タチフサグマ

登録日:2019/12/31 Tue 11:14:54
更新日:2025/04/06 Sun 17:11:17
所要時間:約 6 分で読めます





凄まじい 声量を もつ。 シャウトとともに 威嚇するさまは ブロッキングと 呼ばれている。


■データ


全国図鑑No.862
分類:ていしポケモン
英語名:Obstagoon
高さ:1.6m
重さ:46.0kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50

タイプ:あく/ノーマル

特性:すてみ(反動ダメージを受ける攻撃技を使うと威力が1.2倍になる) ※進化前は「ものひろい」
  /こんじょう(状態異常のとき、攻撃力が1.5倍になる。やけどによる攻撃力の低下を無視する) ※進化前は「くいしんぼう」
隠れ特性:まけんき(相手の技や特性で能力を下げられると攻撃力が2段階上がる) ※進化前は「はやあし」

HP:93
攻撃:90
防御:101
特攻:60
特防:81
素早さ:95
合計:520

努力値:防御+3

進化: ガラルジグザグマ(Lv.20)→ガラルマッスグマ (夜にLv.35)→タチフサグマ


■概要


ガラル地方リージョンフォームとして生息するマッスグマの進化形。
マッスグマが生存競争の激しいガラル地方の過酷な環境を生き抜くため、なんと新たに獲得した進化系である。*1
人相の悪いガラルマッスグマの面影を残しつつ、四肢が大きく発達して二足歩行となり、獣人のような逞しい姿になった。
二足歩行になったことで両手の指先には鋭い爪が生え、腕を使った攻撃もできるようになった。

非常に好戦的な性格だが、自分からは攻撃をすることは少なく、進化前と違ってあまり動かない。
主に相手を挑発して攻撃を誘い出し、その隙を狙って鋭い爪で反撃を繰り出す戦法を得意としている。
得意技はブロッキングで、両腕を交差させて相手の攻撃を防ぎ、攻撃の起点を作っていく。

■ゲームでのタチフサグマ


進化前のガラルジグザグマは2番道路に低確率で、エンジンシティを抜けた3番道路では高確率で出現する。
進化後のマッスグマはワイルドエリアのハシノマはらっぱに固定シンボルとして出現して走り回っているほか、殿堂入り後には近くにタチフサグマも固定シンボルとして1日1匹限定で出現する。
近くを通ると最初は声を上げて威嚇してくるが、トレーナーが逃げなかった場合素早く駆け寄ってきてエンカウントになる。

また、2番道路にある池をロトムじてんしゃのアクアモードで渡って陸地に上がると道のど真ん中で通せん坊をしているタチフサグマが1匹いる。レベルは50。
こちらは自ら襲ってくることはなく、右を通ろうとすると素早く道の右を塞ぎ、左を通ろうとすると素早く道の左を塞ぐが、小回りが利かないため間をすり抜ければエンカウントを回避できる。
一度エンカウントすると復活しないので、後からゆっくり捕まえたい場合や通せん坊する彼をからかいたい場合スルー推奨。
固定シンボルのタチフサグマがいた場所の先には草むらがあり、ここではジグザグマも高確率で出現する。

ガラルジグザグマとガラルマッスグマは特性も能力も原種と同じで、覚える技の違いも少ししかないため、過去作同様に「ものひろい」要員として旅パのお供にすることもできる。
レベルが低いうちは何かとお世話になる「ピッピにんぎょう」を高確率で拾ってくるほか、レベルを上げてくると今度はスプレーや回復アイテムをかなり拾ってくるようになるので、地味ながらもお世話になる機会は多い。
序盤ノーマルなので最初の進化が早く、段々相手が強くなってくる頃にもう一度進化することで終盤でも戦えるので、雑用係兼主要戦力として連れて行くのもあり。

終盤に近づいてくると「ものひろい」の需要も下がってくるが、進化させると特性は「すてみ」に変わり、威力が微妙に物足りないノーマルタイプの一致技「とっしん」を強化することができる。
適用対象の技が「とっしん」と終盤に覚える「すてみタックル」、そして使い勝手の悪い「じごくぐるま」しかないものの、シナリオ攻略中はもう片方の特性「こんじょう」を能動的に発動しにくいため、十分に有用である。

また、タチフサグマになると専用技「ブロッキング」を覚えることができる。
攻撃技のみを防ぐ代わりに触れた相手の防御を2段階下げる、防御版「キングシールド」といった感じの性能である。


ストーリーではエール団のしたっぱジグザグマ系列を手持ちに加えているほか、ジムリーダーネズがタチフサグマをパーティのエースにしている。
エンディングのスタッフロールではポケモンバンド「マキシマイザズ」のボーカルとして登場。
再び見たくなったらバウタウンへ行こう。

隠れ特性のタチフサグマはマックスレイドバトルだと不思議なバリアが割れた際にこうげきが大幅に上昇するが、かくとう4倍なのでそのパワーで殴られる前に倒せることも多いとか。

■対戦でのタチフサグマ


アローララッタ系列に次ぐあく/ノーマルの複合タイプとなる。
マッスグマと比べると種族値が合計で100伸びており、攻撃と耐久がバランス良く上昇している。
素早さは僅かに下がったが、それでも95と分類名が「ていしポケモン」にしては高水準である。
2番道路で素早く動いて通せん坊をしてくるので、イメージ的には間違っちゃいないが…
特性もすべて変わっており、「ものひろい」→「すてみ」、「くいしんぼう」→「こんじょう」、「はやあし」→「まけんき」といずれもアタッカー向きなものとなった。

