蜂蜜

登録日:2024/08/03 Sat 11:36:00
更新日:2025/03/22 Sat 23:15:28
所要時間:約 17 分で読めます






友だちに会えない日は、
はちみつが一滴も残っていないツボのようなもんさ。


蜂蜜(はちみつ)は、ニホンミツバチなどのハナバチが採集し、体内酵素で分解された花蜜のこと。
英語では『honey』。

以下、固有名詞以外は「蜂蜜」の漢字表記とする。



【概要】

本来はミツバチたちが巣の中に貯蔵し食糧とするものだが、他の生物や人間に採取され、豊富な栄養価や様々な効能から、古来より食用のみならず薬や化粧品としても重宝されている。

かつて野生のミツバチから採蜜していた人類は、やがて蜂を飼育しながら蜂蜜を採取・生産する「養蜂」という産業を確立していった。
それだけに世界最古の甘味料と言われており、紀元前5000年頃の古代エジプトでは既に養蜂家が存在していたとされている。
日本では9世紀末ごろには健康食品として宮中へ献上されていたとの記録も残っている。
人類は長きに渡り食用から薬用に至るまで様々な分野で蜂蜜の恩恵を享受してきた。英語圏には「蜂蜜の歴史は人類の歴史」という諺も存在するほどである。

ホットケーキヨーグルトにも合うわ、美容・ダイエット効果もあるわ、風邪で喉やられた時や便秘にも助かるわ、強打者育つわ……。古より「神の食べ物」と称されてきたのも納得である。


【1歳未満の乳児に蜂蜜を食べさせてはいけない】

1歳未満の赤ちゃんが蜂蜜を摂取すると、乳児ボツリヌス症を発症する危険性が高い。

蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれている可能性がある。これが乳児の消化管内で繁殖し、毒素を産生することで乳児ボツリヌス症による痙攣などの神経症状を引き起こすことがあり、最悪の場合死に至るリスクもある。
ボツリヌス菌は土壌や水中に広く存在する細菌で、その芽胞は非常に耐久性があり熱や乾燥に強い。自然の食品である蜂蜜にはこれらの芽胞が含まれていることがある。

通常の大人や1歳以上の子供の消化管であれば、腸内細菌や酸度の影響でボツリヌス菌の芽胞が発芽して毒素を産生することは少ないため心配はないのだが、1歳に満たない乳児の場合は免疫力や消化環境が未熟であり、これらの芽胞が発芽しやすく毒素を産生しやすい状態にある。

したがって、蜂蜜または蜂蜜を使用した飲料・菓子などの食品を1歳未満の子供に食べさせてはならないのである。

厚生労働省は消費者へ、赤ちゃんに蜂蜜を与えるのは1歳を過ぎてからにするよう呼びかけている他、食品メーカーへも蜂蜜や蜂蜜を含む製品に注意喚起の表示を促している。
行政や食品メーカーの注意喚起により、蜂蜜を乳児へ食べさせるリスクの認知度は昔と比べ高まりつつあるものの、1歳未満の乳児へ蜂蜜を食べさせ死亡させてしまう悲惨な事故は今もなお発生しているのが現状である。
子供が好みやすい甘さが特徴的かつ栄養価の高い食品であることから、危険性を知らずに離乳食などに混ぜた上で食べさせてしまう事例も少なくないようだ。
ご家庭に赤ちゃんがいる方はくれぐれもご注意いただきたい。

漫画『美味しんぼ』では、『はじめての卵』(ビッグコミックスピリッツ42号掲載)にて、離乳食として「蜂蜜を使ったパン粥や半熟のゆで卵*1」を赤ちゃんに食べさせるエピソードが描かれた。不適切描写であるとして読者から指摘を受け、後に44号誌上で原作者と編集部が謝罪文を掲載する事態となった。
このエピソードは単行本未収録となっている。

なお、蜂蜜を食べさせてはいけないのはあくまで1歳未満。生後1年を過ぎた乳児は腸内環境が十分に発達し芽胞も体外へ排出されるようになるため、避ける必要はない。
また、蜂蜜に含まれるボツリヌス菌は大人の消化器官で消化されるため、妊婦や授乳中の母親が蜂蜜を食べても胎児への影響や母乳移行の心配はない。


【蜂蜜ができるまで】

ミツバチが花から蜜を吸い巣に貯め込んだものが蜂蜜だが、蜂蜜は花の蜜そのものというわけではない。
そもそも花蜜自体は糖度が低いためそんなに甘くなく、余分な水分も多いことから、食用の蜜としては不完全なまま。あらゆる工程を経て、あのトロッとした濃厚な味と口当たりが生成されていくのである。

働き蜂は羽化から3週間ほど経つと巣から飛び立ち、花蜜の採集や花粉を媒介するために花を探すようになる。特に蜜腺が発達した花を選ぶ。
吸い取った花蜜は体内にある「蜜嚢(みつのう)」という胃袋のような器官に蓄える。
蜜嚢が花蜜で一杯になったところで働き蜂は巣へ帰る。

蜜嚢の蜜を別の働き蜂に口移しする。この時、蜂の唾液に含まれる酵素の働きによって主成分のショ糖(スクロース)がブドウ糖や果糖へと分解される。これによって蜜が徐々に濃縮されていく。
蜜を受け取った側の蜂も、蜜をひたすら口から出し入れを繰り返し、自身の体内酵素と混ぜ合わせ、蜜の中の糖分が分解される。
こうして酵素処理された蜜は巣房…すなわち蜂の巣に無数にある、あの六角形の穴に貯蔵されるのである。


えっ、要するに蜂蜜ってゲロなんじゃないのって?


