シタン・ウヅキ

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シタン・ウヅキ - (2017/12/31 (日) 14:43:32) の編集履歴(バックアップ)


スクウェアの名作RPG『ゼノギアス』の登場人物。
主人公フェイの村に住む医者であり、武芸にも秀でているため「先生」と呼ばれている。
機械いじりが趣味で、表向きは温厚な性格だが、時として厳しく非情な面も見せる。
また旺盛すぎる知的好奇心を抑えきれない一面もあり、周囲を唖然とさせてしまうことも。
老け顔だが、29歳で妻子持ちである。
本名はヒュウガ・リクドウだが、素性を知られたあともシタンで通している。

中の人は『キン肉マン』のテリーマン、『北斗の拳』のファルコ、『メタルギアソリッド』のオタコン、
『スーパーロボット大戦』のギリアム・イェーガー等でおなじみ、解説キャラに定評のある田中秀幸氏。

+ 彼の正体についてネタバレ
彼の正体はソラリスの守護天使の一員であり、天帝カインの密命を受けて
「接触者」であるフェイを監視するために地上へと降りてきた。
幼少の頃から天才的な才能を発揮し、ソラリスの第三級市民層出身ながら
カーラン・ラムサスの執り成しによりユーゲントに入学、「エレメンツ」構成員となる。ユーゲント卒業後、守護天使に就任。
第三次シェバト侵攻作戦の指揮を取った後、ユイ・ガスパールと結婚、娘のミドリをもうけている。
天帝の密命を受けて地上へと降りた彼は、フェイを監視しながら、これを導き守護する役割を果たしていく。

一見常識人に見えながら、得体の知れない思わせぶりな言動も多く、主人公(とプレイヤー)を大いに混乱させた。
また腹黒い行動に定評があり、
「先生もどうだい?」
「いいえ。わたしは遠慮しておきます」
は多くのプレイヤーにトラウマを植えつけた伝説的なセリフ。
先生……あんたって人はーーーっ!
+ トラウマ解説(ネタ注意)
作中で「ソイレントシステム」という食料生産施設が登場するのだが、
実は内部で行われている人体実験の末に廃棄された人間を加工して食料にしている
上記のセリフは、主人公のフェイとヒロインのエリィが施設内で生産された缶詰を食べる時のもの。
その後、二人は衝撃の事実を自分の目で確かめることになる……

トラウマ化の要因は主に、荒いグラフィックながらも実際に描写される加工過程
(“食材”が機械で処理される際など、ランダムで時折悲鳴が上がる……エグい)にあるが、
  • 知っていながら二人が缶詰を食べるのを止めようともせず、その上で事実を教える
  • しかし、自分は「遠慮しておきます」
な先生の外道っぷりもガチである。「こんなのってあるかい……先生……」
+ 一応フォローしておくと
一応フォローしておくと、こうした行動に出たのにはちゃんと理由がある。
具体的にはフェイの精神的エネルギーを著しく疲弊させる(つまり精神的に追い詰める)一環。
これにより、フェイの中に眠る別人格を目覚めさせて、フェイの身体の秘密を聞き出すという真意があった。
つまり別に利敵行為ではなく、彼なりにフェイを気遣っての行動だったと言える。
…言えるのだが、巻き添えで人肉食わされたエリィが不憫ではある。彼女も納得して水に流しそうではあるが

なお、このエピソードの元ネタは『ソイレント・グリーン』という古いSF映画。
ゼノギアスには他にも、海外のSF小説や古い映画のオマージュ的なネタが数多く使われている。

ちなみに『ゼノギアス』のスタッフが別会社に移って製作した『ゼノサーガ』シリーズには、
主人公であるシオン・ウヅキの兄としてジン・ウヅキなるこのキャラからメガネを取っただけにしか見えないキャラがいる。
中の人も同じ田中秀幸氏である。狙ってやっているとしか思えん
NAMCOxCAPCOM』でもシオンが「兄さんなら…」と度々彼のことに言及している。
スタッフが「ウヅキ」という名前が好きなだけで、設定的には関係は無いらしい。いわゆるスターシステムという奴だろう。
ちなみに『無限のフロンティア』でもKOS-MOSが彼の技を使ったり、専用武器の中に彼の刀もある。
『ゼノブレイド』にも登場するダンバンも外見と声優は別物ながら
後述の先生の性能に比肩する強さを持つことなどから考えて「ウヅキ」の系譜に連なるキャラと考えても間違いはないだろう。

