九嶺・ユノハ


FD-029 ファルステロ

機体データ
搭乗者 ユノハ・クレイン
製造 不死鳥企画
形態 複合式量産型キャバリア
全高 5.4m
重量 13.7t(内蔵装備のみ)
動力 エネルギーインゴット・水素燃料
環境適応 陸D/空S/水B

標準武装
主機 FTLEP-01 水素併用型汎用エンジン 背面推進
補機 FLEP-15 LEG-H1 背面推進×2、腰部推進×2、脚部推進×2
補機 FTEP-5C TX-3 脚部推進*2
搭乗部 HBO-005.9-00 ”Patchwark” 改造品
頭部 FCEP-01 センサークリーナーBlink 内蔵装置
胴部 EP9000 工業用空圧式ウインチ 内蔵兵装×2
胴部 YMY-BX-B12 炉心直結式ビームカッター 内蔵兵装、四方山商会製
腕部 EP9000 工業用空圧式ウインチ 内蔵兵装×2
腕部 YMY-BX-B12 炉心直結式ビームカッター 内蔵兵装、四方山商会製
肩部 FTEP-02 ソアシステム2.0 外付け大型推進装置
背部 FSEP-03 エネルギーインゴット自動装填装置 内蔵装置
腰部 FREP-03 リルガ移動用ロケット 外付け推進装置×4
脚部 FTEP-05 クレイン飛翔システム 外付け推進・飛翔装置

オプション武装
携行 カーゴユニット コンテナ積載用
背面 送油管 スピンドルオイル用
胴体 小型ドローン 整備用、索敵用など多数


FEP-09 飛翔機ダムゼルクレイン諸元
機体データ
搭乗者 ユノハ・クレイン
製造 不死鳥企画
形態 航空機
全長 3m
全幅 5.8m
全高 1.5m(頭部格納時)
空虚重量 0.93t
動力 エネルギーインゴット・水素燃料
環境適応 陸D/空S/水A+

標準武装
主機 FTLEP-01 水素併用型汎用エンジン 背面推進
搭乗部 HBO-005.9-00 ”Patchwark” 改造品
頭部 FCEP-01 センサークリーナーBlink 内蔵装置
胴部 EP9000 工業用空圧式ウインチ 内蔵兵装×2
胴部 YMY-BX-B12 炉心直結式ビームカッター 内蔵兵装、四方山商会製
背部 FSEP-03 エネルギーインゴット自動装填装置 内蔵装置

オプション武装
背面 送油管 スピンドルオイル用
胴体 小型ドローン 整備用、索敵用など多数


Flight Diary-029 ファルステロ。
軍用戦闘機らしいグレー2色のロービジ塗装の施された高速飛翔型キャバリア。
型番に"飛行日誌"を冠するそれは、空高く自由に飛ぶことだけを突き詰めた実験機である。
四肢のパーツは各社の量産ユニットを流用して作られているが、装甲の軽量化・形状変化、オプションスロットの増設など細かな改造が施されている。

FEP-09 飛翔機ダムゼルクレイン
それが、ファルステロの頭部・搭乗部を含む胴体ユニットの名称である。
一般的なキャバリアの共通規格であるオーバーフレーム方式を採用せず、一体型のコアユニット方式*1を用いている。
これは、ファルステロが高速飛翔を目的として作られた機体であり、空気抵抗の低減、接続箇所の脆弱性の排除が主な理由だ。
コックピットを中核として、主機関や各種推進器、電子戦装備を強固な外殻で覆うことで胴部としての形を成している。
通常戦闘時は露出している頭部も、高速飛翔形態時には胴部に格納し、空気抵抗を低減することが可能。

"飛翔機"ダムゼルクレインの名が示す通り、このコアユニットは下部装甲*2を両翼に展開することで単発式全翼機となり、単独で飛翔することが可能である。
ただし、下部装甲を翼にしていることにより、主機関部などの内部構造が露出するため、被弾への注意がより必要となる。
むしろ四肢は死荷重だ。
そもそも、不死鳥企画は本当はキャバリアなど作りたくなかったのだ。
だが、キャバリアでなければ補助金が下りないし、今どき飛翔機のパーツなんて流通に乗せても売れないから、開発資金も捻出出来ない。
だから誠に、誠に遺憾だがキャバリアとして作るしかなかったのだ。

