レコード会社

登録日:2019/10/13 Sun 23:39:00
更新日:2019/11/21 Thu 17:25:16NEW!
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レコード会社とは、音楽作品が録音・録画されたレコードやCD、ブルーレイなどといった媒体の物を専門に制作し、それを宣伝したり販売したりする会社のことである。
レーベルと同一視されやすいが、あちらはレコード会社の組織の中に含まれており、アーティストの楽曲自体の企画や制作などマネジメント業務が主であるため、実際はレコード会社とレーベルは別物である。
そのためアーティストが直接契約するのはレコード会社ではなくレーベルのほうである。



【ざっくり学ぶレコードの誕生と日本におけるレコード会社の成り立ち】
レコード自体は1877年にトーマス・エジソンが発明しており、そこから一気に電機メーカーなどが自社で開発製造した録音機器で音楽家による演奏を録音したレコードの販売を始めた。
そして次第にレコードの更なる発展によりレコードの開発・販売を専門とした企業が次々と参入し、レコード産業が大きく栄えた。

1910年、日本でレコードの販売を専門とした会社日本コロムビアを設立。
それから17年後の1927年、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの前身である日本ビクターユニバーサルミュージックの前身である日本ポリドールが設立。
更にその4年後の1931年にはテイチクエンタテインメントキングレコードが設立。
それぞれ戦前から戦後までのしばらくの間、主にその5社が流行歌や軍歌を発売していくなどしてしのぎを削っていた。

そして1960年代~70年代以降、ソニー・ミュージックエンタテインメントの前身であるCBS・ソニーキャニオンレコードの前身であるポニーキャニオンエイベックスワーナーミュージック・ジャパン等々、様々なレコード会社が雨後の筍のごとく設立し現在に至る。

1970年代からはカセットテープ、1980年代以降はCD、2000年代頃からインターネット配信、2010年代からサブスクなど、消費者に音楽を届ける媒体は時代と共に変化を遂げており、レコード自体は廃れて久しいが、音楽を提供する会社は今でも「レコード会社」と呼ばれ、「レコード」を社名に冠する企業も未だ少なくない。

近年はCD不況で先細りしていく業種であると言われて久しいが、配信業務に力を入れたりYouTubeやサブスクをうまく活用したりとそれぞれ工夫しながら多額の利益を得られるよう‎に図っている。


【主な仕事内容】

製造

アーティストから音源を録音したあと原盤を作成し、それを工場でプレスすることで大量生産し発売する。
なおCDそのものだけでなく、それに付随するCDケース、ジャケット写真、歌詞カード、透明のビニール包装などの部分もレコード会社が作成している。

宣伝

そのアーティストの曲を売れさせるためには当然宣伝が必要である。
そのため社内の営業担当者が様々な代理広告店やメーカー、番組制作会社やアニメ制作会社など幅広い場所でそのアーティストの売り込みを積極的に行う。
大抵アーティストのプロフィールや曲のイメージ、どんな場面で使ってもらいたいかなどを相手先に伝えて交渉していく。
それが成功したらドラマや映画、アニメ、CMにタイアップとして起用されたり、音楽番組に出演し曲を披露することができる。

販売

タワーレコードやTSUTAYAなどのCD販売店で社内の営業担当者が新曲の発売のために直接その店の担当者とどのくらい、どのあたりで売るかといった交渉をする。その時にその新曲の特徴とそれを歌ったアーティストのことを纏めたPOPを用意することもあるが、CD販売店の店員がそのアーティストのファンであった場合、手作りのPOPをすでに用意しており、店内に目立つように配置してあることも。*1

【日本の主なレコード会社一覧】


アニソンに関する記述はアニソンレーベル(レコード会社)を参照。

ソニー・ミュージックエンタテインメント

主なアーティスト:
米津玄師
T-SQUARE
乃木坂46
プリンセス・プリンセス
Whiteberry
ZONE
チャットモンチー
ステレオポニー
ねごと
HAPPY BIRTHDAY
LAGOON
JUDY AND MARY
Hysteric Blue
ecosystem
joy
SUPERCAR
宇多田ヒカル
ポルノグラフィティ
いきものがかり
西川貴教(T.M.Revolutionabingdon boys school)
L'Arc~en~Ciel
UVERworld
FLOW
シド
中川翔子
中島美嘉
Aimer