かえんだまやどくどくだまを持たせて「こんじょう」を発動させ、状態異常時に攻撃力の上がる「からげんき」をタイプ一致で打つのが主な戦法となる。
更に「はたきおとす」などのあく技を覚えさせておけば一致技だけで多くの相手に等倍以上を取ることができる。
両方を半減できる相手(「岩か鋼のどちらか」と「格闘、悪、フェアリーのいずれか」の複合タイプ)への対策として「インファイト」「クロスチョップ」などのかくとう技を覚えさせておけば、タイプ相性の上で殆どの相手に対応することができる。

ノーマルタイプであることに加え、二足歩行となったおかげでサブウェポンのバリエーションも広い。
それなりに使えそうなものは「ほのおのパンチ」「かみなりパンチ」「れいとうパンチ」「ダストシュート」「アイアンテール」「タネばくだん」「シザークロス」「あなをほる」。
需要こそ低いものの、仮想敵を定めて奇襲をかけるときには重宝する。

特攻は60と低いが、特殊技も「ハイパーボイス」「くさむすび」「なみのり」「ふぶき」「れいとうビーム」「10まんボルト」「かみなり」「シャドーボール」など無駄に豊富。
ここらへんはジグザグマ系列が秘伝要員だった頃の名残もあるだろう。

変化技は得意の「ブロッキング」のほか、相手の攻撃を削いで防御に磨きをかける「つぶらなひとみ」、用済みのかえんだまやどくどくだまを押し付ける「すりかえ」、攻撃技を誘うための「ちょうはつ」、後続サポートの「すてゼリフ」、高速アタッカーの足を止める「でんじは」など有用なものが多い。
ビジュアル的には「つぶらなひとみ」というより怖い顔だが、ちゃんと「こわいかお」も覚えられる。


覚えられる技が多彩で、序盤ノーマルらしく扱いやすい能力の持ち主だが、一方で欠点もはっきりしている。
まずタイプ相性の上でかくとうタイプが4倍弱点であるというところである。
タイプ一致のマッハパンチを食らっただけで致命傷になりかねず、特にローブシンのマッハパンチは耐久に振るかダイマックスを使わない限り殆どの場合一撃死する。*2
きあいのタスキ」をもたせて「カウンター」で返り討ちにするという方法ならダイマックスも使わずに苦手な相手を倒せるが、かなりピンポイント気味な対策で無駄が多い。
特殊かくとう技を打ってくる相手には「カウンター」も全く役に立たない。

また、素早さ種族値95は決して低くないものの、自分の素早さを補う手段は「でんじは」「こわいかお」「こごえるかぜ」といったものしかなく、自分の素早さを能動的に引き上げる手段はない。
原種マッスグマと違って「しんそく」「はらだいこ」は覚えられず、進化によって「はやあし」も「まけんき」へと変わっている。
ネ申コンボをやりたい時は原種マッスグマに任せよう。

「こんじょう」発動のためにかえんだまを持たせることが多いため、長期戦には不向きであり、高火力で上から殴られると高耐久も意味をなさない。
きあいだま」や「ダイナックル」を打ってくるポケモンが相手だと「ブロッキング」すら意味をなさず、ただのサンドバッグである。
総じて、物理での殴り合いに強く、特殊やかくとうタイプで攻められると弱いポケモンである。

ダウンロードコンテンツ解禁前には最終1位のパーティに投入されて話題になった1体。

■余談


モチーフは恐らく進化前と合わせてヨーロッパアナグマ、あるいはクズリ。
それに加えてパンクロッカー、さらに通せん坊をする姿から「衝立狸」の要素も含まれていると考えられる。
ちなみにこれまでに登場した方はニホンアナグマ、つまりムジナがモチーフと思われる。
ちなみにニホンアナグマは名前の通り日本の固有種であり、ポケモンでもそれを反映してか今までのジグザグマ系列は基本的に日本モチーフの地方*3ではわらわらと出てきたが、それ以外ではカロス地方の極めて限定的なエリアにしか出現していない。

また、目元の黒い星模様やモヒカンのようなたてがみも、さながらグラムロックのバンドマンのような見た目となっている。
特に白黒のフェイスペイントのような模様はグラムロックの代表的バンド・KISSにそっくりで、デザインの元になったのではと推測されている。
情報が解禁された当初KISS公式と同バンドのメンバーの一人、ジーン・シモンズ氏も旧Twitterで好意的な反応を示していた。
なお、KISSはアメリカ発のバンドである。
この見た目通り、作中ではポケモンバンド『マキシマイザズ』のボーカル担当をしている。


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最終更新:2025年04月06日 17:11

*1 厳密に言えば本来ジグザグマ系統はガラルのすがたが原種であり、ガラル以外の種が生存競争の鈍化故に失ってしまった進化とも言える

*2 A252こんじょう発動で確1、A252てつのこぶし補正ありで確1、ちからずく型のA252いのちのたまマッハパンチで確1

*3 カントー地方、ホウエン地方、シンオウ地方