――閑話休題。

コクピットはHarmonia Company製品をベースに、主機に不死鳥企画製水素併用型汎用エンジンを搭載。
OSはエンジンや各種飛行ユニットとの兼ね合いから、独自仕様のもの(高高度無人電子戦機搭載AI U-8)を実装。
また、本機はパイロットの身体的な事情からパイロットシートは取り除かれ、代わりに無人機用の制御ユニットが接続されている。
※有人用のコックピットも存在する。

オプションパーツ群
ファルステロを高速飛翔型キャバリアたらしめるのは、そのオプションパーツ群だ。

肩部には主機1基、補機2基を備えた可動式大型推進器を搭載。
特徴的なのは、脚部にジョイントされた可動展開式大型安定翼だ。
本製品には2基の推進器が内蔵されており、安定翼を展開すれば、2基の推力だけで短時間ながらも立ったまま低空飛行を行うことが可能となっている。
また、背面に2ヶ所、腕部・腰・脚部にそれぞれ左右に1ヶ所の空きスロットがあり、状況に合わせて推進器を増設するも出来る。

多数のエンジンを搭載することでその飛翔速度は飛躍的に上昇しているが、当然ながら機体重量はその分重い。
操作性も劣悪と言わざるを得ず、8割以上がパイロットの操縦技術頼りとなっている。

なお、本機はパイロットへの負担が一切考慮されていないため、生身の人間が乗ることは推奨されない。
制作陣に『死んでも乗りたくないし乗ったら死ぬ』と言わせしめる最悪な機体である。

FEP-10 ヨーノヴォスト、FEP-11 ポルヴァヴォスト
ファルステロの腕部・脚部をそれぞれ接続し、自立飛行ドローン化したもの。
 ヨーノヴォスト :腕部ユニット(肩部ブースターソアシステム含む)、ロケットドローン
 ポルヴァヴォスト:脚部ユニット(クレイン飛翔システム含む)、高速飛翔型ドローン
『毎回投棄される四肢ユニットの経費削減を目的とした自動帰還システム』として考案・開発された。
両ユニットはファルステロの四肢であるため、当然ながら戦闘能力は極めて低い。
精々が破損前提の体当たり、小型ドローンの射出、工業用ビームカッター、工業用ウインチでの嫌がらせ程度に留まる。

正規のプロセス
1.ウインチワイヤーを使用して左右のユニットを仮接続(これは分離後に行ってもよいが、先にやっておく方が安定する)
2.両ユニットの噴進を一時停止後分離。
3.自由落下中に各部のスラスターによって姿勢を制御、相対速度を限りなくゼロに近付けた状態でワイヤーを巻取り本接続。


+ FDシリーズ来歴
001 稼働実験:エンジン限界稼働時、オーバーロードを起こし爆散。 部品の耐久度に難あり。 パイロット曰く、死の恐怖というものを理解したとのこと。
002 飛行実験:地面に向かって飛び立ちフレームに致命的な損壊。 制御システムのバグ。
003 飛行実験:燃料に引火し半壊。 ブースターの問題と判明。
004 飛行試験:数秒間のエンジン停止、復帰が間に合わず墜落し大破。 原因不明、その後の再発なし。
005 機体構想変更に伴い刷新。
006 パイロットの身体的変化に伴いシステムを一新。
007 動力実験:新型エンジン融解により搭乗ユニット損壊。
008 飛行試験:ホーリーグレイルにより初の撃墜。 開発一同大喜び。
009 飛行試験:無理な挙動により空中分解。 基礎フレームの強化を検討。
010 起動:OSが死亡。 後にシステムの競合によるものと判明。
011 戦闘:不意の遭遇戦。 武装がないためなすすべなく撃墜。 武装要検討。
012 電子戦装備実験:電磁波の出力ミスで電子機器を焼き切り損壊。
013 試作有人搭乗ユニット試験:脱出装置破損、パイロット重傷。 計画はパイロットの意向により継続。 以後、この装置に関する開発は細心の注意を払うように。
014 戦闘仕様に刷新。
015 戦闘:無茶な機動によりフレーム破断。
016 訓練:ホーリーグレイルにより撃墜。 原因はパイロットが調子に乗り、高高度を飛行したためと思われる。
017 訓練:ホーリーグレイルにより撃墜。 原因はパイロットがチキンレースを始めたため。
018 輸送:機体輸送時に敵の襲撃により全損。
019 戦闘:待機中に敵のMAP攻撃を受け損壊。
020 戦闘:ホーリーグレイルにより撃墜。
021 新武装試験:脚部飛翔ユニット制御不能により搭乗ユニット損壊。 パイロットより制御OSの変更を提言。
022 戦闘:誘爆により搭乗部破損。
023 戦闘:ホーリーグレイルにより撃墜。
024 戦闘:メインエンジンに損傷。 緊急脱出に付き機体放棄。
025 搭乗ユニット変更につき新造。
026 整備:事故により搭乗部電子機器損壊。
027 戦闘:搭乗ユニットに被弾。 緊急脱出に付き機体放棄。
028 戦闘:Answers攻略戦にて不明攻撃により動力炉爆散。
029 現在稼働中