電機メーカーソニー株式会社の傘下にあるレコード会社。
誰もが知る人気アーティストを数多く抱えており、もはや最大手の1つ。
南沙織の売り出しをきっかけにアイドルという言葉を初めて日本に浸透させたレコード会社であり、実際にキャンディーズや山口百恵、松田聖子などの70年代~80年代のトップを走ってきたアイドルたちを世に送り込んできた。
そして特筆すべきは1982年には日本で初めてCDを発売したレコード会社である。*2
レコード会社でありながらお笑い芸人部門が存在しており、チクショー―――!!コウメ太夫冷やし中華はじめましたのAMEMIYAなどの芸人が所属している。

エイベックス

主なアーティスト:
浜崎あゆみ
Every Little Thing
EXILE
倖田來未
大塚愛
吉田拓郎
MOON CHILD
Janne Da Arc
AAA
Dream5
SPEED
V6
タッキー&翼
Kis-My-Ft2
TM NETWORK
Do As Infinity
BACK-ON
May J.

ダンスミュージックやR&Bが強いレコード会社。
設立は1988年の昭和の終わりごろと日本のレコード会社の中では比較的遅い参入であったが、90年代の小室哲哉ファミリー無双、浜崎あゆみの発掘により爆発的ブームの流れに乗ることができ、一気にトップに駆け上がることができた。
また夏の大型フェスa-nationを開催しており、主にエイベックス所属のアーティストが参加している。
しかし2006年ののまネコ騒動などによりエイベックス自体のアンチも少なくはない。
アーティストだけでなく女優やスポーツ選手など音楽以外の分野で活動する有名人も音楽活動の有無を問わず契約している。

ユニバーサルミュージック

主なアーティスト:
福山雅治
DREAMS COME TRUE
Perfume
THE ALFEE
稲垣潤一
FLiP
レベッカ
BOYS AND MEN

外資系とあって洋楽にも強いレコード会社であり、誰もが知る人気アーティストを数多く抱えている。
そして松田聖子や中森明菜など別のレコード会社でトップに近い人気を博したアーティストが移籍などによって数多く在籍している。
2010年代に入ると徐々に規模を拡大していき、2012年にEMIミュージック・ジャパン(旧・東芝EMI)を傘下にし、2017年にはオフィスオーガスタとの業務提携によりスキマスイッチや秦基博といった同社所属アーティストの殆どが一斉移籍。2018年にはウォルト・ディズニー・レコードとライセンス契約し、ディズニー関連の音楽コンテンツの販売を開始。日本ではトップに誇るシェアを持つレコード会社になった。

ワーナーミュージック・ジャパン

主なアーティスト:
コブクロ
きゃりーぱみゅぱみゅ
WANIMA
あいみょん
the brilliant green
X JAPAN

ユニバーサルミュージックと同じく外資系とあって洋楽にも強いレコード会社である。
きゃりーぱみゅぱみゅやあいみょんなど10代~20代の比較的若い世代に大人気のアーティストを近年輩出している。
なお、香取・草彅・稲垣の元SMAP勢(新しい地図)や渋谷すばる、赤西仁といった元ジャニーズアーティストが移籍しがち。*3

ポニーキャニオン

主なアーティスト:
aiko
GLAY
Official髭男dism

フジサンケイグループの傘下にあるレコード会社。
そのため、フジ系列の番組由来で発売された楽曲はここが発売している。
一例を挙げると、夕やけニャンニャンから誕生したおニャン子クラブ、クイズ!ヘキサゴンから誕生した羞恥心がここから発売されている。
そして日本で一番売れた楽曲、およげたいやきくんを発売したことにより、多額の利益をもたらし、新社屋を設立。大ヒットした楽曲名にあやかりたいやきビルという名前が呼ばれていた。

JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

主なアーティスト:
SMAP
サザンオールスターズ
星野源
ORESKABAND
SCANDAL
やしきたかじん
Pile
ORANGE RANGE
THE BACK HORN
ROCKY CHACK

ロックバンド系が多く在籍しているレコード会社。
蓄音機の横にいる犬というビクターのトレードマークは戦前から受け継がれている。
ちなみにアニソンレーベルのフライングドッグはこのトレードマーク由来でもある。
かつてはSMAPとサザンオールスターズがビクターの二大巨頭であると言われていたが残念ながら前者は解散してしまった。
しかし近年は家入レオや星野源を輩出している。
毎年冬にビクターロック祭りというレコード会社の枠を超えたフェスを開催している。