……身もふたもない言い方をすればそういうことになる。
あの「ざんねんないきもの事典」もそう仰せだ。

もっとも、ミツバチが体内で蜜を出し入れする蜜嚢は、胃とは全く別の器官であり消化器官ではない。よって消化物とは言いにくいため、唾液も含まれているとはいえ決して汚く思うことはないのだが。

さて、巣房に蓄えられた蜜は、さらに余分な水分を飛ばすために働き蜂の羽ばたきによって風を送られる。
こうすることでより濃縮された蜂蜜に変わり、糖度は80%にまで到達。あの甘~い蜂蜜の完成もいよいよ目前だ。

ここからが養蜂家さんの出番。
ミツバチたちの健康を管理したり定期的に巣箱を点検する養蜂家は、蜂蜜の取れ頃を判断するとフタがされた蜂蜜を含む巣房の収穫作業にかかる。
収穫された巣房を遠心分離機などにかけて蜂蜜を抽出、さらに不純物を取り除くために濾過される。
濾過処理や品質チェックを無事通過した蜂蜜は瓶詰めされ、出荷、市場へ流通されるのである。

ただし、後述する巣蜜に関しては、収穫のタイミングや製法などが蜂蜜と異なる。

ミツバチがせっせと集めた蜂蜜を人間が奪っていると言えばそうなのだが、栄養たっぷりの蜂蜜と蜂の幼虫は外敵に狙われやすく、頻繁に巣が襲われてミツバチ達は巣を放棄して逃亡して再起する。
このためミツバチは定期的に襲われてリセットする分を考慮して蜂蜜を作っているので 外敵が来なかったら蜂蜜が溜まり過ぎて巣が崩壊する。
もちろんその場合もミツバチは巣を捨ててほぼゼロからやり直す。
そこで人間がミツバチの巣を外敵から保護して快適な環境を提供し、巣が蜂蜜で溢れる前に一部回収するのはギブアンドテイクとして成立しているのだ。

このように、蜂蜜は人間とミツバチの共同作業によって作られるものであるが、それは人間の養蜂技術のみならず、ミツバチの高度に社会化された生態や自然の化学変化などが息づくからこそ初めて形になるものと言える。


【種類】

蜂蜜には様々な種類があるが、その分類法によっても数多くの品種に分けられる。

◆単花蜜と百花蜜

まず、ミツバチの蜜の集め方によって「単花蜜」「百花蜜」の2種に分類される。

単花蜜はその名の通り1種類の花から集められた蜜で、主に1種から採蜜する習性を持ったセイヨウミツバチから採取される。
採取量が多いため安価で販売されることが多く、味も安定しているのが特徴。

百花蜜は様々な種類の花から蜜を集める習性を持つニホンミツバチから採取されるいわばブレンド蜜。単花蜜と比べると採取量が少なく割高。
地域や季節によって蜜源となる花が異なるため、その土地ならではの味が楽しめる。

全てのミツバチが必ずしも同じ花から採蜜するとは限らない以上、花蜜一種が純度100%でなければ単花蜜を名乗れないわけではない。せいぜい5~7割程度を占めていればその花の名を冠した「単花蜜」として販売できる。

◆花の種類

上記の単花蜜は、花の種類によっても見た目や風味に違いが生まれるため、さらに区分けされる。

日本で最もポピュラーな蜂蜜はアカシアレンゲ
アカシアは蜂蜜特有のクセや甘ったるさが少なく、味わいもスッキリ、蜂蜜初心者にも食べやすい。
レンゲはアカシアよりも味が濃厚でまろやかな甘さが特徴で花の香りがやや強め。こちらもクセが少ないため料理の隠し味にも適している。

コーヒーの木に咲く花から採れるコーヒー蜂蜜は、開花期間の短さ故に希少な品種となる。
見た目はまさしくコーヒーのような赤茶色で、ほのかな酸味と苦味、芳醇な薫りを楽しめる。

そばの花から採れるそば蜂蜜は、見て驚きの真っ黒な蜂蜜。
まるで黒蜜のようだが香りも黒蜜に似ている。黒は鉄分の豊富さの証でもあり、貧血や血液循環の改善に効果がある。
ただしそばアレルギーの人は口にしないよう気を付けて。

◆加工方法

さらに加工方法によって「純粋蜂蜜」「加糖蜂蜜」「精製蜂蜜」の3種類に分けられる。

純粋蜂蜜は、その名の通り蜂蜜自体に人の手を極力加えない無添加製法による蜂蜜。
「本物の味」を堪能したい人はこれ一択。

加糖蜂蜜は、天然の蜂蜜に砂糖や水飴などの甘味料などを加えたもの。
当然、純粋蜂蜜より甘味は増す反面香りは弱い。

精製蜂蜜は、加熱処理などを施し、色・香り、花粉、栄養成分を除去したもの。
自然本来の風味を楽しむには向いていないが、品質的には最も安定しており、主に加工食品や化粧品などに使われる。


【食べ方・用い方】

菓子類はもちろんのこと、料理においても調味や肉の軟化などあらゆる工程に用いられている。また高い殺菌力があり、天然のはちみつは腐ることがない。
一方で温度変化に極めて弱く、直射日光下での保存はもちろん冷蔵保存も結晶化してしまうためNG。
常温か冷凍保存(保存袋に移し替えて密封)が望ましい。糖度が高いので冷凍庫に入れても固まらない。

  • そのまま食べる
蜂蜜は後述するように様々な食べ方を楽しめるが、栄養効果を重視する場合は加熱調理などをせずそのままいただくのがベストと言える。
子供の頃プーさんに影響されて蜂蜜を舐めまくった猛者もいるのでは?

  • 料理・食材にかける
蜂蜜をかける食べ物といえば、ホットケーキやパンケーキなどスイーツ系がほとんど。ヨーグルトにかける人も。

チーズにかけてお酒のおつまみにする人も。5000年前から存在するヨーロッパ最古のスイーツ・セアダスも(揚げた)チーズに蜂蜜をかけたものである。
塩麹やヨーグルトのように調理前の肉を漬け置きすると柔らかくさせる作用もある他、魚の臭みも取れる。

また、カレーに蜂蜜を加えると辛さをマイルドにするだけでなくとろみを付ける効果もある。
ただし、蜂蜜を投入するのはルウを入れる前。仕上げに入れるとアミラーゼという成分がデンプンを破壊しカレーをサラサラにしてしまうので注意。

また蜂蜜の甘味は熱を加えると甘さを感じにくくなるため熱い料理に甘味を期待して使うなら砂糖を使おう。

  • 砂糖の代用
蜂蜜のスゴいところは、砂糖より糖度が高いのにカロリーや糖質量は低いということ。
それに加えて豊富な栄養素…いいこと尽くめではあるまいか。
砂糖よりは低いのであってノンカロリーというわけではないため、ハメを外して入れ過ぎないように。
コーヒーや紅茶へ砂糖の代わりに蜂蜜を入れる人も少なくない。
前述の通り風味や香りを狙うならともかく甘さを期待するなら熱い飲料に使うと過剰摂取になりがち。