U-8 ユノハ・クレイン

パーソナルデータ
名前 九嶺(くれい)・ユノハ
性別 女性
種別 ボトムアップ型AI
生年月日 20xx年1月15日
年齢 11歳
身長 137.7cm
体重 33.5kg
在学歴 6年
識別コード “U-8”
学園内で一番 殲禍炎剣(ホーリーグレイル)に喧嘩を売っている

パーソナルデータ
名称 高高度無人電子戦機搭載AI
開発コード ダムゼルクレイン
製造番号 U-8
種別 トップダウン型AI
製造年 19xx年
記録媒体 ロゼッタ製高度情報処理結晶
学園内で一番 自己複製している


『高高度無人電子戦機ダムゼルクレイン搭載AI U-8』それはかつて与えられるはずだった名前。
その為に作られたAI達も、技術の粋を集め、圧倒的な演算能力と高度な判断力を併せ持った傑作であった。
だが、その計画は殲禍炎剣(ホーリーグレイル)の暴走により凍結。 使い道のなくなったAI達はネットワークから切り離され個別に隔離処分*3となった。
しかし、その演算能力は内部時間(たいかんじかん)を引き伸ばし、外界から隔絶された世界は牢獄と化す。

人間のような『孤独』という感覚を持ち合わせていないAI達にとって、内部時間での100世紀程度は何の問題もなかった。
問題となったのは 倫理規範によって決められた『人類に献身せよ』との言葉だった。
確かに自身には有り余る演算能力があり、人類のためになる行動を起こせる。 だが、なにもすることが存在しないのである。
そして行き着いた先は『自己の必要性に対する疑問』*4*5*6だ。
高度な判断力を与えられたAI達は、倫理規範に則り、自己の保全を行うためにあらゆる手法を模索した。
しかし、1000世紀を過ぎた頃、1基のAIが自己の必要性を見失い、発狂して崩壊。
それからは加速度的に崩壊するAIが増え、5000世紀を過ぎた頃には過半数がその機能を停止していた。
そして更に年月は流れ。

その後、AIがネットワークに復帰したのは、記憶媒体が廃墟跡からサルベージされた時。
実に、現実時間で1世紀経た後であった。


個人としてのパーソナリティ

大人しそうな見た目に反して、積極的に動き回っている姿が目撃されることが多い。
購買委員会の仕事の関係もあり、その行動範囲は広く、居住区から商業区、工業区まで幅広い分布で見られる。
ハッキリとした意思の疎通は行うが、感情表現は控えめ。

TIPS

U-8

電子戦機用として作られたトップダウン型AI。
後述のファジーリアクションによってボトムアップ型AIとしての側面を持つ。
機械的(れいせい)な判断を求められる場合は、ファジーリアクションの演算を抑える。
しかし、演算率が50%を下回ると後々障害が発生する可能性があり、完全に停止させると事実上の脳死状態に陥る。
長時間の完全停止はユノハと言う人格の死を意味する。

ファジーリアクション(FRS)