余談であるが、スクウェアの公式サイトにキャラ紹介に「眼鏡を外した時剣客としての才が覚醒する」という謎設定が書かれていた。
没設定に存在したのか、はたまたこの謎文章が生まれる元になったのか、
キャラクターデザインの田中久仁彦が開発中に描いた落書きの中に眼鏡を外して覚醒したシタンがある。
覚醒すると服の襟が伸びる。モミアゲも伸びる

ゲーム中の性能

間違い無く、PTメンバー中最強クラス。つかぶっちゃけ公式チートキャラのお手本と言って良い。
防御力が若干低め(ただし、HPは高い)なことを除き、全ての能力値が異常に高く、特にすばやさがずば抜けている。
どのくらいかというと、一番すばやさの成長が低いとされるキャラの2~3倍は行動できてしまう
さらに回復・補助系エーテル(ゼノギアスにおける魔法)も使えるなど、まさに器用万能タイプのキャラ。
前述したようにこのゲームはFFと同じくすばやさが高いほど自ターンが回ってくるのが早く、最重要パラメータといっても過言ではないのだが、
このすばやさを強化させる補助エーテル(FFでのヘイスト)を使えるのは、全キャラ中シタン先生を含め二人だけであるなんなんだアンタ
攻撃力だけはそう飛び抜けて高い、と言うほどではないが、それでもしっかり平均以上。

この類のアッパーキャラは大抵のRPGだと途中退場したり敵に回ったりするものだが、
シタン先生の場合はそんなこともなく、一度抜けたと思ったら、終盤になって超強化されて帰ってくる
様々な事情により封印していた「刀」を手に取った先生の攻撃性能は、まさに天下無双。
元から平均以上だった素手の攻撃力に、そのまま武器の攻撃力がプラスされるのである。
他の武器持ちキャラのように「武器の攻撃力を考慮して素手の攻撃力を下げる」なんて人道的措置は一切無い。というか、それが普通だろうよ…。
さらにこの刀の性能も非常に高い。武器を持つのは事実上終盤に入ってからとはいえ、回数制限なしの武器の中では最高峰の攻撃力を誇る。
他の武器だと最強装備で攻撃力24~30なのに、先生の方は他の武器をぶっちぎる攻撃力40最弱装備で攻撃力30)。なんだそれ。
攻撃力が1違うだけでダメージが激変するこのゲームではこの差が大きく作用し、この時点で単発火力においても全キャラ中最強となる。
常軌を逸した素早さによる手数の多さだけでも十二分に戦力になることを忘れてはならない。
スピードを犠牲にしていたパワーキャラはこの時点で存在意義がなくなる。
まぁ、こういうシステムのゲームでパワーキャラが悲しみを背負うのはぶっちゃけ恒例行事なんだが

雑魚敵との戦闘だと「シタン先生の攻撃だけで敵全滅」なんてのは日常茶飯事。何を考えて、開発陣はこんなチートキャラを作ったのだろうか。
おまけに一部のダンジョンを除き、最初から最後まで大体パーティー参加が可能(と言うか、最初に仲間になる人がこの人で最後まで一緒にいる)。
この為、普通に進めるとどうしても「パーティー編成に困ったらシタン先生を入れる」という事態になってしまうのである。
開発者もその辺を理解していたからか、それとも開発者のゆえになのかは不明だが、
彼がパーティー入りした状態で進めるのが前提となっていると思しきダンジョンすらある。
(彼がいなくともダンジョンは問題なくクリア可能なのだが、明らかに彼のみ発言量がおかしく、物語の謎を知るためにはパーティに入れておく必要がある)