【食用以外の利用法】

ハチミツはその高い糖度のため各種の生物が活動しにくく、成分が経年劣化しにくいという特性がある*2
それを活かし、食味以外にも色々な応用が古代から利用されていた。

  • 咳や喉の痛みの緩和
蜂蜜には強い殺菌効果を持つグルコン酸や、同じく殺菌作用を持った過酸化水素を作り出す「グルコースオキシターゼ」という酵素も含まれているため、喉の細菌の増殖を抑え痛みを和らげる効果が期待できる。
また、保湿効果も高いため乾燥から喉粘膜を守る作用も。
蜂蜜を配合したのど飴が多い理由も頷ける。

  • 傷・火傷の治療
アロエなどと同様、抗菌作用や抗酸化作用を持つ蜂蜜は外傷にも効くとされている。
ただし、傷の種類や程度によっては却って悪化させてしまうおそれもあるため、過信は禁物。ひどい傷は医師の診察や適切な指導を受けよう。

  • 整腸
成分のグルコン酸やオリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌の増殖効果があり腸内環境を整える働きがある。
ビフィズス菌が豊富なヨーグルトとの組み合わせは腸活において非常に合理的であると言えよう。

  • 化粧品
糖度の高い蜂蜜は「天然の保湿剤」とも言われており、肌の水分をキープし乾燥から守る効果もある。
また、肌の新陳代謝を促進する効果や抗菌作用により、ニキビや肌荒れを防ぐといった効果も期待できるなどから、蜂蜜を使用したスキンケア用品も多数販売されている。


【関連食品】

  • ハニーマスタード
その名の通り蜂蜜を加えたマスタード(洋ガラシ)。
マスタードの酸味と蜂蜜の甘味が混ざったクセになる味が特徴。普通の辛いマスタードが苦手な子供でも食べやすい。
唐揚げやポテトなどの揚げ物、ステーキやサラダとの相性も抜群。
一口大に切った鶏肉に下味を付けて揉み込み、小麦粉か片栗粉を塗してからフライパンで焼いて余分な脂は拭き取り、ハニーマスタードソースを絡めるハニーマスタードチキンも定番。

  • 柚子茶/柚子湯
韓国の伝統茶。
柚子の種と芯を取り除いて果皮も果肉も細かく刻み、砂糖と和えてしんなりしたら蜂蜜とよく混ぜて、煮沸消毒して乾かした瓶に移して冷暗所で保管する。
マーマレードと違って加熱調理は行わないため、完成するまで最低でも半月ほど掛かる。
砂糖と蜂蜜の比率は家庭やメーカーによって異なり、砂糖は全く使用せずに蜂蜜のみで漬けるレシピもある。
ただし蜂蜜のみで漬けた場合は糖度が低下するため、ジャムのように煮詰めた場合でも冷蔵保存が前提になる。
本来はお湯に溶いて飲むが、トーストヨーグルトへ添えても美味しい。

手早く楽しみたい場合は、柚子湯にする。
柚子の搾り汁とすりおろした皮を蜂蜜とかき混ぜて、お湯を注いで割るだけ。

  • 漬ける
色々なものを数日間蜂蜜に浸してから味わおう。

レモン
レモンの酸味と蜂蜜の甘さが見事に融合、蜂蜜そのままの味が苦手という人にもおすすめ。レモンティーにもどうぞ。
通称は「はちみつレモン」だが、こちらは蜂蜜とレモンをブレンドした市販のソフトドリンクを指すことが多い。

ドライフルーツ・素焼きミックスナッツ
そのままお茶の子にしたり、クラッカーやクリームチーズに添えて食べる。

梅干し
塩辛く酸味の強い梅干しが蜂蜜に漬けることで甘酸っぱくまろやかに大変身。
現在では本来の梅干しを上回るばかりの勢いで出回っている。
ただし塩分が少なくなっている分、塩漬けのようにカビ防止の効果は期待できない。特に夏場のお弁当に入れる時には要注意。

  • 大根飴(蜂蜜大根)
風邪の民間療法で、痰切りや咳止め、あるいは喉の鎮痛に対して使用される。
煮沸消毒して乾燥させた瓶に大根と蜂蜜を入れて、半日ほど経ったら大根を取り出す。
大根飴は清潔なスプーンで掬って、そのまま口に含むか、水分補給時に水かお湯で薄めて飲む。
生の大根から水分が出るせいであまり長持ちしないため、冷蔵庫で保存しても必ず3~4日以内に使い切る。
出し殻となった大根は、角切りの場合は甘酢漬け、薄切りの場合は金平(きんぴら)にすれば無理なく食べられる。

  • 蜂蜜酒
蜂蜜を水と酵母菌で発酵させた醸造酒のひとつ。「ミード」とも呼ぶ。
蜂蜜ならではの甘さでほんのり酔える。炭酸で割るも良し、ウイスキーで割るも良し。
今から約1万4千年前、喉の渇いた狩人がミツバチの巣の中に溜まった水を飲んでみたところ、そのあまりの美味しさに気分まで良くなったという言い伝えが残っており、「人類最古のお酒」と言われている。
余談だが、その昔ゲルマン民族には、新婚さんが一ヶ月の間お二人きりで部屋に籠もって蜂蜜酒を飲んではとあること(新婚さんのすることなので御賢察ください)に励む習慣があったとされ、これが蜜月……ハネムーンの語源とも。

  • 巣蜜
ミツバチが巣に蓄えた蜜を巣ごと切り出したもの。
「コムハニー」とも呼ばれる。
通常の蜂蜜と異なり加熱処理などは行われず、巣に閉じ込められた状態の蜜をそのまま巣と一緒に食べる。
なお、「そもそも巣って食べられるの?」という心配はご無用。
ハチの巣はプロポリスという蜜蝋でできているもので、ガムみたいな食感こそ好みが分かれるかもしれないがよく噛んで味わうといい。

