河沼郡野沢組

陸奥国 河沼郡 野沢組
大日本地誌大系第33巻 151、160コマ目
大日本地誌大系第34巻 6コマ目

この地府城の西北に当り本郡の西端にあり。
東は坂下組に隣り只見川を限りとし、西は海道組に接し、南は牛沢組大沼郡大石組に交わり、北は耶麻郡大谷組吉田組に界ひ揚川を限りとす。
東西5里5町(東は坂下組東羽賀村の界只見川より、西は海道組白坂村の界に至る)。
南北3里8町(南は大石組水沼村の界より、北は大谷組橋屋村の界揚川に至る)。

民居多くは山中に住しひとり原町本町の四方すこし開けて平地なり。東西南に高山連なり北は揚川流る。
また東偏の諸村は只見川に傍て住す。俗に新郷という。山川の利多く土地肥饒(ひじょう)なり。
相伝ふ。この地往古揚川の水道塞がりその水数理の外に洋溢(よういつ)して遂に一大湖となり、平衍(へいえん)の村落民業を失い漸々に山陵に登り各自に家居をなせしが、何の頃にか下野尻村の北銚子口という山隘(やまあい)の口決しその水大いに潰て(たちまち)平地となりしとぞ。今なお山中に水の湛えし趾往々残れり。

この村の諸村多く紙を漉て産業を資く。

野沢郷に隷する村27あり。
尾登村・小島村・松尾村・茅本村・森野村・縄沢村・青坂村・程窪村・泥浮山村・長桜村・二栗村・小杉山村・黒沢村・出原村・牛尾村・山口村・野沢本町・野沢原町・中野村・安座村・牧村・堀越村・芝草村・芹沼村・上野尻村・下野尻村・徳沢村。
その他みな郷名を失う。共に蜷川荘と称す。

凡て40ヶ村あり。








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