く四機の翼型ドローンが飛ぶさまは、さながら光の翼が舞い散るようにも見える。
このドローンの操縦入力を処理するため、OSには新たにパイロットの挙動のクセを蓄積し、未来の入力を予測して処理を高速化する並列予知演算システム〝エクスブレイン〟が搭載されている。
とはいえ、当然、戦場で四機もの端末をマニュアルで遠隔操作するのは現実的な用法ではない(使用時にはコックピットに現れるサブウインドウを目視しながらそれぞれを同時に操作することになる)が、アイオライトは「ハーヴェスターに乗った時に練習してきたから大丈夫」とのたまったため、開発スタッフは頭を抱えている。
アイオライト・セプテンバー
パーソナルデータ |
|
名前 |
アイオライト・セプテンバー |
|
性別 |
男性 |
種族 |
ハイカラさん/ストームブリンガー |
生年月日 |
20xx年9月21日 |
年齢 |
16歳(9月29日時点) |
身長 |
159cm(9月29日時点) |
体重 |
秘密 |
識別コード |
エアダスター |
学園内で一番 |
麺にコシがある |
セーラー服を身に纏い、スカートを翻して歩く男の娘で、現美化委員長。
いつから学校にいるのか定かでないが、少なくとも確認された時から美化委員。
定期的に構内を練り歩いては清掃活動やら景観保護活動やら行っており、ゴミの廃棄はもちろんのこと
さらっとインテリアを追加したり掲示板の枠を可愛くしたり急にDIYでこじゃれたフラワースタンドを並べたりする。
なんでも美しいのが一番だという思考で動いており、女装しているのもその一つ。
男子の制服より女子らしくしてたほうが個人的に美しいからである。
男らしくするにはタッパがたりないし。
基本的には自分の指針に従い、それを曲げないタイプなので、そこそこ他委員会との衝突もあるだろう。
気に食わない選択肢に従って生きるなら、気に入る死に方を探すほうがマシ。
化粧や整形である程度隠そうとしているが、全身に傷跡があり、あまり他人の前で肌を晒したがらない。
好物は麺類。特にラーメン。
休日は島内のラーメン屋を回ったり、袋麺の新商品を炊いたりアレンジしたりしている。
ラーメンに関する熱意はやや拗れた領域に達しており、校内ネットワーク向けにラーメンブログを発信中。
極めて意識が高い。
人々が誰でも自由に空を行き、遠い大陸の人間ともつながりあえる垣根のない世界、〝美しい空〟を取り戻すことを夢見ている。
そんな彼の中には独自の美意識や哲学があるようで、普通に話せば人当たりが良い印象を受けるだろうが、組織の一員としては融通の利かない部分があるといえる。
+
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機体のコックピットには、詩歌の1ページが折りたたまれて置いてある。 |
今日は、死ぬのに一番良い日だ。
あらゆる生きもの全てが、私と調和している。
あらゆる全ての声が、私の中で歌っている。
全ての美しいものが、私の目の中で休んでいる。
悪い考えは、全て私の中から消えていく。
今日は、死ぬのに一番良い日だ。
周りの大地は、私を穏やかに取り囲んでいる。
畑には、最後の鍬を入れ終えた。
我が家は、笑い声で満ちている。
子供達が帰ってきた。
ああ、今日は死ぬのにとても良い日だ。
本当に、今日は死ぬのにとても良い日だ。
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新世界エレクトロニクスとの関係
新世界エレクトロニクスの一事業として、ホーリー・グレイルの脅威を除くべく考案された衛星軌道強襲機ERT-DXXX〝スワロウテイル〟を開発する〝渡り鳥計画〟。その一環として設けられた〝新たな12か月〟の一人。
ERT-D021ブルーテイルの試作機、ERT-E019のベンチマーク・パイロットとして調整されたデザインチャイルドではなく、補充パイロットとして加入した一般生徒。
次世代自立思考型OS開発のため、ブルーテイルの運用データを随時報告する代わり、スポンサーとして機体や武装の支援を受けている。