無数の六角形が織り成す美しい幾何学模様が黄金色の輝きを放つ巣。
その中からほとばしる天然の蜜は、普通の蜂蜜とはまた違ったやさしい甘さが特徴的。目で見て味わって贅沢感が楽しめる。

  • サンフリッチ
蜂蜜を加工した飴で、イタリアのシチリア島に位置する特産地ソルティーノでは、世界最古の菓子と謡われている。
材料は蜂蜜だけで、蜂蜜が触れる箇所や職人の手にはオリーブオイルを塗り、加工中に飴生地がくっつかないようにしている。
鍋に注いで焦げ付かないようかき混ぜながら沸騰するまで火を通し、大理石に広げて粗熱が取れたら包丁で引き剝がして成形し、飴生地を釘に引っ掛ける。
飴生地は吊り下げた状態で、捩じりながら引き延ばして先の部分を釘に叩きつけて引っ掛ける作業を何度も繰り返して、十分に空気を含ませる。
色が変わって十分な粘度になったら、大理石へ降ろして棒状に引き延ばし、適当な大きさに切って形を整える。

  • ピレッティ
イタリアのビスコッティ。
小麦粉と蜂蜜が同量の生地で、すり下ろした柑橘類の皮やシナモンパウダーも加えられている。
1枚につき1個のアーモンドを包み込み、洋梨を彷彿とさせる形状に整えてから焼成する。

◆蜂蜜入りのケーキ

蜂蜜を使用したケーキは多いが、蜂蜜を他の素材で代用できないケーキのみ挙げる。

  • デボンシャーハニーケーキ
イギリスのデボン州に伝わるスポンジケーキ
焼成前の生地の約1/4が蜂蜜で、艶出しに使用するナパージュの分も含めると全体の使用量の約3割に達する。
蜂蜜以外の材料は薄力粉、ベーキングパウダー、マスコバド糖かブラウンシュガー、無塩バター、卵で、薄力粉の何割かをアーモンドプードルに置き換えたアレンジも存在する。
イギリスのハニーケーキにはスパイスケーキタイプのレシピもあり、ジンジャー、シナモン、ナツメグで香り付けする。

  • ホーニッヒクーヘン・フォム・ブレヒ
ホーニッヒクーヘンタイク(蜂蜜が多い生地)で作るドイツの天板ケーキ。
蜂蜜入りのグレーズを掛けたり、アーモンドやドレンチェリーなどで飾り付けることもある。
通常は刻んだオレンジピールとレモンピールを入れるが、すり下ろした皮と果汁で代用するレシピもある。
生地に使用する粉や香辛料はバリエーションがあり、粉は小麦粉、スペルト小麦粉、ライ麦粉、アーモンドプードル、ヘーゼルナッツプードル、胡桃パウダー、いずれかの混合、
香辛料はシナモン、コリアンダー、ナツメグ、クローブ、フェンネル、アニス、カルダモンで、他にオールスパイスやジンジャーを加える場合もある。
蜂蜜の占める割合は20~25%で、蜂蜜の使用量の5~6割に相当するブラウンシュガーかグラニュー糖も生地に混ざられている。
ヘクセンハウス(お菓子の家)の建材になるレープクーヘンもホーニッヒクーヘンタイクタイプはあるが、現在は蜂蜜未使用品も存在し、蜂蜜が必須ではなくなっている。

  • チェルトジーノ・ディ・ボローニャ
イタリアのボローニャに伝わっているエンゼルケーキ形のクリスマスケーキで、パンスペッツィアーレとも呼ばれている。
パノーネ・ディ・モリネッラと混同されがちだが、パノーネ・ディ・モリネッラは発酵生地かつサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャと大量のサルタナを使用する点などが異なっている。
材料(12人分)の内、蜂蜜やナッツ類(アーモンド:200g/松の実:50g/胡桃:50g)が約20%(300g)、モスタルダ・ボロネーゼが17%弱(250g)、果物の砂糖漬が8%強(125g)で、
他は小麦粉(350g)、膨張剤(12~15g)、シナモンパウダー(1g)、ココアパウダー(50g)、ビターチョコレート(50g)、マルサラ・セッコ(75g)、バター(15g※型に塗る)である。
モスタルダ・ボロネーゼはマルメロ、洋梨かリンゴ、プラム、オレンジ、レモンを使用する砂糖控えめのジャムで、マスタードオイルを隠し味にしているが、お好みで加えないこともある。
果物の砂糖漬はオレンジ、チェードロ、ドレンチェリー、洋梨、アンズ、イチジクで、ナッツ類と同様に一部は生地に入れるが、残りは生地の表面に埋め込むので、鮮やかに仕上がる。
蜂蜜の多い生地で、仕上げに湯煎した蜂蜜(※上記の分量外)も塗るので長期保存が可能とされているが、イタリアと気候や環境が違う日本でどのくらい長持ちするかは不明である。

  • パン・デピス
フランスのジンジャーブレッドで、地方によって異なるレシピが存在する。
たとえば、アルザス地方にはドイツのレープクーヘンや英米圏のジンジャーブレッドマンと同様なクッキータイプのパン・デピスもあり、12月になるとサン・ニコラを象った物が出回る。
基本的な材料は、蜂蜜、小麦粉かライ麦粉、水か卵黄、スパイス(ジンジャー、アニス、ナツメグ、シナモン、クローブ、その他)で、発酵させない場合は重曹で生地を膨らませる。
なお上記以外の材料については規定が存在し、小麦かライ麦のふすま、牛乳、ドライフルーツ、果物の砂糖漬け、ジャム、チョコレート、塩、砂糖類などの使用が認められている。
伝統的なレシピだと、蜂蜜と小麦粉ないしライ麦粉の使用量が同じで、焼成前の生地の約4割が蜂蜜である。焼成後の仕上げで、グラス・ロワイヤルを掛けることもある。

