ジボル


「ちいさいからといってなめてかかると、

 なきをみることになろう。」

任天堂がファミコンで発売したロボット格闘ゲーム『ジョイメカファイト』の登場ロボット。
ステージ2の敵キャラクターとして登場する。
兜のような頭部に、鎖付きの鉄球型アームという姿をしている。
ただし頭に見える部分はダメージを受けても表情を変えず、代わりに胸元の目が痛がるような素振りを見せるので、本体はそちらかもしれない。
そうなると『ジョイメカ』唯一のリアル一頭身キャラクターと言えない事もない。

割と名前の元ネタが分かりやすいジョイメカ勢の中でも珍しく、名前の由来は不明。英語にしても「gebor」でピンとこない。「di-(二つの)」+「ball」?
洋風鎧を思わせる造形からすると、騎士関連の言葉をガーボーグ(ガーディアン+サイボーグ)のように組み合わせたのだろうか。
海外だと「Jibber」なので、謎はより深まるばかりである*1


ジボル先生の性能

スピードが遅めのリーチに優れたキャラ……なのだが、2面のキャラとは思えないほど強く
「ジボル先生」「初心者キラーなどと呼ばれている。どう考えてもステージ2の強さではない。
対戦キャラ選択画面で最初に選んで負けた貴方。大丈夫、ジボル先生が強いだけです。
オールドを撃破した勢いでジボル先生に突撃して負けた貴方。
大丈夫、「キャラ選択画面で近い者同士は強さもどっこい」という勘違いはゲーム初心者なら誰もが通る道です。他のを倒して下さい。
ジボル先生以外の2面キャラを倒した貴方。大丈夫、ジボル先生は一部のステージ3キャラ以上の実力の持ち主です。*2
胸を借りるつもりで先生に挑みましょう。どの道ジボル先生に勝たなければ、以降のさらに理不尽なキャラには歯が立ちません。
それでもジボル先生が一向に倒せない貴方。アキラメロン
先生は逃げる相手には何もできない追い打ちをかけない慈悲の心を持っているので、ホノオネオあたりに引き撃ちさせて根負けしてもらいましょう。

それでは、ジボル先生の何が初心者殺しなのか。

詳しい性能解説

まず顔が付いているのは胴体であり、頭部には喰らい判定が無い。
よって見た目の時点で低い身長がさらに低くなっており、打点の高い技は当たらない。
これはジボル先生のパーツ構成が「顔・両足・両腕」で標準より1パーツ分少なく、代わりに腕が長くなっているためである。

そしてやはり脅威となるのは長いアームから放たれる各種攻撃。
見た目通り、どころか何かとびよんびよん伸びるためリーチが尋常ではないほど長く、
その上『ジョイメカ』の仕様で手先には喰らい判定が無いため先生の間合いに入ってしまえばこちらは殴られっぱなしになってしまう。

  • パンチ
パンチ・強パンチ共に威力は低めで、大振りなので前隙もやや大きい。
しかしリーチは長く、ステージ2組の通常技にしては珍しくダウン性能もついている。
加えて腕を振りかぶった時点で攻撃判定発生しているので、不用意にめくりを狙ったりすると当たってしまう事も。

  • キック
「短足だからキックは弱そう」と考えるあなたの直感は正しい
足なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです。

  • ジャンプパンチ
ジョイメカ最強のジャンプパンチ。長射程と長持続と強判定を併せ持ち、体の喰らい判定もかなり後ろに下がる。
さらに、通常ジャンプでは腕が下に伸びているのもあり、飛び越しギリギリで出す事で仕様上ガード不能のめくりにもなる。
そしてガードすると投げが確定……と言われていたが割と抜ける手段はあったり。
欠点はジャンプが緩いせいで割と簡単に真下に潜り込める事。
体の部分には攻撃判定が無いので、そのまま対空技で楽々落とされてしまう。

必殺技

  • ジボルナゲ(相手の近くで→+A 16POW)
威力は普通だが、吸い込み範囲の広さが異常。リーチが売りのキャラとはいえ、投げのリーチまで長いとは斬新極まりない。
1F発生、無敵時間あり、ガード硬直中にも決まるという『ジョイメカ』の投げの仕様も相まって非常に凶悪な性能。威力もステージ2組の投げにしては高い部類。
有り得ない間合いから平然と掴んでくるので、迂闊に近寄ったりガードしたりすると痛い目を見せられる。
しかもジボル先生の体が小さいので、相対的に投げ間合いが広く感じられる。見た目で間合いを判断してはいけない。
ジボル先生を相手にする場合、「投げは必要経費」と割り切ろう。

