町分

陸奥国 会津郡 若松 町分(まちふん) (蚕養宮村附)
大日本地誌大系第30巻 188コマ目
※国立公文書館『新編会津風土記24』より

府下の四方に東西黒川と称し数箇の年貢地あり。その地分散して居民多くは府下の四方に続き、或いは雑居し完く1区をなるものなし。因て府下に連なるものはここに付してこれを註し、ここにもまたその大較(たいこう)を挙く。煩重(はんちょう)に似たりといえども見るに便あらんことを欲する(ゆえ)なり。

田圃(たんぼ)少なく諸物を(ひさ)いで産業とす。さればその民村里の俗にも異にして肆鄽(してん)の習わし多きに居れり。また藺草(いぐさ)を植え席に織て生計を資く、俗にこれを融通寺表と称す。西黒川より多く出せり。
東黒川に属するもの5区、西黒川に属するもの4区。総てこれを町分(肆店の条下にその分の地なり・某分の地雑れりと註するものこれなり)と称す。

代官を置いて支配せしむ。本郷中荒井組中荒井郡役所に隷す。

最終更新:2020年09月30日 22:10
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