会津郡和泉田組

陸奥国 会津郡 和泉田(いずみだ)
大日本地誌大系第31巻 130コマ目

この地府城の西南に当り本郡の西にあり。
東は大沼郡野尻組に界ひ、西は黒谷組に続き、南は古町組に隣り、北は大沼郡大塩組に接す。

東西4里(東は野尻組大芦村の界鳥井峠より、西は黒谷組長濱村の界に至る)。
南北5里(南は古町組小立岩村の山界より、北は大塩組山入村の山界に至る)。

地面この邊の諸組に比すればやや狭隘(きょうあい)にて檜枝岐川の急流しばしば洪水あり。水道常ならず両岸の田圃(たんぼ)を害す。村居大抵山麓に倚り往々土堤を築き水難を防ぐ。されども平地なお多く村民質朴にして専ら耕作を業とす。故に他に仰がずして米穀常に豊かなり。

高山四方に連なり気候府下に異なれば種る遅く収る早し。因って多は早稲(わせ)を植えゆ。
農隙には丁壯(ていそう)は山菌諸草をとり、婦女は麻を績ぎ布を織り又蚕養の利少なからず。
布沢口・滝原等の諸村は布沢川を挟み最山間に住し別に一区の如し。

この組の諸村は皆伊北郷と称す。

  • 和泉田村
    • 端村:乙沢(おとざは)
  • 小野島村
  • 界村
    • 小名:宇和田
    • 端村:虻宮(あぶのみや)
  • 片貝村
    • 小名:根木屋、宇和田
  • 富山村
  • 下山村
    • 小名:下村
  • 梁取村
    • 端村:布沢
  • 小林村
    • 小名:竹花(たけのはな)、仲田
  • 布沢口村
    • 小名:高砂子(たかさご)假休(かりやす)
  • 滝原村
    • 小名:上田、中村、篠和、仲田
  • 布沢村
    • 小名:浮島、田澤、水無、夕沢、大田、毘沙沢(ひさざわ)川和具(かわわく)
    • 端村:吉尾
    • 木地小屋:田沢
  • 大倉村
    • 端村:上田
  • 二間在家村
    • 端村:九九生(くくりふ)
  • 塩岐村
    • 小名:八乙女(やおとめ)悪戸(あくど)、芹沢、天沼、間丸貝(ままるかい)
    • 端村:八塩田(やしおだ)
最終更新:2020年04月01日 12:00
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