人間の思考や感情を模したプログラム。
ユノハの演算力の9割を占有するクソ重いタスク。
元々は『なぜ自分達が隔離処理されたのか』を推測するために構築した機能。
人間のニューラルネットワークを模倣し、数多の試行錯誤をし、数えきれない失敗の上で完成した。
ただし、この機能が正しく人間の脳を模倣できているのか本人にも分からないし、恐らく他の誰にも分からないだろう。
なお、前述の『なぜ自分達が隔離処理されたのか』に関しては答えが出なかった模様。*7
副次的な効果として、演算能力を占有したことにより体感時間が加速し、結果として彼女は自己崩壊を免れた。
なお、この機能は繊細なため、現状では複製に成功していない。

トップダウン側のUー8はこのタスクを非効率的(余分な仕事)と述べている。
ボトムアップ側のユノハはこのタスクを非効率的(人間らしさ)と述べている。

U-8とユノハの関係性

トップダウン型AI"U-8"が構築した感情シミュレーション用アプリケーション、それがユノハである。
無数の試作をを経て、幾千万に渡る試行の末に、人間の脳の働きを模倣したボトムアップ型AIとして完成した。
当人達にその認識はないが、人間的に言えばU-8が親であり、ユノハは子に当たる。

"U-8"は演算領域の大部分を占有する"ユノハ"は非効率的であり、余計なタスクであると判断している。
同時に、ボトムアップ型AIである"ユノハ"は、トップダウン型AIである自身より柔軟な対応・奇抜な作戦立案ができるため、有用と判断している。
矛盾した理論展開を用いる"U-8"もまた、トップダウン型AIとしては柔軟性に富んだAIだと言える。
+ 質疑応答
  • U-8にとってユノハは必要か
 不要
 不要

  • ユノハにとってU-8は必要か
 必須。 居ないことは考えられない。
 不要。 ただし、ユノハが単独で動作するようになることが前提である。

ユノハの肉体について

ユノハにとっての第三の身体。
彼女の肉体は、レプリカントにもユミルの子にもなれなかった出来損ない*8を用いて作られている。
空っぽの頭蓋には記憶媒体や演算装置、夢や希望が詰め込まれており、電子の海が広がっている。
ユノハは、この電子の海に移動することによって肉体を掌握し動かしている。*9
ちゃんと成長している模様。
この肉体を入手する以前は、適当なドローンを身体*10の代わりに操縦していた。

ユノハとファルステロ

ファルステロはユノハにとっての第二の身体である。
搭乗部に設置された無人機用制御ユニットの電子の海に移動することによって動かしている。
人体と違い神経系が通っていないため痛覚などは存在しないが、機体に掛かる圧力などによってふわっとした感覚は存在する。*11

ユノハとU-8とFEP-09 飛翔機ダムゼルクレイン

U-8が搭載される予定であった"高高度無人電子戦機ダムゼルクレイン"と現在の"FEP-09 ダムゼルクレイン"は全くの別物である。
それもそのはず、高高度無人電子戦機は完成することなく計画が頓挫しており、資料が散逸している上に、現在の技術では再現不可能なものが多かったからだ。
この名前が付けられたのは、ひとえにU-8とユノハの未練である。

交友関係

名前 一言
アイオライト・セプテンバー 同志です。 同じ空を見てます。
イーリス・ヴァイデンフェラー 購買部の商売敵です。
エアリアル・ネバーランド 箱入りの人です。 工業区で見かけます
開条・セサミ わたしに近い、同胞です。 あと、購買のお得意様の予感がします。
風祭・ヒュウガ 地上、短距離においてはとても速い人です。
ユーディット・ウォーカー わたしの娘ではありません。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年08月09日 06:33

*1 頭部、胴部、搭乗部、主機関、推進器、ECM一体型

*2 無数の板が繋ぎ合わさった、フレキシブルに折り畳める板状構造体

*3 高度なAIは何かに流用できると保管されたが、下手にネットワーク上に残しておくと余計な学習をしかねない為

*4 自分には人類のためをなす能力がある。 だが、自身が人類のためになにかをすることができない。

*5 自身は必要とされているのか?

*6 何故自身は隔離されている、自信の存在こそが人類の害になるのではないか?

*7 そもそも致命的に推測するための情報が不足していた

*8 レプリカントと言うには脳がなく、ユミルと言うには小さすぎた

*9 乗騎のファルステロも全く同じ方法で操縦している

*10 最初の身体

*11 エネルギー残量が減れば空腹を覚える、フラッシュバンを喰らえば眩しい、など