耶麻郡五目組

陸奥国 耶麻郡 五目組
大日本地誌大系第32巻 105コマ目

この地府城の北に当り本郡の中程にあり。
東は小田付組に隣り、西は木曽組に接し、南は小荒井組慶徳組につづき、北は重山連なり米沢領出羽国置賜郡に界ふ。

東西2里22町余(東は小田付組小田付村の界より、西は木曽組板沢村の界に至る)。
南北5里28町余(南は小荒井組北原新田村の界より、北は米沢領出羽国置賜郡の界に至る)。

東南は平衍(へいえん)の地に接し西北に衆山連なり、東を日中川西を濁川流れ、中間に平山ありて南北に綿延(めんえん)す。
村里多くは山麓に基布し薪樵(しんしょう)の便よく田圃(たんぼ)少なからず。
花候(かこう)・農務廣平(こうへい)の地に比すれば7、8日を差ふ。
日中・水沢・野辺沢・黒川・金屋・熱塩等の諸村は凍雪(いてゆき)を踏て深山より薪材を伐り、雪消えて後渓流に下し府下に運送す。日中流木と称し士民の薪とす。
山岩・日中・水沢・野辺沢・黒川・百木田・田中等の村々は獨活(うど)・蕨を採り、熊・羚羊(れいよう)をかり、炭山灰を焼き、紙を漉き、搗栗(かちぐり)・乾柿を製す。
また山岩尾・野辺沢及び五目村端村大平・黒岩等の所にて「オンノレ」「サンマイバリ」という木にて雪舟を造り「ブナ」という木にてコスキを作り府下に出し生産の資とす。

加納荘と称し百木郷に隷する村21(五目村・根岸村・下谷地村・鷲田村・上三宮村・赤崎新田村・吉志田村・赤崎村・日中村・黒川村・野辺沢村・金屋村・針生村・上野村・百木田中村・中河原村・山岩尾村・岩尾村・半在家村・五分一村・譲屋村)あり。
余は郷名を失う。共に岩崎荘と称す。
凡26ヶ村あり。

最終更新:2020年08月16日 20:54
添付ファイル