日本コロムビア

主なアーティスト:
美空ひばり
氷川きよし
水木一郎

創業は1910年と日本で生まれたレコード会社の中では一番の歴史を持つ。
演歌歌謡曲やキッズ向けソングが強く、戦隊シリーズを始めとした数々の特撮ソングや主に子供を対象としたアニソンはここのレコード会社が席巻している。
そのため水木一郎や堀江美都子、宮内タカユキなどの多くの特ソンアニソン歌手はここに在籍している。
そして演歌歌謡曲に関しては美空ひばりや氷川きよし、八代亜紀や細川たかしなどの存在が大きい。
その年のヒット曲を中心とした様々な楽曲をブラバンにアレンジしたヒットマーチシリーズを毎年3月ごろに発売している。

キングレコード

主なアーティスト:
森口博子
AKB48
ももいろクローバーZ
織田哲郎

講談社の音楽部門として1931年に発足。トレードマークのライオンは戦前から使われている。
演歌歌謡曲やアニソンが強いなど、レコード会社の強みが日本コロムビアと被っているところがある。
その中でもAKB48の存在が強く、ファンによる大量買いもあるせいなのか毎年黒字営業を達成することができている。
こちらも日本コロムビア同様、その年のヒット曲を中心とした様々な楽曲をブラバンにアレンジしたスーパー・マーチを毎年3月ごろに発売しているが、監修は元体操のお兄さんである佐藤弘道が担当している。

テイチクエンタテインメント

主なアーティスト:
石川さゆり
天童よしみ
関ジャニ∞
杉良太郎

演歌歌謡曲が強みの戦前から存在する会社。
1999年からしばらくの間JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントとは兄弟会社という関係にいた時があったが、2015年頃に解消した。
関ジャニ∞の最初の所属レコード会社としても知られており、デビュー発表の場がテイチク本社の屋上は未だに彼らの自虐ネタとして使われている。

徳間ジャパンコミュニケーションズ

主なアーティスト:
千昌夫
ぴろき
吉幾三
seven oops
森川美穂

1965年に誕生した会社。
現在は第一興商が大株主だが、以前は徳間書店が大株主だった。資本関係が切れた今も徳間書店と業務提携している。

ビーイング

主なアーティスト:
B'z
B.B.クィーンズ
ZARD
T-BOLAN
WANDS
FIELD OF VIEW
倉木麻衣
BREAKERZ
Chelsy

1978年に誕生した会社。
番組主題歌をすべてビーイング系アーティストが担当するという戦略で、1990年代には所属アーティストの曲が軒並みランキング上位を独占する「ビーイングブーム」を巻き起こした。
近年の活躍の中心はB'z、倉木麻衣、BREAKERZであるが、全盛期の固定ファンがかなり多いのと全盛時に稼いだ収益で進出した不動産事業で会社そのものは安泰。


【関連番組】


新春オールスター大運動会

TBS系列で1972年から1987年まで新春特番として放送されており、フジテレビでかつて放送されていたオールスター紅白大運動会のフォロワー的番組。
様々な歌手が所属するレコード会社別に分かれてチーム戦で1位を競い合った。
最初は2社のみだったが、徐々に参加するレコード会社が増えていき、最終的には10社が1位を競い合った。*4
吸収合併前*5だったり旧社名*6だったりと現在とやや違うところもあるが、上項の【日本の主なレコード会社一覧】のうち、番組終了後に設立したエイベックスを除いた全ては1回以上参加している。

サカナクションのNFパンチ

スペースシャワーTVにて放送されたサカナクションの山口一郎司会の番組であり、職業のススメ レコード会社編としてレコード会社で働く社員たちの本音などを語り合ったりする番組。
自分が働くレコード会社のイメージや、レコード会社で働くうえで困ったことなどリアルに働く社員のいい意味で生々しい声を聞くことができる。
放送自体は終了したが現在でもYouTubeのサカナクションのNFパンチ公式チャンネルで見ることができる。

参加した社員の所属レコード会社
  • ソニーミュージックエンタテインメント
  • アニプレックス
  • ユニバーサルミュージック
  • JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント*7
  • トイズファクトリー
  • 日本コロムビア
  • CAMPFIRE

【ゲームメーカーとしてのレコード会社】

80年代いくらかのレコード会社が副業として家庭用ゲームソフトの販売を開始した。
これは当時のファミコンブームにあやかったものであり、中には自社のアーティストとアイドルをうまくゲームに融合させて利益を上げる、所謂タレントゲームを発売するレコード会社も多かった。
しかしそのクソゲー率はとても高く、クソゲーメーカーとして揶揄されるところの方が多かった。そのせいなのか結果的にほぼすべてのレコード会社がゲーム業から撤退してしまった。
現在でもゲームソフトを発売しているレコード会社は日本コロムビアくらいであるが、家庭用ゲームソフト発売を始めたのは2001年とファミコンブームとは全く関係ない時期である。


