「じまんのおわらいロボじゃ。たさいなわざがみりょくじゃぞ。」
任天堂がファミコンで発売したロボット対戦格闘ゲーム『
ジョイメカファイト』の登場ロボット。
同作品の主人公であり、リトル・イーモン博士によって作られたお笑い芸人ロボット。
楕円を組み合わせたシンプルなフォルムに
ピンク色の外見、
1ドットの点目と愛らしい容姿をしている。
本作のオープニングではスカポンの開発過程が描かれているが、その頃は
ホノオのような凛々しい顔つきで目が大きく眉毛が生えていた。
しかし研究所の爆発事故と共に今のとぼけたような顔つきになってしまったようだ。
ゲーム開始時点ではカンサイへ修行に行っていたが、イーモン博士の親友であり共同研究者だったイワン・ワルナッチ博士が、
研究所のロボット7体を全て連れて行き
世界征服に乗り出したため、急遽イーモン博士によって呼び戻され、
戦闘用ロボットとして改造された。
基がお笑い用のため、技もどこかユーモラスなものが多い。つまり
主人公(笑)ならぬ主人公(お笑い)。
ラスボスの
ロボットを撃破し、ワルナッチ博士を改心させた後のエンディングでは再び元のお笑いロボに改造し直され、
今度はお笑い界のナンバー1を目指すために演芸の舞台『笑店』に出演している姿が描かれている。
名前の由来は恐らく「
スカポンタン」(アニメ『ヤッターマン』で使われた「すかたん」や「あんぽんたん」を捩った造語)や、
ギャグマンガなどで殴り合いのケンカを表す
オノマトペとして使用される「ポカスカ」など。
「格ゲーのお笑いキャラ」である事が一目で分かる、シンプルかつ秀逸なネーミングである。
また、敵に
上位互換の
スカポカーンが居る。
『
大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズへの参戦や出演も検討されていたのだが、以前は「
オトナの事情」により登場する事はできなかった。
一時は桜井氏も「あきらめてください」と言うほどだったが、『X』製作中に著作権問題が解決されたためシールとして出演。
そしてついに『SPECIAL』にてアシストフィギュアとして参戦を果たした(この辺りの詳細は『
ジョイメカファイト』の項も参照)。
フィギュアとしては、距離などに応じて下記の「ローリングスカ」「トンデケー」「スカポンナゲ」の3つを使い分けるタイプ。
ダメージを与えれば倒す事も可能だが、似たタイプの
ガイルや
アキラなどと同じく空中回避されたり容赦ない反撃が飛んできたりする恐れもあるため結構侮れない。
勿論スピリットも存在。レアリティは最高ランクの「LEGEND」で投げダメージが強化される。ジョイメカと言えば投げ、という事だろうか。
そしてスピリッツバトルでは
何故かくまスーツを着た射撃タイプのMiiファイターと一緒に襲いかかってくる。
*1
しかしそのシュールな見た目に反し、LEGEND級スピリットの例に漏れず中々強い。
原作での性能
主人公ながら若干トリッキーな所のあるキャラ。
必殺技は
飛び道具・突進・投げと
立ち回りの上では十分なラインナップだが、
主力技が溜めコマンド、
昇龍拳に相当する技を持たないなど、少しスタンダードから外れている部分がある。
移動速度が遅く、ジャンプも
ふわふわとしたものになっているため、素の機動力はイーロボの中でも低い部類。
そのため飛び道具「トンデケー」と突進技「ローリングスカ」を中心に立ち回っていく事になる。
このローリングスカが速度・
判定共に中々優秀で、CPU戦ならこれ一本でもかなり善戦できるほど。
その上派生技が多く、これらを活かす事でより幅の広い立ち回りが可能。
一見主人公らしからぬイロモノに見えるが、その実
単純な立ち回りでもサクサクストーリーを進めやすく、使い込む事で出てくる味もちゃんとあるという、
初心者から上級者まで長く付き合える理想的な主人公キャラに仕上がっているのだ。
対人戦におけるキャラランクは残念ながら低め。
イーロボの宿命としてどうしても終盤のキャラには基礎性能で劣る上、前述の通りスカポカーンというほぼ完全上位互換がいる。
それでもイーロボの中では比較的戦える部類ではある。
技性能解説
スカポンの隠れた強みの一つ。
後ろにずっこけるようなモーションで繰り出すため、
発生中は
喰らい判定が小さくなり後ろに下がる。
さらに
攻撃判定が上寄りに出るため、シンプルに判定負けしにくい上に対空性能が高い。
