遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記

登録日:2012/05/13 Sun 22:34:14
更新日:2022/10/28 Fri 22:41:36
所要時間:約 7 分で読めます





『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記(バトルオブグレイトデュエリスト)』とは、2000年12月7日に発売した遊戯王ゲーム。ハードはゲームボーイカラー。カラー専用。
DM1から続くOCG準拠ではないゲームは本作を最後にDM7まで一旦途切れる事になる。

遊戯王初にして今に至るまで唯一のバージョン分けソフト。遊戯デッキ、海馬デッキ、城之内デッキの3バージョンで発売された。

勿論遊戯王のゲームお馴染みの付属カードは健在。バージョンによって内容が違う。

◆遊戯デッキ

◆海馬デッキ

◆城之内デッキ
  • セベクの祝福
  • 竜殺しの剣
  • 攻撃の無力化
  • マジックアーム・シールド
  • ドラゴンに乗るワイバーン

※赤字はパラレルレアが存在する。

また、初回限定特典としてそれぞれのデッキにあのオシリスの天空竜オベリスクの巨神兵ラーの翼神竜が付属していた。
ただし、デュエルでは使えないコレクターカードである。


バージョン毎にそのキャラクターが主人公という設定で、使えるカードと使えないカードがある。
クリア後は使えるカードが少し増える。というかクリア前は制限がかかっているという表現が正しい。
収録されているカードは全900種類。

◆システム
本作では独特のレベル分けがなされている。
攻守どちらかが一方でも1350を上回ったら生け贄1体、2030を越したら2体、2800オーバーだと3体必要。

あのレオ・ウィザードを輝かせたシステム。

舌魚、ベヒゴン、ディスク・マジシャン、マーダーサーカス・ゾンビの5体は生け贄無しで出せる最高打点である1350ラインとしてある意味切り札的な存在感を誇った。
DMUから続くデッキキャパシティ、デュエリストレベル、召喚魔族制度は健在。

入れれるカードはデッキキャパシティとデュエリストレベルによって管理されており、カード毎に設定されている数値のデッキ全体の合計が前者を越してはいけないし、後者よりカードのコストが高いとデッキに入れる事すら出来ない。


召喚魔族制度は有利な召喚魔族に属するモンスターが不利側に属するモンスターに攻撃したら、攻撃力や守備力関係無しに倒せるというもの。
クリボー(黒魔族)で青眼の白龍(白魔族)を倒せるという感じ。

風→土→雷
↑   ↓
森←炎←水

黒 → 白
↑   ↓ 
幻想←悪魔

の2グループに分けられる。
また、神魔族というものも存在し、こちらは召喚魔族の優劣でやられる事は無い。
儀式モンスターと三幻神が属する。ただし、プレイヤーは儀式モンスターは儀式を介さないと出せないが、相手は直接出してくる。

このゲームでは千年の盾やゲート・ガーディアン青眼の究極竜なんかも儀式に入る。

肝心のゲーム内容だが


クソゲーである。


◆問題点
全体的な問題点は非常に対戦バランスが悪いことだろう

  • 前述した生贄のシステムも正直無理矢理と言わざるをえない。一応下級モンスターに上級モンスターが負けるのを防ぐためだが・・・

  • デッキによって格差が激しい。端的に言えば、何故か城之内デッキが妙に強く遊戯がやたら弱い。
ちなみに原作では遊戯が一番強く城之内が一番弱い。

遊戯デッキ:効果モンスター…では無く大嵐、死者蘇生光の護封剣、洗脳、トラップ・マスター、メサイアの蟻地獄、一角獣の角などの専用強化魔法
海馬デッキ:サンダー・ボルトブラック・ホールウィルスカード、トラップ・マスター、巨大化、ベア・トラップ、オベリスクの巨神兵、ほとんどの強化魔法
城之内デッキ:強欲な壺、ブラック・ホール、闇への手招き、ハーピィの羽根帚心変わり激流葬ラーの翼神竜、ほとんどの強化魔法

  • バージョンごとに使えないカードがあると書いたが、それどころかすべてのバージョンで使うことができないCPU専用カードも結構ある。

  • 一部魔法、罠カードのコストがおかしい

  • 儀式召喚が弱い。

  • 原作カードが弱い。

  • 海馬の使用したカードで生け贄なし出せるのがサイクロプスだけ。

  • 神のカードもそれぞれのデッキでしか使えないが、使える神のカードをドロップするのもそのデッキで戦えない相手。よって通信必須。

  • 前作も同じだが、ボスを倒さなくともパスワードを入ればエンディングが出る。エンディングも手抜き。

  • BGMにしても本作の半年前に発売したDM3からの流用が見られる。挙げ句の果てにはメモリすら流用していたり……。
クリスマス商戦に間に合わせる為だろうが。

  • 各バージョンで戦えないキャラがいる。まぁこれは原作尊重なので問題点かどうかは微妙だが

  • シリーズ全体に言えるが、付属カードもそのデッキの5枚の中から3枚がランダムで封入されている。そのため全部揃えようとすると最低6本買わなくてはいけない
その上本作収録カードのほとんどはたった半年後に構築済みデッキに収録された。企業態度もひどい。


