遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記

登録日:2012/05/13 Sun 22:34:14
更新日:2025/04/02 Wed 17:11:34
所要時間:約 7 分で読めます





◆概要

『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記(バトルオブグレイトデュエリスト)』とは、2000年12月7日に発売した遊戯王のゲーム。ハードはゲームボーイカラー。カラー専用。
DM1から続くOCG準拠ではないゲームは本作を最後にDM7まで一旦途切れる事になる。

遊戯王初にして今に至るまで唯一のバージョン分けソフト。遊戯デッキ、海馬デッキ、城之内デッキの3バージョンで発売された。

勿論遊戯王のゲームお馴染みの付属カードは健在。バージョンによって内容が違う。

◆遊戯デッキ

◆海馬デッキ

◆城之内デッキ
  • セベクの祝福
  • 竜殺しの剣
  • 攻撃の無力化
  • マジックアーム・シールド
  • ドラゴンに乗るワイバーン

※赤字はパラレルレアが存在する。

また、初回限定特典としてそれぞれのデッキにあのオシリスの天空竜オベリスクの巨神兵ラーの翼神竜が付属していた。
ただし、デュエルでは使えないコレクターカードである。


バージョン毎にそのキャラクターが主人公という設定で、使えるカードと使えないカードがある。
クリア後は使えるカードが少し増える。というかクリア前は制限がかかっているという表現が正しい。
収録されているカードは全900種類。

◆システム

本作では独自の基準でモンスターのレベルが再設定されている。
攻守どちらかが一方でも1350を上回ったら生け贄1体、2030を越したら2体、2800オーバーだと3体必要。
つまりブルーアイズは3体生け贄が必要。

レオ・ウィザード」、「舌魚」、「ベヒゴン」、「ディスク・マジシャン」、「マーダーサーカス・ゾンビ」の5体は生け贄無しで出せる最高打点である攻撃力1350を誇り、押しも押されぬエースモンスターとして君臨していた。なんだこの微妙なラインナップは。
特に召喚魔族の弱点を突かれにくいレオ・ウィザードと、揃って「海」フィールドの恩恵を受けられるベヒゴン・舌魚の2体が強力。レオ・ウィザードの黄金時代。
こいつらに比べると若干影が薄いものの、守備力1350かつ高ステータスの融合モンスター「紅陽鳥」の素材にもなれる「アンブレラ・キメラ」という伏兵もいたり。

デッキ構築には「デッキキャパシティ」と「デュエリストレベル」による制限があり、カード毎に設定されているコストのデッキ全体の合計が前者を越してはいけないし、後者よりカードのコストが高いとデッキに入れる事すら出来ない。

モンスターカードには相性関係が存在しており、各カードごとに設定されている「召喚魔族」の相性が有利・不利の関係にあるモンスター同士で戦闘になった場合、攻守の数値に関係なく不利側のモンスターが破壊される。
極端な例を挙げると、本作ではクリボー(黒魔族)で青眼の白龍(白魔族)を倒すことができる。

風→土→雷
↑   ↓
森←炎←水

黒 → 白
↑   ↓ 
幻想←悪魔

召喚魔族間の相性関係は上記の通り。
これらに加えていずれの召喚魔族とも有利・不利の関係がない、三幻神や儀式モンスターが属する「神魔族」という召喚魔族も存在する。
雷魔族と幻想魔族が少なすぎるため黒魔族と水魔族が妙に有利。

融合システムはOCGのものとは異なり、魔法カードを使わずフィールドまたは手札上で特定の条件を満たすモンスター同士を重ねることで別のモンスターを作り出すという簡素なものになっている。
種族・召喚魔族・ステータス・外見上の特徴等、ゆるい括りで条件が決まっているのも特徴。「岩石族+女性型モンスター」で「サンド・ウィッチ」になる等々。
これにより手持ちのモンスターカードが貧弱でもある程度はステータス不足をフォローできるようになっている。

前作(DM3)では儀式モンスターを儀式魔法なしで通常召喚することができたが、本作ではいずれの儀式モンスターも単体では使用不可扱いとなっており、プレイヤー側は儀式魔法経由でしか召喚することができない。
本作では青眼の究極竜ゲート・ガーディアン等も儀式モンスター扱いとなっているが、こいつらは儀式に要求される生贄があまりにも重い*1ため召喚のハードルが極めて高い。
そもそもDMシリーズ独自仕様の儀式魔法そのものが使えたもんじゃない、というのはこの際置いておこう。