前後の隙も少なめで、当然ダウンも取れ、イーロボの通常技にしては威力も高めと至れり尽くせりな技。
スカポンの主力と言える必殺技。
高速で回転しながらの突進攻撃。
イーモン博士の言う通り派生のバリエーションが多く、対空・
めくり・逃げ等々様々な用途に使える。
ただし敵に接触した際に大きく跳ね返る上、
ダウン性能がないせいで場合によってはヒットしても反撃されてしまうことがあるため、
特に対人戦では扱いに注意が必要。
+
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以下、派生技一覧(威力は5番目を除き全て12POW) |
- 対空ローリングスカ(←ため十字キー右斜め上+B)
- 空中ローリングスカ(空中で←ため→+B)
- 急停止し垂直に跳ねる(ローリングスカ後追加入力でA)
- 速度を維持しつつジャンプする(ローリングスカ後追加入力でB)
- 赤く発光し放物線を描いて飛ぶ(ローリングスカ後追加入力で→↓←A+B 20POW~27POW)
また、ローリングスカには空中・Bジャンプ・赤verの着地際を当てる「先端」というテクニックがあり、
これを用いると技のヒット後の隙を0にする事ができる。
ちなみにこの先端ロリスカをガードしてしまうと、投げが確定してしまう。
5番目の派生(通称「赤スカ」)はスカポンの最強技であり、威力はランダムに変動するがボスにも迫る高火力を叩き出す。
その上、当てる位置によってはゲームシステム的なガード不能にまでなり、足払いヒットから狙える超高性能技。
これらの豊富な派生とテクニックにより、二連続でロリスカを当てたり、ガード 硬直を投げたり、
相手を一度飛び越えて裏から一撃!!といった撹乱戦法・予測がしづらい戦法を仕掛け、読み合いに持ち込む事が得意である。
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驚いた顔の頭を増やして飛ばす事以外は何の変哲もない飛び道具。それでも持ってるだけで有利である。前後で速度調節可能。
リアルにこんなものが飛んできたら、それだけで戦意を喪失しそうなものである。
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トンデケーのテクニック |
トンデケーが相手にヒットする瞬間に、上述の「ローリングスカ」の5番目派生(通称 赤スカ)の攻撃判定を同時に出しておくと、
赤スカの威力上昇補正がトンデケーにかかり、通常の約3倍ほどのダメージを与える事ができる。
ちなみにスカポンの強化型スカポカーン、 ネオと ネイのウェーブ・カイテンアッパーでも同様のテクニックが存在する。
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頭を外して飛ばす。飛ばした頭は途中で戻ってくる。いらんのじゃなかったのか
判定が強く、威力はもう一つの飛び道具である「トンデケー(8POW)」よりも高い。
モーション中に前入力すれば前方に頭を追って本体が移動できる。
基本の用途は近距離戦において空中を飛び回る相手の撹乱。しかしあまり他に使い道はない。
地味に対空にも使える隠れた武装だが、微妙に使いづらい。
強化型のスカポカーンからはこの技は外され、連打技ハチャメチャクチャが搭載されている。本当にいらない子だった……
- スカポンナゲ(相手の近くで十字キー+A 12POW)
相手を後方へと
投げ飛ばす技。
スカポカーンナゲほどではないが間合いが広く優秀。
MUGENにおけるスカポン
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とけい氏製作 |
「ローリングスカ」が一部アレンジされており、赤点滅のローリングスカがランダムの大ダメージを与える上に、
たまに相手を 気絶させる仕様になっている。
ただし、対空版のローリングスカが搭載されていない。
また、勝利すると BGMと共に原作エンディングでのダンスを踊ってくれる。
クモ氏による外部 AIも存在し、現在は弾丸マックス氏のロダ(むげん代理公開場4)にて代理公開されている。
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山辺氏(yamabe氏)製作 |
Yahoo!ジオシティーズ終了によりサイトが消滅したため、現在ははいうぇい氏によって代理公開されている。
