小瀬

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小瀬 - (2020/02/12 (水) 18:35:49) の編集履歴(バックアップ)


※国立公文書館デジタルアーカイブ「新編会津風土記45」より小瀬沼図



小瀬沼

桧枝岐村の南にあり。
東西1里12町・南北18町。半を限り上野国利根郡の支配なり。
大江沢、釜堀沢の諸渓流入る。蒪菜(じゅんさい)多く(ふな)岩魚(いわな)を産す。四方に山を擁し水面鏡の如く、大厳その中に屺立し、鸕鷀(ろじ)多く集まる。四山皆勢緩く「ツカ」(もみ)柳の外さらに他木を交えず。
(ひうちが)嶽のみ近く北岸に(そびえた)ち、上には厳石(がんせき)重畳(ちょうじょう)し下には雑木繁茂(はんも)す。遠く西南を望めば至佛の悛嶺(しゅんれい)敷峯の奥にあらわれ、残雲(ざんうん)奇状(きじゃう)をなす。幽邃(ゆうすい)勝地(しょうち)なり。

桧枝岐村より戸倉村まで行程8里計。山谷の間人家なし。戸倉村よりこの沼の東岸に小屋2軒をかけ置き、従来に便す。
土人この邊にて牛(?)と船とを言うことを忌む。これを犯せば怪異ありとて、漁獵(ぎょりょう)するに筏を用いて舟を用いず。

小瀬峠(三平峠)

至佛山の東にあり。利根郡と峯を界とす。利根郡戸倉村に越る路なり。

→三平峠のストリートビュー

小瀬平

古町組桧枝岐村の西にあり。東西3里計。只見川原中を流れる。
土人の説に、昔以仁(もちひと)王に供奉(ぐぶ)し来りし小瀬大納言藤原頼国という人住せし地なりという。
今も小瀬沼の北岸に小瀬殿の的場の跡と伝あり。
又、原中に水田の形残れる所ありとぞ。
この原の半を限り、只見川より西は上野国利根郡支配の地なり。