肝心のゲーム内容だが

クソゲーである。


◆評価

問題点

  • バージョン間の使用可能カードの格差が酷い。本作のゲーム面での最大の問題点はこれ。
各バージョンの代表的な使用可能カードは以下のような感じ。

遊戯デッキ:大嵐死者蘇生光の護封剣洗脳、トラップ・マスター、メサイアの蟻地獄、オシリスの天空竜、一角獣の角などの専用強化魔法
海馬デッキ:サンダー・ボルトブラック・ホールウイルスカード、トラップ・マスター、巨大化、ベア・トラップ、オベリスクの巨神兵、ほとんどの強化魔法
城之内デッキ:強欲な壺ブラック・ホール、闇への手招き、ハーピィの羽根帚心変わり激流葬、ラーの翼神竜、ほとんどの強化魔法

以上のラインナップからなんとなく察せられる人もいると思うが、どういうわけか城之内が妙に優遇されている。壺・激流葬・心変わり・羽根帚をはじめとする強力な魔法・罠カードが目白押しで、特に罠カードは有用なものの大半と除去手段である羽根帚を城之内が独占している
特に激流葬は「敵の攻撃に反応して敵側モンスターのみ全破壊」というOCGのミラフォの上位互換のような凶悪な効果を持ちながら無制限でコストもたったの60*2という凄まじい壊れっぷりで、これを独占しているというだけでも他2バージョンとは一線を画している。
DMシリーズの敵CPUは伝統的にアホで、罠カードが実装されたばかりの前作「DM3」では見え見えの罠が設置されている中突っ込まされあえなく爆死していく哀れな敵モンスターの姿を度々見ることができた。
そこについては今作も同様で、とりあえず除去罠を置いておけば敵は死に、次のターンには無防備な敵陣と健在の自軍モンスターという理想的な盤面を作り出すことができる。
後に触れるが、なんなら通信対戦ですら城之内同士の対戦でない限り見え見えの罠を踏みに行く以外の対処法はほぼないため、強力な除去罠をガン積みできる城之内のアドバンテージは極めて大きい。
正直おまけみたいなものではあるが、ラーも敵味方の墓地トップからモンスターを蘇生+敵モンスター全員のコントロール奪取というインチキじみた効果を持っており出せればかなり強力。罠のおかげで生贄も比較的揃えやすい。
何故か機械族扱いのため対戦環境でメジャーな海フィールドで弱体化してしまうという欠点はあるが、効果が本体みたいなものだし1350環境では弱体化しても十分高打点(攻撃力2800)なのでそんなには気にならないかもしれない。

残る2バージョンに関しては、まずわかりやすく厳しい扱いなのが遊戯。
これまた上のラインナップから察せられるところがあるだろうが、いじめじゃないかと言いたくなるほど魔法・罠回りの制限が酷い。
まともな除去手段が制限カードの「大嵐」*3を除くと「トラップ・マスター」と「死者の腕」*4くらいしかない上、フィールド魔法も一切使えず「海竜神」や「カース・オブ・ドラゴン」等の上級効果モンスターに頼らざるを得ないという有様で、除去で敵モンスターを処理しつつモンスターを強化してステータスでマウントを取るというDM3以降のセオリーに完全に逆行してしまっている。
ついでに言うと遊戯デッキの代名詞とも言える神・オシリスも、他二柱が強力な効果をもらっている中攻守が最大で1000上昇するだけというしょっぱい効果しかない。
本作の神は原作や後のDM7・8と違って除去やコントロール奪取への耐性も特にないため、ただただステータスがバカ高いということ以外にオシリスの強みは何もない。
攻撃力4000〜5000で相性負けもしない脳筋モンスターというのはまあそれだけでも脅威ではあるのだが……生贄3体用意してまで出す価値があるかというとかなり怪しいだろう。どうせ除去されるし。
ただ、実は大嵐・光の護封剣・死者蘇生の3枚を筆頭に、専用カードには結構優秀なものが揃っている。死者の腕→死者蘇生のコンボで擬似的に永続コントロール奪取ができたり、ここぞという時には大嵐→死者蘇生で一発逆転も狙えたりと、ワンチャンからそこまでの不利を覆せる爆発力を秘めている。
特に死者蘇生はOCGから劣化している*5とはいえ無制限かつコスト60とこっそり激流葬並みに無法な設定をされているため、これでもし除去周りの制限がもう少し緩ければ大変なことになっていたかもしれない。そしてアーリーデイズコレクションでは後述の通り本当に大変なことになった。
というか死者の腕共々3枚積み可能という時点で既にまあまあヤバい。
それはそれとしてシンプルに縛りがキツすぎるのは事実で、キーカードが集まるまではどうしても苦行になってしまうので、普通に遊ぶ分には「最弱」「選ぶこと自体が縛りプレイ」等々ボロクソに言われるのもしょうがないところはある。