  • スクリューパンチ(十字キー←ためAB同時押し 12POW)
ジボル先生の対空技の一つ、それがこのスクリューパンチである。
斜め上に向かって両腕を伸ばしてぶつける。何がスクリューなのかサッパリ分からないがこれが意外と厄介。
発生・腕の伸び共に速く、空中から迂闊に近付こうものなら格好の的にされてしまう。空中ガードも出来ないし。
2000年代以降の格ゲーに慣れてる人が見ても「腕を斜め上に伸ばしているだけ」にしか見えない。割と連続で出せるが、ケズリと連続ヒットは無し。
しかし効果音は、何かが回転しているような印象を与えやすいものなので、一応回転しながら飛んでいるのだろう。
双葉社の攻略本にも「きりもみしながら」と記述されているし。腕が絡まったりしないのだろうか。すればいいのに。

  • サンダーアーム(十字キー→ためAB同時押し 12POW)
上のスクリューパンチよりタチを悪くしたのがこいつ。ジボル先生の対空技、その2である。
両腕を伸縮させながら、真横→斜め上→真上へと扇子を畳むように真上へ閉じていく。
実際に動きを見てもらえば分かるが、まるで2本の雷が先生の左右で踊っているように見えるのだ。

○ー(@ー@)ー○ 

 ○ ○
 ||
(@ー@)

スクリューパンチとは違い、ジボル先生の背後に回っても回避出来ないのが微妙に嫌らしい。
アームが上がってしまえば隙だらけなのだが、こちらがジャンプしないと中々出してくれない。
ちなみに先生の真上、つまり頭頂部にも喰らい判定がある。
アイワイはコプターを使えば、空中で軌道修正→先生の頭上へ……と潰せなくはない。

  • アームバルカン(←→+A 12POW)
だが世界にはもっと凄い対空技があった。それがこのアームバルカンである。
正面→斜め上→正面と、腕を高速で前後させる。攻撃速度とカバー範囲に優れ、ほとんどのプレイヤーが一度はこの技に涙を飲んだ。
90度ほどの角度で画面半分ほど覆ってくるので、連発されると近寄るのも難しい。
ただしこの技、見た目上は連打技や多段技っぽいが実は持続時間がめちゃくちゃ長いだけの単発技であり、
ガードされるとそれ以降は攻撃判定が消滅するというかなり致命的な欠陥を抱えている。
一発目をガードしてしまえば、後は無意味に腕を伸び縮みさせるジボル先生を攻撃したい放題である。
加えて発生時に少し腕を縮めるという分かりやすい予備動作もあるので、見てから対応するのもそこまで難しくない。
中遠距離でアームバルカンを誘ってガードし、その隙を突くようにすればさほど苦戦せずに倒せるはず。
尤もCPUにはそういった対応が出来ないため、場合によってはラスボスさえも…。
アームバルカンの弱点がよく分かる動画

のこのこ歩いて近付けば投げやジャンプパンチの餌食だし、かといって空中から攻めようとすると妙に豊富な対空技が飛んでくる。
最初に挙げた体の小ささも嫌らしく、思わぬ所で技がスカってやり返される。
他のステージ2組が軒並みイーロボと比較しても微妙な性能の連中である事も手伝い、
ここまで鼻歌混じりで辿り着いた初心者を容赦無く抹殺する大きな壁として、彼は多くのプレイヤーの記憶に刻まれているのである。

弱点は序盤ロボの宿命として攻撃力が低い事、飛び道具が無い事、そして何より移動速度が極端に遅く、突進技も無いため、致命的に機動力に欠ける事
『ジョイメカファイト』には画面端が存在しないため、ジボル先生は逃げを決め込んでくる相手には絶対に追い付けない。
つまり、飛び道具持ちのキャラにひたすら引き撃ちを繰り返されるだけでほぼ詰んでしまう
そうでなくてもまずいと思ったら逃げてしまえば容易に仕切り直しに持っていけるので、分かっていればこちらのペースに持ち込んでしまいやすい。
さらにCPUは飛んだら対空技での迎撃を狙ってくるので、それを逆手に取って技を暴発させるコツさえ掴めば容易に対応可能。
容易にと思えるようになったら初心者脱出である。
先生は身を以て「迂闊なガードは投げの餌食」「攻撃判定の消失」「相手ロボの特性に合わせた戦術」など、『ジョイメカ』の基本を教えてくれるのだ。
先生の熱血指導に感謝しつつ先に進もう。

