大沼郡東尾岐組

陸奥国 大沼郡 東尾岐組
大日本地誌大系第33巻 35コマ目

この地府城の西南に当り本郡の東にあり。
東は橋爪組に接し、西は冑組に隣り、南は会津郡楢原組に連なり、北は高田組に交わる。

東西1里30町(東は橋爪組領家村の界より、西は冑組魚淵村の界宮川に至る)。
南北2里17町(南は楢原組大内村の山界より、北は高田組上中川村の界に至る)。

南は高山(そばだ)ち村落多くは山に傍て住し渓流を引て田地に灌ぐ。
北村・長岡館村は平野にありて耕地多し。東尾岐・大室・無量・寺入・市野等の諸村は極めて山中あれば人気やや朴なり。
風俗気候、大抵橋爪・高田等の諸組に同じ。
農隙(のうげき)薪を採り或は炭を焼き紫萁(ぜんまい)を採り、府下及び高田村に(ひさ)ぐ。

本組及び冑組山中の村里は雪殊に深く冬春「あい」「雪頽」(会津郡古町組の条下に詳なり)の患あり。
また野猪多く夜々田圃に来て害をなす(ゆえ)里人鳥銃を放ち鐘鼓を鳴して逐退く。
冬に至れば熊を猟て余産とす。

共に尾岐郷と称し11ヶ村あり。

  • 東尾岐村
    • 小名:(みや)地頭方(ちとうかた)馬場(ばば)水沢(みつさわ)戦場(たたかひば)勝負沢(しようふさわ)大神沢(おほかみさは)(たい)遅沢(おそさは)関根(せきね)
    • 端村:茗荷平(めうかたひら)檜皮(ひはた)唯能(ゆいのう)清水(しみつ)西沢(にしのさは)大平(おほたひら)小屋(こや)(廃)
    • 木地小屋:東入(ひかしいり)
  • 長岡館村
    • 小名:下平(したたひら)
  • 北村
    • 小名:馬墓(うまのはか)
    • 端村:兎沢(うさきさは)
  • 岩淵村
    • 小名:堀込(ほつこめ)
  • 箕作村
  • 池端村
  • 無量村
    • 端村:長岡(なかおか)沼田原(ぬまたのはら)
  • 寺入村
    • 小名:新屋敷(しんやしき)道地窪(たうちくほ)
    • 端村:袖山(そてやま)
  • 小川窪村
  • 市野村
    • 端村:大黒沢(おほくろさは)駒谷(こまたに)向小川(むかひおかは)
  • 大室村
最終更新:2020年04月17日 11:44
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