また単なる性能以外でも非常に優遇されており、生身と「ギア」(各キャラ固有の巨大ロボット)の両方でパワーアップと共にモーションが一新される。
他キャラだと生身ならエメラダが唯一、ギアなら半数ほどのキャラがパワーアップ・外見の変化がある。
だが基本的にモーションは使い回しで、変化があるのは主人公機のみ。いくらなんでも開発陣から愛されすぎである
ただ、このせいで普通にゲームを進めていると、ほぼ確実に全ての必殺技を覚える前にパワーアップしてしまうため
その前のモーションを全部見るのが難しいという欠点もある。
……欠点か?
まあ、これもかえって先生の使用率を上げる原因になったりもするが。
+ 更に
ゲーム内の強さとは関係のない設定上のスペックだと、武術医者のみならず指揮官軍師
エンジニアといった役割もこなせ、しかもその全てに一々天才という枕詞がついて来る。
特に、エンジニア方面では、マッドサイエンティスト気質が露見し……
人が乗ったままのコクピットを弾頭として撃ち出す兵器を開発している。(使ったら、もちろん搭乗者は死ぬ)。
なんてもの開発しているんですか、先生!!

一応フォローしておくと、ゼノギアスの世界には「エーテル」という魔法があり、
そのエーテルでA.Tフィールドっぽいバリアを張ったり、戦術兵器を操ったりしている。
エーテルは生身の人間しか使えないため、エーテル的攻撃力を最大限引き出すには、人間をそのまま撃ちこんでしまうのが一番らしい。
いずれにせよ人命無視の外道特攻兵器という点に変わりは無い。

ただ作った当の本人も「まさか本当に使用するやつはいないだろう」と考えていたのか、
作中で彼の友人であるジェシー先輩がこれに乗って出撃した時は、割と本気でビビッていた。
(後に、ジェシー本人によって脱出装置が取り付けられており、無事だったと分かる。
 彼曰く「イカれた若造の作ったポンコツを、何時までもそのままにしておくか!」とのこと)

さらに敵のロボ(特にソラリス製)にはかなりの確率で、この人が開発に関わっている。
その中にはするっぽいものすら存在する。趣味、なんだろうか…。
と、思っていたら公式で趣味によるもの」という発言があった。
ソラリスの人々に大人気でテーマソングまで作られているところをみるとデザイナーとしても天才らしい。ここまでくると笑うしかない。
問題の機体はこちら(3:17から)
ちなみにこの合体ギアはゼノサーガで類似品のエルデカイザーが登場し、ネタ枠かとおもいきやコスモスのver4筺体に技術が使われるという大抜擢。
『無限のフロンティア』でもエルデカイザーの必殺技をKOS-MOSが使用している。

そんなパーフェクト超人な彼も料理だけは下手とのこと。

また刀での技には一部切腹しているように見えるモーションがある(実際は後ろ向きに敵を刺しているだけ)。

また、ギアを用いた戦闘の方でも上位の実力を誇る。特に終盤に乗り換える機体による強さは、主人公機に次ぐナンバー2
まず通常攻撃力が(武器を考えれば)全キャラ中、事実上最強。素早さも生身程ではないが最上位。
前述のエーテルもほとんど生身と同じものが使えるため、そちらも優秀。
おまけにこのゲームには「ハイパーモード」という特殊システムがあるため、
ギアでの戦闘では素早さが高いキャラは、システム的に非常に有利。HPは上位陣に比べれば見劣りするものの、十分平均値は上回っている。
一応本作最強の機体は主人公機なのだが、それには前述のハイパーモードと絡んだ特殊仕様による部分が大きい。
特殊仕様を除いても十二分に強いのだが。その特殊仕様を除いた実性能ではおそらく彼が最強。
…え?エーテルダブル装備したビリー?大人になったエメラダ?薬漬けにしたチュチュ?……(∩゚д゚)アーアーキコエナイ

上記のような狂った性能から最強キャラの座をぶっちぎりでキープしている彼なのだが、そんな彼にも欠点はある。
彼をパーティーに入れてしまうと、戦闘のほとんどのターンを持って行ってしまうため、他のキャラが育ちにくいというのがそれだ。
ん?それは弱点とは呼べない?聞こえんなぁ

キャラ戦で彼と組んでもやって行けるのは、銃器による高い攻撃力と全キャラ中最高の回復技能で攻めにも守りにも回れるビリーか、
シタンにはない強力なエーテル攻撃と全キャラ中二番目の素早さを有するエメラダぐらい。その場合はフェイが主人公(笑)になってしまうが。
……誤解の無いように言うと、フェイは決して弱くない。むしろ強い、かなり強い。だが相手が悪すぎると言わざるを得ない
後は対ボスに限れば最凶のエーテル技「ワイルドスマイル(命中ダウンで重ねがけ可能)」を持つ若ことバルトも候補に入るか。