  • レカ(ウゴット・ドゥヴァシュ)
アシュケナージ系ユダヤ人の伝統菓子である蜂蜜入りのスパイスケーキ。
ユダヤ暦の新年を祝うロシュ・ハシャナで振る舞われていて、プリムやシャブオットでも姿を見せることもある。
ジンジャーブレッドの一類型で、古典的なレシピだとライ麦粉を使用していたが、現在は小麦粉にほぼ置き換わっている。
現代のレシピは食べ易さが重視されていて、かつて生地に不足しがちだった油脂分は植物油、水分は柑橘類の果汁かリンゴの果汁で補っている、
香り付けはスパイス(ジンジャー、シナモン、クローブなど)に加えて、コーヒー、紅茶、すりおろした柑橘類の皮、ラム酒やブランデーといった蒸留酒、のいずれかを入れる場合も多い。
蜂蜜とともに新年の象徴とされているリンゴ、生地に混ぜ込んだり表面に散らすナッツ類、フルーツケーキのようにドライピールやドライフルーツ、あたりを足すレシピも見られる。

  • メドヴィク
ロシアのレイヤーケーキで、近隣の東欧諸国でも親しまれているという。
アレクサンドル1世の皇后エリザヴェータ・アレクセーエヴナに仕える菓子職人が生み出したとされている。
共立て法で作る蜂蜜入りのスポンジケーキ生地を9等分して薄く焼き、9枚の内1枚だけはケーキクラム(顆粒状に粉砕してオーブンで水分を飛ばす)に再加工する。
スメタナと砂糖をクリーム状になるまで練ったフィリング(コンデンスミルク入りのバタークリームやカスタードクリームで代用する場合もある)を生地と交互に重ねる。
生地の表面もフィリングか代用品のクリームで覆って馴染むまで寝かせたら、ケーキクラムやお好みで素焼きして細かく砕いたナッツ類を散らし、ベリー類やミントの葉を飾る。
日本ではスメタナが手に入りにくいため、水切りヨーグルトと生クリーム(乳脂肪分40~48%)を混ぜた物で代用されることが多い。

  • ヘウニングコーク
南アフリカの蜂蜜ケーキで、アフリカーンス語で“蜂の巣”を意味する。
生地の材料は、薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、無塩バター、卵、牛乳、バニラエッセンスで、シュガーバッター共立て法で生地を作る。
油を塗った型に生地を流し入れて焼いたら、冷めない内にフォークで穴を開け、蜂蜜入りの溶かしバターを注いで生地に馴染ませ、仕上げに粉砂糖を振る。

  • フロランタン
イタリアのフィレンツェに由来する名前が採用されたフランスの伝統菓子。
空焼きしたパート・シュクレ生地の上にアパレイユを被せて焼き上げるか、ガルニチュールの片面に湯煎したクーベルチュール・チョコレートを浸して冷やし固める。
アパレイユやガルニチュールは、生クリーム・バター・砂糖・蜂蜜・水飴を沸騰させてからローストしたスライスアーモンドを混ぜて作る。
アパレイユはそのまま使えるが、ガルニチュールはオーブンで焼いてから冷ましておく必要がある。

  • テュルクシャー・ホーニッヒ/ヌガー・グラッセ
テュルクシャー・ホーニッヒは直訳すると“トルコの蜂蜜”になるが、ホワイトヌガー(nougat blanc)のことを指している。
蜂蜜入りのシロップを使用したイタリアンメレンゲに、砕いたローストナッツのキャラメリゼや香り付けの蒸留酒で戻したドライフルーツを混ぜ、型に流し入れて固めた菓子である。
泡立てた生クリーム(クレーム・シャンティ)も加えて冷凍庫で冷やし固めた場合は、フランスの冷菓ヌガー・グラッセになる。

  • ヌガー
フランスの砂糖菓子で、Nougat Blanc(ホワイトヌガー)とNougat Brun/Nougat Noir(ブラウンヌガー)に大別できる。
Nougat Blancはメレンゲに120~130度に温めた蜂蜜や砂糖と水飴のシロップを加えて更に泡立ててナッツ類(アーモンド・ピスタチオ・ヘーゼルナッツ)と混ぜてから、
Nougat Brun/Nougat Noirは砂糖と蜂蜜と水飴を煮溶かしたシロップにナッツ類を混ぜてキャラメリゼが起きるまで更に加熱してから、型に流し入れて固めると出来る。
配合率で蜂蜜については、ヌガー・オ・ミエルやヌガー・ノワール・オ・ミエルが全重量の10%以上、ヌガー・ド・モンテリマールが甘味料の25%以上(乾燥重量基準)、
ヌガー・ブラン・ド・プロヴァンスやヌガー・ノワール・ド・プロヴァンスが甘味料の30%以上(プロヴァンス・PACA・ドローム産のラベンダー蜂蜜)、と規定されている。

  • トゥロン
スペインの伝統菓子で、イタリアのトローネやフランスのヌガーと起源が共通である。
卵白を使用するヌガー・ブラン(Nougat Blanc)との差異はナッツ類の配合率で、下限の設定は、トゥロンが30%以上、ヌガー・ブランが15%以上、と定義されている。
トゥロンはオブレア(極薄ウエハース)を挟むドゥロと柔らかいブランドがあり、16世紀に登場したドゥロはナッツを粒状で、19世紀に登場したブランドはナッツを磨り潰して加える。
トゥロン・デ・アリカンテ(アーモンドのドゥロ型)、トゥロン・デ・ヒホナ(アーモンドのブランド型)、トゥロン・デ・アグラムント(ヘーゼルナッツのドゥロ型)が有名。
トゥロン・デ・フルッタ(ドライフルーツか砂糖漬け入り)やトゥロン・デ・ジェマ(卵黄入り)などのマサパン(マジパン)ベースもあり、蜂蜜が不可欠ではない物もある。

◆蜂蜜でない食品

  • ローヤルゼリー
働き蜂が花粉や蜂蜜を食べ、体内で分解・合成、再び体外へ分泌されたもの。色は乳白でクリーム状。
……こんな書き方をすると非常に汚そうだが、ミツバチ達が暮らすコロニーでは女王蜂のみ食べることが許される、まさしく「ローヤル(王室)」のための気高きゼリーである。