◆評価点
  • デュエルのテンポが大幅に改善されている。

  • 罠カードは発動条件を満たすまで場に残り続けるようになった。

  • 流用されてる部分はあるが、BGM全般は良質


◆対戦相手
□ステージ1
激流葬止めて激流葬
梶木は他の罠カードを投入していないため罠が仕掛けられた場合激流葬で確定。
あまり見かけないが切り札は神魔族の要塞クジラ

  • シモン・ムーラン
DMシリーズ恒例のキャラクターだが今作ではまさかの本田ポジションに。
最大攻撃力は300。キャパシティ稼ぎの相手に。

罠貫通しないサイコショッカー
何気にサイコショッカー含め固有の★7のモンスターカードを3種類投入している。
原作通り洗脳をデッキに組み込んでおり、こっちのモンスターを奪っていく。

何故かダイナソーはつかない。
モンスターカードで統一された脳筋仕様の構成。
ちなみに竜崎は原作でも魔法・罠カードを使っていない。

初期デッキの火力では上回れない守備力を持つ兵隊アリと2枚の強化カードが意外に厄介。
炎魔族で燃やすのが効果的。ただし対策の水魔族による返り討ちに注意。


□ステージ2
  • レアハンター
何故かエクゾディアパーツを場に召喚する。
地味に攻守1000なのでちょっと面倒。

ブラマジを倒せる幻想魔族を大事に。
死者蘇生を絡めたコンボで生贄1体で済むキラードールを呼び出す事も。

  • 人形
オシリス使い。
気付いたら電気カタツムリにことごとくやられているのはよくある話。

オベリスク使い。
融合を多用する。よく召喚されるのがヴァルキリー。


□ステージ3
トゥーンは生け贄を用意するのが大変デース☆
生贄無しで出てくるサクリファイス系列が非常に極悪。

□隠しステージ1
守備力1400のせいで生け贄が必要なハーピィ
山フィールドに対応したモンスターで組まれており、デッキの火力を底上げする。

おなじみ機械族デッキ。
デッキの特性上フィールドに対し非常に弱いため効果抜群。

遊戯デッキでは自分と戦う事になるので戦えない。
オシリスをドロップする。


海馬デッキでは戦えない。理由は後年明かされる。
オベリスクをドロップする。

城之内デッキでは洗脳される関係上戦えない。
この中では一番強い。生贄召喚で出てくるのは全て神魔族の儀式モンスター。
ラーをドロップする。

□隠しステージ2
  • カイザー海馬
三幻神全てのみならず青眼の究極竜青眼の白龍3枚を投入した超ヘビーデッキ。
よく手札事故を起こしブルーアイズを捨てる。

  • ごんぶとり遊戯
今となっては懐かしの人。薄幸の美少女。

ペガサスまでは前のステージのキャラ全員に5勝すれば次のステージへ。
隠しステージはパスワードを入力する事で登場。ただし、一度に1キャラしか出せず、別のキャラと戦った後に戦いたければ再度入力しなくてはならない。


対戦相手毎にドロップするカードの種類は決まっており、勝つとその中からランダムで1枚手に入る。杏子がくれる。
また、特定のパスワードを入力しておけばそれに加えてGちゃんこと双六もカードをくれる。全魔法・罠カードからランダムに貰えるため性能はピンキリが。


地味に対戦相手17人全員デュエル時のBGMが違う。通信対戦時にも専用のBGMあり。


◆余談
「やっぱり遊戯王ゲーか」としか言いようが無い、カードのオマケと言うに相応しい出来だということは間違いない。

とはいえ評価点も多々ある。特にテンポの改善は当時の子供達は好評だった模様。

酷いバージョン分けだが、仕様にほとんど違いがなかった『クロスハンター』よりはマシ。

ちなみに本作の一週間後の12月14日に発売したポケットモンスタークリスタルの売り上げは187万本、こちらは出荷本数だが250万本以上。キャラゲーでは過去最高。
クリスタルがマイナーチェンジで購入者がちょっと少なかっただろうという事を差し引いても凄い量である。まあこのデキだと決して褒められたものではないが……


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最終更新:2022年10月28日 22:41