蒲原郡海道組天満村

越後国 蒲原郡 海道組 天満(てんまん)
大日本地誌大系第34巻 31コマ目

村東に天満宮の古社あり。因て村名とす。

府城の西に当り行程13里6町。
家数37軒、東西1町54間・南北6町14間。
四方少しく田圃(たんぼ)ありて、西は川に近し。

新発田街道駅所にて、村中に官より令せらるる掟条目の制札あり。
上條組野村駅より4町47間ここに継ぎ、ここより30町18間津川町駅に継ぐ。

東1里2町計花立村の山界に至る。その村は辰巳(南東)に当り22町30間余。
西1町44間・北2町30間、共に平堀村に界ひ室谷川を限りとす。その村は戌(西北西)に当り2町30間。
南37間野村の界に至る。その村は辰(東南東)に当り1町30間。

山川

愛宕山(あたこやま)

村東2町にあり。
頂まで1町計。
昔愛宕權現を祭る所という。

室谷川(むろやかわ)(天満川/常波川)

俗に天満川という。また常波川ともいう。下同。
村西1町40間余にあり。
平堀村の境内より来り、北に流るること7町計また平堀村の界に入る。
広50間計。

音無川

村の申(西南西)の方3町にあり。
野村の境内より来り、西に流るること10町室谷川に入る。
広6間。
上流を田沢川という。

村より辰(東南東)の方13町、山中にあり。
周180間。

水利

村東4町にあり。
周180間。
谷地頭堤(やりかしらつつみ)と称す。

関梁

橋2

一は村より戌(西北西)の方3町室谷川に架す。長70間・幅2間。もとは船渡なり。享和2年(1802年)この橋を架す。
一は村より辰(東南東)の方3町計音無川に架す。長9間・幅1丈。
共に新発田街道なり。

神社

天満宮

祭神 天満宮?
鎮座 不明
村東にあり。
鳥居あり。修験北野寺これを司る。

熊野宮

祭神 熊野宮?
相殿 白山神
勧請 不明
村東1町余にあり。
何の頃にか紀伊国熊野山より勧請すという。
鳥居拝殿あり。修験八大院司なり。



余談。
天満地区にあった白山神社は北野神社に合祀されたとのことです。風土記に白山神社は熊野宮の相殿と記載されていますが、ひょっとしたら逆だったのかもしれません。
参考:北野神社(阿賀町天満〈てんまん〉)
最終更新:2020年10月17日 20:38