府下の四方に東西黒川と称し数箇の年貢地あり。その地分散して居民多くは府下の四方に続き、或いは雑居し完く1区をなるものなし。因て府下に連なるものはここに付してこれを註し、ここにもまたその大較を挙く。煩重に似たりといえども見るに便あらんことを欲する故なり。
田圃少なく諸物を鬻いで産業とす。さればその民村里の俗にも異にして肆鄽の習わし多きに居れり。また藺草を植え席に織て生計を資く、俗にこれを融通寺表と称す。西黒川より多く出せり。
東黒川に属するもの5区、西黒川に属するもの4区。総てこれを町分(肆店の条下にその分の地なり・某分の地雑れりと註するものこれなり)と称す。
代官を置いて支配せしむ。本郷中荒井組中荒井郡役所に隷す。
最終更新:2020年09月30日 22:10