この地府城の西南に当り本郡の西南にあり。
東は
河島組に接し、西北は共に
古町組に界ひ、南は日光神領下野国都賀郡に連なる。
村里皆川に沿って畳山左右に聳ゆ。
地面広けれども田畝少し。
殊に立岩川の上流及び水引・西根の2川の傍ふものは帝釈・田代・荒貝の3山各その南に峙ち地幽寂にして冬月雪深く盛夏にも蚊なし。
さればその民自ら古樸の風を失わず。
稍魚猟の利あれども他に販き生計を資くるに足らず。蠺を養い又布を織て産業とす。
また精舎・岩下・戸中の村々は「とりもち」と製して府下及び越後国に鬻き出す。
最終更新:2020年03月30日 21:10