ちなみに先生の対人での強さランクは中の下~下の上と言った所。
喰らい判定の小ささや投げ間合いの広さなどは上位のキャラ達にもない大きな強みだが、先に述べた通りの機動力の無さはやはり致命的。
必殺技は投げ以外ほぼ全てが隙になり、特にCPU戦で猛威を振るっていたアームバルカンは最大級の隙を晒す上、
ガードから歩いて強パンチを狙う際に暴発してしまう罠まである。
同じステージ2組の中では基礎性能からして辛いボコボコジオ、投げの無いザコオールドスケーターなどと比べればかなりいい試合ができるが、
強キャラ達にガチ対戦で渡り合うのはやはり厳しい、というライン。ガラックなどは最早雲の上の存在としか言えない。
勝つのはそんなに甘くない事まで先生は身を以て教えてくれるのである。
それでも辛うじてワンチャンくらいはあるという時点で、『ジョイメカ』の序盤勢の中では相当に健闘している方だったりする。

今日も先生はどこかでジョイメカ初心者を鍛えている。
ん?初心者狩りしか出来ないヘタレ?それは誰に言っているのかな先生ありがとう!

ジボル先生の勇姿


MUGENにおけるジボル先生

卵寒天氏によるものが存在し、現在ははいうぇい氏によって代理公開されている。
なお、非常に分かりづらい所にあるので「ジョイメカ」でサイト内を検索する事をお勧めする。

原作通りの技が搭載されているが、上下ガードや空中ガード、ダッシュやバックステップなど、
現在の格闘ゲームで標準装備されている要素も追加されている。
アームバルカンがガードされても連続ヒットするようになったり、技中に前後に移動出来るようになるなどさらに強化されている。

クモ氏およびIX氏による外部AIが存在し、前者は現在弾丸マックス氏のロダ(むげん代理公開場4)にて代理公開されている。
この他にも山辺氏(yamabe氏)による原作風パッチが製作されており、本体と同じくはいうぇい氏によって代理公開されている。
ジボル先生のMUGEN出張教師シリーズ

出場大会

削除済み
更新停止中


*1
実は『ジョイメカファイト』は日本国内でしか発売されておらず、登場ロボが正式に英語表記された事は無い
(韓国でもバーチャルコンソールで配信されているが日本語のまま)。
海外版というのは、海外の有志がエミュレータを自力で翻訳した、簡単なハックロムなのである。
公式な翻訳ではないので、彼らもまた手探りでの英訳にならざるを得ず、あちらのコミュニティでは、
スカポンはSukaponだがスカポカーンはSkapokanになっている。SkaponもしくはSukapokanにして合わせるべきじゃないか」
「そもそもスカポンってどういう意味の言葉なんだ」
「Sucker Punchじゃないか? つまりSuckaponもしくはSuckapunになる」「Strap-onかもしれん」
「Sucker Punchが語源だったらSukapunになるぞ。ponにならないとおかしい」
「ゲームの雰囲気からしてScrapかScrapeじゃないのか? つまりScraponになる」
「スカポンはダンサーっぽいからSkipかな。Skiponという事に」
……などなど、様々な説を出して解読を試みている。実はスカポンという単語に大した意味なんて無いと知ったらどんな顔するだろう
スカポカーンの英訳の例として、日本人が作ったMUGENキャラのスクリーンショットを挙げているほど。
そんな事言われても日本人だって分からん・・・・。

……このような混乱状態なので、海外の人が「Jibber」って呼んでるんだからと一概に決めるわけにもいかない。
実はあっちが間違えているという可能性だってあるし、日本人だって間違える事もある
結局の所、ジボル先生の正しい表記は片仮名で「ジボル」であり、それを英訳する場合はどうすればいいのか全くの謎。
任天堂が北米版バーチャルコンソールに出してくれるのを期待するしかない……。

ちなみにスカポンが『スマブラ』シリーズに登場した際の英語表記は、そのままローマ字で「Sukapon」であった。
なのでジボル先生の英語表記も案外「Jiboru」などの可能性もある。

*2
これはどちらかと言えば対人戦、CPU同士の戦いで少し話が変わるのだが、いずれにせよゴーストンはほぼ互角に戦えるであろう。
ただし、投げ技を持たず主に逃げに徹せざるを得ないスターは待ち戦法のジボルに対人戦で相性がますます厳しくなり、
投げ技、対空、ガー不を持たないホバーはジボル先生に飛び込む事すら出来ず詰む


最終更新:2024年08月17日 09:30