なお、非常に分かりづらい所にあるので「ジョイメカ」でサイト内を検索する事をお勧めする。
基本的には 原作再現だが、スタートボタンを押しながら決定する事で、性能や必殺技等が同作の ボコボコや ホウオウのものに変化する。
全バージョン対応の AIを搭載していたが、現在はスカポンのAIでのみ動作するようだ。 裏キャラカラーだとバグでナゲだけ変化する。
なお、末期に公開されていたスカポンは MUGEN1.0用の記述になっており、そのままではWinMUGENでは動かない。
WinMUGENで使う場合はdefファイルのSt0をskapon.-2_hiに書き換えよう。
また、jmf.-3の[Statedef -3]の真下に長すぎる行が3行あるので、triggerallを分割してあげよう。
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址乃マツリ氏製作 |
上記の山辺氏のスカポンを参考にして製作されたD4仕様のスカポン。
2016年4月のフリーティケットシアター終了によるリンク切れで現在入手不可。
モーションは元のFCグラフィックに負けず劣らずの滑らかさで完成度は高い。
操作が4ボタン式(弱強パンチ+弱強キック)になっており、それに伴って新しい 通常技も追加されている。
他にも二段ジャンプや 超必殺技が使えるなどといった格ゲー風味のアレンジが施されている。
デフォルトで AIは搭載されていないものの、5%オフ氏による外部AIが公開されている。
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アフロン氏製作 |
何故か ルガールの技をコピーしたスカポン。
操作はシンプルな4ボタンにアレンジされている。
ルガールとしての再現度は高く、殆どのモーションがルガールのものになっている。
7Pカラー以降はEXモードとなり、オメガ・ルガールと ゴッドルガールの技が使用可能。
AIは未搭載だが、IX氏による外部AIが公開されている。
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上記の他にも、たまご寒天氏の「
スイカポン」、maitake氏の「
MC翡翠」、Hohei氏の「
セキポンキ」というキャラが存在。
ただし、たまご寒天氏のものは公開先のブログ及びMediafire解約により現在入手不可。
出場大会
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一覧 |
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
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出演ストーリー
*1
基本的にスピリッツバトルはキャラクターのカラーバリエーションやアイテム、
ステージ等を駆使してスピリッツの原作のシチュエーションを再現しており、
例えば
豪鬼とのスピリッツバトルでは、
「HP制乱闘においてお互いの防御力・ジャンプ力が極端に低下した状態で、必殺技の威力が上がった黒胴着のリュウと戦う」といった感じで、
再現度に差はあれど原作をプレイした事のあるユーザーなら大体どういったシチュエーションを再現したものなのかが概ね分かる物が殆どなのだが、
このスカポンのスピリッツバトルにおいては、アシストフィギュアでスカポン本人が出てくるのはともかく、
その護衛対象である対戦相手のくまコスチュームの射撃Miiファイターが何を模した物なのか非常に分かりづらく、
「これはジョイメカファイトの何を再現したものなんだろうか?」
という疑問の声が多かった。
あまりにも分かり辛かったためか、海外の任天堂公式Twitter(現・X)にて、
「このMiiファイターのモチーフはスカポンの開発者であるリトル・イーモン博士であり、
着ているコスチュームがくまスーツなのは射撃タイプのアームキャノンで科学者を表現しつつ、
くまの口周りでイーモン博士の特徴である長い口ひげを再現できるためである」
と説明された(ちなみにスピリッツバトルにおいては
Dr.ワイリーを始め、博士系・
医者系のキャラには
ドクターマリオが当てられる事が多い)。
つまり、アシストフィギュアのスカポンがイーモン博士役のMiiファイターを守るシチュエーションという事になる。
最終更新:2024年06月09日 19:05