海馬については基本的なカードプールこそ遊戯よりはかなりマシだが、独自性が薄くほぼ城之内の劣化版なのが問題。
特徴がなく、構築の幅が狭く、派手なパワーカードも少ないため、「遊んでて一番楽しくない」「実は遊戯よりこっちの方が冷遇されている」というプレイヤーも。
当時の攻略本などを読む限り除去に重きを置くコンセプトだったようで、実際DMシリーズでの除去魔法の代名詞のようなサンボルとウイルスカードを独占している。
……のだが、サンボルは制限カード、ウイルスカードには「攻撃力1500以上」という下級1350ラインが存在する中ではかなり痛い発動条件がついてしまっているのに対し、激流葬は問答無用で敵全体除去ができて3枚積み可能
加えて単体除去罠に関しては城之内の方が充実しているし、無制限かつ低コストで取り回しやすい単体除去魔法の「闇への手招き」もさりげなく城之内専用だったりするため、結局除去に関しても大して優位性はない……というか下手すると負けている。
地味にバーンカードが充実していたりもするが、カードプールや環境の問題もあって大して役に立たない。そもそも最強のバーンカード「火炎地獄」ですら実用ライン上にあるかかなり怪しいし。
一応、サンボルを筆頭に1350族の一角である「マーダーサーカス・ゾンビ」や3枚積み可能なお手軽ドローソースで融合素材にもしやすい「スケルエンジェル」等、独自の強みになりそうな専用カードも割とありはする。
またオベリスクは敵全体除去+4000ダメージの起動効果持ちとなかなかのパワーカードでフィニッシャーとしては強力。召喚コストの重さや除去・奪取のリスクに見合うかというと微妙ではあるが……
ぶっちゃけ城之内が圧倒的に強すぎるので他2バージョンはどんぐりの背比べ。

ソロプレイならまだしもバージョン間対戦となるといよいよその格差が致命的なものになる。上述の通り羽根帚まで城之内が独占してしまっているため、激流葬やグレイモヤを仕掛けられた場合、遊戯や海馬は基本的にわかっていてもあえて踏む以外に対処のしようがない。
一応遊戯には大嵐で消し飛ばすという手があるが、場を丸々リセットする上に制限カードなので気安くは使えない。
しかしそれでもまだマシな方で、海馬に至っては取り回しが悪すぎる「カードを狩る死神」か場も手札も消し飛ばしての後出しデッキトップ勝負になってしまう「最終戦争」くらいしか場に出たトラップを処理する手段がなく、いよいよ踏む以外なくなってしまう。
……まあ城之内同士でも6枚・9枚と積まれる除去罠の山に3枚きりの羽根帚のみで対抗するのは厳しいので、結局踏まざるを得なくなったりするのだが。

そもそもの話、格差を抜きにしても入手カードではなく使用カードの方が縛られていること自体が大問題。他バージョンとのトレードを促す意図があるのだろうが、通信相手がいなければ使用不可カードは全て紙屑というのはぼっちに厳しいどころの話ではないだろう。
DMシリーズはパスワードを利用しない限りひたすらキャンペーンモードでのデュエルを繰り返してちまちまカードをかき集めて強化していくという地道なプレイを要求されるが、そんな中せっかく入手したカードが制限に引っかかって使えないという状況が頻発するためモチベーションを保ち辛い。
また、上で触れた儀式モンスターのように全バージョンで使用不可扱いになっているカードもそこそこ存在する。

  • 神のカードもそれぞれのデッキでしか使えないが、使える神のカードをドロップするのもそのデッキで戦えない相手。よって通信必須*6

  • モンスターのレベルの再設定に関しても批判的な声が多い。
    前作では「地雷蜘蛛」やコンストラクションモンスターをはじめ異常に高ステータスの下級モンスターが環境に跋扈しており、上級モンスターが軒並み死に体になってしまっていたため、バランス調整の面では致し方のない部分もある。
    が、原作での人気カードの多くがこの調整の割を食っているのが大きな問題。「エルフの剣士」や「砦を守る翼竜」は攻撃力たった50の差で召喚に生贄が必要になっているし、ブルーアイズは先に触れた通り生贄を3体も持っていくようになってしまった。
    そして原作で海馬が使っていたモンスターカードは「サイクロプス」と「ガーゴイル」を除き全員上級モンスターに。
    一方このレベル設定により、遊戯王史上最弱カードと名高い「レオ・ウィザード」が唯一輝く事の出来たゲームとしても知られる。
    ちなみに逆に攻撃力が1000以下で守備力がぎりぎり超えているようなカードは「手札融合についての知識」があれば妙に役に立ったりする。

