象眼町

陸奥国 若松 郭外 象眼(ざうがん)
大日本地誌大系第30巻 176コマ目

※国立公文書館デジタルアーカイブ『新編会津風土記21』より

堅町の南に並び、東は年貢町より西は中横町に至る。
通3条あり。総てこれを象眼町と称す。
昔いつの頃にか象眼*1師多く居住せし(ゆえ)この名ありとぞ。
今は足軽同心の居とす。

(ゆみ)

3条の北端なり。
長4町52間余・幅9尺余、家数89軒。
弓組の足軽多く居る(ゆえ)名とす。

鉄炮町

弓丁の南に並び、長4町54間・幅9尺余、家数97軒。
鉄炮組の足軽多く居る(ゆえ)名とす。
南町分の地雑れり)

稲荷丁

鉄炮町の南に並び、長4町55間・幅9尺余、家数97軒。
内に横通2条ありて南は田圃(たんぼ)に出て北は堅町の奉に通す。
(南町分の地雑れり)

神社

稲荷神社

祭神 稲荷神?
創設 不明
この丁の東横通にあり。
松本稲荷と称す。この地往昔葦名家の長臣松本某という者居をとせし所にて当社は即彼が勧請なりしという。
社料米3斗余を寄付す。
鳥居
両柱の間8尺
本社
9尺四面、西向。
幣殿
3間に2間。
拝殿
5間に2間。
神楽処
拝殿の側にあり。
文殊堂
境内にあり。
別当 良泉院
本山派の修験なり。
中興良学より今に至て23世という。
最終更新:2020年03月01日 02:35

*1 工芸品の装飾技法の一つ。地の素材となる金属・木材・陶磁などを彫り、そこに金、銀、貝、地と異なる色や種類の木や陶磁など、他の材料をはめ込んで模様を表すもの。