東西4里(東は野尻組大芦村の界鳥井峠より、西は
黒谷組長濱村の界に至る)。
南北5里(南は
古町組小立岩村の山界より、北は大塩組山入村の山界に至る)。
地面この邊の諸組に比すればやや狭隘にて檜枝岐川の急流しばしば洪水あり。水道常ならず両岸の田圃を害す。村居大抵山麓に倚り往々土堤を築き水難を防ぐ。されども平地なお多く村民質朴にして専ら耕作を業とす。故に他に仰がずして米穀常に豊かなり。
高山四方に連なり気候府下に異なれば種る遅く収る早し。因って多は早稲を植えゆ。
農隙には丁壯は山菌諸草をとり、婦女は麻を績ぎ布を織り又蚕養の利少なからず。
布沢口・滝原等の諸村は布沢川を挟み最山間に住し別に一区の如し。
この組の諸村は皆伊北郷と称す。
最終更新:2020年04月01日 12:00