  • 一部魔法、罠カードのコストがおかしい。魔法・罠のコスト設定の基準がよくわからないのはDMシリーズの伝統ではあるが、先に挙げた激流葬や死者蘇生の他、大嵐(コスト25)、サンダー・ボルト(コスト50)等、今作はその中でも明らかに性能不相応に低コストに設定されているパワーカードが目立つ。
    これらはいずれもバージョン専用カードとなっているため、もしかすると「バージョン毎の切り札」として破格のコスト設定にしてあるのかもしれない。でも激流葬無制限はさすがにダメだろ。

  • 儀式召喚が弱い。DMシリーズではいつものこと。

  • 前作も同じだが、ボスを倒さなくともパスワードを入ればエンディングが出る。エンディングも手抜き。

  • BGMはDM3からの流用が多め。開発期間が短かったせいか、そもそも基本的なシステムやグラフィックからして前作から変わり映えしない部分が多い。

  • 各バージョンで戦えないキャラ*7がいる。

  • シリーズ全体に言えるが、付属カードもそのデッキの5枚の中から3枚がランダムで封入されている。そのため全部揃えようとすると最低6本買わなくてはいけない
    その上本作収録カードのほとんどはたった半年後に構築済みデッキに収録された。企業態度もひどい。


評価点

  • DM3ではCPUの思考時間がやや長くテンポが悪かったが、そこが大幅に改善されている。

  • CPUが罠やモンスター効果を使うようになった。当たり前だろと思うかもしれないが、DM3までは使ってこなかったし、DM2以前に至っては魔法さえ使わなかったので、これでも結構進歩はしている。

  • 前作では罠カードは発動の有無に関わらず設置した次のターンに破壊されてしまう仕様だったが、本作ではOCG同様発動まで場に残るようになった。そのせいで余計に城之内の優遇っぷりが際立ってしまってもいるが。

  • 流用多めとはいえBGMは全体的に良質。加えてキャンペーンモードでは全てのデュエリストに専用のBGMが設定されており、かなりバリエーション豊かになっている。

  • バージョン間の話はともかく、各バージョン単品で見れば意外とバランスは整っている。
    レベルの再設定が功を奏して一部の凶悪な下級モンスター以外が存在価値を失うということはなくなり、DCとコストの設定も緩すぎず厳しすぎずで、デッキを組む際にある程度の自由度を保ちながらも工夫のしがいがあるようになっている。
    とにかく高火力のモンスターで殴り合う脳筋ゲーだったDM1・2、除去・奪取・攻守2000台の下級モンスターが乱れ飛ぶ世紀末のDM3あたりと比べ、実はカードゲームとしての体裁そのものは整っている方だったりする。

  • 独自システムの融合はうまく利用できると楽しい。過去のDMシリーズから引き継がれている要素ではあるが、DM1・2ではモンスターのパワーインフレが激しすぎて最終的に融合モンスターでは力不足になり、DM3ではコンストラクションモンスターがあまりにお手軽に強力すぎて出る幕がなくなるという問題があった。
    今作ではコンストラクションが廃止され、レベル改訂によってモンスターのステータスが全体的に低く抑えられているため、融合モンスターの価値がかなり高まっている。序盤の戦力不足のフォローはもちろん、ギリギリ1350ラインを超えてしまっている低コストの上級モンスターを手札融合で高ステータスの下級モンスターに変えてコストを浮かせつつ戦力にする、なんて利用法もあり色々と応用が利く。


何かと低評価を受けがちな本作ではあるが、過去作のゲームシステムを踏襲しつつ正当に進化しているのは確かであり、キャラグラフィックやBGMのクオリティもゲームボーイカラー時代のゲームとしては割と良好。
ゲームバランスも対戦ツールとしては未熟さが残る一方でさほど理不尽な要素はなく、それでいてNPC達も油断したら負ける程度の歯ごたえはある。
総じて問題点は少なくないものの、普通に"遊べる"ゲームではあり、本作を愛好するファンも少なくない。この後の時代に"遊べない"レベルの超弩級クソゲーが何作か遊戯王から登場するので、相対的に評価されてる節があるのも否めないが。
バージョン商法やおまけカードの仕様等、出来そのものより売り方にケチがついてしまっているという面は大いにあり、色々と惜しいゲームであると言えるだろう。
でも使用制限とバージョン格差に関しては完全に擁護不可能です。


