耶麻郡木曽組

陸奥国 耶麻郡 木曽組
大日本地誌大系第32巻 137コマ目
※国立公文書館デジタルアーカイブ「新編会津風土記68」より

この村府城の西北に当り本郡の西にあり。
東は五目組慶徳組に接し、西は吉田組大谷組に交わり、南は河沼郡坂下組に界ひ日橋川を限りとす。北は米沢領出羽国置賜郡に隣る。

東西3里18町(東は慶徳組宮在家村の界より、西は吉田組大船沢村の界に至る)。
南北5里18町(南は河沼郡坂下組宮月村の界日橋川より、北は米沢領の界飯豊山に至る)。

本組及び大谷組・吉田組は重山(ちょうざん)の間に開ける民居なれば、俗に山三郷を以て惣称とす。

深渓狭隘(きょうあい)の地に散居し平衍(へいえん)の地少なく耕耘(こううん)に便悪ければ、多く堤を築き渓水を貯え田地の養水とす。田畠多く五穀乏しからず網罟(もうこ)の利あり。

小布瀬郷に隷する村17(木曽村・広野村・館原村・三山新田村・船岡村・小布瀬原村・河吉新田村・寺内村・下村・上林村・洲谷沢村・河隅村・早稲谷村・船引村・道山村・中反村・宮古村)あり新宮荘と称す。
百木郷に隷する村6(藤沢村・賢谷村・背戸尻村・板沢村・沼平村・一戸村)あり加納荘と称す。

この組及び大谷組・吉田組にて正月12日に白幣・注連を供て山神を祭り、2月16日を地神下(ちしんくたり)とて未明に虚臼を鳴らし団子16箇を製してこれに供える。大寒の後105日に霜祭あり(共に会津郡小出組の条下と併せ見るべし)。

凡23ヶ村あり。
最終更新:2020年09月09日 22:12
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