ソニーミュージックエンタテインメント

当時は合併前のCBS・ソニー、EPIC・ソニーレコードから発売。
色々な意味で伝説の歌手田代まさしのプリンセスがいっぱいなどのタレントゲームを数多く発売していたがどれもクソゲーの烙印を押されている。
そしてドラゴンズレア、パリ・ダカール ラリー・スペシャルというクソゲー談義で話題に上りやすいゲームもこちらが発売。
同じソニーグループのソニー・コンピュータエンタテインメントが設立された後も、いくつか発売していたがPS2発売前後に撤退。

【発売したゲーム(一部抜粋)】
  • 田代まさしのプリンセスがいっぱい(FC)
  • 所さんのまもるもせめるも(FC)
  • ドラゴンズレア(FC)
  • パリ・ダカール ラリー・スペシャル(FC)

株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

当時は旧社名のビクター音楽産業から発売。
ここから販売したゲームの中で特に有名なのがイースシリーズであり、日本ファルコムでパソコンゲームとして発売していた同名ゲームをファミコン用ソフトとして発売していた。
タレントゲームとしては色々な意味で伝説のアイドル、酒井法子を起用した鏡の国のレジェンドを発売している。こちらはPCエンジンのソフトながら当時の技術を駆使し実写映像の取り込みに成功している。
1996年に自社のゲーム部門とパック・イン・ビデオを統合し「ビクターインタラクティブソフトウェア」を設立、ゲーム事業から撤退した。

【発売したゲーム(一部抜粋)】
  • 花のスター街道(FC)
  • イースI~Ⅲ(FC)
  • 鏡の国のレジェンド(PCE)

東芝EMI株式会社

ユニバーサルミュージック統合前にファミコンやプレイステーションのソフトをいくつか販売していただけでなくACゲームの開発もしていた。
ゲーム部門は既に撤退しているが、同社が関わったプレイステーションソフトのいくつかは、販売権を譲り受けた株式会社ハムスターからゲームアーカイブスにて配信されている。

【発売したゲーム(一部抜粋)】
  • パチコン(FC)
  • ハイドライドスペシャル(FC)
  • ゾイド 中央大陸の戦い(FC)


ポニーキャニオン

ウルティマシリーズを発売していたことで知られていたが、基本的にソニーミュージックと同じくクソゲーメーカーである。
特にタレントゲームの光GENJIローラーパニックはメンバーの諸星から「内容がないよう」とdisられるほど。
そしてフジ系列故同じくフジ系が関わった映画、子猫物語とタスマニア物語のゲームを発売した。しかし後者は特に原作無視な内容でありすぎたためにやはりクソゲー扱いされている
2000年頃にソフトを発売した後撤退。

【発売したゲーム(一部抜粋)】
  • ウルティマシリーズ(FC SFC)
  • 光GENJIローラーパニック(FC)
  • 子猫物語(FC)
  • タスマニア物語(GB)

キングレコード

90年代頃前半~中頃までは主に格闘技や競馬、釣りゲームを多く発売していた。
その後あずまんが大王シャーマンキングなどといったアニメ・漫画原作のゲームを製作。中には新世紀エヴァンゲリオンのキャラを添えた麻雀ゲームも。
2005年に初めてパソコンゲームを発売したが、これを最後にゲーム業から撤退した。

【発売したゲーム(一部抜粋)】
  • 新世紀エヴァンゲリオン 麻雀補完計画(GBC)
  • シャーマンキング 超・占事略決1~3(GBC GBA)
  • あずまんが大王アドバンス(GBA)

日本コロムビア

家庭用ゲームソフトを発売する以前はMSX専用のゲームソフトを1983年~1985年にかけて20タイトル以上発売していた。
その後ファミコンブームを気に家庭用ゲームソフト事業を始めた上5社が次々と撤退していく中、2001年に家庭用ゲームソフト販売の事業をスタート。
子供向けに強いレコード会社とだけあって子供向けのゲームが多く、ゲーム参入当初より主力となっている職業体験型のゲームでは看護師・獣医師・幼稚園教員・花屋・漫画家など女児に人気の高い職業をピックアップしたタイトルを多数発売している。

【発売したゲーム(一部抜粋)】
  • お花屋さん物語GBA いやし系お花屋さん育成ゲーム(GBA)
  • おねがいマイメロディ 夢の国の大冒険(DS)
  • 金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海(DS)
  • こびとゲーム大全(3DS)

追記修正よろしくお願いします

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