◆対戦相手

制限無視上等だった前作と比較すると、今回はどの対戦相手もレギュレーションを守ったうえでのデッキとなっており、理不尽さは多少薄れている。

□ステージ1

激流葬止めて激流葬
梶木は他の罠カードを投入していないため罠が仕掛けられた場合激流葬で確定。踏めば大きなディスアドは避けられない。逆に言えば攻め時の見極め方やリスク、リソース管理の大事さを教えてくれるよきチュートリアル役でもある。
あまり見かけないが切り札は神魔族の要塞クジラ
ドロップカードはなかなかに美味しく、舌魚やベヒゴン、海竜神といった海デッキ*8のキーカードや激流葬・大嵐などの強力な魔法・罠カードをくれるため、序盤の狩場としてもありがたい存在。
特に激流葬は双六じいちゃんと彼しかくれないため、城之内デッキなら足繁く通う価値はある。

  • シモン・ムーラン
DMシリーズ恒例のキャラクターだが今作ではまさかの本田ポジションに。
最大攻撃力は300。キャパシティ稼ぎの相手に。

罠貫通しないサイコ・ショッカー
何気にサイコ・ショッカー含め固有の★7のモンスターカードを3種類投入している。
原作通り洗脳をデッキに組み込んでおり、こっちのモンスターを奪っていく。
遊戯デッキ必須カードの死者の腕をドロップするのは彼のみ。

何故かダイナソーはつかない。
モンスターカードで統一された脳筋仕様の構成。
ちなみに竜崎は原作でも魔法・罠カードを使っていない。
こいつがドロップする「命の砂時計」は重めのライフコストこそあるが味方全員を1段階強化(=攻守+500)できる優秀な効果モンスター。
自分も効果の恩恵を受けて下級・コスト47で実質1200打点と1350環境ではなかなかパワフルで、「ヴァルキリー」等の上級モンスターの融合素材にもできるため使いやすい。
特に強化周りが貧弱な遊戯デッキでプレイしているなら積極的に狩るのも手。
また、荒野関連のデッキを組みたい場合もお世話になる。

初期デッキの火力では上回れない守備力を持つ兵隊アリと2枚の強化カードが意外に厄介。
炎魔族で燃やすのが効果的だが、初期デッキには炎魔族が入っていないのでよそで確保してくる必要がある。加えてちゃんと水魔族を積んで対策もしているため、返り討ちにされないよう注意。
同ランクのキャラでは頭1つ抜けて強いので、挑むのは出来るだけ後回しにするのがオススメ。
城之内ならグレートモス関連のドロップが魅力。遊戯ならメサイアの蟻地獄を狙ってみよう。


□ステージ2

  • レアハンター
何故かエクゾディアパーツを場に召喚する。
が、本体が攻守1000で弱点を突きにくい黒魔族と1350環境では普通に強敵だったり。
ステージ2に上がったばかりのプレイヤーに、難易度が上がって来ていることを身をもって体験させてくれる門番キャラ。とはいえ彼に安定して勝てないようなら当然他のキャラに挑むのは厳しい。

切り札のブラマジを筆頭に黒魔族だらけのデッキ構成。先に触れた命の砂時計をはじめ、序盤から使い勝手のいい白魔族のモンスターは少なくないので無力化されやすいのは少々辛い。
死者蘇生から生け贄1体でポンと出てくるキラードール(森魔族)も地味に厄介。
こいつらの弱点を突ける幻想魔族と炎魔族は初期デッキに一切入っていないため、カード集めをおろそかにしているとなかなか苦戦させられる。前準備はしっかりと。
城之内ならここで闇への手招きを粘ってみるのもいい。

  • 人形
オシリス使い。
原作通りスライム系のモンスターを積んでいるが、それより大量に積まれている雷魔族の下級モンスター共とサンボル・死者蘇生・激流葬あたりの魔法・罠が脅威。こっちの初期デッキは水魔族にかなり偏っているため、対策していないとエレキッズやら電気トカゲやらに無双されかねない。
とりあえずオシリスだけは絶対に出されないよう、下級モンスターの処理は丁寧に。