蜂蜜と比べると酸味が強く独特な味がする。サプリメントなどで知られるが、非常に酸化しやすく鮮度が肝要となるため、そのまま食べられることは稀。

  • メープルシロップ
蜂蜜のそっくりさん
ホットケーキにかけるなど用途の共通点も多いが、こちらはカエデ科の樹液が原料で花蜜ではなく、製法にミツバチも一切関わらない。
味についても花の香りや複雑な甘味のある蜂蜜と異なり、全体的にカラメルに近いさらりとした甘味が特徴。
糖度も蜂蜜より少なく、蜂蜜特有のえぐみや、くどい甘さが苦手な人はこちらを代用することが多い。
蜂蜜、水飴、コーンシロップと違って乳児ボツリヌス症のリスクが低いため、離乳食にも使える。

森永製菓などが製造・販売しているケーキシロップは、甘味料や水飴、カラメル色素をベースにしメープルシロップよりも甘味を強めた模造品。
風味付けのために少量のメープルシロップを配合した製品もあれば、「メープル」を冠していながら原材料にメープルシロップが一切使われていない製品もある。いずれにせよあくまで「メープル」なのでご注意を。

  • ゴールデンシロップ
蜂蜜のそっくりさんその2
ライトトリークルという別名もある。水飴よりも甘いが、蜂蜜よりも癖が無くあっさりしている。
主な用途は蜂蜜とほぼ同じで、イギリスのジンジャーブレッドは蜂蜜の使用が主流だったが、現在はゴールデンシロップとブラックトリークルに取って代わられている。
材料は白砂糖精製時の副産物となる廃糖蜜(モラセス)だが、廃糖蜜を一回だけ煮沸させたライトモラセスの再加工品で、酸による化学処理を施して濾過すると出来上がる。
ちなみにブラックトリークルは、廃糖蜜の熟成品を三たび煮沸させたブラックストラップモラセスのことで、見た目は黒蜜に近くて粘度も高いが、非常に癖が強いので人を選ぶ。
ゴールデンシロップは自家製も不可能ではなく、砂糖と水を煮詰めてカラメル化の原理で着色し、レモンに含まれているクエン酸で加水分解するレシピがネット上で公開されている。


【蜂蜜と関係の深い作品・キャラクター】

「蜂蜜が好きなキャラ」と聞いてほとんどの人が一番に思い浮かべるのはプーさんではないだろうか。
映画『プーさんとはちみつ』で、蜂の巣へ飛び込むやいなや中の蜂蜜を口いっぱいに頬張るプーの表情は多幸感に溢れた印象深いシーンでもある。
「ミツバチがこの世に存在するのも、彼らが蜜を作るのも、全て自分が食べるため」だとさえ考えている。

家には蜂蜜を入れたツボが沢山あるが、貯蔵するわけでもなくすぐに食べてしまうため、気がつけば空っぽになっていることが多い。

ちなみに劇中では蜂蜜は『hunny』と表記されており、関連商品などもそれに倣っている。

栄養満点であることから、彼らのホームラン競争ゲームでもドーピング選手育成の上で重要なアイテムとして登場する。

ポケットモンスター』シリーズに登場するはちのこポケモン。
ミツバチをモチーフとしたポケモンであり、女王であるビークインのためにせっせと花の蜜を集めている働きバチに相当する存在。
野生のミツハニーを捕まえてみると、アイテム「あまいミツ」を所持していることが多い。
初登場の第4世代ではこのアイテムを使わないと捕まえられないポケモンがいたり、その場でエンカウントを発生させたりするなど、ポケモンの遭遇機会を増やす効果を持っていた。
第8世代以降は普通のポケモンもシンボルエンカウントする制度に移行し、換金アイテムに落ち着いている。

モンスターハンターシリーズに登場する、牙獣種モンスターの一体、別名「青熊獣」。
ハチミツが大好物。これは設定上だけの話ではなく、アイテムの「ハチミツ」を持っている状態で疲労状態のアオアシラの拘束攻撃を受けると、アオアシラに所持しているハチミツを奪われてしまう。しかも、ハチミツを手に入れたアオアシラはハンターを放り出してその場でムシャムシャとハチミツを食べ始めるという特殊な生態まで持っている。

過去に一度だけ、モンハンの公式グッズとしてハチミツが販売されたことがあったが、パッケージにアオアシラが描かれ、「アオアシラ、まっしぐら」というキャチコピーが付けられた。

鬼滅の刃』より、鬼殺隊恋柱
「柱稽古編」で養蜂を嗜んでいたことが判明、稽古に参加して頑張った一般隊士にご褒美として蜂蜜たっぷりのホットケーキを振舞ってくれる。

喧嘩商売/喧嘩稼業』に登場する、梶原柳剛流を修めた武術家。
(かばね)」と呼ばれる毒を扱うのだが、その中の一種に蜂蜜を与えた1歳未満の幼児の糞便から採取したボツリヌス菌がある。
大昔から何世代にも渡って作られ続けたボツリヌス菌を用いた屍であるが、現代と異なり蜂蜜が薬のように扱われていた過去の時代において、幼児に蜂蜜を与えるのは容易であったとか。
特に作中使用されたものは大当たりという極めて毒性の高い代物であり、僅か0.5kgで全人類を滅ぼすことができるほど。

アニメ版にて「はちみードリンク」がトウカイテイオーの好物として登場。
さらに「はちみーのうた」なるテーマソングまである。
アプリ版では他のウマ娘たちもこれを飲んでいる様子が描写されており、ポピュラーな存在のようだ。
現実世界でもファミリーマートとのコラボにてこれをイメージした飲料が発売されたこともある。

帝の妃の一人・里樹は赤子の頃に蜂蜜を与えられ、危うく死にかけた経験があり……。

三国志の群雄の一人。
皇帝を名乗ったが劣勢を挽回できず、滅亡した。
彼は死の間際、蜂蜜入りの飲み物を所望したが、すでにその蜂蜜すら手に入らない状況であったため、「この袁術ともあろうものが、ここまで落ちぶれたか!」と断末魔の叫びを残して死んだという。
このエピソードから、袁術のアイコンとして蜂蜜が描かれる作品もある。

  • ラバン・シュリュズベリィ教授
数々あるクトゥルフ神話の内、オーガスト・ダーレスが構築した「永劫の探究」シリーズの中核人物。複数の超常効力がある「黄金の蜂蜜酒」を重要アイテムとして持ち歩き、有望な若者を飲ませて巻き込んだ。
シュリュズベリィ教授はその後のクトゥルフ神話オマージュ作品でも混沌勢力に対抗する人間の導き手として扱われ、それ故に蜂蜜酒も彼の象徴的アイテムとして認知されている。

