耶麻郡川東組

陸奥国 耶麻郡 川東組
大日本地誌大系第31巻 164コマ目
大日本地誌大系第32巻 7コマ目

この地府城の東北に当り本郡の東端にあり。
大抵酸川の東なる(ゆえ)名く。
東は二本松領安達郡に界ひ高山を限りとし、西は川西組の諸村に続き、南は湖水を限り、北は吾妻山を界とし米沢領出羽国置賜郡に隣る。また丑寅(北東)は公領信夫郡に接し、辰巳(南東)は二本松両安積郡に交わり、戌亥(北西)は檜原村の地に連なる。

東西6里余(東は信夫郡の界土湯峠より、西は川西組大寺・本寺両村の山界に至る)。
南北4里(南は湖水より、北は檜原村の界七曲坂に至る)。

東北に層嶺を負い南に湖水を擁し西は広平の地にて田野開け人煙繁く、その地諸組に比すれば尤も大なり。
村落多くは山に傍ひ水に臨み薪材養水に便よけれども、磐梯吾妻等の高山ありて風常に烈しく種殖美ならず。
中に酸川の流あれども硫黄の気を帯びその水の灌ぐ所は米穀の味薄し。されども小田・酸川野・白木城等の諸村はその土桑に宜く、蚕養の利封内に甲たり。
湖辺の村里は網罟の利も少しとせず、また良馬を産す。

この組及び川西組にて正月14日団子の湯を屋辺に灌ぎ(大沼郡高田組の条下に詳なり)、17日山神講とて男子は垢離をとり飯を炊て山神に供す。
2月8日は地神下(ちしんくたり)とて粟餅を制す(会津郡小出組の条下を併せ見るべし)。9日山神の木数(きかそへ)とて山に入らす。
大晦日神玉飯(みたまのめし)を歳徳神に供す(また高田組の条下に詳なり)。

この組の諸村みな郷名を失う。
月輪荘と称する村19(白木城村・小田村・荻窪村・堀切村・下館村・内野村・明戸村・白津村・東館村・曲淵村・新屋敷村・荒野村・都沢村・関脇村・壺下村・楊枝村・山潟村・金曲村・夷田新田村)、更級荘と称する村14あり(新町・土町・町島田村・町堤崎村・北窪村・見祢村・渋谷村・長坂新田村・酸川野村・木地小屋村・大原新田村・小平潟村・松橋村・中目村)。
凡て33ヶ村あり。





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