オベリスク使い。おそらくステージ2では一番の強敵。
光の護封剣で時間を稼がれている間にコスモクイーンやオベリスクを召喚されてしまう事もしばしば。
特にオベリスクは効果が通ったらほぼ詰みに等しい。除去も活用してモンスターを残さないように。
さらにCPUとしては珍しく融合を多用する。よく召喚されるのがヴァルキリー。
女性モンスター軸の融合は多彩で強力なため、思わぬ召喚魔族の相性で苦戦する事も。

□ステージ3

トゥーンは生け贄を用意するのが大変デース☆
儀式・生贄無しで出てくるサクリファイス系列(今作では実質召喚権を使う心変わり)が非常に極悪。とりあえず出したモンスターはパクられることを覚悟しておこう。
実は下級がかなり白魔族に偏っているため、黒魔族を立てておくと有利に戦える。ただし幻想魔族もちょくちょく出してくるので油断はしないこと。
最終的に良いデッキを組みたいなら彼を倒しまくるべし。

□闇・ステージ

ペガサスを5回倒した後に開放される。いわゆるEXステージ。
守備力1400のせいで生け贄が必要なハーピィ
山フィールドに対応したモンスターで組まれており、デッキの火力を底上げする。

おなじみ機械族デッキ。
デッキの特性上フィールドに対し非常に弱いため効果抜群。

遊戯デッキでは自分と戦う事になるので戦えない。後に戦いの儀で相対する事になるのは密に、密に。
原作を再現してか上級・最上級モンスターが多く詰め込まれたヘビー級デッキだが、それ故よく事故る。
ただ光の護封剣で時間を稼がれている間に死者蘇生や洗脳で最上級モンスター召喚のリソースを揃えられたり、レオ・ウィザードなどはキッチリ三積みされていたりと闇ステージレベルの強さはしっかりある。
オシリスをドロップする。

海馬デッキでは戦えない。まだバクラを社長と対面させるわけにはいかなかった*9……というより、単に接点がなかったからだろうか?
オベリスクをドロップする。

城之内デッキでは洗脳される関係上戦えない。
この中では一番強い。生贄召喚で出てくるのは全て神魔族の儀式モンスター。下級モンスターも強力なカード揃いで真正面から殴り勝つのは相当なデッキパワーが必要。ただし事故りやすいのはご愛嬌。
ラーをドロップする。

□隠しステージ

パスワードを入れる事でステージ1から左に入力すると行けるようになる。ペガサスを5回倒す前でも挑む事ができる。
  • カイザー海馬(うみうま)
Vジャンプのカリスマデュエリストが電撃参戦。
三幻神全てのみならず青眼の究極竜・青眼の白龍3枚を投入した超ヘビーデッキ。
下級の打点の強さとウィルスカード等豊富な除去を持ち合わせるがよく手札事故を起こしブルーアイズを捨てる。
海馬と城之内関連のカードをドロップするほか、ドラゴン系モンスターを多くドロップしてくれる。

  • ごんぶとり遊戯
今となっては懐かしの人。推しは薄幸の美少女と斬首の美女らしい。
女性モンスターだらけのネタデッキ*10に見えて本作では女性モンスターは下級の層が厚いため普通に強い。
なんだったら盛大に事故るカイザーより強く感じる場合も。
彼の大好きな女性モンスターは融合で使いやすいので大体ドロップしてくれるのも助かる他、
遊戯と城之内関連のカードを多くドロップする。特に遊戯デッキ専用カードながら闇遊戯しかドロップしないマンモスの墓場やブラック・マジシャン・ガールは遊戯デッキにはありがたい。

ペガサスまでは前のステージのキャラ全員に5勝すれば次のステージへ。
闇・ステージや隠しステージはパスワードを入力する事で対戦相手を切り替えられる。
ただし、別のキャラと戦った後に戦いたければ再度入力しなくてはならない。


対戦相手毎にドロップするカードの種類は決まっており、勝つとその中からランダムで1枚手に入る。杏子がくれる。
また、特定のパスワード(17232574)を入力しておけばそれに加えてGちゃんこと双六もカードをくれる。全魔法・罠カードからランダムに貰えるため性能はピンキリだが、モンスターカードより遥かに種類は少ないためかなり効率よく集まる。
「遊戯はどうせ貰っても使えない」とも言われたりするが、実際使えないものが大半なのはともかくとして大嵐や死者蘇生あたりの強力な専用魔法カードをくれることもあるし、とりあえず頼っておいて損はない。