  • ハチミツ(スピッツのアルバム)
1995年9月20日にリリースされた、ロックバンド・スピッツの通算6枚目のアルバム及び同アルバムに収録されている楽曲。
表題曲の『ハチミツ』をはじめ、ブレイクのきっかけとなった大ヒット曲『ロビンソン』、その直後の七夕にリリースされたスマッシュヒット曲『涙がキラリ☆』、ファン人気が絶大で後にシングルカットもされた『愛のことば』等計11曲が収録。
『ハチミツ』のPVは架空の蜂蜜商品のコマーシャルをイメージした出来となっている。
どことなくレトロな雰囲気や楽しそうに遊んだり蜂蜜をかけたお菓子を頬張るメンバーが微笑ましい。
PVにも出ている女性はジャケットの目が隠れてギターを持っている人物と同じ人。
約170万枚の売上を誇り、同バンドのオリジナルアルバムの中では最大ヒットとなった。

尚、羽海野チカによる漫画『ハチミツとクローバー』のタイトルの元ネタは同アルバムとスガシカオのアルバム『Clover』に由来しているのは有名な話。

蜂蜜(蜂の巣) だ!!ひゃはははは!!』


【蜂蜜がアイテムとして登場するゲーム】

上記の「プニキ」の他、栄養満点で薬にもなる蜂蜜にちなんで、ステータス回復やパワーアップなどといった効果を持つアイテムに採用する作品も多い。

『スーパーマリオRPG』では「ハニーシロップ」というアイテムとして登場。使うとFP(フラワーポイント)を10回復する。
なお、上位互換アイテムに「メイプルシロップ」(FP40回復)がある。スタッフは蜂蜜よりメープル派らしい。
さらなる上位互換に「ロイヤルシロップ」(FP全回復)もあるが、これはローヤルゼリー的なものだろうか?

スクウェアつながりで『聖剣伝説シリーズ』でも最高級の回復アイテム「ロイヤルゼリー」「はちみつドリンク」として登場。
その効果はなんとHP全回復。4だとHPだけでなくMPも全回復するようになっている。
ちなみに下位アイテムはまんまるドロップ→ぱっくんチョコとなんだか可愛らしい。シリアスな世界観の割りにゆるい感じで印象に残るアイテムと言えるだろうか。

バンジョーとカズーイの大冒険』シリーズでは「はちみつエネルギー」として登場。
主人公・バンジョーの大好物で、取ると体力を1回復する。
敵を倒すかステージ内にある「みつばちの巣箱」を壊すことで手に入る。後半ステージの巣箱にはみつばちが住んでいるものもあり、壊すとみつばちが襲いかかってくる。

モンスターハンター』シリーズでは初代から登場し続けているアイテム。
回復薬グレートを始めとした需要の高いアイテムの調合に多用される為、駆け出しからベテランに至るまで貯蓄を心掛けている人は多い。
あまりに多用される為に、自力で物を集めるというモンハンの楽しさの一つを放棄しているような不届きな怠け者が持っていそうな人に「はちみつください」とタカり行為を働く事も過去にはしばしば見られていた。
後に上位相互としてロイヤルハニーも登場し、一部防具にはハチミツ集めに最適な“ハニーハンター”というスキルが付加されるようになった。
しかしなぜかは不明だが主人公であるハンターはハチミツをハチミツのまま食べることはできない*3
派生作品である『ぽかぽかアイルー村』では蜂蜜を好んで食べる村の住人がいる。
なお、上記のアオアシラの掴み攻撃を喰らうと持っているハチミツを奪われてしまうが、疲労時にこれをやるとアオアシラはその場でハチミツを食べ始めて「お前はプーさんか」隙だらけになるため、
その間好きなだけ攻撃できる上に、そこでダウンさせるとハチミツを落とす

『The Elder Scroll』シリーズでもナンバリングタイトル5作目『スカイリム』から食料アイテムとしてハチミツが登場。
更には蜜がたっぷり詰まった巣蜜や蜂の巣の抜け殻、果てや蜂そのものも錬金術という薬品クラフトの為の材料として余す所なく活用できる。
蜂からすれば涙目なんてもんじゃないが。
プレイヤーが所有出来る家の中には外に養蜂場を設置出来るものもあり、定期的に供給してくれるので森の中を駆け回ったり宿屋や食料品店を巡って歩く手間がちょっぴり減るかも。
上述のハチミツ酒も食料アイテムとして存在しており、特にスカイリム地方(と、その元ネタの北欧)では
果実や穀物の生産やその発酵が難しく蜂蜜酒の方がメジャーだった為にポピュラーな飲み物の一つとして親しまれている。

ゾンビサバイバルの『7 Days to Die』にも食糧兼医療品として登場する……が、医療品としての効能は現実世界のそれとはまったく異なり、なんとゾンビウイルスに対する治療薬というトンデモ効果まあその他にも抗生物質がゾンビウイルスに有効だったりする適当な世界観なので深く考えるだけ無駄だが
蜂蜜をそのまま食するだけで軽度の感染状態を治療可能で、治療手段としては最も低ランクだがその分入手しやすく、サバイバル体制の整っていない序盤〜中盤の保険として重宝する。
食料として食べることもできるが、「食料としての効果は低い」「感染症対策として重宝する」「希少なアイテムのクラフト素材にもなる」といった理由から食べられることはまずない。

アイテムではないが、『スーパードンキーコング2』の蜂の巣ステージでは、巣一帯にまとわり付いた蜂蜜がステージ上の仕掛けとして登場する。
粘着力が強く、床の蜂蜜は足を取られ左右への移動を封じられるが、壁の蜂蜜はクライミングの要領で上へ登れるようになっている。
また、放置するとディクシーコングが蜂蜜を舐める。強敵・ジンガー一族の栄養源ならさぞかし活力が付きそうだが、特にバフ効果は得られない

テラリア』では蜂の巣バイオームの中に大量の蜂蜜が蓄えられている。
接触している間は移動速度が大幅に落ちるが、HPの自然回復速度が上昇するバフを得られる。蜂蜜から離れても30秒間持続する。
空き瓶を持っていれば「瓶詰めの蜂蜜」という回復アイテムをクラフトする事ができ、自然回復速度上昇はそのままにHPそのものも回復する事ができる。
水に触れると蜂蜜ブロックというアイテムに変化し、様々な蜂蜜系家具の素材になる。金素材の家具よりも金ピカになるので、煌びやかな家を建てたい人にはお勧めかも知れない…?