試作機のE019はともかく、製品としてブラッシュアップを受けたD021は純粋な戦闘用キャバリアと位置づけられている。
そもそも、渡り鳥計画は新世界エレクトロニクス内では冷や飯食らいのプロジェクトであり、純粋な大陸間航行の実現を目指すプロジェクトチームに対し、経営部門は「その開発実績が高性能な戦闘用キャバリアを生み出せばよし」という程度の認識である。
D021に着けられた機体コード「ブルーテイル」もまた、「尻の青いガキの見た夢」という揶揄を込められたものであることをアイオライトは理解している。
+
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しかしその皮肉めいたネーミングが、ERT-E019運用時に起きた事故のためであることも承知しているのだろう。 |
××××年、××月××日。
新世界エレクトロニクス第三開発部は、同社所有の輸送飛行船「バードネスト」にて、新型試作キャバリアERT-E019の輸送を行っていた。
ERT-E019は対ホーリーグレイル攻略戦を想定した超高速飛行仕様キャバリアであり、12機が製造され、バードネストに搭載されていた。
基礎構造は単独での対流圏から外気圏への離脱、および衛星軌道上での戦闘を考慮して設計されていたが、この12機はそれで編隊を組むことを想定したものではなく、それぞれベース機に対し別々のコンセプトで調整を施し、運用試験を行うためのベンチマーク・モデルであった。
各機にはそれぞれ、機体運用目的に合わせて遺伝子調整を施されたアンサーヒューマンがデザイン・パイロットとして設定されており、当日も12機のキャバリアに対し12組の専門の整備スタッフ、そして12人の専属パイロットが搭乗していた。
ガーネット・ジャニュアリー
アメジスト・フェブラリー
コーラル・マーチ
ダイヤモンド・エイプリル
ジェイド・メイ
パール・ジューン
ルビー・ジュライ
ペリドット・オーガスト
アイオライト・セプテンバー
トルマリン・オクトーバー
シトリン・ノーベンバー
ターコイズ・ディセンバー
が各々のコードネームである。
多少なりともホーリーグレイルに探知される可能性を避けるため、バードネストは高度を下げ、雲に沿うような起動で航行していた。
13時23分、緊急アラートが響いた。
格納庫から火災発生の報が届くと同時、格納スペース壁面の爆破により、バードネストは航行コントロールが不安定となった。
ERT-E019のうち、ジェイド機がバードネスト外へ離脱するのが、艦橋から目視により確認された。
ジェイド機からオブリビオンマシンの識別コードが確認され、残る11機のERT-E019が順次出撃。
対応に当たったが、ジェイド機との交戦によってガーネット機、コーラル機、ベリドット機、トルマリン機の4機が撃墜。
アメジスト機、ルビー機、シトリン機、ターコイズ機ははホーリーグレイルの照準に捉えられ、破壊、および破損したところをジェイド機によって撃墜された。
ホーリーグレイルの余波が被弾し、13時40分をもってバードネストは航行不能と判断され、残った人員、およびERT-E019の運用データが持ち出され、海面への脱出艇撃ち出しが決定された。
ダイヤモンド機、アイオライト機が殿を務め、脱出艇は無事海面へと射出。
アイオライト機はジェイド機と果敢に抗戦を続け、その戦闘データを短距離信号通信によって脱出艇に送り続けたが、14時09分に通信途絶。
脱出艇は19時09分に新世界エレクトロニクスにより回収された。
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しかし、一応は渡り鳥計画の技術実績であるD021の有益な運用データを新世界エレクトロニクスに報告することは、プロジェクトの延命の一助を担っており、間接的には彼自身の「美しい空を取り戻す」夢へと繋がっている。
交友関係
企業クロスレビュー
最終更新:2021年06月04日 14:06