地味に対戦相手17人全員デュエル時のBGMが違う。通信対戦時にも専用のBGMあり。


◆余談
実は本作、GBC屈指のクソゲーと悪名高いあの「クロスハンター」と史上初の3バージョン同時発売ソフトの座を争っていたりする。
もっとも、クロスハンター側が「史上初」をウリにしていたのが発売延期を重ねたせいでこっちに追い越されたというだけの話ではあるが。

ちなみに本作の一週間後の12月14日に発売したポケットモンスタークリスタルの売り上げは187万本、こちらは出荷本数だが250万本以上。キャラゲーでは過去最高。
クリスタルがマイナーチェンジで購入者がちょっと少なかっただろうという事を差し引いても凄い量である。まあこのデキだと決して褒められたものではないが……

CPUのデッキも攻略本に載っているのだが、実はDM4のCPUには制限カードを制限枚数を無視して3積みする等の他作品で当然のようにまかり通っているインチキは一切行われていない。
遊戯デッキ相手に「護封剣3枚・サンダーボルト3枚・心変わり3枚」等の他作品で当然のように行われている理不尽級インチキをぶちこもうものなら遊戯デッキは確定で詰むので、かなり手加減されていた側面がある。
罠カードも「偽物の罠」と「激流葬」1枚ずつの二択になっているケースが多く、うっかり偽物の罠を仕掛けてプレイヤーに除去されなかった時は罠カードはもう飛んでこない。
ポン出ししてくるサクリファイス一族も内部的にはちゃんと制限カード扱いのため1枚ずつである。
結果的に遊戯王ゲームでよくある理不尽要素もかなり抑えられていたため、制限のなくなったアーリーデイズコレクションでは後述のようにリミッターを外したプレイヤーにやりたい放題にされることになった。

◆救済措置めいた各種テクニック

無対策では甚大な被害を受ける激流葬だが、実は被害を最小限に食い止める手段がある。その方法とは、あらかじめ上級モンスター用の生贄だけ捧げた状態で、上級モンスターを召喚しないままフィールドのモンスターで罠を踏むという荒業。
当然ながら現実の遊戯王ではただの反則である。
こうすると、何故か生贄召喚権を残したままフィールドの罠を除去できてしまうため、罠を排除したフィールドにそのまま上級モンスターを召喚すれば上級モンスターを残したまま激流葬を回避することができる。
CPUの激流葬は1枚しか差されていないため、この方法で1回罠を回避すれば後は「偽物の罠」で固定となる。
また、護封剣を使われて動けない状況でも「攻撃宣言」は出来るためこれで罠を無理やり発動させることができる。
当然ながらモンスターを出す前にフィールドに居るモンスターでとりあえず攻撃宣言だけして罠が発動するかを調べるという技まである。この場合、キャンセルした場合は何も起こらないので何事も無かったかのようにモンスターを出して壁を破壊したり生贄召喚することもできる。
当時のDM4プレイヤーの間では常識のような技術であり*11、対戦でも当然のように使用されるテクニック。
遊戯デッキや海馬デッキで鍛えられたプレイヤーの場合この対策法は体に染みついてもおかしくないため、CPUのようにわざわざモンスターを出してから改めて激流葬に引っかかってくれるような人はまずいないと思われる。

実はモンスターを召喚するかどうかに関係なく生贄に捧げる事が出来る。DMシリーズ型の儀式カードとの兼ね合い*12のためのシステムなのだが、洗脳で奪ったモンスターを特に理由もないまま生贄にだけ捧げて除去する事も可能。
洗脳が遊戯デッキ専用カードだったので実質遊戯デッキでしか使えなかったが、事実上の闇への手招きであった。

◆その後、アーリーデイズコレクションにて……


遊戯王の昔のゲームを詰め込んだアーリーデイズコレクションにDM4も実装。遊戯海馬城之内が別々に入っており、3本分遊べる。
この苛烈なバージョン制限ゲームはどうなったかと言うと……撤廃する機能が実装された25年の時を経てやっとまともなゲームになりました!
ちなみにバージョン制限の撤廃だけでなく、デッキキャパシティや所持カードにブーストをかけることも可能。もちろん普通に当時の環境で縛りプレイにいそしむのもOK。みんなで遊戯デッキの苦行っぷりを味わおうぜ!