【余談】

  • はちみつの日
1985年、全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会は毎年8月3日「はちみつの日」と制定した。
8(はち)3(みつ)」の語呂合わせで、蜂蜜の健康効果を知ってもらうことを目的に作られた。ちなみに3月8日は「ミツバチの日」である。

  • ハニーディッパー
蜂蜜を容器から取る時によく使われる、先端に溝の入った棒状の道具。
容器に浸し、回すことで溝部分に蜂蜜を絡ませ、十分に絡んだら先端を下に向け回転させながら蜂蜜を入れたい容器へ持って行き、横向きにして蜂蜜を垂らす。
「……スプーンでいいんじゃね?」と一度は思いたくなるクセのある使い方だが、スプーンと違って液垂れが少ないため周囲を汚さずに蜂蜜をすくうことができる。
その実用性もさることながら見た目がオシャレなので使っている蜂蜜好きも多い。
一度にすくえる量が僅かなのと洗うのが少々面倒なのが難点か。

  • はちみつ関連のスラング
英語圏において「Honey(ハニー)」はその「甘い」というイメージと強く結び付くことから、恋人など愛する人への呼びかけに用いられている。
「甘い罠」を意味する「ハニートラップ」なんかは日本でもお馴染みの言い回し。

  • 蜂蜜中毒
ミツバチは有毒植物も蜜源にしてしまうため、喫食後に蜂蜜中毒(mad honey poisoning)を発症することもある。
過去には死亡例もあるため、野生蜂蜜(wild honey)を持ち帰ったり、素人養蜂といった出所が怪しい蜂蜜を購入するのはお勧めできない。
ツツジ科植物などに含有しているグラヤノトキシンが原因物質であることが多く、トルコ・インド・ネパール産の蜂蜜で発生件数が目立つ。
ニュージーランドでは、ドクウツギ科のtutu(Coriaria arborea)の樹液を吸う昆虫の浸出液(honeydew)に由来する蜂蜜中毒(有毒成分:ツチン)が発生している。
日本国内でも、長野県でホツツジ由来の蜂蜜中毒(有毒成分:グラヤノトキシン)、秋田県岩手県トリカブト由来の蜂蜜中毒(有毒成分:アコニチン)が起きている。
農林水産省や東京都健康安全研究センターは国内で流通している蜂蜜の含有実態調査を実施し、安全性を確認している
(ピロリジジンアルカロイド類とグラヤノトキシンは健康被害が発生しない程度の検出量、アコニチンとツチンは未検出)。
2018年には九州ブロックの地域保健総合推進事業として、トリカブト由来の蜂蜜中毒を想定した模擬訓練が実施されている。
ちなみに蜂蜜中毒を罹患するのは哺乳類全般で、トルコでは子熊が過剰摂取で酩酊状態に陥ったことがある。

  • 蟻蜜
トウヨウミツバチやセイヨウミツバチ以外に、ミツツボアリも蜜を集めることで有名である。
ミツツボアリはマルガ(アカシア・アネウラ)やアブラムシと共生していて、働き蟻が外敵から守る代わりに、マルガの花外蜜腺と虫瘤やアブラムシの浸出液から採蜜している。
クリムゾンターキーブッシュ(エレモフィラ・ラトロベイ)やシナニッケイ(カシア)なども蜜源植物にしていて、吸蜜後にグルコースオキシターゼを添加する点は蜂蜜と同じである。
アボリジニーは蟻蜜を甘味料としてだけでなく薬用にもしていたが、その事実に着目したシドニー大学のカーター研究室によれば、蟻蜜は蜂蜜と異なる抗菌活性を示したという。
黄色ブドウ球菌、アスペルギルス、クリプトコッカスに有効だった反面、黄色ブドウ球菌以外の細菌類や皮膚糸状菌に対する抗菌作用は蜂蜜よりも劣っていた。

  • モロッコの代用蜂蜜
孤独のグルメで登場したモロッコ料理店タムタム(tamtamu)の料理人によれば、モロッコでは蜂蜜が高いために擬きを作ることもあるという。
あくまでも普段使いの自家消費用だが、砂糖シロップをサフランで着色し、ローズウォーターで風味を付ける。




追記・修正は蜂蜜を食べてからお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 蜂蜜
  • はちみつ
  • ハニー
  • ミツバチ
  • 食べ物
  • ※1歳未満の乳児には絶対に与えないでください
  • 養蜂
  • 甘い
  • 糖分
  • 栄養満点
  • くまのプーさん
  • プニキ
  • 栄養豊富
  • ホットケーキ
  • パンケーキ
  • ミード
  • 巣蜜
  • 保存食
  • 神の食べ物
  • 隠し味
  • ドーピング
  • 食品
  • ハチミツ
  • クマ
  • モンスターハンター
  • アオアシラ
  • モンハン日記 ぽかぽかアイルー村
  • Honey
  • くま
  • 林檎と蜂蜜
  • ハニーシロップ
  • 甘露寺蜜璃
  • 該当日に建てられた項目
  • 甘味料
  • ミツハニー
  • 腹が減る項目
  • 8月3日
  • 万能選手
  • 栄養満点
  • 自然の恵み
  • 天然素材
  • スピッツ
最終更新:2025年03月22日 23:15

*1 生あるいは生に近い状態の卵は卵アレルギーを発症させる恐れがある。

*2 含有する水分のほとんどが糖分と結びついているため、水分を必要とするバクテリア(細菌)や真菌(カビ)、微細なムシが繁殖しにくい。塩分が高い環境でも似たような事になり、これを利用したのが塩辛である。

*3 ハチミツ自体は作中でも現実同様にそのまま食用にしているという描写はある。