敢えて弱点らしき点を挙げるなら、終盤の重要なダメージソースとなる「超必殺技」が基本属性(風、地、火、水)しかない点。
無属性や敵に無効化・吸収されにくい光・闇属性の超必がないため「基本属性の攻撃を吸収する」という特殊能力持ちが相手だと
無属性の通常必殺技に頼らざるを得ないのである。ただこれも弱点かといわれると首を傾げざるを得ない。
なぜなら、
  1. 凄まじい攻撃性能ゆえ、通常必殺技を連発するだけで十分上位陣の超必殺技クラスのダメージを与えることができる。
  2. 問題の超必殺技にしても、これだけの属性を網羅しているキャラは上位陣のみ(下位だと超必自体持たないキャラもいる)。
    通常の敵なら弱点属性を簡単につけるため、むしろ強みである。
  3. たとえ控えに回っても、十分魔法で活躍できる。
  4. そもそも「全ての基本属性を無効化、または吸収」という能力を持った敵などごく僅かしかいない。
    おまけに、そいつらは基本的に前述のギアで殲滅可能。
という感じで殆ど気にならないレベルなのである。
唯一、この弱点(?)を意識するのは終盤の隠しダンジョンに出現するドラゴンならぬ「ドラゴ」という強力な敵キャラと戦う時くらい。
ちなみにこいつの弱点属性は闇なので、唯一闇属性の超必殺技を持つ前述の主人公が主人公(真)状態となれる。

ギアは素手時代はギア・アーサーのヘイムダル、刀解禁となる後半は本来の愛機であるギア・バーラーのE(エル)・フェンリルに搭乗する。
最初に手に入るギア・バーラーのE・アンドヴァリ入手時に操縦席の違いに困惑するバルトに操縦法を教えることができたのもこのため。
刀解禁後は基本的にE・フェンリルに搭乗するが、アニマの器を抜かれ全ギア・バーラーが動かせなくなった時はヘイムダルに乗っている。
素手時のヘイムダルの出力係数は1.0だが、刀装備時は出力係数がEフェンリルと同じ0.9となっている。
ちなみにゼノギアス入手後は全ギア・バーラーがゼノギアスのデータなどを使い再度動くようになった上に以前よりパワーアップしているという設定がある。
ゲーム的には再びギア・バーラーが使えるようになった程度であるが。
余談だがシタン先生のアニマ同調率は接触者のフェイと対存在のエリィ、塵閣下こと友人のラムサスなどの特殊な存在を除けば最高値の98%である。

+ 先生の家庭の事情
シタンは戦艦ユグドラシルのクルーを含めた仲間でも珍しい妻子持ちである。
妻のユイはフェイの父親であるカーンの師匠であり、シタンの素手の武術の師匠でもあるシェバト三賢者ガスパールの孫娘である。
祖父から武術を習っているため素手シタンとなら互角の腕前を持っている(ちなみにガスパールは刀シタンと互角らしい)。
娘のミドリは無口というか喋る事ができない…のだが、これは生まれつきの強力なテレパシー能力ゆえに、喋る必要がなかったため。
テレパシー能力のある者にとっての彼女は「物凄いおしゃべりさん」だと言われている
また、ミドリはこの能力によって父親が受けている先述の密命ゆえの二面性に気付いているため、それで嫌われてしまっているというちょっと切ない事情がある。
彼自身の肉親はソイレントが原因で発生した感染事件のため亡くなっている。


MUGENにおけるシタン先生

y.y氏の製作したものが存在する。
元ゲーのスプライトを利用し、格ゲーとして違和感なく仕上げているものの、製作者側の多忙により未完成な部分も残っている。
しかし、この状態かつAIが無いにも関わらず、タッグ戦だとなぜか強かったりする。ちなみに改変は自由とのこと。
2011年5月22日にY.K氏のAIが公開された。

また薙氏によって性能を一部改編した物も公開されている。
デフォルトでAIも実装されている。


出場大会


出演ストーリー