では、25年経ってようやくまともなゲームへと生まれ変わった完全版DM4のパワーバランスはと言うと……完全にぶっ壊れてしまった
と言うのも、元々城之内デッキで大量に積んでいた「激流葬」や「万能地雷」「硫酸」等の強力な罠と「心変わり」「強欲な壺」「闇への手招き」「羽根箒」等の凶悪カードにプラスして遊戯デッキから「洗脳」「護封剣」「大嵐」「死者蘇生」が、海馬デッキから「サンダーボルト」「巨大化」「オベリスクの巨神兵」等が新しく追加されたのである。
当然「死者の腕」「トラップ・マスター」「スケルエンジェル」「トードマスター」などと言った強力な効果モンスターも集結。
結果的に世紀末のようなゲームバランスになった。プレイヤー側のパワーインフレがとてつもないことになり、ほぼやりたい放題のゲームバランスに。
そもそも除去満載のコントロールデッキは制限・コストで弱体化してなおDM8を普通にクリアできるレベルのパワーデッキなので、それを1350次元に持ち込めばチートレベルに強いのは言うまでもないだろう。

効果ダメージ4000+敵モンスター全滅のオベリスクの巨神兵に闇の訪れを使って効果をもう一度発動させる*13といった無法の極みのようなプレイングも可能に。
申し訳程度に儀式召喚の神魔族は敵専用のままだが、プレイヤー側が除去カードの山を持っている事を考えるとちょうどいいハンデ程度にしかなっていなかったりする。
出されたら場合によっては詰み確定もありえるインチキカードのサウザント・アイズ・サクリファイスも大量の罠と魔法ですぐさま対処できてしまうのがザラである。
遊戯デッキの制限の酷さと性能の終わりっぷりは酷い物だったが、バージョン商法を撤廃して無制限にしたらしたでゲームバランスはプレイヤー超絶有利な状態になってしまったのだった。
とはいえ、格差の大きすぎるバージョン商法によって制限がかけられていたせいで「使いたいカードを使うこともできない」のが最大の問題点だったので、それが解決されただけでも大きい。
オンライン対戦もあるが、当然ながらお互いに相談してデッキ構築に縛りをかけないと除去の応酬が繰り広げられる世紀末モードである
手札融合などの要素もしっかり楽しみたい場合はハウスルールを作って遊ぼう。

ちなみに、やっとサウザント・アイズ・サクリファイスをプレイヤー側でも現実的に召喚して効果発動まで持っていくことができるようになった*14

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  • 2000年
  • トラップはげきりゅうそうだった
  • 攻撃力1350
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最終更新:2025年04月02日 17:11

*1 究極竜は青眼3枚、ゲート・ガーディアンは三魔神を生贄に要求される

*2 参考までに、単体除去罠の「万能地雷グレイモヤ」がコスト200。同じく単体除去で「攻撃力2000以下」という縛り付きの「見えないピアノ線」ですらコスト72

*3 OCGとは異なりモンスターを含むフィールド全破壊

*4 どちらもOCGとは異なり、前者は「デッキ外から『硫酸のたまった落とし穴』を設置」、後者は「自分をリリースして敵モンスター1枚を破壊」という効果を持つ

*5 相手の墓地トップにいるモンスターしか蘇生できない

*6 後年発売されたアーリーデイズコレクションでは通信によるトレードが出来ないが、全カードをアンロックする機能がある為それによって入手と使用が可能

*7 遊戯デッキでの闇遊戯は『人格が同じだから戦いようがない』、城之内デッキの闇マリクは『千年ロッドで操られているから』という理由が攻略本でされているが、海馬デッキの闇バクラはそれらしい説明がない

*8 1350族を2体も擁立している上、先に触れたとおり優遇気味の水魔族がメインとなるため、本作では海デッキが最強と評するプレイヤーが多い

*9 当時原作はバトルシティ予選終盤

*10 殆どは女性モンスターだがバランス調整のためかルード・ウォーターと岩の戦士が紛れ込んでいる

*11 というより、これを使わないとまともな強化カードが無い遊戯デッキではどうにもならない場面が多い

*12 フィールドに指定されたモンスターを残したまま、別に生贄を2体捧げる必要があるカードがほとんど

*13 直接8000ダメージを与える。ライフ回復カードを使っていない限り、相手は死ぬ。

*14 罠に加えて3ターン敵の攻撃を防ぐ護封剣と効果を即座に使えるようになる闇の訪れが使えるため、サクリファイスを安全に融合させ、かつ最速で効果発動に持っていける。制限版だと海馬デッキ限定でかつ上級モンスターの闇くらましの城が必須だった。