民居多くは山中に住しひとり原町本町の四方すこし開けて平地なり。東西南に高山連なり北は揚川流る。
また東偏の諸村は只見川に傍て住す。俗に新郷という。山川の利多く土地肥饒なり。
相伝ふ。この地往古揚川の水道塞がりその水数理の外に洋溢して遂に一大湖となり、平衍の村落民業を失い漸々に山陵に登り各自に家居をなせしが、何の頃にか下野尻村の北銚子口という山隘の口決しその水大いに潰て忽平地となりしとぞ。今なお山中に水の湛えし趾往々残れり。
この村の諸村多く紙を漉て産業を資く。
野沢郷に隷する村27あり。
尾登村・小島村・松尾村・茅本村・森野村・縄沢村・青坂村・程窪村・泥浮山村・長桜村・二栗村・小杉山村・黒沢村・出原村・牛尾村・山口村・野沢本町・野沢原町・中野村・安座村・牧村・堀越村・芝草村・芹沼村・上野尻村・下野尻村・徳沢村。
その他みな郷名を失う。共に蜷川荘と称す。
凡て40ヶ村あり。
- 野沢組 上 12ヶ村
- 野沢組 中 15ヶ村
- 野沢組 下 13ヶ村
最終更新:2020年06月02日 15:32